カヴェコのピストンスポーツアルをレビュー!回転吸入式のインク大容量万年筆
小ぶりな万年筆が欲しい?
スタイリッシュな感じで?
しかも、インク補充を頻繁にしなくても良い大容量タイプで?
ならば。
カヴェコ(Kaweco)のピストンアルスポーツをおすすめします。
ドイツの筆記具メーカー、
- カヴェコ
が展開するスポーツシリーズの中の1本。
短尺太軸のコンパクトな万年筆です。
特筆すべきはピストンフィラー式の万年筆であること。
- ピストン機構
でインクを吸入する仕組みです。
カートリッジやコンバータータイプの万年筆に比べてインクがたっぷり入ります。
大容量です。
インク補充のタイミングを少なくできます。
インク切れの頻度が減少し、結果として外出先でのインク切れを心配せずに快適に使えるのです。
外からインク残量が見えるインク窓が付いているため、インク切れさえ起こさずに使うことが可能。
携帯に便利な万年筆、それがピストンアルスポーツ。
本記事ではカヴェコのピストンアルスポーツの詳細をレビューします。
カヴェコのピストンフィラーアルスポーツ購入。
ネイビー×ゴールドのカラーリングがドンズバで好み。 pic.twitter.com/YT89FpRuLe— 一路@革靴・ファッションのブログ_シンジツイチロ運営者 (@ichiro_shoe) November 17, 2025
- 小さい万年筆が欲しい
- インクをたっぷり補充できる万年筆のおすすめない?
- カヴェコのピストンアルスポーツの詳細が知りたい
コンパクトな万年筆は携帯に便利
万年筆は書き心地良く、自分の好きなインクカラーを使えるのが魅力。
高級感があり、書くことを楽しくしてくれる筆記具です。
万年筆を自宅で大事に使うのも乙なものですが、システム手帳やミニノートのお供として携帯するのもおすすめ。
外出先で気分良くメモができます。
さて、携帯するにあたって、大事なポイントが、
- サイズ
です。
大きい万年筆は自宅向け。
かさばりますし重いですから、持ち運びには不適。
一方、コンパクトサイズな万年筆は小ぶりで邪魔になりません。
システム手帳やミニノートにクリップで留めておいても違和感なく、スマートに持ち歩けます。
当たり前のことですが、常日頃携帯するならコンパクトサイズの万年筆を選ぶべきです。
カヴェコのピストンアルスポーツをレビュー
コンパクトな万年筆といっても、種類は多様。
各筆記具メーカーから、様々な小ぶりな万年筆が販売されています。
筆者のおすすめしたいのはカヴェコのピストンアルスポーツです。
ドイツの筆記具メーカーがカヴェコ(kaweco)。
このたび、購入した次第。
開封からやっていきます。
洒落たパッケージです。
背面にはピストンアルスポーツのイラスト入り。
正式には、
- PISTON SPORT AL
- ピストンスポーツ アル
なのですが、「アルスポーツ」が名称としてなじみがあるので、この記事ではピストンアルスポーツと呼びます。
バーコードタグに「NAVY」と記載がある通り、ネイビーカラーの本体です。
外箱から出して缶ケースを取り出します。
ゴールドのケースデザインは非常にスタイリッシュ。
ケースを開けてみます。
シールと取り扱い説明書、そして、ピストンアルスポーツ本体がお目見え。
ピストン吸入式の万年筆なので、インクカートリッジやボールペンの替え芯の使い方の説明書はスルー。
回転吸引式の取り扱い方法はQRコードでの解説がありますから、要チェックです。
詳細は後ほど、使い方の項目で解説しますね。
といっても、図で書いてある通り、簡単。
難しいのではないか、と構える必要はまったくありませんよ。
いよいよ、ピストンアルスポーツの本体に迫ります。
高級感がすごい。
カヴェコのピストンアルスポーツはアルミニウムの軸を持つ万年筆。
マットなネイビーのボディが美しい1本です。
カヴェコのピストンアルスポーツは回転吸入機構を搭載しています。
回転吸入機構こそ、名称の「ピストン」の由来です。
ピストンフィラー機構ですからね。
そして、ピストンアルスポーツの、
- アル
とは、
- AL
を表します。
要は、アルミニウムのことです。
精工なアルミニウム製ボディを持ち、それに回転吸入機構を採用した、めずらしい万年筆。
それがピストンアルスポーツ。
レトロな雰囲気のデザインながら、スタイリッシュ。
カヴェコを象徴するモデル、
- スポーツ
シリーズに該当する万年筆です。
カヴェコのピストンアルスポーツは、カヴェコ定番の「スポーツ」のサイズ感を継承しながら、大容量で本格的な回転吸入機構を搭載した1本。
コンパクトな軸に必要な機能をギュッと収めた技術の結晶です。
アルミを削り出した万年筆ゆえに軽さと強度は申し分なし。
金属軸の利点を享受できます。
ボディはアルミ
繰り返しになりますが、ピストンアルスポーツの素材はアルミ。
キャップ側面には「Kaweco Sport」の文字が彫られています。
六角形から円に移り変わる造形の美しさよ。
素晴らしいの一言。
いわずもがな、軽量で耐久性に優れた金属がアルミです。
カヴェコのピストンアルスポーツはアルミ素材を削り出し加工して作られています。
また、表面はツヤ消しのアルマイト加工処理を施し、落ち着いた印象に。
上質な空気感漂うマットな軸は極めてスタイリッシュ。
格好良いです。
マット加工した表面は滑りにくく、筆記感向上にも寄与します。
引っ掛かりのある触り心地。
グリップ力だけでなく、書きたい気持ちを高める触感です。
スチールのペン先
ピストンアルスポーツのペン先を見てみましょう。
ネジ式のキャップを取り外すと、金色のペン先が登場。
キャップだけでも高級感があります。
キャップポストすると、こんな感じ。
手に持った様子はまた後で紹介するとして…。
まずはペン先に注目します。
ペン先はスチール製のニブ。
ゴールド。
金ピカのペン先ですが、上品で良い感じのデザインバランスです。
洒落たペン先は実用面も抜かりなく。
しっかりとした書き心地を提供します。
字幅はF。
細字です。
筆者はシステム手帳のお供として使いたかったのでF字を選択。
細かい字を書きたい想いがあり、比較的細めの字幅にしました。
より細いEFや太字のMやBの展開もあります。
Bよりさらに太いBBまで。
計5種の展開で、自分の好みの筆記感を選択できますよ。
KAWECOのブランドロゴは前後に入り、細かな箇所にも気の配られたペン先だと分かります。
クリップ付き
カヴェコといえば、クリップは別売で後付けが主流ですが、ピストンアルスポーツでは標準搭載。
ゴールドクリップ付き。
ネイビーのマット加工に金メッキのクリップが映えます。
非常に上品、かつオシャレ。
ネイビー×ゴールドの組み合わせは間違いなし。
エレガントな雰囲気を放っています。
インクの残量が分かる窓
軸部分には窓付き。
インクの残量を確認できます。
樹脂製の窓です。
インクが入っていなければ当然、向こう側の景色が見えます。
インクが入っていれば、そのインクで満たされているのが分かるというわけ。
赤や黄色のインクならカラーアクセントに。
遊び心を表現できる窓です。
インク残量が確認できる実用面とオシャレさを両立した仕様。
カヴェコの回転吸収式万年筆の歴史を振り返ると、1937年に初めて回転吸入式を搭載した筆記具を発売。
軸にはインク窓があり、インクの残量を常に確認可能だったのです。
それを踏襲したのがピストンアルスポーツ。
ブランドの歴史を感じつつ、窓から見えるインクを楽しめます。
回転吸入式
肝心のインク吸入はどうするのかというと…。
短いペン軸では困難なインク吸入方式を採用したのがピストンアルスポーツ。
スムーズに回転する吸引機構を採用しています。
軸の尾冠、ここを外せば回転部が出てきます。
クルクルと回せば…
インク吸引用の回転つまみがお目見え。
尾冠の中に隠されており、ココを回す仕組みです。
つまみの頭には「KAWECO」のブランドロゴ入りです。
回転つまみを回すと、内部のピストン機構が上下。
インクを吸い込むのです。
一般的に万年筆といえば、インクカートリッジでの充填。
一方で、ピストンアルスポーツの回転吸入式は万年筆の歴史の中で長い期間、使い続けられてきた手法です。
ペン先をインク容器の中に浸し、軸後部の回転つまみを回せば、スムーズにインクが入っていきます。
コンパクトな軸で吸引式を実現するのは非常に難しいことなのですが、カヴェコはそれをやってのけました。
実際にインクを吸入する方法は、後ほど実践で解説しますね。
回転吸入式万年筆の取り扱い上の注意
回転吸入式の万年筆はインクをたっぷり充填できるのが便利な点ですが、それゆえに取り扱い時に注意点があります。
それは航空機への持ち込み。
航空機では気圧が低くなるため、気体が膨張します。
具体的にいえば、空気が膨張するのです。
回転吸引式の万年筆はインクを溜めておくタンクが大容量。
結果として、インクタンク中の空気の量が増え、空気膨張の影響が大きく現れます。
膨張した空気がインクを押し出し、インク漏れの原因になるのです。
飛行機への持ち込み時は、
- インクを抜き取って空にする
もしくは、
- 吸引機内部に空気が残らないようにインクをフル充填する
上記いずれかの対応をしましょう。
カヴェコのピストンシステムは、通常のコンバーター方式やカートリッジ方式よりもインク容量が大きい分、空気が入りやすいです。
そのため、気圧変動の影響を受けやすく、航空機への持ち込み時は要注意になります。
| 項目 | 仕様 |
| ブランド | カヴェコ(Kaweco) |
| サイズ | 長さ:10.5cm(筆記時:13cm) 直径:1.3cm |
| 重量 | 22g |
| 素材 | 軸:アルミ ペン先:スチール |
| 線幅 | EF F M B BB |
| 機構 | ピストンフィラー(回転吸入式) |
| インク容量 | 1ml |
| 参考価格 | 25,300円 |
カヴェコピストンアルスポーツにインクを入れる方法
この項目では、ピストンアルスポーツにインクを投入する方法を解説します。
回転吸入タイプの万年筆は、インクカートリッジやコンバーター方式とは使用方法が変わりますから、キッチリ紹介しますね。
事前説明|仕組み解説
まずは、ピストン機構の仕組みを解説。
ピストンアルスポーツの尾冠を外して、操作準備完了です。
ピストン機構の使い方はウェブ上に上がっているため、参照することに。
まずは尾冠を外して、回転つまみを反時計回りに回します。
出典:PRECO ONLINE STOREそれにより、ピストンが押し下がる仕組み。
次に、ペン先をインクに付けて回転つまみを時計回りに回します。
出典:PRECO ONLINE STOREそうすると、ピストンが上がり、インクを吸引。
インク窓からインクが入っているかを確認して、不十分な場合は再度回転つまみを操作してインクを再充填。
出典:PRECO ONLINE STOREインクを充填しきったら、回転つまみを反時計方向へ回しピストンを下げ、あえてインクを4滴、垂らします。
出典:PRECO ONLINE STOREそして、4滴垂らした分、つまみが反時計側に回っていますから、それを戻します。
つまり、つまみを時計回りに回し直して終了です。
出典:PRECO ONLINE STORE実際にやってみると分かるのですが、ピストンの下げ終わりと、上げ終わりの感覚が掴みやすく、作業性良好。
誰でも簡単にインク吸入式万年筆を楽しめます。
いざ実践!インク吸引
ということで、インクの吸入を実際にやっていきますね。
当然のことながらインク窓内にはインクはなし。
インクは色彩雫の「月夜」を投入することに。
ネイビーの軸に、ブルーブラックのインクカラーがマッチするのではないか、との期待から。
では、つまみを反時計に回し、ピストンを押し下げてインク吸入の準備を。
そして、ペン先をインクへドボン。
回転つまみを時計回りに回してピストンを上げ、インクを吸入。
インク窓がインクで満たされているのが分かります。
ペン先を上にしてインクがきっちり充填されているかを確認しましょう。
まだ空気が入っているようなら、もう1度充填作業をやり直してインクを再投入。
ペン先がインクに浸かっていないと空気を吸い込んでしまいますから、ペン先が確実にインクに浸っているかを確認して作業を進めましょう。
これでインク充填はOK。
先ほど確認した説明書きの通り、つまみを反時計回りに回して、インクを4滴垂らします。
最後に、もう1度つまみを持って、止まるまで時計回りに回してインク充填は完了。
尾冠をセットし直せば、万年筆としてのセットアップは終了です。
ブルーブラックのインクで満たされたインク窓。
インク窓を見ていると、
という気持ちが湧いてきます。
ピストン機構の特徴を解説
インクを入れ終わったところで、ピストンアルスポーツのピストン機構の特徴について触れておきましょう。
回転吸引機構はカヴェコスポーツ専用で金型を作製。
作動にこだわり抜いた作りに仕上がっています。
スムーズな動きと、正確で迅速なインク吸引を達成。
実際に使ってみると、操作感とインクの吸い上げが非常にスムースだと感じます。
尾冠を取り外し、出てきたつまみを回して操作する行為は新鮮。
一般的な吸入式万年筆の場合、尾冠そのものを回転させてピストンを上下させる構造がほとんど。
しかし、ピストンアルスポーツは違います。
キャップを外し、ピストン機構を操作可能なつまみが顔を出す仕様。
尾冠ではなく回転つまみを回す利点として、つまみを回転させてもつまみ自体の高さが一定になること。
そのおかげで、通常の吸入式の万年筆よりもピストン操作の感覚が軽く、指に伝わる動きが明瞭に。
ピストンの、
- 下げ終わりの感覚
がつまみを通してしっかりと指に伝わってくるのです。
インクを吸入している感覚と、そのはじめと終わりが分かりやすくなっている、ということ。
尾冠を取り外す手間こそかかりますが、それ以上に吸入操作がしやすい点がGOOD。
ピストンアルスポーツを実際に使ったからこそ分かる、感動ポイントです。
カヴェコピストンアルスポーツで書いてみた
インクを入れたのなら、やはり書いてみなければ。
早速、書いてみます。
手に持つと、コンパクトさをあらためて実感。
カヴェコスポーツの特徴である、
- 短尺太軸
のボディ設計が光ります。
携帯性を高めるコンパクトサイズ。
しかし、筆記図はキャップポストで長伸化。
良好な重心バランスを確保して書く際の安定感を高めてくれます。
実際に書いた様子はこちら。
カヴェコのピストンアルスポーツで実際に書いてみました。
F字で。サリサリな感じ。
かすれはまったく無し。
ストレスを一切感じない書き心地が◎。
吸入式なのでインク切れの頻度が低くて安心。
ちなみにインクは色彩雫の月夜です。#kaweco pic.twitter.com/OQyMmdYn6W— 一路@革靴・ファッションのブログ_シンジツイチロ運営者 (@ichiro_shoe) November 17, 2025
アルミニウム軸は最適な重量感があり、非常に良好な筆記感を得られます。
さすがに、真鍮製のブラススポーツよりは軽いですけどね。
ボールペンタイプのブラススポーツはアルスポーツの2倍以上の重さ。
しかし、サイズは同じ。
ブラスに比べ、マット加工が施されたアルミは高級感があり、万年筆の雰囲気とマッチしています。
軽い筆記感と合わせて、総じて、軽やかな筆記具。
それがカヴェコのピストンアルスポーツです。
M5システム手帳にマッチするサイズのピストンアルスポーツ
ピストンアルスポーツの携帯性の高さは、ミニサイズのシステム手帳に合わせてこそ特長が輝きます。
ロロマクラシックのM5サイズに合わせてみることに。
ブルーのロロマクラシックにネイビーのピストンアルスポーツ。
同系色でなじみが良く、それぞれの存在感が上手く調和しています。
軸本体をペンホルダーに入れても格好良いですが、クリップを引っ掛けても良し。
ピストンアルスポーツの軸が持つマットで美しい面が完全に露わになり、その質感を存分に堪能できます。
控えめに配されたゴールドの部品が丁度良いアクセントで上品さを演出。
別途、ペンホルダーリフィルに収納しても様になります。
ピストンアルスポーツは、システム手帳をさりげなく洒落た雰囲気にしてくれますよ。
コンパクトなペンサイズはM5手帳でも余裕をもって収まり、スッキリした印象です。
携帯するのに邪魔にならず、いつでもどこでもサッと筆記できる便利さを味わえます。
ボールペンとはまた違う書き味の万年筆を、外出先で手軽に使えるのは何よりの魅力。
インク補充もたまにで良いですし、インク切れの心配もほぼありません。
カヴェコのピストンアルスポーツは万年筆の可能性を広げてくれる1本です。
持ち歩きに便利なカヴェコのピストンアルスポーツ
本記事ではカヴェコのピストンアルスポーツの詳細をレビューしました。
カヴェコのスポーツシリーズは太軸短尺のコンパクトな筆記具。
可愛らしいフォルムと携帯しやすいミニサイズなのが魅力。
その中で、ピストンアルスポーツはピストンフィラー機構でインクを吸入する仕組みを持つカヴェコスポーツシリーズの1本。
インクをたっぷり充填できるため、インクを補充する頻度を抑制。
インク窓で液残量が見えるため、インク切れを心配せずに日々愛用できます。
M5サイズのシステム手帳よりも短く、はみでることなくペンホルダーに収納して持ち歩けます。
スマートに携帯できるのです。
本体軸の上品で高級感ある見た目は持つ喜びを高め、所有欲を満たしてくれますよ。
携帯に便利なコンパクトな万年筆を探しているのなら、カヴェコのピストンアルスポーツをチェックしてみてください。
それでは、今回はこの辺で。
少しでも参考になれば幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました!

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