鏡面磨きを施した革靴って美しいですよね?
革が本来持つ自然なツヤもそれはそれで美しいですが、シューポリッシュでピカピカに磨き上げた革靴の輝きは思わず見とれてしまうほど。
ですが、革靴を鏡面に仕上げるのは結構大変です。
特に、慣れないうちは、
- いくら磨いてもツヤが出ない
といったことはよくあります。
それどころか表面が曇ってしまうことも…。
- 磨けども磨けども、我が革靴ピカピカにならず
そんな経験、ありませんか?
何度か靴磨きをしていくと段々と感覚がわかって上手くいくようになるわけですが…。
いかんせん大変。
それはそれで、技術の向上を身をもって体感できるので嬉しいことではあるのですがね。
しかし、今の世の中、そういった経験を積まずとも、
- 鏡面磨きがバッチリ仕上がる
とあるシューケア用品があるのです。
その名も、
- ミラーグロス
です。
今回は、実際にミラーグロスを使って革靴の鏡面仕上げをしてみます。
ということで、本記事ではミラーグロスで鏡面磨きをする方法について書いていきます。
鏡面磨きは革靴が光を反射する仕上げ方法
今回のテーマである鏡面磨きとは、革靴にシューワックスを塗り込んで靴が光を反射するようになるケア方法。
革靴を、
- あたかも鏡のような状態に仕上げる
ために行われる靴磨き手法です。
革は動物の皮(原皮)から作られるため、毛穴や細かいシワがあり、表面がデコボコしています。
自身の手の甲を見て頂ければわかりますよね。
したがって、そんな動物の皮から作られる革靴もザラついています。
革靴の種類によってザラつきの程度には大小があります。高級な革はよりなめらかです。
表面がザラついていると、光が当たってもその反射が分散して、ツヤは比較的控えめ。
光りにくいです。
鏡面磨きは革表面のザラつきを解消し、光の反射の方向性を整える方法。
革を磨き上げて革の表面が鏡のように光を「完全反射」する状態に限りなく近づける行為なのです。
そのためにシューワックスを使用します。
デコボコした革の表面の「谷」の部分を、シューワックスを塗り込む事で埋めて、表面を均一にならすのです。
ならされた革の表面は均一に光を反射。
美しい鏡のような輝きが生まれる…。
これが鏡面磨きで革靴が光る仕組みです。
鏡面に仕上げるは難しい
鏡面磨きが施された革靴はとても美しく、見ていて気持ちの良いものです。
しかし、実際に自分でやろうとすると結構難しいのが正直なところ。
僕の場合、初めて鏡面磨きに挑戦したときは、
- 合計3時間
に渡って革靴をシューワックスで磨き続けました。
ですが、一向に鏡面にならずに諦めました…。
それからというもの、本やウェブで情報収集して試行錯誤しつつ、徐々に徐々に革靴を「鏡面」に仕上げられるようになった背景があります。
日々精進です!
いわゆる、
といわれるものは、
- ワックスを塗ってからの乾燥時間
- 水の分量
- 磨く際の力の入れ具合
など、あげれば色々とあります。
初めて鏡面磨きをする人にとっては、上記の全てに気を払うのは簡単ではありません。
- 鏡面に仕上げるのはハードルが高い
と感じています。
鏡面磨きの難しさのハードルを劇的に低くする「ミラーグロス」
技術的なハードルが高い鏡面磨き。
ですが、そのハードルをものすごく下げてくれるシューケア用品があります。
それがこちら。
靴磨き用品製造販売でおなじみのサフィールノワールが生み出した画期的なアイテム。
- ミラーグロス
です。
ミラーグロスは革靴を、
- より早く
- 強く光らせる
上記を可能とした鏡面磨き用ワックス。
通常のワックスよりもはるかに早く鏡面仕上げができます。
カルナバワックスやモンタンワックスをはじめとした、高級天然ワックスをふんだんに使用。
厳選したワックスの適切な配合により、鏡面化するまでにかかる時間を短縮することに成功したのです。
このミラーグロスを使えば、従来のシューワックスよりも格段に鏡面に仕上げやすくなります。
一方で注意点も1つ。
ミラーグロスは鏡面化専用ワックスで、それに特化した配合になっています。
そのため、保革・栄養付与効果はありません。
実践!ミラーグロスで鏡面磨き
ミラーグロスは通常のシューワックスと比較して早く、強く光る…。
僕の場合、鏡面磨きをしている時間も楽しいので、靴磨きに何時間掛かろうとそれはそれで良いです。
しかし、
- 強く光らせることが可能
な点に魅力を感じ、ミラーグロスを購入しました。
と考えていた靴があったので、今回はその靴をミラーグロスで磨いてみます。
磨く靴はこちら。
スコッチグレイン(SCOTCH GRAIN)のシャインオアレインⅣです。
撥水加工を施した国産カーフを使用した靴で、雨の日だろうがお構いなしの1足。
トゥのメダリオンもシンプルであらゆるシーンに対応可能なデザイン。
全天候型という機能性も優れた点です。
こちらの靴には常に鏡面磨きを施しています。
というのも、この靴は雨の日に履くことが多いから。
元々の撥水レザーによる防水性だけでなく、シューワックスを乗せてさらに水に強くしたいという考えがあるからです。
では早速、ミラーグロスを使ってみましょう。
革靴のブラッシング
何はともあれ、まずはブラッシング。
馬毛ブラシでホコリを落として、ケアに備えます。
革靴の汚れ落とし
続いて、ステインリムーバーをクロスに取って、つま先部分の汚れと古いワックスを落とします。
今回は鏡面に仕上げるためにミラーグロスのみ使用するので、栄養補給はしません。
そのため、古いワックスを落とすのも程々に。
軽く汚れを落とす程度です。
革への栄養補給を実施する場合は、完全に古いワックスの層を除去するようにしましょう。
革靴にミラーグロスを塗る
汚れ落としが終わったら、主役の登場。
サフィールノワールのミラーグロスの出番です。
缶のフタを開けると良い香りが漂います。
このミラーグロスを指に取って…
革靴に塗り込みます。
この工程はミラーグロスで鏡面に仕上げるための、
- 下地作り
です。
たっぷり塗って、しっかりと乾燥させることが鏡面磨きを成功へと導くポイント。
両足のトゥにミラーグロスを塗り終わりました。
この状態で5分ほど待ち、ミラーグロスを乾燥させます。
ちょっとブレイク|ポリッシュクロスの紹介
鏡面磨きに必須のクロス。
使用するのはこちらの磨きクロスです。
ブートブラック(Boot Black)のポリッシュクロス。
見ての通り、だいぶ使い込んでいます。
鏡面仕上げに最適な目の細かいコットン製のクロスです。
糸くずがほとんど出ず、鏡面磨きがしやすいのが特徴。
せっかく磨き上げた鏡面のワックス層に糸くずが入ってしまうと、美しさも半減ですからね。
では、作業に戻りましょう。
革靴を磨く
ポリッシュクロスを指に巻き付けて、ハンドラップでごくごく少量の水を浸み込ませたら…
磨きクロスをポンポンと押し当てる程度にミラーグロスを取りまして…
クロスで革靴を磨いていきます。
小さく円を描くようにクルクルとクロスを回していきます。
ゴシゴシこするのではなく、なでるように。
クロスで磨いた際、上の写真のように細かい水滴が付着している場合は水が多い状態です。
この状態で磨き続けると、鏡面が曇ってしまう場合があります。
そんなときはミラーグロスを少し追加して、ワックスに水を吸い込ませるようにすると良いです。
すると、革に水滴が残らなくなりますよ。
この磨き工程をトゥが光るまで繰り返していきます。
そうすると…
輝きが生まれます。
両足とも、ミラーグロスによる磨き工程が終了です。
ピカピカですね。
これだけでも充分ですが…。
さらに靴を輝かせる工程へ移ります。
革靴をさらに磨き上げる
使うのはこちらの道具。
山羊毛ブラシです。
山羊毛ブラシでブラッシングすると、より鏡面がなめらかに、みずみずしい雰囲気が作り出せます。
ハンドラップでブラシに少量の水を付け…
やさ~しく、ブラッシングします。
その後は、仕上げのグローブクロスで最後の磨き上げ。
これにて作業終了。
トゥを拡大してみます。
ミラーグロスを使用する前に比べて、光の反射が強くなりました。
鏡のような状態に近づいていますね。
よりわかりやすくするために、ミラーグロス前後の比較画像を見てみましょう。
違いは明らか。
光沢感が増しています。
ミラーグロスを使わない従来のシューワックスでの仕上げも良いですが…。
ミラーグロスを使用すると、靴の雰囲気がどことなく違っているように見えませんか?
ミラーグロスを使った鏡面磨きは超簡単
本記事ではミラーグロスを使用した鏡面磨き方法を紹介しました。
通常のシューワックスでの鏡面磨きは、根気強くクロスで磨き上げることが必要なため、時間と手間がかかります。
という気分のときには敬遠されがちな作業です。
ですが、
ときがありますよね?
そういう気分のとき、鏡面磨きは選択肢に入りません。
鏡面磨きするならガッツリ時間を取りたいですからね。
その点、ミラーグロスであればほんの少しの時間で驚くほど早く鏡面に仕上げられます。
- 鏡面磨きのインスタント化
とでもいいましょうか。
それくらいのインパクトがミラーグロスにはあります。
- 革靴を鏡面に仕上げたいけど思うようにいかない
- 靴磨きに取れる時間があまりないけど、鏡面にはしたい
- 鏡面磨きが億劫で重い腰が上がらない
こんな人にミラーグロスは最適。
ぜひお試しください。
それでは、今回はこの辺で。
少しでも参考になれば幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました!
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大事な革靴を劣化させないために靴を磨いてコンディションを整えるのがおすすめです。