しばらく店頭に並んでいたであろう革製品を購入したとき、革のお手入れはしていますか?
作られてから時間が経った革は乾燥が進んでいることがあります。
革は乾燥が進むとシワができたり、ひどい時は革自体が割れてしまうこともあります。
購入したばかりのレザーアイテムの潤いが不足していると感じたら、保革クリームでケアして水分と栄養を補給してあげましょう。
本記事では、購入したばかりの革製品のお手入れの必要性と実際の方法を紹介します。
レザーカードケースを例として、革の状態の確認と実際のお手入れをしていきます。
そんな疑問を持っている人はぜひご覧ください。
買ったばかりの革製品にお手入れが必要な理由
革には定期的なお手入れが必要です。
というのも、革は徐々に乾燥していきます。
革についたチリやホコリが、革中の潤いや栄養を吸い上げてしまうからです。
そして、それは革を保管しているときにも起こります。
ということは、革製品が販売店に保管されていたり、店頭に並んでいる間にも革の乾燥は進むということ。
時間が経つと革が乾燥して硬くなり、シワが入ったり、ひび割れたりします。
買ったばかりだからといって、革が万全の状態とは限らないのです。
革製品が作られてから、販売店に置かれて、その製品を自分が手に取るまでにどれほどの期間が経っているかはわかりません。
一週間前に作られた出来たてホヤホヤのものかもしれませんし、数年経ったベテランかも?
購入直後のレザーアイテムであっても、革の状態をよく確認してみることが重要です。
表面がカサついていなくても、革の奥が乾燥していることもあるので、しなやかさがあるかどうか、触って確認するとわかりやすいです。
確認して革の乾燥を感じたら、保革してあげる必要があります。
逆に、革のモチモチ感やみずみずしさを感じるようなら、今の時点で保革は必要ありません。
その場合は、使い込んでいく中で乾燥が気になりだしてからのお手入れで全く問題ありません。
過度に保革クリームを与えてしまっては、逆効果となることもありますからね。
何事もほどほどに。
保革作業のやり方としては、革に水分と油分を与えればOK。
次の項目から実際に、購入したばかりの革製品の保革メンテナンスをしていきます。
買ったばかりのカードケースの革の様子を確認
この記事でお手入れするのは、ポータークラシックのレザーカードケース。
このレザーカードケースは、この記事を書いている時点から遡って1年ほど前に作られたものです。
なぜ作られた時期がわかるかというと、このレザーカードケースはポータークラシックのアパレルコレクションの一部としてラインナップされたもの。
いつのコレクションなのかは、ブランドのカタログを見れば一目瞭然なのです。
それが今から1年前ということ。
いわば、ポータークラシックのアーカイブ商品。
実際に触ってみると表面が少しカサついているような…。
そんな気がしたのでお手入れすることにしました。
コバ部分の色味が少し薄くなっているのも、ケア理由の1つです。
ケースの内側も革自体のモッチリ感があまり感じられないような…。
こちらのレザーカードケースはアパレルブランドのラインナップなので、作られた時期が正確にわかりますが、そんなケースは稀。
多くの革製品は、作られた時期を判別するのは難しいです。
定期的に増産される定番品なら、なおさら。
見て・触って革の乾燥具合を確認することをオススメします。
お手入れが必要と感じたら作業に移りましょう。
買ったばかりの革製品を早速お手入れする
まずは、お手入れに使う道具を紹介します。
- 保革クリーム
- 馬毛ブラシ
- 豚毛ブラシ
- クリーム塗布ブラシ
- 磨きクロス
以上の5つの道具を駆使して、レザーカードケースの潤い補給をしていきます。
作業手順は以下の通り。
- ホコリ落とし
- 保革クリームを塗る
- 保革クリームをなじませる
- 余分なクリームをふき取る
全4工程。
手順を踏みながらやっていきますよ。
ホコリ落とし
まずは革に付いたホコリを落とすことから始めます。
馬毛のブラシでブラッシングし、ホコリを払い落とします。
革に付いたホコリやチリは革の栄養を奪い取っていきます。
特に、普段あまり触らない箇所にはホコリが溜まりやすいです。
ブラシを細かい隙間まで行き渡らせて、しっかりホコリを落としましょう。
保革クリームを塗る
続いて、保革クリームを塗り、革に潤いと栄養を与えます。
今回使用するのは、サフィールノワールのスペシャルナッパデリケートクリーム。
高い保革作用が魅力の革用デリケートクリームです。
保革クリームを塗るときはクリーム塗布用ブラシを使うと便利。
ブラシを使うと、手やクロスでは届かない箇所まで毛先が入り込み、栄養をきっちり行き渡らせることが可能に。
ブラシにクリームを付けて…
カードケースに塗り込みます。
革が少し乾燥しているので、クリームを使う量も多めに。
スペシャルナッパデリケートクリームは革への浸透力が高いため、グングン吸収されていきます。
革の裁ち切り面にもクリーム補給をお忘れなく。
このレザーカードケースはケース全体がレザー製。
外側のクリーム塗布が終わったら、内側もケアしていきます。
バンドの裏側も、ブラシなら楽々塗れます。
カードケースポケットの内側はブラシではやりにくいので指で直接塗りこみます。
革に保革クリームを十分に塗り込めたら、この工程は終了。
次の作業に移りましょう。
保革クリームをなじませる
ここからは、先ほど塗ったクリームを革にさらになじませるため、ブラッシングしてきます。
革全体を満遍なくブラッシングしていきます。
クリームを革になじませ、クリームの保革作用を十分に発揮させてあげるのです。
僕は今回、豚毛ブラシを使ってますが、デリケートレザーなど傷が付きやすい革種の場合は、比較的毛が柔らかな馬毛ブラシを使うと安心です。
革の外側、内側もしっかりとブラッシング。
革がしっとりとして、潤いが感じられるようになりました。
ここまできたら、あと少し。
次が最後の作業です。
余分なクリームをふき取る
革の上にクリームが残らないよう、クロスで磨き上げます。
革に保革クリームが残ると、ベタつきの原因となります。
ベタつきはホコリがくっ付きやすくなったり、革の風合いを損なうこともあるので、防止しなければなりません。
保革クリームは必要最低限の量で十分効果を発揮します。
余分なクリームはクロスで拭き取りましょう。
レザーカードケースを使い始める前にお手入れした効果を確認
仕上がりはこのように。
全体的に革の発色が良くなっているように思います。
革の断面もみずみずしい質感に。
革自体もツヤが出て、クリーンな印象になりました。
より感覚的にわかるように、お手入れ前後で比較してみます。
上の図がお手入れ前、下がお手入れ後です。
お手入れ前は革の乾燥によって色あせたような見た目だったカードケース。
お手入れ後には革の色味が甦り、鮮やかな印象を受けます。
革のキワ部分が特にわかりやすく変化していますね。
バンド部分はパッと見でもわかるほど、お手入れの効果が如実に表れています。
実際に触っても、違いがよくわかります。
乾燥していてパサついていた革が、お手入れによってモチモチとした触感に。
乾燥した革は風合いが劣り、触り心地もあまりよくありません。
しかし、そうなった革でもしっかりお手入れしてあげれば、元の美しい状態を取り戻すことができます。
せっかくのお気に入りのレザーアイテムですから、保革をして万全の状態で使ってあげましょう。
買ったばかりの革製品の状態をよく確認してお手入れしよう
本記事では、購入したばかりの革製品のお手入れの方法について書きました。
作られてから時間が経った革は乾燥が進んでいることがあり、お手入れが必要です。
それは販売店の店頭に並んでいるときも同じ。
使用していなくても、だんだんと革から潤いが失われていきます。
それはつまり、購入した直後だからといって、革の状態が万全とは限らないということ。
買ったばかりの革製品の状態を観察して、触って、乾燥が進んでいるかを判断するのが吉。
もし、「カサついているな」と思ったら、保革クリームで潤いと油分を補給してあげると良いです。
乾燥していなかったらそのまま使い込んでいきましょう。
使う前にしっかりと潤いを与えることで、革のシワやひび割れを予防でき、結果的に長く愛用することが可能となります。
せっかく手に入れたお気に入りのレザーアイテム。
最初の一手間を惜しまず、ガッツリ愛情を注ぎ、末永く付き合っていきたいですよね?
買ったばかりだからと安心せず、革の状態を見極め、必要であればお手入れしましょう。
それでは、今回はこの辺で。
少しでも参考になれば幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました!
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ランキング順で並べはするものの、それぞれおすすめの人が違うので自分にピッタリなレザーブランドを選んでみてください。
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こんな人におすすめ | 質実剛健の主張控えめな大人っぽい革製品が欲しい |