起毛革のお手入れはしていますか?
- スエード
- ベロア
- ヌバック
といった革種は総じて、
- 起毛革
と呼ばれ、一般的なスムースレザーとはまったく違った表情を持っています。
起毛革の特徴は革表面が毛羽立ち、ザラザラとしていること。
一般的なスムースレザーの革製品ならば、デリケートクリームなどで水分や油分を補給することができます。
ですが、表面が毛羽立った起毛革にはその方法は適用できません。
なぜなら、保革クリームが毛羽立った革に邪魔されて塗り広げることができず、ムラができてしまうからです。
均一に栄養を行き渡らせることができないのはもちろんですが、革の変色を起こしてしまうかもしれません。
バッチリできます!
起毛革のお手入れを可能にするのは、ブートブラックのスエードリッチモイスチャー。
ミスト状の保革剤なので、ムラなく、起毛革に潤いや油分を与えられます。
今回はスエードを使った、
- 帽子
- 靴
をスエードリッチモイスチャーでお手入れした様子をお届け。
ということで、本記事ではスエードリッチモイスチャーの詳細とスエードのお手入れを実施する方法を紹介します。
起毛革をお手入れする方法
スエードやベロア、ヌバックといった毛羽立った革は起毛革と呼びます。
起毛革はなめした後の革を、「バフ掛け」という、革表面を削って革を毛羽立たせる加工を施したものを指します。
加工された革だけに、一般的なスムースレザー(銀付き革)とは異なる特徴を持ちます。
起毛革の特徴を理解していると起毛革のお手入れが捗りますので、少し紹介しますね。
起毛革の特徴
起毛革の種類としては、
- スエード
- ベロア
- ヌバック
とあり、
- スエードとベロアは革の裏側
- ヌバックは革の表側
をそれぞれバフ掛け加工した起毛革です。
起毛した革繊維の長さはスエードよりもベロアが長く、革の表面をバフ掛けしたヌバックは最も短いという特徴を持ちます。
- スエード:革の裏側をバフ掛けした起毛革。毛先が短い
- ベロア:革の裏側をバフ掛けした起毛革。毛先が長い
- ヌバック:革の表側をバフ掛けした革。3種類の中で最も毛先が短い
スエード・ベロアは日本ではバック(back)スキンと呼ばれることもあります。
起毛革のお手入れ方法って難しい?
一般的なスムース革(銀付き)に比べて、起毛革のお手入れ方法というと、少し面倒なイメージを持っている人は少なくありません。
表面が毛羽立っていますし、
なんて思いがちかも。
ですが、起毛しているとはいえ、素材は革。
スムースレザーに少し加工を施しただけですから、一般的な革のように起毛革にも潤いや栄養補給は必要です。
そういう意味では、スエードなどの起毛革もスムースレザーと同じケア方法で良いという考えも浮かびます。
ですが、毛羽立っている起毛革をお手入れする際には、気を付けなければならないことがあるのです。
革の繊維が毛羽立っているのがポイントとなります。
起毛革のお手入れで気を付けるべきポイント
起毛革をお手入れするときに気を付けるポイントとは以下の通り。
- 保革剤がムラになりやすい
起毛革は、一般的に使われるデリケートクリームのようなクリーム状の保革剤を使うと、塗りムラがひどく、満遍なく革に潤いや油分を補給することができません。
毛羽立った革繊維にクリームが引っかかってしまうのです。
そのため、クリーム状の保革剤は起毛革には使えないのです。
それじゃあ、スエードとかの起毛革って栄養補給はできないの?
そんなときに満を持して登場するのが、
- スエードリッチモイスチャー
なのです。
スエードリッチモイスチャーの効果とは?
スエードのような起毛革をお手入れするのにおすすめのケア用品が、ブートブラック(Boot Black)のスエードリッチモイスチャーです。
スエードリッチモイスチャーはスプレータイプで保革剤がミストとして噴霧でき、通常の保革クリームではムラになってしまう起毛革であっても問題なく使用できます。
スエードリットモイスチャーの最大の売りは、オーガニックアルガンオイルが配合されていること。
- 水
- 油脂(アルガンオイル含む)
アルガンオイルは、同じくブートブラックのリッチモイスチャーにも配合されている保革効果抜群の成分です。
オーガニックアルガンオイルは栄養豊富な植物性オイルで、高級化粧品などにも使用される貴重なオイル。
スエードリッチモイスチャーに含まれるオーガニックアルガンオイルの効果によって、起毛革に柔軟性と潤いを与え、色を鮮明に保つことができます。
毛羽立ったスエードなどの革繊維に、しっかりと潤いや油分を補給することで、質感や色ツヤが維持されるというわけです。
先ほど述べたように、スエードリッチモイスチャーはスプレータイプ。
保革成分はミスト状になって起毛革へと供給されます。
ノズルをプッシュして、保革ミストを出す仕様です。
ゴールドとブラックの色の組み合わせは、高級感あふれるゴージャスな雰囲気を持っています。
また、無色のミストなので、どんな色の起毛革にも使える汎用性もあります。
1本持っておけば、起毛革のお手入れに困ることはないです。
スエードリッチモイスチャーを使ってみる
本体レビューはこのくらいにして、実際にスエードリッチモイスチャーを使ってみます。
使用方法は簡単。
起毛革のホコリを落とした後、スエードリッチモイスチャーを革全体にスプレー。
その後、ブラッシングをして毛並みを整えるだけ。
箇条書きでまとめると、スエードのお手入れは以下の通りとなります。
- スエードのホコリや汚れを落とす
- スエードリッチモイスチャーを吹き付ける
- 乾燥させる
- スエードの毛先を整える
この手順を踏むと、スエードなどの起毛革にしっとりとした質感と鮮明な革の風合いが蘇ります。
そして、今回お手入れをする起毛革はこちら。
エンダースキーマのジェットキャップです。
この帽子、ツバ部分の素材にピッグスエードを使っています。
豚の起毛革です。
帽子はかぶっていると汗をかくこともあるので、洗濯頻度も高め。
洗濯を繰り返すうちに、スエードの色が褪せてきており、スエードの乾燥や革繊維の乱れを感じるようになってきました。
そこで、このピッグスエードにスエードリッチモイスチャーで栄養を与え、保革をしていきます。
スエードのホコリや汚れを落とす
革繊維が毛羽立っている起毛革は、起毛しているがゆえに、毛の間にホコリや水汚れ・油汚れが入り込みやすく、それらが毛羽立ちにホールドされてしまい、落としにくいのがネック。
起毛によって、肌触りの良さや独特の味わい深い質感というメリットが得られるわけですが、それがデメリットにつながる側面も…。
起毛革のお手入れをするときには、ブラッシングによって革の繊維をしっかりと立たせ、ホコリや汚れをしっかりと落とすのがポイントになります。
そこで登場するのが、スエードのような起毛革全般に使えるスエードブラシC。
起毛革の寝てしまった繊維を、しっかりと起こしてホコリを払えるワイヤーブラシが付いています。
その裏側には…
ゴム製ブラシも完備。
使い分け方としては…
- 濃い色の起毛革:ワイヤーブラシ
- 淡い色の起毛革:ゴムブラシ
といったように、革の色味によって使い分けられる仕様。
今回のピッグスエードは比較的淡い色なので、ゴムブラシの方でブラッシングしていきます。
スエードの毛を立たせてホコリを掻き出すイメージで。
一方向だけでなく、あらゆる方向からブラッシングしてホコリや汚れを取り除きます。
裏側もブラッシング。
ブラッシングするだけでも毛先が立ち、スエードの風合いがより良い状態になるのを感じます。
スエードリッチモイスチャーを吹き付ける
ブラッシングした後はスエードリッチモイスチャーを吹き付けます。
容器をよく振って…
20cm程度離れた距離からスプレーし、スエードにミストを吹きかけていきます。
満遍なく吹き付けた後のスエードの状態はこちら。
ミストが上手く広がり、スエード部分全体に行き渡らせることができました。
ミスト状ならではの効果です。
クリーム状だとこう上手くはいきません。
ツバの裏側も忘れずにスプレー。
スエードリッチモイスチャーを乾燥させる
スエードリッチモイスチャーをスエード全体に吹き付けた後は、液が乾燥するまで待ちます。
保革成分が内部へ浸透していくのを待つ時間でもあります。
使い終わったスエードリッチモイスチャーの吹き付け口をきれいにしつつ、待ちましょう。
次の出番に備えてフキフキします。
スエードの毛先を整える
ここが最後の工程。
再度、スエードブラシでブラッシングします。
ホコリ落とし時のブラッシングとは異なり、ここでのブラッシングはスエードの毛並みを整えることが目的です。
一方向に毛先を流すことを意識してブラッシングしましょう。
仕上がりはこのように。
ツバの裏側もご覧ください。
スエードの毛先がフワッとした状態になり、スエードらしい風合いを取り戻しました。
スエードのお手入れ前後比較
とはいえ、やはりお手入れ前後での比較があった方が分かりやすいというもの。
ビフォー・アフターを比較してみましょう。
ツバの表。
こちらは裏側です。
スエードリッチモイスチャーの使用後は、スエードの発色が鮮やかになっていることが分かります。
スエードリッチモイスチャーが革に栄養を与える効果とブラッシングによる風合いの復活が合わさり、スエードが活き活きとした表情をしています。
スプレーするだけで保革効果が得られる、スエードリッチモイスチャーのお手軽さを感じられ、有意義な時間となりました。
スエード靴のお手入れにも、当然使えます。
ブラシ掛けして…
シュッとスプレー。
スエードの風合いが豊かになります。
スエード靴がエレガントに仕上がりましたね。
起毛革のお手入れをもっとしたくなる、そんな大満足の仕上がりになりましたよ。
スエードリットモイスチャーで起毛革をケアしよう
本記事ではブートブラックのスエードリッチモイスチャーのご紹介と、スエードのお手入れ方法を実践しました。
お手入れが面倒と思いがちな起毛革ですが、基本的な考え方は一般的なスムースレザーと同じ。
起毛革にもブラッシングや潤い・油分補給をしてあげれば良いのです。
ただ、革が起毛しているため、それを考慮したお手入れが必要になります。
クリーム状の保革剤では、毛羽立った革繊維に引っかかり、塗りムラができてしまいますが、ミスト状のスエードリッチモイスチャーならば革全体に満遍なく塗布が可能です。
保革作用の高いオーガニックアルガンオイルが配合されているので、栄養補給も抜かりなし。
スプレーするだけのお手軽ケアが可能なスエードリッチモイスチャー。
ぜひお試しください。
それでは、今回はこの辺で。
少しでも参考になれば幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました!
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