なんて人におすすめなのがビーズミラーワックスです。
靴用ワックスの特性上、
- 輝きを与えやすいものは伸びが悪い
- 伸びが良く扱いやすいワックスは輝きが出にくい
上記の傾向があります。
革の上に留まって光沢となるのがワックスによる鏡面磨きの原理。
当然といえば当然です。
ですが、こうも思います。
実はあります。
使い心地と光沢を両立したワックスが。
それがイングリッシュギルドのビーズミラーワックスです。
イギリスの名だたるメーカーのフィニッシャーであるイングリッシュギルド。
数多くの歴史あるブランドの信頼を勝ち得ているアイテムがなんと一般販売されています。
伸びが良く塗りやすいのはもちろん、仕上がりも美しく。
鏡面が作りやすい靴用ワックスですよ。
本記事ではイングリッシュギルドのビーズミラーワックスの特徴と使用感をレビューします。
- 鏡面を簡単に仕上げたい
- ビーズミラーワックスの詳細を知りたい
- ビーズミラーワックスの使い心地はどう?
ワックス選びの大事なポイントは光りやすさと塗りやすさ
靴用ワックスは革靴に塗って磨くと光沢が出る道具です。
足元をエレガントに演出できる鏡面仕上げに必須。
靴磨きを楽しむためには欠かせない存在がワックス。
ゆえに、各シューケアメーカーで多様な種類のワックスを展開しています。
様々な特徴を持つワックスが多数ある中、選ぶ基準として重要なポイントは以下の2点。
- 光りやすさ
- 塗りやすさ
革靴を光らせる目的である以上、光りやすさはとても重要。
強い輝きを放つワックスは磨き込むとみるみるうちに光沢を放ち、使うのが楽しいです。
ただ、光りやすさとトレードオフになるのが塗りやすさです。
光りやすいワックスは固めのロウを多く配合しているため、必然的に使用感が硬くなります。
塗りにくくなるのです。
伸びが悪くなりますからね。
一方でロウ分が少ないと伸びが良く塗りやすいですが、光りにくくなります。
つまり、
- 光りやすいワックスは塗りにくい
- 塗りやすいワックスは光りにくい
上記のトレードオフが成り立つわけです。
そんな状況。
ワックスを選ぶ際には光りやすさと塗りやすさのバランスを考慮し、自分好みのワックスを見つけ出す必要があるのです。
光りやすく塗りやすいイングリッシュギルドのビーズミラーワックス
光りやすいワックスは塗りにくいのは紛れもない事実。
ですが、人間こう思うもの。
難しい問いですが…。
実はあります。
こちら。
イングリッシュギルドのビーズミラーワックスです。
イングリッシュギルドはイギリスのフィニッシャー。
- シューズメーカーが製造過程で使用する業務用のシュークリームや仕上げ剤などを生産しているメーカーを指す
イギリスの名だたるシューズメーカーのフィニッシャーを請け負っているイングリッシュギルドのクリームやワックスは信頼と実績を持つ一級品。
イングリッシュギルドはシューメーカーが使用する業務用製品を製造していましたが、一般消費者向け製品として商品展開を開始。
イングリッシュギルドの靴磨き用品で有名なのは、靴クリームのビーズリッチクリームですが、先ほどお見せした通り、靴用ワックスの展開もあります。
一般消費者向けに製品を解放してくれているのはありがたい限り。
英国を代表するブランドに製品提供しているメーカーのアイテムが使えるなんて。
嬉しすぎます。
さて。
ビーズミラーワックスはその名の通り、ビーズワックスを配合した道具。
鏡面を生み出しやすいシューポリッシュです。
ビーズミラーワックスの成分はカルナバワックスとビーズワックス、そして染料。
カルナバワックス配合により、光りやすく調合された珠玉のワックスです。
容器側面にはワックスの取り扱い表記あり。
ワックスが溶けないように高温での保管は避けましょう。逆に、極端に寒いところに置くと硬くなります。
ワックスは室温での管理が必要です。
玄関などの外の気温の影響をモロに受ける場所ではなく、リビングなどの人が過ごすところで保管するとGOODです。
フタを開けるとクッション材が入っています。
その下には、さらに注意書きが記載されたシートが1枚。
ワックス中の溶剤揮発を防いでくれます。
変質しにくいワックスです。
触ってみると…
とても柔らか。
ほどよく柔らかく、伸びが良いことが分かります。
手になじむ感覚のあるワックスです。
サフィールノワールのビーズワックスポリッシュの柔らかさに通じるものがあります。
項目 | 詳細 |
ブランド | イングリッシュギルド |
成分 | カルナバワックス ビーズワックス 染料 |
種類 | 油性 |
容量 | 50ml |
原産国 | イギリス |
用途 | スムースレザーシューズのツヤ出し |
価格 | 1,650円 |
カラー展開 | ブラック ニュートラル ミディアムタン ダークタン ライトタン バーガンディ ネイビー |
スエード・ヌバックなどの起毛革製品やエナメル皮革、爬虫類皮革、シープ、ラム皮、ヌメ革、ナッパ、アニリン製品に使えません。
一部素材にシミ・色落ちの出る場合があるため、目立たない箇所で試してから使いましょう。
ビーズミラーワックスで鏡面を作ってみた
これまで、ビーズミラーワックスの特性を見てきたわけですが…。
評判や特性を見るだけではワックスの本質は分かりません。
使ってみて初めてわかる特性もあります。
ということで、ビーズミラーワックスで実際に鏡面を作る作業へ。
磨く革靴はこちらです。
ストレートチップの大定番で、鏡面の仕上がりを見るには最適。
ビーズミラーワックスでどれほど光るかを検証します。
もちろん、使い勝手も。
作業手順は以下の通りです。
- ビーズミラーワックスを塗る
- ワックスを乾かす
- 磨き上げる
作業はとても簡単。
ビーズミラーワックスの光りやすさと使いやすさを体験してみます。
ビーズミラーワックスを塗る
まずはビーズミラーワックスを革に塗る作業。
ワックスを指に取り革に塗ります。
指で円を描くようにワックスを塗り込んでいきます。
光らせたい部分にワックスを塗っていきましょう。
つま先に光沢が欲しいため、その部分のみ塗ることに。
使用感としては先ほど述べた通り、伸びが良く塗りやすいです。
イングリッシュギルドのビーズミラーワックスは初心者の人でも扱いやすいワックスといえます。
片側の靴に塗り終わったら、もう片方の靴にも。
ワックスは塗り重ねると膜がより均一になり、ツヤが高まります。
今回はビーズミラーワックスをそれぞれ2回塗り重ねることに。
どのくらい光るのか、楽しみです。
ワックスを乾かす
ワックスを塗った後は時間をおいて乾かします。
ワックスを塗ったらすぐに磨きたいですが、グッと我慢。
5分程度待ちます。
というのも、ワックスには有機溶剤が入っているため、塗った直後は柔らかな状態です。
そのまま磨くとワックスが革に定着せずに輝きを生み出しにくくなります。
時間を置けば、有機溶剤は空気中へと勝手に飛んでいきます。
乾燥時間を設けて有機溶剤を蒸発させ、ワックスのロウ分を確実に革に乗せて輝きの元を作り出す魂胆です。
磨き上げる
続いて、ワックスを塗った箇所を磨き上げます。
ワックスの表面を均して光沢を出す作業です。
磨き用クロスを指に巻き付け、ハンドラップでクロスに水を含ませます。
そして、クロスにほんのわずかなワックスを取ります。
クロスの色が変わるか変わらないかの微量でOKです。
そして、クロスで磨き上げます。
力を入れずに優しく。
なでるように磨きます。
力が強いとせっかく塗ったワックスがずれて光らなくなります。
ここからは根気勝負。
左右交互に革靴を磨き続けます。
ツヤが出るまでひたすら。
クロスの滑りが悪いと感じたら、水を付け足しましょう。
磨き続けると革にツヤが出てきます。
クロスの磨き跡がなくなったら終了の合図です。
ビーズミラーワックスで磨いた革靴の仕上がりはこちら。
美しいツヤが出ました。
周囲の景色を反射するほどの輝き。
鏡のようになりました。
ビーズミラーワックス、高機能なワックスであることを実感できる仕上がりの良さです。
ビーズミラーワックスの使用前後を比較
イングリッシュギルドのビーズミラーワックスの効果を確認すべく、使用前後の革靴の状態を確認することに。
ビフォーアフターの比較がこちらです。
お手入れ前はもともとの革の質感が出ていてツヤが控えめ。
一方、ビーズミラーワックスで磨いた後には、周囲の景色が分かるほどの強いツヤが出ています。
まさに鏡面。
ハイシャイン仕上げとも呼ばれる、靴磨きの醍醐味です。
見惚れるほどの美しさ。
いつもの革靴の表情が激変。
美しく洗練された印象になりました。
ビーズミラーワックスは塗りやすくて使い心地が良いワックスでありながら、強い輝きが出る優れたワックスです。
- 光りやすいけれど塗りにくい
- 塗りやすいけど光りにくい
上記のトレードオフを打ち破る画期的なワックスですよ。
そんな人には特におすすめ。
イングリッシュギルドのビーズミラーワックスは普段の靴磨きを劇的に快適にします。
そして、楽しくもしてくれる稀有なシューポリッシュです。
ビーズミラーワックスで快適かつ確実な鏡面作りを
本記事では、イングリッシュギルドのビーズミラーワックスについて詳細と使用感をレビューしました。
イギリスの名だたるシューズメーカーが利用するフィニッシャーのイングリッシュギルド。
イングリッシュギルドの優れたシューポリッシュの1つがビーズミラーワックスです。
通常、靴用ワックスは、
- ロウ分が多く光りやすいものは塗りにくい
- 塗りやすいものは有機溶剤多めで光りにくい
といった、トレードオフの関係にあります。
ビーズミラーワックスはトレードオフを打ち破る優れたワックス。
光りやすくて塗りやすい、稀有なシューポリッシュです。
革靴にはスッと塗り広げられ、いざ磨いたときには強いツヤが出ます。
快適な使用感で美しい仕上がりになるビーズミラーワックス。
ぜひお試しを。
それでは、今回はこの辺で。
少しでも参考になれば幸いです。
ご覧いただき、ありがとうござました!
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