世界中に数多ある革靴ブランド。
大元をたどれば、古代ヨーロッパのギリシャ人が履いていたサンダルやゲルマン民族が着用したブーツが革靴のルーツです。
当時は、足を地面から守るための道具でした。
現代の、いわゆる「革靴」のイメージの靴が出来上がったのが中世ヨーロッパです。
ときは15世紀。
- ラスト
と呼ばれる木型を使った製作手法が誕生。
効率的な量産が可能となったことが革靴隆盛のきっかけです。
その中心になったのがイギリス。
17世紀のピューリタン革命を機に、イギリスの、
- ノーザンプトン
という地域で革靴製造が勃興しました。
そこから貴族を中心にオシャレなスタイリングに華を添える存在として、確固たる地位を築いたのがイギリスの革靴です。
だからこそ、イギリスには革靴のブランドが非常に多く、そのいずれもが本格革靴として世界中から素晴らしい評価を受けています。
それがイギリスです。
本記事ではイギリスのおすすめ革靴ブランドをまとめました。
- 本格革靴が欲しい
- 革靴を買いたいけれど失敗したくない
- イギリスのおすすめ革靴ブランドを知りたい
革靴の本場はイギリス
革靴はビジネスシーンで欠かせない存在です。
観光総裁は言わずもがな。
フォーマルの代名詞。
それが革靴。
カジュアルシーンでも存在感抜群で、カジュアルな装いに革靴を合わせるだけで大人なコーディネートへと格上げ。
着こなしをワンランクアップさせてくれます。
革靴には本当に多くのブランドがあり、その中でも日本の革靴は高い人気を誇ります。
世界中に上質な革靴を作り続けるブランドがある中、革靴を語る上で絶対に欠かせない国があります。
それは、
- イギリス
です。
革靴といえば、イギリス。
革靴の本場です。
「本格革靴といえば」、真っ先に名前が上がる国。
まさしく世界一の革靴王国、それがイギリスというわけです。
なぜ世界一?イギリスの革靴

では、なぜイギリスが世界一の革靴大国なのでしょうか?
それはイギリスの歴史を紐解けば見えてきます。
そもそも、革靴はギリシャやローマ、エジプトの歴史ある国で古代から愛用されてきました。
ただし、それはあくまでも足を守る道具として。
現代の本格革靴とは立ち位置が異なります。
いわゆる、
- フォーマル革靴
- 本格革靴
と呼ばれるシューズが生み出されるようになったのは15世紀ごろ。
木型ともいう、
- ラスト
を使用した製法が使われるようになってからです。
ただし、そこで一気に革靴文化が花開いたわけではなく。
そこから2世紀後に革靴の歴史が動きます。
時は17世紀。
イギリスでピューリタン革命が起きた時代です。
学校の世界史で習いましたよね?
一時的にイギリスが共和制になったきっかけの革命です。
革命軍側のクロムウェルが軍装備の1つとして、型崩れしない革靴を大量に製造したのが近代革靴文化の始まり。
靴職人に4000足以上の革靴作製を依頼したのです。
その後も定期的に大量の靴を発注。
そして、当時、革靴を作っていたのがノーザンプトン。
ロンドンから北に100kmほどの街です。
そう。
現代の革靴の聖地と呼ばれる場所。
クロムウェルの革靴製作依頼によってノーザンプトンに靴職人が集結。
それが、
- 革靴のノーザンプトン
の始まりです。
ノーザンプトンに集まった靴職人の人たちは独自の工房をそれぞれに持ち始め、様々な製法が誕生。
現代革靴へ繋がる技術が生まれだしたのはこの頃です。
他の工房と差別化するため、軍靴に求められる頑強さだけでなく、作りにこだわった、履きやすい革靴が続々と生み出されていった、というわけ。
そこに目を付けたのが貴族。
貴族や富裕層は自らのステータスを顕示するため、派手な装飾をデザインに凝り、それが社会的地位を示すものとなったのです。
そこからさらに時代は進み、18世紀から19世紀の産業革命が革靴の製造にも影響を与えます。
機械化による製造スピードの加速、効率化がなされました。
産業革命はイギリスから。
歴史の授業で習いましたよね。
こうして、イギリスは革靴製造において確固たる地位を築いたのです。
ノーザンプトンは革靴製造に適した街
ここで1つの疑問が浮上。
もちろん、ノーザンプトンが選ばれた理由はあります。
以下の通り、革靴製造に適した立地であるのが理由です。
- 水源が豊富
- 革の素材となるである牛の飼育が盛ん
- 原皮をなめすタンニンの元「オーク」が豊富に自生
- 革となる原皮が豊富に採れる
- 皮を革へとなめすために必要なタンニンが抽出しやすい
- 皮革工場に欠かせない水が大量にある
そのいずれもが揃っていたため、ノーザンプトンは革靴の聖地となりえたのです。
イギリスのおすすめ革靴ブランド
この項目ではイギリスのおすすめ革靴ブランドを紹介します。
100年以上の歴史を持つブランドから比較的新しいブランドまで。
いずれも確かな品質のシューズを作り続けている間違いなしのブランドです。
- ジョンロブ
- エドワードグリーン
- チャーチ
- クロケットアンドジョーンズ
- ガジアーノアンドガーリング
- グレンソン
- ジョセフチーニー
- トリッカーズ
- サンダース
- ジョージクレバリー
- アンソニークレバリー
- バーカー
- ロークシューメーカーズ
それぞれのブランド概要を述べていきますね。
ジョンロブ

イギリスの革靴を語るにあたり、まずはこのブランドを上げないといけないでしょう。
ジョンロブ(JOHN LOBB)。
1866年にロンドンで誕生した、泣く子も黙る名門革靴ブランドです。
既製靴でありながら、その佇まいはまるでビスポークシューズ。
ジョンロブのもっとも有名な革靴の1つがフィリップⅡ。
クオーターブローグシューズの傑作といって過言ではない1足です。
ヴェヴェルドウェストのセクシーでエレガントな曲線美。
縫い目のないシームレスなヒール。
ジョンロブの革靴は、そのどれもが控えめながらもクラシックな雰囲気を放っています。
気品漂う上品さ。
価格は高めですが、それ以上の価値と気持ちの高揚を感じさせてくれる革靴。
それがジョンロブという革靴ブランドです。
エドワードグリーン

創業者のエドワード・グリーン氏の名称がそのまま付いた革靴ブランドがエドワードグリーン(EDWARD GREEN)です。
エドワードグリーンの代名詞と言える靴の1つがドーバー。
美しいスキンステッチに魅了され、ドーバーをゲットした人は多いです。
手縫いで表現する立体縫製。
上質な革とのコンビネーションが芸術品といって過言ではないエレガンスさを醸し出します。
超絶技巧の職人の技が光る1足。
そんな革靴が欲しいなら、エドワードグリーンは絶対にチェックしたいブランドです。
あくまでも上質な1足にこだわる、ブランドの哲学を感じる革靴に出会えます。
チャーチ

チャーチ(CHURCH’S)は日本で高い人気を誇るブランド。
ポリッシュドバインダーカーフを使った美しい革靴「シャノン」はチャーチが誇る大定番シューズ。
チャーチは世界で初の左右非対称靴を生み出すといった取り組みをしており、1874年創業の老舗ブランドの歴史に恥じない功績を持っています。
シャノンに負けず劣らずのブランドの代名詞であるコンサルもまた、ファンの多い1足。
内羽根ストレートチップといえば、な存在です。
筆者のお気に入りはライダー。
スエードレザーにクレープソールのチャッカブーツは、雨に強くクッションのきいた歩き心地を実現。
革靴とは思えない快適な履き心地と歩き心地で、ついつい足を通したくなる革靴です。
クロケットアンドジョーンズ

1879年創業、ノーザンプトンの名門革靴ブランドがクロケットアンドジョーンズ(CROCKETT&JONES)です。
創業者の名前、ジェームズ・クロケット氏とチャールズ・ジョーンズ氏がブランド名の由来。
クロケットアンドジョーンズの特徴として、木型の種類が多いことがあります。
ノーザンプトンに拠点を置く革靴ブランドの中でも、木型の種類に関しては頭1つ抜けた存在です。
その背景には、数々のブランドのOEMで革靴を作ってきたクロケットアンドジョーンズの歴史があります。
クロケットアンドジョーンズの様々な木型の革靴は、自分の足に合ったシューズを見つけるのを助けてくれます。
どんどん試着したい革靴ブランドですよ。
ガジアーノアンドガーリング

ガジアーノアンドガーリング(GAZIANO&GIRLING)は、革靴に強いこだわりを持つイギリスのチャールズ国王を満足させた革靴ブランドです。
というのも、チャールズ国王が2足の革靴を修理しながら50年以上履き続けたエピソードはあまりにも有名。
何足も新調を試みたものの、満足する革靴に出会えず、やむを得ずその2足を履き続けていたチャールズ国王の革靴ヒストリー。
その歴史に変化をもたらしたのがガジアーノアンドガーリング。
2025年にはガジアーノアンドガーリングに英国王室御用達の称号を得ました。
正真正銘の上質ブランドです。
ガジアーノアンドガーリングのすべての靴は、自社の工房にて1つずつ丹精込めて製造されています。
グレンソン

グレンソン(GRENSON)は1886年に生まれた革靴ブランドです。
グレンソンといえば、世界で初めてグッドイヤーウェルテッド製法を本格的に導入したブランドとして知られています。
イギリス軍にシューズを供給しているメーカーとしても有名。
イギリスの革靴文化を象徴する革靴ブランドでもあります。
グレンソンの革靴からは実直でまじめなモノづくりを感じずにはいられません。
正直なところ、ジョンロブやエドワードグリーンに比べ、日本での知名度は低め。
それでも、根強い人気を誇り、熱狂気なファンを持つブランドです。
県央な作りとクラシカルな雰囲気。
革靴好きにはグッときますよ。
ジョセフチーニー

ジョセフチーニー(JOSEPH CHEANEY)のケンゴンⅡRは同ブランドを代表するモデルです。
丸いノーズとぼってり感のあるフォルム。
スタイリッシュなイギリス靴とは印象が異なる、可愛らしいモデルです。
水の浸入を防ぐヴェルトショーン製法を採用。
なかなかお目にかかれない仕様です。
ジョセフチーニーならではといって過言ではない製法でしょう。
革靴の聖地であるノーザンプトンでも対応できる工房はわずかです。
確かな技術で多くのファンを獲得しているのがジョセフチーニー。
もちろん、フォーマルな革靴の展開もあり。
裁断から磨きまで自社工場で完結しているため、他ブランドに比べて安価。
イギリスを代表する革靴ブランドでの1つです。
トリッカーズ

トリッカーズ(TRICKER’S)はイギリスはノーザンプトン発祥の革靴ブランドです。
創業はなんと1829年。
日本では吉田松陰が生きた時代です。
そう考えると歴史の重みを感じますね。
事実、トリッカーズはノーザンプトンに現存する最古の革靴工場を持つのがトリッカーズ。
ブランドの代名詞とも言うべきバートンはカントリーシューズの大定番です。
ウィングチップといえば、バートン。
アメリカのオールデン975と同じくらいの知名度ではないでしょうか。
あまりにも有名。
ひとえに、作りが素晴らしいゆえです。
もともとイギリスの貴族がハンティングするために設計された革靴。
一見、飾りに見える装飾も通気性や水はけを意識し、計算されています。
機能性ありきなのです。
ガシガシ履ける革靴がバートン。
トリッカーズはラフに気軽に履ける革靴を探してる人には、心にグッとくるものが大きい革靴ブランドです。
サンダース

5人の職人から革靴付クロを始めたサンダース(SANDERS)。
イギリス軍靴を手掛け、大きく規模を拡大した革靴ブランド。
いわゆる、
- 官給靴
というやつです。
なぜイギリス軍に採用されたのか。
それは、頑丈だからです。
堅牢な作りと控えな主張。
- 質実剛健
という言葉がぴったりな革靴。
サンダースにはそんな革靴が多数ラインナップしています。
ミリタリーダービーシューズはサンダースを象徴するモデルです。
ジョージクレバリー

1958年にロンドンで創業した革靴ブランドがジョージクレバリー(GEORGE CLEVERLEY)です。
ブランド名と同じ、ジョージクレバリー氏が立ち上げました。
もともとはビスポーク専門でしたが、既成靴も製作するように。
ロンドン発祥ならではの品格漂う革靴が多数展開されています。
ジョージクレバリーの代名詞的なデザイン、
- サスピシャスリースクエア
のトゥデザインは分かる人には分かる、こだわりの意匠です。
サスピシャスリーとは「疑わしい」という意味。
スクエアトゥのようなラウンドトゥのような、そのあいまいさが洒落ています。
アンソニークレバリー

アンソニークレバリー(ANTHONY CLEVERLEY)は、先ほど紹介したジョージクレバリーに関連ある革靴ブランド。
というのも、ジョージクレバリー氏の甥である、アンソニークレバリー氏が立ち上げたブランドだからです。
アンソニークレバリーの革靴の特徴はビスポークシューズに近い足型に沿った、美しい形状にあります。
はっきりとした鋭い角度のスクエアトゥは、アンソニークレバリーの象徴です。
シャープなシルエットが非常に洗練された印象の革靴が揃っています。
バーカー

1880年創業のバーカー(BARKER)はノーザンプトン発祥の革靴ブランドです。
分かりやすく質実剛健な、
- ザ・英国靴
を作り続けています。
自社工場で作られているバーカーの革靴は他のブランドに比べて安価。
グッドイヤーウェルテッド製法を用いた本格革靴ながら、価格面での強みを兼ね備えた魅力的なブランド。
輸入靴であるにもかかわらず、日本の革靴と同等の値段で手に入る英国革靴。
それがバーカーです。
ロークシューメーカーズ

1880年創業。
ローク3兄弟によって設立された革靴ブランドがロークシューメーカーズ(LOAKE SHOEMAKERS)。
伝統ある革靴ブランドですが、ストリート文化を取り入れつつ、独自の発展を遂げているのがロークシューメーカーズの特徴です。
フォーマルな感じはもちろんありつつ。
どこか反骨心を感じる、トラッドとストリートが共存する革靴ブランド。
2007年にはイギリス硬質御用達の称号を獲得しており、確かな実績を持つシューズブランドですよ。
本格革靴が欲しいならイギリスのブランドは絶対にチェックすべき
本記事ではイギリスのおすすめ革靴ブランドについてまとめました。
歴史的背景から本格革靴を取り扱うブランドやメーカーが多数のイギリス。
革靴の本場、ヨーロッパの中に合って、圧倒的な存在感を放つのがイギリスです。
革靴作りに最適な革靴の聖地、
- ノーザンプトン
を擁し、世界中の革靴フリークの注目を集める国です。
ゆえに、イギリス発祥の革靴ブランドは一流ばかり。
はっきりいってハズレなし。
その中でも、超一流の買って損なしの革靴ブランドをまとめました。
イギリス旅行の主目的がノーザンプトンでの革靴ファクトリー巡りでも何の違和感もない、超絶強めの革靴ブランドが目白押しです。
と思ったら、まずはイギリスの革靴ブランドをチェックしてみてください。
それでは、今回はこの辺で。
少しでも参考になれば幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました!






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