と思っているあなた。
結論、安くなりません。
むしろ、今後もっと高くなっていきます。
革靴の価格を高騰させている原因は複数ありますが、主な要因は以下の通り。
- 上質な革が得にくくなっている
- 皮のなめしや工場の人件費などのランニングコストが上昇している
ただ、それらの値上がりは悪いことではありません。
経済が成長すれば物価が上がるのは自然なこと。
資本主義の原則です。
革靴の価格高騰に耐えられるほどの所得向上を図らなければなりません。
- 本業を頑張って報酬を上げる
- 副業に手を付ける
- 転職する
何らかの方法で価格高騰する革靴を買えるように対応しなければ。
高くなった革靴を買うことでメーカーを支えることにもなります。
高いからといって革靴を買い控えすれば、メーカーの倒産や他企業からの買収といった危機を招きます。
今後、そのブランドやメーカーの革靴が買えない、なんて事態が発生しますからね。
そんな未来はあってはならない、そう思います。
チャーチやオールデンなど、多くのメーカーで相次ぐ価格改定による値上げは日本ではネガティブに捉えられたりしますが、それを受け入れてこその革靴フリーク。
革靴への愛が試されているのです。
本記事では革靴の価格高騰の原因について解説します。
原因が分かれば理不尽ではなく正当な値上がりだと分かりますよ。
革靴の価格に納得できれば、満足度の高い買い物ができるというものです。
- 革靴が高くて買う気が起きない
- なぜここまで革靴の価格高騰が続くの?
- 革靴が今後値下がりする未来はある?
革靴は高い
革靴は高いですよね?
とはいうものの、革靴の種類は様々。
質や作りはピンキリです。
当然のことながら高級革靴は高価で、モノを選ばなければ数千円で買えるのも革靴。
高級革靴と呼ばれるジョンロブやエドワードグリーンなどの海外ブランドの靴となると、平気で20万円を超えてきます。
ヨーロッパやアメリカの革靴の場合、関税がかかるので値段が高いのは分かるのですが…。
国産の革靴でも10万円くらいは珍しくありませんよね。
- 上質な革を使っている
- 手間が掛かる
上記が高級革靴の価格を押し上げている主な原因です。
相次ぐ革靴の値上がり
ただでさえ高い革靴ですが、時代が進むとともに値上がりが起きています。
例えばチャーチ。
イギリスのシューズメーカーですね。
ひと昔前のチャーチは本格革靴のなかでは比較的手の出しやすい価格でした。
ゆえに、十数万円の高級革靴が並ぶイギリス製のシューズメーカーの中、
- 英国靴の良心
と呼ばれていた時代もあるほど。
チャーチの定番の革靴であるライダーの価格は、2000年代には7万円ほどで購入可能でしたが、その後どんどん価格改定が進み、値上がり。
今となっては15万円ほどに。
いやはや。
言葉を失います。
チャーチの値上がり幅は数あるシューズメーカーの中でもインパクト強めではあるのですが、他メーカーも大なり小なり値上げをしています。
チャーチに限って言えば、元々の価格が安すぎた影響もあるでしょう。
と意気消沈してしまいますよね。
革靴の値上がりの原因
相次ぐ革靴の値上げ。
原因は何なのでしょうか?
革靴の値上がりの原因はいくつかあります。
主な原因を列挙しますね。
- 革の値上がり
- ゴムや接着剤の値上がり
上記の通り、革靴の原材料費の高騰はもちろんですが、
- 為替の円安
- 物流費の高騰
などの輸入に伴う費用増や、
- 革靴工場でのインフラ費値上がり
といった経営的な諸事情で高くなっている側面も。
多角的な面で総合的に革靴の価格に反映されているのです。
革の価格
この項目では、革靴の値段を大きく引き上げる原因となっている革の値上がりについて掘り下げて解説します。
ただし、ここでのポイントは、
- 革全般が値上がりしているのではない
ということ。
原皮の種類によっては、値上がりではなく値下がりしている場合もあります。
革靴の値段高騰の原因は、あくまでも上質な革が不足していることに起因。
牛革自体の生産量は年々多くなっているにもかかわらず、質の良い革は減少しているからです。
というのも、革に使っている牛はそのほとんどが食用。
食用とされた牛の皮がなめしによって革となり、革製品に仕上がります。
牛肉の消費量は世界中で増加しており、食用牛の数が不足しているのが現状。
結果として、牛を早く成長させる成長剤を利用せざるを得ません。
牛の体の成長スピードは今まで以上。
成長スピードの速さによって皮が急速に伸ばされ、革の品質が悪化することに…。
例えば、
- シワが入る
- 血筋がくっきり浮かび上がる
といった具合に。
革はあくまでも食用牛の副産物。
革の品質を追求しているわけではありません。
結果として、粗悪な革が大量に生み出され、流通量は増えたものの上質な革は逆に得にくくなっています。
上質な革を使った高級革靴の価格にダイレクトにきいてくるのです。
作業コスト
革靴の価格高騰の原因は革自体の値上げだけでなく、皮を革へと仕上げるためのなめし工程のコスト増によって引き起こされている節があります。
なめしは人の手によって実施しているため、人件費がかかります。
近年のインフレによって人件費が高騰しているのは、すべての業種や業界でいえることです。
また、なめしに使う薬剤のコスト増も関係ないとは言い切れません。
革靴の価格上昇の一因となります。
革のコストよりも製造工程のコストの方が革靴価格への影響が大きく、原皮価格よりもなめし工程の費用増の方が直接的に靴の価格を引き上げています。
そのため、仮に「原皮」価格が下がったとしても、なめし後の「革」の価格が上がるのは珍しくありません。
なめし工程のコスト増と上質な原皮の価格高騰によって革自体の価格が上がり、さらに靴を作るときの人件費高騰が乗ることで、相当な価格増になってしまうのですね。
革や製造コスト以外の値上がり
また、作業工数や原材料費以外にも値上がりの要因が潜んでいます。
それは企業の経済活動によるもの。
年々得にくくなっている上質な革を確保しようと、ハイブランドを中心に革を買い込む傾向にあります。
自社ブランドで使う革の枯渇を防ぐためです。
大きなニュースになったのはエルメスによるデュプイ社の買収です。
デュプイ社はフランスのタンナー。
タンナーとは、いわゆるなめし業者。
原皮を革へと仕上げているメーカーです。
タンナーを囲い込むことは革の安定供給を確保できると同時に、価格をある程度コントロールできるということ。
エルメスはバーキンを筆頭に上質な革を使ったアイテムを多数展開していますから、自社ブランドの安定運営に大きく寄与するわけです。
エルメスの例は極端な話ですが、買収まで行かずともハイブランドとタンナーとの間で優先供給契約を交わす場合もあります。
上質な革を確保するため、メーカーも必死です。
価格上昇の裏側には革製品を届けるメーカーの苦悩と葛藤。
そして、工夫が隠されているのです。
革靴の価格はこれからも上がり続ける!シューズメーカーを買い支えよう
本記事では革靴価格の高騰について原因を詳しく解説しました。
革靴の価格はどんどん上がる一方。
と嘆いている人は多いです。
しかし、革靴の価格改定に理不尽な理由はありません。
- 革の価格上昇
- 人件費の高騰
様々な要因で引き起こされている結果を表しているのが現在の革靴価格。
経済成長している証ともいえます。
原料や製作費が上がり続けている現状でいつまでも同じ価格だと、シューズメーカーの経営が立ち行かくなってしまいます。
そうなれば、革靴を購入するのが困難に。
もし倒産なんてことになったら、2度とそのメーカーの革靴が作られることはないですからね。
革靴の価格高騰はシューズメーカーの末永い存続のためとポジティブに捉え、節約や所得向上を図って革靴メーカーを買い支えることこそ肝要。
それが革靴業界の発展につながっていきます。
これからも革靴価格はどんどん上がっていくでしょう。
そう考えれば、まさに今が1番安いとき。
欲しい革靴があるなら、今のうちにゲットしておくのをおすすめします。
それでは、今回はこの辺で。
少しでも参考になれば幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました!
靴磨きを始めたい。けれど道具をそろえるのが面倒…。
そこでおすすめしたいのが靴磨きセット。1セット買うだけで必要な道具がまるっと揃います。道具選びの手間が不要。今すぐ靴磨き可能に。
大事な革靴を劣化させないために靴を磨いてコンディションを整えるのがおすすめです。