革靴と末永く付き合っていくために必要なのは日々のお手入れ。
革靴の形状をキープするのも大事なお手入れ手法の一つです。
履いた後の革靴の型崩れを防ぐために重要なのがシューツリー。
革靴にとってシューツリーは、洋服でいうところのハンガーのようなもの。
シューツリーを使わないでいると、革靴の形が崩れ、せっかくの美しいシルエットが台無しに…。
革靴を履き終わったら必ずシューツリーを入れ、革を伸ばして形状を整えてあげるのが大事なのです。
シューツリーには様々な種類がありますが、サルトレカミエのSR300EXは高級感あふれる高機能なシューツリーです。
バネの力で革にテンションをかけるバネ式とは異なり、ネジを留める位置を微調整して革靴の大きさにピッタリ合わせられるネジ式を採用。
そのため、革に余計な力を一切かけることなく、革靴のシワを伸ばせます。
革靴の形状はそれぞれが似て非なるもの。
一足一足の形状に合わせて微調整が可能なネジ式のシューツリーは、とても使いやすいシューケアアイテムです。
本記事ではサルトレカミエのシューツリー「SR300EX」をレビューしていきます。
- お気に入りの革靴のために良質なシューツリーが欲しい
- サルトレカミエのシューツリーが気になる
- SR300EXのディティールが知りたい
お気に入りの革靴をゲットしたらシューツリーにもこだわりを
ってときに、忘れてはならないのがシューツリーも合わせて用意すること。
シューツリーは革靴と末永く付き合っていくために必要不可欠なシューケアアイテムです。
というのも、シューツリーは、
- 革靴の型崩れを防ぐ
- 革靴内部の水分環境を整える
から。
革靴を履いた後はアッパー(甲革)を中心にシワが入り、革が足の汗を吸い込んだ状態です。
革靴を脱いでそのままにしておくと、履きジワが深く刻まれ、跡になってしまいます。
また、革に含まれた水分が徐々に吐き出されていくため、いつまでたっても革靴内部の湿度が下がらず、カビの温床に…。
それらのトラブルを防ぐために登場するのがシューツリーです。
履いた後の革靴にシューツリーを入れておけば、履きジワをしっかりと伸ばして深いシワが刻まれるのを防いでくれます。
また、シューツリーは木製のため、調湿効果が優れてます。
革靴内部の水分を吸い取り、内部の湿度を整えてカビの発生を抑えるのです。
これらの優れた効果は、さながら洋服にとってのハンガーのよう。
シューツリーは革靴のハンガーともいうべき、
- 靴の管理に欠かせない道具
なのです。
サルトレカミエのシューツリー『SR300EX』
では、この記事で紹介するシューキーパーに登場してもらいましょう。
それがこちら。
サルトレカミエ(Sarto Recamier)のSR300EXというモデル。
SR300EXはネジ式。
スライドさせてサイズ調節するタイプのシューツリーです。
ネジの留め位置次第でジャストサイズに固定可能。
自分で幅や長さを調節可能な万能タイプのシューツリーで、靴に余計なテンションをかけずに型崩れを防止できます。
SR300EXの「EX」はブナ材を使用していることを示しています。
ブナ材の美しい木目は高級家具にも使用されるほど。
きめ細やかな木目は、ブナの最大の特長といって良いでしょう。
また、ブナは硬い素材で耐久性が高く、経年劣化しづらい特長も。
シューツリーに最適な素材なのです。
後ほど紹介しますが、バーチ剤を使ったSR300BHというグレードもラインナップされています。
また、SR300EXは吸湿性を損なわないようにコーティング加工を施しているため、湿気を吸収しながらも手触りの良さと割れの防止を実現。
SR300EXは高機能なシューツリーに仕上がっているのです。
サルトレカミエの形状
シューツリーは形状が命。
形によって、
- 革靴のシワをしっかり伸ばせるか
- 型崩れを防げるのか
が変わってきます。
幅と高さを十分に設けているため、日本製の靴やアメリカ製の靴等を含む、幅広いバリエーションの革靴にフィットします。
特に、かかと部分の作りにはこだわっており、靴のかかと芯(月型)を広げないよう、かかと部分は丸みを持たせつつもシャープに絞り込む工夫がなされています。
これにより広がりやすい履き口をきれいに整え、フィット感を維持できるのです。
シューツリー前部分には穴が空いており、通気性をしっかり確保。
先端部分には横方向にバネが仕込まれているので伸縮可能。
革靴に入れたときに、横方向へテンションがかけられる仕様に。
かかとには指が引っかかる突起状の金属パーツが取り付けられており、操作性良好です。
シューツリーの前後は蝶番で接続されていて、このように前後で折り曲げられます。
形状の融通が利くので、革靴に入れやすいです。
横から見ると立体感がお分かりかと。
甲部分のなだらかさと、かかとの丸みが美しいシューツリーです。
ブナの質感があいまって、上品な印象が強いシューツリーに仕上がっています。
このスタイリッシュさよ。
- もはや靴に入れずに、飾っておくだけでも満足感が得られるのでは!?
サルトレカミエのSR300EXの長さ・幅調節の方法
SR300EXはサイズの微調節が簡単。
そのため、革靴の形状にピッタリとフィットさせやすいのが特長です。
その秘密はというと…。
こちらのサイドに設けられた幅調節ネジと…
このシューツリーの最も特徴的な要素といえるネジスライド方式を採用しているから。
ネジをゆるめると、かかとがスライドして長さが変えられるようになっています。
長さを調節した後は、再度ネジを締めて固定するだけ。
- 幅はサイドのネジをドライバーで
- 長さは本体中央のネジで
わずかなサイズ調節がしやすい仕様です。
サルトレカミエとは
ここで、SR300EXのブランド紹介を。
サルトレカミエ(Sarto Recamier)とはM.モゥブレィシリーズでおなじみの「R&D」が展開する、靴に合った立体的で美しい形状のシューツリーを提供するブランドです。
Sarto Recamierの「Sarto」はイタリア語で「仕立て屋」。
「Recamier」は19世紀フランスに実在した、歴史上最も美しい女性といわれた「レカミエ夫人」に由来します。
サルトレカミエは、
- 歴史上最も美しい靴木型を造る仕立屋
という意味が込められたブランドなのです。
サルトレカミエのシューツリーの種類
サルトレカミエのシューツリーには、この記事でご紹介したSR300EX以外にも複数のバリエーションがあります。
素材は、
- ブナ
- バーチ
があり、ブナの特徴は先ほど述べた通り。
一方のバーチ。
バーチは樺の木とも呼ばれ、薄い自然な色やキメ細かい仕上がりの木材です。
左がバーチ。
右がブナです。
色が違い、雰囲気も違います。
バーチは白っぽいですね。
バーチはブナに比べてリーズナブルな価格なのも特長です。
そして形状には、
- SR100
- SR200
- SR300
のバリエーションがあります。
SR300はネジスライド式ですが、SR100とSR200はツインチューブのバネ式です。
- スタンダードで汎用性の高い形状
- 特に、英国靴系のグッドイヤーウェルト製法の靴に適したモデル
- 幅は標準 ~ やや広め
- 甲部はなだらか
- 現代的な木型によりフィットする形状
- イタリア靴系シューズのシェイプに適したモデル
- 幅はやや細め ~ 標準
- 甲が高く、立体的な形状
サルトレカミエのSR300EXを革靴に入れてみた
シューツリーの使用イメージとして、実際に革靴に投入してみます。
このように。
何を隠そう、こちらのSR300EXは百貨店でウィンストンを購入したときに、
と、お店のスタッフさんに勧めてもらったシューツリーなのです。
購入してからというもの、ウィンストンを型崩れから守ってくれています。
コードバンのシワがしっかり伸びていますね。
丸みを帯びたかかとは、革靴にピッタリフィット。
負荷をかけすぎずに最低限キッチリ革を伸ばしてくれています。
サルトレカミエのSR300EXでお気に入りの革靴を保護しよう
本記事ではシューツリーブランド「サルトレカミエ」のSR300EXをレビューしました。
革靴を良好な状態で保ちたいなら、シューツリーは絶対に欠かせないアイテムです。
履いた後の革靴にシューツリーを入れておくだけで、革靴の型崩れを防ぎ、水分を除去してカビの発生を防止してくれます。
サルトレカミエのSR300EXはシューツリーとしての機能はもちろん、ブナ材を使った高級感あふれる佇まいが魅力。
革靴に入れておくだけで、靴の雰囲気を十二分に引き出してくれる存在です。
ネジ式でサイズ調節するタイプなので微調整も楽々。
ちょっとしたサイズ調節が簡単で、革靴とのサイズ合わせがスムーズに行えます。
シューツリーの中では比較的お値段が張る部類ですが、機能と見た目のスタイリッシュさを踏まえればお値打ち価格といえるでしょう。
それでは、今回はこの辺で。
少しでもご参考になれば幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました!
靴磨きを始めたい。けれど道具をそろえるのが面倒…。
そこでおすすめしたいのが靴磨きセット。1セット買うだけで必要な道具がまるっと揃います。道具選びの手間が不要。今すぐ靴磨き可能に。
大事な革靴を劣化させないために靴を磨いてコンディションを整えるのがおすすめです。