オールデン(Alden)といえば、アメリカの代表的なシューズメーカー。
タンナーのホーウィン社が提供するコードバン(馬のお尻部分の革)から作られる革靴は、その美しさから世界中で支持されており、とりわけ日本での人気は絶大です。
かくいう僕もオールデンのコードバン靴を1足持っていて、とても気に入っています。
オールデンのコードバン靴の魅力は、使われている革の上品で深みのあるツヤとアメリカ靴らしい無骨でどっしりとした面構え。
そして、足元にあってさえ抜群の存在感を放つ、風格漂う佇まい。
靴としての履き心地の良さも見逃せないポイントです。
ということで…。
本記事では僕が普段から愛用しているオールデンの975ロングウィングチップの革靴を紹介します。
休日のコーデを足元から引き締める武骨ながらも上品な1足。
外出を楽しくしてくれる、気分の上がる革靴です。
実際に5年履いている革の状態も合わせてどうぞ。
- オールデンの革靴975ロングウィングチップのディティールが知りたい
- コードバンのツヤめきを感じたい
- コードバンの革靴の経年変化ってどんな感じ?
上記が気になる人はぜひともご覧ください。
オールデン(Alden)975ロングウィングチップ
早速ですが…。
オールデンの革靴、
- 975ロングウィングチップ
に登場してもらいましょう。
こちらです。
全体の見た目はかなりボリューミー。
オールデンのNo.8(♯8)と呼ばれる、ダークバーガンディの赤とも紫とも異なる渋い色見の革靴。
僕と2年以上の時間を共に歩んでいるコードバンの革靴です。
975ロングウイングチップはオールデンの中でも定番ラストである、バリーラストを使用しています。
- オールデンの数ある木型の中でも歴史ある形状のラスト
- 土踏まず部分の絞りがゆるく、ヒールカップが浅め
- どっしりとした安定感と履きやすさが魅力
バリーラストでワイズはD。
- 足の親指と、小指の付け根にある骨の出っ張りを一周囲ったサイズのこと
- AからFのアルファベットで表される
- Aに近づくほど足囲・足幅が狭い
- Fに近づくほど足囲・足幅が広い
決して緩くはないのだけれど、心地よいゆとりを感じるサイズ感です。
デザインはフルブローグとも呼ばれるウィングチップ。
…の、ロングバージョン。
何がロングかというと、ブローグ(穴飾り)です。
弧を描いたウイングが、トゥからかかとまでぐるりと一周しているデザインをロングウィングチップと呼びます。
ロングウィングはアメリカ靴の象徴ともいうべきデザインでヨーロッパの靴とはまた違った雰囲気。
オールデンの靴と聞いて思い浮かべる人が多い、定番のデザインです。
次の項目から各部分を詳しく見ていきますね。
Alden975のアッパー(甲革)
アッパー(甲革)はホーウィン社のシェルコードバン。
オールデンといえばホーウィン。
ホーウィンといえばオールデン。
アメリカでも屈指のタンナーである、ホーウィン社のコードバンは繊維密度が高く厚みがあり、それでいて色ムラが少ないのが特長。
極上のコードバンです。
アイレットは5穴で外羽根式。
クラシックな佇まいながらも、外羽根のウイングチップがカジュアル感を演出します。
コードバンのツヤが美しいオールデン975は履くだけで、足元にあるにも関わらずその存在感をいかんなく発揮。
そのため、デニムパンツやチェックシャツなどのカジュアルな装いとも相性が良く、コーディネートがまとまりやすい革靴です。
Alden975のインソール
続いて靴の内部を見てみましょう。
ライニングは当然のようにフルレザー。
「Alden」の刻印も金ロゴで高級感漂います。
インソールも本革。
「MADE IN U.S.A」の表記もテンション上がる要因です。
Alden975のアウトソール
靴底はダブルレザーソールを採用。
アメリカ靴らしく、武骨でたくましい印象が強く表れています。
ダブルレザーソールは履き始めこそ硬さを感じますが、しばらく履いてなじんだ後の履き心地は抜群です。
かかとの積み上げは高さがあります。
約2.5cmのヒールは重厚感があり、どっしりとした安定感を感じることができます。
ウェルト部はリバースウェルト製法が使われています。
- つまみ縫いの糸がL字型のウェルトの側面に見えている製法
- ウェルトがアッパーを覆う構造になるため防水性が高い
機能性を重視する、合理的なアメリカらしい製法です。
靴底はレザーソール。
緩めの絞りが特徴的なバリーラストの形状がよく分かります。
ヒール部分にはたくさんの化粧釘が打ち込まれ、視覚的にも頑丈さを感じれる仕様。
ステッチの縫製も非常に丁寧。
と思いきや…。
少し乱れていますね。
オールデンはヨーロッパの高級革靴ブランドに比べて作りが雑といわれることがあります。
ただ、そこがアメリカらしいというか。
ひたすらに実用性・機能性を追い求めている感じがして好きです。
- 細けぇことはいいんだよ!
そんな気持ちにさせてくれるオールデンの革靴。
決して雑に扱うわけではないけれど、
- ラフにガシガシ履いて共に人生を歩んでいきたい
オールデン975ロングウィングチップにはそんな魅力があります。
オールデン975ロングウィングチップのツヤはどんな感じ?
高品質なホーウィン社のシェルコードバンを使用したオールデンの革靴は、ツヤめきも半端ではありません。
どうですか?
- え?俺?オールデンの靴ですけど何か?
と言わんばかり。
余裕ある風格。
僕はコードバン靴としてシェットランドフォックスのウィンストンも所有しているのですが、あちらは水染めコードバン。
コードバンそのものの風合いを活かした控え目なツヤです。
かたや、こちらのオールデン975はコードバンの光沢が前面に表れています。
パッと見て分かる輝きがありますね。
バーガンディの色味も非常にセクシーかつ上品で、ツヤ感ともマッチしています。
美しさに拍車をかける深い色合いです。
オールデン975ロングウィングチップの経年変化
革靴の楽しみの1つといえば、履き続けることで徐々に革の風合いが変化してくる、
- 経年変化
です。
エイジングとも言いますね。
オールデン975のコードバンが購入当時からどのように変化したのかを見てみましょう。
購入当時の状態
こちら、購入したばかりのオールデン975ロングウィングチップ。
アメリカで購入したのですが、テンション上がりすぎて滞在先のホテルで撮った1枚です。
照明が暗くて見にくいですが、履きジワも一切入っていないまったくの無垢状態。
愛用5年の状態
購入から5年以上履き続けたオールデン975は先ほどお見せした通り。
お手入れしながら履き続けたコードバンはツヤ感を増し、アッパーにできた履きジワ、もとい、うねりも良い味を出しています。
牛革では味わえない革の質感です。
アッパーだけでなく、ソール内部のコルクも経年変化しており、足の形に沈み込んで履き心地が抜群。
今となってはもはや手放せない、外出時に頼れる存在となっています。
革靴の中では高価な部類に入るかもしれませんが、それ以上の価値を感じる1足。
お手入れしつつ、ずっと付き合っていきたい靴です。
オールデン975ロングウィングチップには、愛用すればするほど見えてくる独特の魅力があります。
オールデン975は雨に濡れても問題なし
コードバンは革の繊維をつぶして滑らかにしている革種。
そのため、水に濡れると繊維が毛羽立ち、シミのような白っぽい跡になって残る現象が起きます。
水染めコードバンは顕著です。
たとえば、シェットランドフォックスのコードバンシューズ。
上の写真でぽつぽつと白く変色している箇所は、水滴が付着したため。
革が毛羽立って発生しています。
オールデンのコードバンでも同じことが起こるのかといえば、答えはNo。
オールデンのコードバンは水に濡れても跡が残りにくく、雨の日でも安心してガシガシ履けます。
以下は、雨の日に履いてびしょ濡れの975。
室内で水気が切れた段階で革を見てみると…
水シミがありません。
きれいなコードバンを維持。
革繊維が毛羽立ちやすい繊細なコードバンですが、オールデンならば安心です。
もちろん、これはオールデンのコードバンが持つ強さだけでなく、日頃のケアで靴クリームやワックスの油膜ができているおかげ。
靴クリームやワックスには油分が含まれ、水を弾く効果があるから。
日頃のお手入れを怠らなければ、コードバンの革靴でも天気を気にせずに普段からガシガシ履けるというわけです。
オールデン975ロングウィングチップは美しくて履きやすい
本記事ではオールデン(Alden)のコードバン靴、975ロングウィングチップのディティールについて書きました。
アメリカの革靴を代表するメーカー、オールデンの代名詞ともいえるコードバン靴。
深みのあるツヤが美しい、履いていて気分が上がる靴です。
アメリカらしい無骨な作りで、どっしりとしたフォルムは男らしい雰囲気が漂います。
5年以上履き続けても全くガタがこない頑丈さも魅力。
ガシガシはけるので、カジュアルシーンにも大活躍してくれます。
外出が楽しくなる靴、それがオールデン975なのです。
オールデンの革靴、ぜひともチェックしてみてください。
それでは、今回はこの辺で。
少しでも参考になれば幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました!
靴磨きを始めたい。けれど道具をそろえるのが面倒…。
そこでおすすめしたいのが靴磨きセット。1セット買うだけで必要な道具がまるっと揃います。道具選びの手間が不要。今すぐ靴磨き可能に。
大事な革靴を劣化させないために靴を磨いてコンディションを整えるのがおすすめです。