M.モゥブレィのハイシャインプライマーは、革靴の鏡面磨きをしやすくするサポートアイテム。
輝きの土台となる下地を作り、ツヤが出やすくなります。
しかも短時間で。
ただ、ここで出てくる1つの疑問。
ということで、実際に検証してみました。
結論、ハイシャインプライマーは革靴により強いツヤを短時間で与えられます。
本記事では、M.モゥブレィのハイシャインプライマーと通常のワックスとの仕上がりの違いについて書きました。
実際の作業工程を踏まえながら、使用感とともにお伝えしていきます。
- ハイシャインプライマーって本当に効果あるの?
- ハイシャインプライマーと通常のワックスとの仕上がりの比較が見たい
- 鏡面磨きをより美しく・短い時間で楽しみたい
M.モゥブレィのハイシャインプライマー
M.モゥブレィのハイシャインプライマーは、鏡面磨きを強力にサポートするシューケアアイテム。
通常のワックスと同じように、革靴の光らせたい部分に塗り重ねて使います。
ただ、通常のワックスとの差別化ポイントは、ハイシャインプライマーの効果は鏡面磨きのための下地をつくること。
ハイシャインプライマーは、革靴にツヤを出すための土台を整えるのに特化した道具なのです。
下地作り用の道具なので、通常のワックスと併用して使います。
カラー展開はブラックとニュートラル(無色)の2色。
様々な色の靴に使えるニュートラルは、1つ持っておいて損はないです。
黒の革靴が多い場合はブラックがオススメ。
黒の深みが増します。
ハイシャインプライマーはより強いツヤが短時間で得られる
ハイシャインプライマーは、通常のワックスよりも強く美しい輝きが得られます。
というのも、ハイシャインプライマーは革靴に塗った後、すぐに固まって強固な油膜を張ります。
革本来が持つ、もともとの凸凹を埋める効果が高いのです。
ゆえに、革の平坦さが高まり、光を反射しやすい面が生まれます。
それにより、革に輝きが出るという仕組み。
すぐに固まるため、磨き時間の短縮にも繋がる効果も。
通常のワックスの場合、しっかりと乾燥時間を確保しないと、滑らかな面が安定しにくいですからね。
ハイシャインプライマーは強く美しいツヤが短い時間で得られるメリットがあります。
ハイシャインプライマーは通常のワックスと何が違う?
さて、この項目では、ハイシャインプライマーが通常のワックスとどう違うのかを少し掘り下げてみます。
定着力が高い
ハイシャインプライマーは塗った後に固まりやすく、安定した油膜が張りやすいアイテムです。
なぜかというと、通常のワックスとは成分が異なるから。
ハイシャインプライマーは通常のワックスに比べ、革表面にとどまりやすく、また、空気中で固化しやすい成分が多いのです。
通常のワックスは油分が少なからず革内部へと浸透し、革表面への乗りという点では、塗りこんだワックスすべてが油膜形成に寄与するわけではありません。
しかし、ハイシャインプライマーは革の表面にしっかりと定着。
安定した鏡面下地をきっちり作り上げます。
革への負担が少ない
ハイシャインプライマーは鏡面が素早く作れるため、通常のワックスに比べて、革への負担を抑えられるのも嬉しいポイント。
ハイシャインプライマーで下地を作ると、その後に塗るワックスの成分が革の奥に染みこむのを防いでくれます。
鏡面磨きに使うワックス中の油分や溶剤が革に押し込まれると、水分と油分のバランスが崩れます。
それにより、下記のことが起こる可能性が。
- 革の柔軟性が損なわれる
- 磨き続けることで革の表面が荒れてしまう
ハイシャインプライマーを活用すれば、これらを避けれます。
革を大切にしたい方には、ぜひともオススメしたい逸品です。
値段は高め
ただ、正直、価格は高いです。
2,750円。
靴用ワックスとしてみれば、高価格帯のアイテム。
通常のワックスなら、2個、あるいは3個ほど買えます。
しかし、得られる効果は価格以上。
時短が図れ、革へのダメージを最小化してくれる効果はプライスレスです。
ハイシャインプライマーの威力を検証
ここからは実際に、ハイシャインプライマーが通常のワックスとどう違うのかを検証していきます。
ハイシャインプライマーを使う場合と、使わない場合で、革靴の鏡面の仕上がりがどのように変わるのかを見ていきますね。
比較に使うのは、リーガルのストレートチップ。
淡いブラウンなので、鏡面仕上げの差を見やすい靴です。
向かって左側(右足)の靴はハイシャインプライマーを使います。
一方、向かって右側(左足)の靴は通常のワックスのみを使って磨きます。
左右それぞれの磨き手順は以下の通りです。
向かって左側の靴
- ハイシャインプライマーで下地を作る
- 通常のワックスで磨く
向かって左足の靴
- 通常のワックスで下地を作る
- 通常のワックスで磨く
ハイシャインプライマーはあくまで下地を作るための道具なので、磨き作業には通常のワックスを使います。
この記事では、いわゆる「通常のワックス」として、M.モゥブレィのハイシャインワックスを使います。
作業ルールとしては、下地として塗るのはハイシャインプライマー、通常のワックスともに2層。
その後、どちらの靴もクロスに付けた少量の通常ワックスを使って磨き上げることにします。
公平なルールの下、比較していきますよ。
ハイシャインプライマーで鏡面磨き
まずは、ハイシャインプライマーを使った鏡面磨きから。
磨き作業
ハイシャインプライマーを指に取り…
靴に塗ります。
光らせたい部分にのみ塗布しましょう。
ハイシャインプライマーは定着力が強いため、革の上に乗せ過ぎるとデコボコが生まれ、白化します。
鏡面が仕上げにくくなるかも…。
薄く塗るのが肝です。
革の上に乗せるのではなく、少し力を加えて革にすり込むイメージで塗ると上手く下地が作れますよ。
ハイシャインプライマーは通常のワックスで必要な、溶媒を飛ばすための乾燥時間を設ける必要がありません。
ハイシャインプライマーを塗った後、すぐに磨き上げ作業が可能です。
ハイシャインプライマーで下地を使った箇所をクロスで磨きます。
少量のワックスを取ります。
そして、磨き上げ。
円を描くようにクルクルと。
さすがハイシャインプライマー。
すぐにツヤが出てきました。
通常、磨き作業はツヤが出始めるまでに時間がかかります。
そのため、ひたすら磨き続けてようやく強い輝きが得られるのですが…。
ハイシャインプライマーはまったく別次元の速さ。
鏡面の仕上がり
仕上がりはこのように。
美しい輝きが出ました。
作業開始から終了までにかかった時間は以下の通り。
作業工程 | 作業時間 |
下地作り | 2分 |
磨き上げ | 3分 |
合計 | 5分 |
鏡面にするための所要時間は約5分。
両足想定だと10分程度。
早いです、明らかに。
革命的。
通常のワックスで鏡面磨き
続いて、通常のワックスで鏡面磨きをしていきます。
磨き作業
M.モゥブレィのハイシャインワックスで下地を作っていきます。
指に付けたワックスを…
靴に塗ります。
つま先に満遍なく塗れたら、溶媒を飛ばすために乾燥させましょう。
乾燥時間は5分程度。
あまりに短いと、鏡面に仕上がらなくなります。
というのも、溶媒が飛ばずに柔らかさを維持したワックスは磨いた際にこすれたり、表面が荒れやすいです。
そのため、輝きが思うように出なくなります。
急がば回れ。
ワックスが硬く固化するまで待ちましょう。
(…5分後)
しっかり乾燥時間を設けた後は、クロスで磨いていきます。
ハイシャインプライマーで磨いたときと同じく、指に巻きつけたクロスにハンドラップで少量の水を付けて、ワックスを少量取り分けます。
そして、優しく磨いていきましょう。
最初はくもった革面ですが、磨き続けるうちに徐々に光沢が出てきます。
ただ、輝きが出てくるまでの時間はハイシャインプライマーよりも遅いです。
それでも、磨き続けると、出てきましたね。
鏡面の仕上がり
仕上がりはこのように。
しっかりと光沢が出ています。
通常のワックスだけでも、しっかりと鏡のような表面を作れました。
作業開始から終了までにかかった時間はというと…。
作業工程 | 作業時間 |
下地作り | 2分 |
乾燥 | 5分 |
磨き上げ | 7分 |
合計 | 14分 |
通常のワックスで仕上がるのにかかった時間は約14分。
乾燥時間はやはりネック。
ですが、必須の工程です。
乾燥させてしっかりと土台を作っておかないと、いくら磨き続けても輝きが出ない苦しみが待っていますからね…。
磨き時間に関しても、輝きが出始めるまでに時間がかかります。
多くの靴用ワックスは種類によらず、この程度の時間はかかるでしょう。
両足を鏡面にすると想定すると、約30分ほど。
ハイシャインプライマーと通常ワックスとの仕上がりを比較
さて、ここが大事なところ。
ハイシャインプライマーと通常のワックスで仕上がりに違いがあるのか
一緒に見ていきましょう。
見た目を比較
鏡面に仕上げた革靴を並べた様子がこちら。
向かって左がハイシャインプライマーを下地にして磨いた靴。
向かって右が通常のワックスで磨いた靴です。
並べてみると、ツヤの質感に違いがあるのが分かります。
ハイシャインプライマーで仕上げた靴は、透明感のある澄んだ輝きを放っています。
ハイシャインプライマーで生み出された光沢は立体感のあるツヤで、見ていると吸い込まれそうな、そんなルックス。
どちらも美しいのですが、ハイシャインプライマーのツヤには、より奥行きが感じられます。
一方、通常のワックスで仕上げた靴は美しくツルッとした印象。
ハイシャインプライマーの輝きの上質さには劣ります。
それでいて、先ほどご紹介した通り、ハイシャインプライマーの仕上がりは驚きの早さ。
満足度が限界突破です。
ハイシャインプライマーはこれまでの鏡面磨きの概念を良い意味で裏切り、歓喜をもたらすシューケアアイテムです。
仕上がるまでの時間を比較
ここで、鏡面に仕上げるためにかかった時間を改めてまとめておきます。
工程 | ハイシャインプライマー | 通常ワックス |
下地作り | 2分 | 2分 |
乾燥 | 0分 | 5分 |
磨き上げ | 3分 | 7分 |
合計 | 5分 | 14分 |
上記時間は個人の技術や周囲の湿度、温度などで多少のずれがあると思いますが、ご参考までに。
ハイシャインプライマーは塗ったそばから乾いていくのが分かるので、わざわざ乾燥時間をとらなくて良いのが大きいです。
それにより、大幅な時短を達成。
磨き時間も短くて済み、ストレスフリー。
むしろ、ゆったりと磨き時間を楽しみたい方には、ハイシャインプライマーの仕上がりの早さに物足りなささえ感じるかもしれません。
ハイシャインプライマーは透明感のあるツヤが短い時間で得られます
本記事では、ハイシャインプライマーと通常ワックスとで鏡面の仕上がりに違いがあるのか比較・検証しました。
ハイシャインプライマーは、鏡面仕上げのための下地作りを強力にサポートしてくれる便利なアイテム。
実際、ハイシャインプライマーで作った鏡面の土台はツヤ出し効果が高いです。
少し磨くだけで簡単に輝きます。
さらに、鏡面の仕上がりは透明感と立体感が表れ、上質な印象。
鏡面仕上げに掛かる時間も短く、時短効果が高いのも魅力です。
手軽に革靴の鏡面磨きが楽しめます。
靴磨きの革命児、ハイシャインプライマー。
それでは、今回はこの辺で。
少しでもご参考になれば幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました!
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