時間のズレが少ないクオーツ時計。
その動力源は電気です。
そして、その電気を供給するのが電池。
電池にたくわえられる電気量は有限。
使っていくうちに電池切れとなってしまいます。
グランドセイコーの時計もその例にもれず。
本記事ではグランドセイコーのクオーツ時計を例にクオーツ時計の電池交換方法について紹介します。
消耗した電池は新しいものに交換して快適に時を刻みましょう。
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クオーツ時計は電池で動く
この記事で電池交換するのはこちらのグランドセイコーの時計。
型番はSBGV005です。
この時計はクオーツ時計。
クオーツ時計とは電池で動作する時計のこと。
電圧を加えると安定的な振動を生じる水晶(クオーツ)の特性を利用しているのがクオーツ時計。
それゆえに、高い時間精度を誇ります。
クオーツ時計の精度は機械式時計よりも高く、正確な時を刻むことができる仕組みなのです。
機械式の精度は、
- 日差(1日当たりの誤差)
で表現されます。
それに対して、クオーツ時計の精度は、
- 月差(1月当たりの誤差)
- 年差(1年あたりの誤差)
で表されるのが一般的。
機械式とクオーツ式の精度差は明らかです。
クオーツ時計の高い精度は電圧、つまりは電池あってのものなのですが…。
ご存知の通り、電池は徐々に消耗。
やがては完全に、
- 電池切れ
という状態となってしまいます。
電池が切れた状態だと、当然時計が動かなくなりますよね?
そして、先ほどお見せしたグランドセイコーの時計。
どうやらそろそろ電池交換の時期らしいのです。
というのも、クオーツ時計は電池の消耗が激しくなってくると、数秒間に一度しか秒針が動かなくなってくるモデルが多いです。
グランドセイコーのクオーツ時計も同様。
きっかり2秒に1回しか秒針が動かなくなってしまったため、そろそろ電池を新しいものに交換しなければ…。
と思うことなかれ。
それでは時計が壊れてしまうかもしれません。
クオーツ時計の電池交換の必要性
- 時計が動かなくなってしまうから電池を交換する
当たり前のことですが、それ以外にも電池を交換しなければならない理由があるのです。
その理由とは、
- 電池の液漏れを防ぐ
ため。
電池というものは物質の酸化還元、いわゆる化学反応によって電気を発生させています。
やがて電池内の物質が劣化・消耗して化学反応が起こらなくなってくると、化学反応によって起こる電子の移動も起こらなくなっしまうのです。
それにより電気が取り出せなくなり、電池切れという状態になります。
ただ、電池切れとはいっても、それはその装置を起動するために必要な電気量を取り出せなくなったというだけ。
化学反応がまったく発生しなくなるわけではありません。
電池切れの状態となった後でも、電池内では少しずつ化学反応が進行していっているのです。
そして、その化学反応では副産物としてガスが発生します。
ガスが徐々に電池内にたまっていき、電池の内圧が段々と上昇していくのです。
ただし、電池には安全機構として、電池内の圧力を調整する機能が備え付けられています。
電池の内圧が一定以上になった際には、この圧力調節機構が働くことによって、電池内部に溜まったガスを排出できる機能が付いているのですね。
そこの機構によって電池内圧を低下させるのですが…。
その際、ガスと一緒に電池内に含まれている電解液も排出されます。
電解液というのは電池を作動させるための液状の化学物質であり、金属を腐食させる効果があります。
電解液が電池から漏れ出し、周囲の端子などの金属部分に触れてしまうと、サビの原因となったり部品が溶けるということが起きるのです。
上記を防ぐためには、電池がなくなったらそのままにせず、すぐに電池を交換するということが必要になります。
電池が無くなったらすぐに新品に交換することは、
- 快適に使えるだけでなく故障の原因も取り除ける
ということなのです。
グランドセイコー(GS)とは
ここで一度、今回電池を交換する時計のブランド、
- グランドセイコー
について紹介しておきます。
1960年、スイス製が高級腕時計の代名詞とされていた当時、それまで培ってきた時計技術の粋を結集して「世界に挑戦する国産最高級の腕時計をつくる」という志のもと、グランドセイコーは誕生しました。 「クラウン」をベースにさらなる高精度化が図られた「初代グランドセイコー」は、国産では初めてスイス・クロノメーター検査基準優秀級規格に準拠したモデルとして発売されました。
※グランドセイコー公式ホームページより
日本の時計メーカーである、
- セイコー
が誇るブランドの1つがグランドセイコー。
ブランドのコンセプトは、
という、日本男児の心をくすぐる質実剛健な時計です。
ブランド紹介文中の「クラウン」というのはセイコーの時計の種類の1つで、グランドセイコーはその高級ラインという位置づけでデビューを果たしたという経緯があります。
高級ラインというだけあってサポート体制も充実。
グランドセイコーを含む、セイコープレミアムウオッチ専用のサービスステーションを設けているため、メンテナンス技術やパーツ管理体制の充実など、幅広いサービスを利用可能です。
そんなアフターサービスも充実したグランドセイコー。
当然のように電池交換にも対応してくれます。
液漏れを防いで時計を長く使うためにも、電池交換は実施しなければなりません。
グランドセイコーのクオーツ時計の電池交換
電池交換の必要性について述べたところで、実際に時計の電池交換をしてみます。
冒頭でもお見せしたグランドセイコーのSBGV005、こちらの電池交換を実施。
電池交換をするとはいっても、自分ではやりません。
大事な時計です。
壊したくないですからね。
街の時計屋さんでお願いするのも良いですが、先ほど述べたようにアフターサービスが充実しているグランドセイコー。
インターネットで家に居ながら時計の電池交換を依頼できます。
家から1歩も出ずに電池交換ができます。
順を追いながら、実際の流れを紹介していきますね。
おおまかに以下の流れです。
- 申込フォームに必要事項を入力
- 時計の引き取り方法を選択
- 発送
- 検品・見積もり
- 電池交換
- 時計の返送
電池交換手順を実施する前に、時計を購入した際に時計の保証書を用意しておきましょう。
保証書が手元にあると、これからの流れがスムーズです。
申込フォームの入力
まずはグランドセイコーのウェブページ上、電池交換依頼申し込みページにアクセスして、申込フォームを開きます。
続いて、お持ちの時計の品番を入力します。
時計の品番を選択した後は、修理種別を選択する画面が表示されますので、目的のものを選択します。
今回は電池交換なので、上の画面の下から2番目を選びます。
保証書がある場合は、保証書に記載の購入日を入力します。
ただ、電池交換の場合は保証の対象外となるため、保証書の有無にかかわらず有償になります。
電池交換の場合はどちらにしろ有償なので、保証書の有無はあまり関係ありません。
次は、氏名や住所などの必要事項入力です。
時計の発送キットや電池交換後の郵送の際に必要な情報ですから、間違いのないようにしましょう。
そうすると概算の見積もりが出てきます。
今回の場合は電池交換費用(パッキン交換含む)が5,500円(税込み)、送料が1,870円(税込み)です。
郵送で時計を送ることになりますが、郵送の仕方によって少し料金が上下します。
少し詳しく見ていきましょう。
発送方法を選択する
送料は、時計の返送時に電池交換代と合わせて支払うことになるのですが、グランドセイコーでは3種の引き取りサービスの中から希望の方法を選択することができるようになっています。
その方法とは以下の3つです。
サービス名 | 送料(税込み) | 詳細 |
発送キット郵送サービス | 1,870円 | 発送キットを送ってくれる。同封の伝票で郵送する。 |
お引き取り便 | 2,200円 | 業者の方が梱包材を持参して時計を引き取りに来てくれる。 |
自分で梱包・発送 | 1,100円 | 自分で時計を梱包して発送する。 |
今回僕は発送キットを送ってもらって、そのキットを使って時計を郵送するという手法を選択しました。
お引き取り便は1番高額。
ですが、業者の方が時計を引き取りに来て梱包までしてくれます。
家から1歩も出ることなく電池交換をすることが可能。
におすすめです。
この費用でよければ申し込みを確定します。
これにて申し込みは終了。
ちゃんと申し込みが行えていれば、申込みフォームで入力したメールアドレスに受付完了のメールが届きます。
その後はというと、自分で梱包・発送する方は郵便局等で発送手続きを進めます。
一方、
- 業者に引き取りに来てもらう人
- 発送キットを使用する方法を選択した人
は、業者引き取り、または発送キットの到着を待ちます。
筆者の場合は発送キットの到着を待つことにしました。
梱包・発送
後日…。
発送キットが入った封筒が届きました。
僕の場合は申し込みから5日後に届きましたが、土日の休日を挟んでいたので営業日でいうと3日で届いたということになります。
早いです。
封筒を開けると…
梱包用の箱、郵送伝票、説明書が入っています。
説明書には郵送の仕方が簡潔・丁寧に記載されていて非常にわかりやすいです。
説明書記載の通り、以下の手順で梱包します。
- 箱を組み立て
- 台紙を時計に添える
- 箱にスポンジを入れ、その上に時計を置く
- もう一つのスポンジを被せる
- 箱のふたを閉め、輪ゴムで固定する
- 発送用の袋に入れ、伝票を張り、発送
手順通り、まずは箱を組み立てます。
送られてきた真空パックを開けて、梱包用の道具を取り出します。
その中に入っている箱を組み立てて、下にスポンジを敷きます。
輸送中に時計が傷つかないようにする配慮ですね。
続いて、付属の台紙に時計を添えます。
そして、またまた付属の袋に時計を入れて包み、スポンジの上に置きます。
このとき、ガラス面を横向きにしておきましょう。
ガラス面を上にしてしまうとバンドに圧力が掛かって破損の原因になるかもしれませんからね。
時計を置いたら、スポンジを被せて箱のふたを閉め、輪ゴムを留めます。
このような梱包なら、スポンジと輪ゴムでしっかりと固定されているので輸送の際にも安心ですね。
箱を袋に入れて伝票を張ったら梱包終了です。
後は郵便局などで発送するだけ。
電池交換が終了するのを待ちます。
検品・見積もり・電池交換
発送した後は、セイコーのサービスセンターが検品から自宅への時計の返送までしてくれます。
電池交換時に実施する工程は以下の24項目(!)です。
- システム入力・問診表作成
- 外観検査
- 操作性検査
- 電気特性検査
- 残留磁気検査
- 防水機能検査
- 裏蓋開放
- 内観検査
- 超音波洗浄・水洗い
- 乾燥
- 電池交換
- 裏蓋パッキン交換
- りゅうずパッキン交換
- 電気特性検査
- 裏蓋仮締め
- 外観・機能・操作性検査
- 裏蓋本締め
- 防水機能検査
- 水中加圧検査
- ガラス曇り確認
- 乾燥
- 発送前最終チェック
- 作業報告書の作成
- 修理データシステム登録
電池交換でこれだけの検査項目があるとは驚きです。
流石のグランドセイコー、品質管理の徹底ぶりには頭が下がります。
グランドセイコーの時計を選んで良かったと実感。
また、電池交換申込みフォームで入力したメールアドレスに逐一以下の状況についての連絡が来ます。
- 時計預かりの連絡
- 電池交換作業開始の連絡
- 電池交換作業終了の連絡
- 時計発送の連絡
電池交換は基本的に料金一律。
ですが、実際の時計の状態を確認したのち、申込時の概算見積もりを上回る金額がかかる場合は、その確認の連絡が①と②の間に入ってきます。
その時々の状況の連絡が細かく来るのでとっても親切ですね。
返送
時計の発送から約10日、手元に時計が戻ってきました。
修理費用の支払いは受け取りの際に実施。
代金引き換えで、現金・デビットカード・クレジットカードが使用可能です。
一部地域では現金のみの取り扱いの場合もありますのであしからず。
袋の中身はこのように。
時計が入った箱と封筒が出てきました。
封筒の中には修理内容の明細書と時計のメンテナンスハンドブックが入っています。
メンテナンスハンドブックには時計の仕組みや使用時の注意事項、日々のお手入れ方法などが記載。
セイコーサポートサービスで電池交換すると付いてきます。
嬉しい特典です。
箱を開けると…
出ました。
愛しのマイウォッチ。
2秒に1回しか動かなくなっていた秒針が、きちんと1秒に1回、時を刻むようになりました。
電池交換時にはケースやバンドの洗浄もしてくれるので本体もピカピカです。
電池交換に出す前よりも格段に輝いています。
電池交換で気分を新たに、時計と過ごす日々を楽しめますよ。
グランドセイコーの電池交換にかかった日数は15日
本記事ではグランドセイコーのクオーツ式時計の電池交換をウェブ経由で依頼する方法を書きました。
- 時計の電池が切れそう
- 電池が切れてしまって完全に動かない
そういった場合、そのままにしてしまうのは時計の故障を招く可能性があります。
きっちりと電池交換をして、時計と長く付き合っていきましょう。
電池交換を待っている間は、グランドセイコーとはまた雰囲気の違う時計を使ってみると気分転換にもなるのでおすすめです。
最後に、今回の電池交換にかかった日数をまとめます。
工程 | 前行程からの経過日数 |
申し込みフォーム入力 | 0日 |
発想キット到着・発送 | 5日 |
修理開始 | 5日 |
発送完了 | 3日 |
到着 | 2日 |
全行程 | 15日 |
電池交換の申込みから電池交換完了後の時計が僕の手元に戻ってくるまでに掛かった日数は15日でした。
住まいによって日数は多少前後します。
おおよその目安として参考にしてください。
それでは、今回はこの辺で。
ご覧いただき、ありがとうございました!
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