そんな人には、
- クレープソール
の靴がおすすめです。
クレープソールは天然ゴムから抽出したラテックスで作った靴底のこと。
人工的に作られた合成ゴム底よりも柔らかく、いざ履いたときにはクッション性の高いフワッとした履き心地を提供します。
同じラバーソールの合成ゴムソールとはまったく異なる快適な履き心地。
クレープソールは合成ゴムに比べ耐久性には劣るものの、クッションのきいた唯一無二の歩行感は1度履いたらクセになること必至。
クレープソールが忘れられなくなりますよ。
本記事ではクレープソールの特徴とメリット・デメリットについて書いていきます。
- クレープソールを詳しく知りたい
- クレープソールの良いところは?
- クレープソールの欠点は?
クレープソールは天然ゴム由来の靴底
クレープソールはゴム製の靴底の1種。
靴底は以下の通り、大きく2種類の素材があります。
- レザーソール
- ラバーソール
です。
レザーソールは革製でしなやか。
返りが良いため歩きやすく、革が持つ通気性ゆえに蒸れにくい特性があります。
一方のラバーソールはゴム製。
ゴム由来のグリップ力と革よりも耐久性があるのが魅力です。
そして、一口にラバーソールといっても、さらに2つに分類されます。
- 天然ゴム
- 合成ゴム
の2種。
この記事のテーマであるクレープソールは天然ゴム由来の靴底です。
天然ゴムと合成ゴムとの違い
天然ゴムはその名の通り、天然の植物から分泌される成分を固めてできるゴム。
合成ゴムは石油から化学合成技術を使って人の手で作られるゴムを指します。
天然ゴムと合成ゴムの違いは、原料と製造方法です。
天然ゴムはゴムの樹から採取した樹液を元に作るのに対して、合成ゴムは石油・ナフサから作られる化学工業品。
特性の面から見ると、
- 弾性
が異なります。
合成ゴムに比べ、天然ゴムの弾性は優れています。
だからこそ、天然ゴムのクレープソールは合成ゴムのラバーソールよりもクッション性が高く履き心地が良いのです。
合成ゴムの中には天然ゴムに近い弾性も持つ素材がありますが、天然ゴムの機械的特性を超える合成ゴムはありません。
天然ゴムは優れた素材なので需要が高いのですが、天然ゆえに生産量が少なく、その代替品として安定供給するために生産されたのが合成ゴム。
クレープソールを見てみよう
この記事で紹介するクレープソールは天然ゴム由来。
人工的に作られた合成ゴムの反対に位置します。
実際にクレープソールの靴を見てみましょう。
こちら。
イギリスのシューズブランド「Church’s(チャーチ)」のチャッカブーツ「ライダー」です。
靴底はクレープソールを採用。
表面が波打ち、独特の構造をしています。
うっすらと波模様が見えますね。
ソール側面はデコボコした表情でカジュアル感が高め。
ほどよくラフに、しかし、ある程度カッチリとした印象。
ソールのカジュアル感が靴全体のバランスをうまく調和しているため、Tシャツ1枚でも様になりますし、もちろんジャケットスタイルもOK。
クレープソールは合わせられるコーデが広く、懐の深さがあります。
そして、歩行感はとても柔らか。
手で押し込むと弾力性を感じるソールがクッション性の秘密。
快適な履き心地でストレスフリー。
見た目的にも履き心地的にも、クレープソールを採用した靴はとても使いやすい靴だと実感します。
クレープソールの特徴
クレープソールは天然ゴムを使ったソール。
先ほど述べた通り、クレープソールはゴムの木の樹液から作られています。
天然ゴムの軟らかさゆえ、履き心地の良さは抜群。
クレープソールは足がフワッと包み込まれるような、そんな感覚を覚える履き心地。
クッション性に優れ、歩行時の衝撃を吸収しやすいです。
合成ゴムソールやレザーソールに比べて疲れにくいのが特徴です。
クレープソールはゴムの木から採れるラテックスに酢酸などの酸成分を添加させ、固化して得ます。
ラテックスに酸を加えたときにゴムの成分が凝析するのを利用した製造方法です。
ラテックスはゴム粒子がタンパク質にくるまれて水中に安定的に存在しているのですが、酸でタンパク質のカバーを変質させるとゴム粒子同士が集まって固化するのを利用しているのです。
ラテックス由来のゴムは柔らかく、ゆえにクレープソールもまた、柔らかでクッション性が高いのが特徴です。
クレープソールと合成ゴムソールの違い
天然由来のクレープソールと合成ゴム製の靴底との大きな違いは、
- 履き心地
です。
クレープソールは合成ゴム底に比べ軟らかく、実際に靴を履いて歩いたときの感覚がまったく違います。
クレープソールは明らかに快適です。
また、クレープソールは表面がデコボコしているため、カジュアルな印象が高め。
ジーパンやチノパンなどのカジュアルなボトムスに合わせやすく、休日使いしやすい特徴があります。
ラフに革靴を履きたい人にはクレープソールがおすすめです。
クレープソールのメリットとデメリット
この項目ではクレープソールの特徴をまとめます。
メリットとデメリット、それぞれ解説しますね。
クレープソールの良いところ
まずはクレープソールの良いところから。
以下のポイントがクレープソールのメリットです。
- 快適な履き心地
- 休日使いしやすい
快適な履き心地
クレープソールは天然ゴムならではの心地良い反発力を持ち、足の底面を包み込むような感覚を味わえるソールです。
天然由来のクレープソールの履き味は、合成ゴムソールには再現できない抜群の快適性を誇ります。
また、クレープソールはゴム由来のグリップ力があり、歩行時の蹴り出しをサポート。
履き続けても疲れにくいのがクレープソールの良いところです。
休日使いしやすい
クレープソールはコバがデコボコしているため、見た目がカジュアルです。
ゆえにクレープソールの靴を履くと、足元にラフな印象が加わります。
カジュアルなコーディネートにマッチしやすく、休日のスタイリングに大活躍。
休日に窮屈な靴を履きたくない人にとって、クレープソールの履き心地の良さはとても助かる機能です。
それに加えて、カジュアルに履き回せるとあってはヘビロテ間違いなしの靴になりますよ。
クレープソールのイマイチなところ
快適な歩行をサポートするクレープソールですが、デメリットもあります。
それが以下の点です。
- 削れやすい
- 汚れやすい
- 熱に弱い
- 雨の日はスリップしやすい
それぞれ詳しく説明します。
削れやすい
クレープソールは合成ゴムソールに比べ、削れやすいデメリットがあります。
本来、天然ゴムは耐久性に優れる素材なのですが、耐候性に弱点があり劣化しやすい素材です。
加えて、熱に弱く歩行時の摩擦でダメージを受けやすい特性があるのです。
クレープソールは長く使っているうちに、ソール表面が劣化して削れやすくなります。
定期的に修理しながら愛用するのがおすすめですよ。
靴修理店によっては、クレープソールの継ぎ足し補修を提供しているお店があります。
また、自分で肉盛りしてセルフかかと補修する方法もありますので、ぜひトライしてみてください。
汚れやすい
クレープソールは汚れやすいです。
というのも、クレープソールはゴム由来の高い摩擦力を持つため、ホコリや汚れが付きやすいから。
地面の汚れやごみを吸着しやすいのです。
たとえば、こちらは履き下ろして3時間ほどのクレープソール。
黒ずんでいますね。
もともとの色がこちら。
クレープソールはもともと白っぽい色のため、汚れが目立ちやすいのは確か。
気になる人にはとても気になるポイントでしょう。
とはいえ、クレープソールはレザーソールのように定期的なお手入れは不要。
必要以上に汚れを気にする必要はありません。
熱に弱い
クレープソールは熱に弱いです。
クレープソールは天然ゴム由来。
天然ゴムの耐熱温度は120℃ほどで、合成ゴム系に比べ30℃~100℃ほど低いです。
そのため、真夏のアスファルトの上など、熱を持った地面の上を歩いたときにべたつきを感じることがあります。
ソールが熱で軟化して粘り気を持つようになるため、地面を蹴るときに違和感が生まれるのです。
夏場にクレープソールの靴を履くときは、熱くなりやすいアスファルトやコンクリートの上はなるべく避けた方が良いでしょう。
雨の日はスリップしやすい
先ほど述べた通り、クレープソールは乾いた路面で高いグリップ力を誇ります。
しかし、水に濡れた路面では逆。
グリップ力が低下してしまうのです。
雨の日のクレープソールは滑りやすくなるため、いつも以上に気を付けて歩く必要があります。
とはいえ、小雨程度なら、たとえクレープソールでも滑りません。
朝から土砂降り、なんてとき以外は問題なく履けます。
雨の日は滑りやすいデメリットこそあるものの、晴れた日のグリップ力は高く、確かな歩行感を得られます。
以上の通り、クレープソールはデメリットこそ多いものの、メリットの項目で紹介した履き心地の良さはそれらを補って余りある、圧倒的な魅力です。
だからこそ、現在でも多くのシューズメーカーで採用されているわけです。
クレープソールで快適な履き心地を得よう
本記事ではクレープソール特徴とメリット・デメリットを解説しました。
クレープソールは快適な履き心地を提供する靴底です。
クレープソールの素材はラテックスから作られる天然ゴム。
ゆえに、合成ゴムよりも柔らか。
クッション性が高く、足をやさしく包み込むような歩行感が得られます。
- 削れやすい
- 汚れやすい
などのデメリットこそあるものの、
- 抜群の歩きやすさ
- カジュアルコーデへのなじみやすさ
はデメリットを凌駕する大きなメリットです。
クレープソールのクッショニングのきいた歩き心地はやみつき必至。
ついつい足を通してしまうヘビロテ靴になります。
クレープソールの靴、ぜひ1度足を入れてみてください。
それでは、今回はこの辺で。
少しでもご参考になれば幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました。
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