鏡面磨きを施した革靴って美しいですよね!
革が本来持つツヤも艶やかではありますが、シューポリッシュでピカピカに磨き上げた革靴の美しさは思わず見とれてしまうほど。
でも、革靴を鏡面に仕上げるのって結構大変です。
特に、慣れないうちはいくら磨いてもツヤが出ない、輝かないといったことはよくあります。
それどころか表面が曇ってしまうことも…。
磨けども磨けども我が革靴、ピカピカにならず…。
まぁ、何度か靴磨きをしていくと段々と感覚がわかって、上手くいくようになってくるんですけどね。
それはそれで、技術の向上を身をもって体感できるのでとっても嬉しいことです。
しかし、今の世の中、そういった経験を積まずとも鏡面磨きがバッチリできるようになる、とあるシューケア用品があるんです!
その名も「ミラーグロス」。
今回は、実際にミラーグロスを使って革靴の鏡面仕上げをしてみます!
ということで、本記事ではミラーグロスで鏡面磨きをする方法について書いていきます。
鏡面磨きとは?

今回のテーマである鏡面磨きとは、革靴にシューワックスを塗り込むことで、靴が光を反射するようになるケア方法の一つ。
革靴を、あたかも鏡のような状態に仕上げるために行われる靴磨き手法です。
革は動物の皮(原皮)から作られるため、毛穴や細かいシワがあり、表面がデコボコしています。
ご自身の手の甲を見て頂ければわかりますよね。
したがって、そんな動物の皮から作られる革靴もザラついています。
表面がザラついていると、光が当たってもその反射が分散して、控えめなツヤとして現れます。
鏡面磨きというのは、この表面のザラつきを解消し、光の反射の方向性を整える方法。
革を磨き上げることで、その表面が鏡のように光を「完全反射」する状態に限りなく近づける行為なのです。
そのためにシューワックスを使用します。
デコボコした革の表面の「谷」の部分を、シューワックスを塗り込む事で埋めて、表面を均一にならすのです。
ならされた革の表面は、均一に光を反射して、美しい鏡のような輝きが生まれる…。
これが鏡面磨きで革靴が光る仕組みです。
鏡面に仕上げるのって難しい…
鏡面磨きが施された革靴は大変美しく、見ていて大変気持ちの良いものです.
しかし、実際に自分でやろうとすると、結構難しいものです。
僕の場合、初めて鏡面磨きに挑戦したときは合計3時間、革靴をシューワックスで磨き続けました。
ですが、一向に鏡面にならずに諦めました…。
それからというもの、本やウェブ上で情報収集を行いながら試行錯誤しつつ、徐々に徐々に革靴を「鏡面」っぽく仕上げられるようになってきました。
日々精進です!
いわゆる鏡面磨きの「コツ」と言われるものは、ワックスを塗ってからの乾燥時間とか、水の分量とか、磨く際の力の入れ具合とか、挙げれば色々とあります。
やはり初めて鏡面磨きを行う方にとっては、それら全てに気を払うのは容易ではなく、鏡面に仕上げるのはハードルが高いものだと感じています。

鏡面磨きの難しさのハードルを劇的に低くする「ミラーグロス」
そんなハードルが高い鏡面磨きですが、そのハードルをもの凄く下げてくれるシューケア用品があるんです。
それがこちら。

靴磨き用品製造販売でおなじみのサフィールノワールが生み出した画期的なアイテム、「ミラーグロス」です。
ミラーグロスは革靴をより「早く」そして「強く光らせる」ことを可能とした鏡面磨き用ワックス。
通常のポリッシュよりもはるかに早く鏡面仕上げをほどこすことができます。
カルナバワックスやモンタンワックスをはじめとした、高級天然ワックスをふんだんに使用。
厳選したワックスの適切な配合により、鏡面化するまでにかかる時間を短縮することに成功したのです。
このミラーグロスを使えば、従来のシューワックスよりも格段に鏡面に仕上げやすくなります。
一方で注意点も一つ。
ミラーグロスは鏡面化専用ワックスで、それに特化した配合になっています。
そのため、保革・栄養付与効果はありません。
実践!ミラーグロスで鏡面磨き
ミラーグロスは通常のシューワックスと比較して早く、強く光る…。
僕の場合、鏡面磨きを行っている時間も楽しいので、靴磨きに何時間掛かろうとそれはそれで良いです。
しかし、「強く」光らせることが可能な点に魅力を感じ、ミラーグロスを購入しました。
「強く光らせたい」。
丁度そう思っていた靴があったので、今回はその靴をミラーグロスで磨いてみます。
磨く靴はこちら。

スコッチグレイン(SCOTCH GRAIN)のシャインオアレインⅣです。
撥水加工をほどこされた国産カーフを使用した靴で、雨の日だろうがお構いなしの一足。
トゥのメダリオンもシンプルであらゆるシーンに対応可能なデザインは、全天候型という機能性とも相性抜群。
この靴には常に鏡面磨きを施しています。


というのも、この靴は雨の日に履くことが多く、元々の撥水レザーによる防水性だけでなく、シューワックスを乗せてさらに水に強くしたいという思いからです。
革靴のブラッシング
何はともあれ、まずはブラッシング。

ホコリを落として、ケアに備えます。
革靴の汚れ落とし
続いて、ステインリムーバーをクロスに取って、つま先部分の汚れと古いワックスを落とします。


今回は鏡面に仕上げるためにミラーグロスのみ使用するので、栄養補給は行いません。
そのため、古いワックスを落とすのも程々に。

軽く汚れを落とす程度です。
合わせて革への栄養補給を実施する場合は、完全に古いワックスの層を除去するようにしましょう。

革靴にミラーグロスを塗る
汚れ落としが終わったら、主役の登場。

サフィールノワールのミラーグロス。
缶のフタを開けると良い香り(※個人の感想です)が漂います。
このミラーグロスを指に取って、革靴に塗り込みます。


この工程はミラーグロスで鏡面に仕上げるための「下地作り」です。
たっぷり塗って、しっかりと乾燥させることが鏡面磨きを成功へと導くポイント。

両足のトゥにミラーグロスを塗り終わりました。
この状態で5分ほど待ち、ミラーグロスを乾燥させます。
ちょっとブレイク:ポリッシュクロスのご紹介
鏡面磨きに必須のクロス。
使用するのはこちらのポリッシュクロスです。

ブートブラック(Boot Black)のポリッシュクロス。
見ての通り、だいぶ使い込んでいます。
鏡面仕上げに最適な目の細かいコットン製のクロスです。
糸くずがほとんど出ず、鏡面磨きがしやすいのなんのって!
折角磨き上げた鏡面のワックス層に糸くずが入ってしまうと、美しさも半減ですからね。
革靴を磨く
ポリッシュクロスを指に巻き付けて、ハンドラップでごくごく少量の水を染み込ませたら…、

ミラーグロスをほんのちょっと、クロスをポンポンと押し当てる程度に取りまして…、

クロスで革靴を磨いていきます。

小さく円を描くようにクルクルとクロスを回していきます。
ゴシゴシこするのではなく、なでるように。

クロスで磨いた際、上の写真のように細かい水滴が付着している場合は水が多い状態です。
この状態で磨き続けると、鏡面が曇ってしまう場合があります。
そんな時はミラーグロスを少し追加して、ワックスに水を吸い込ませるようにすると良いです。


この磨き工程をトゥが光るまで繰り返していきます。
そうすると…


両足とも、ミラーグロスによる磨き工程が終了しました。
これだけでも充分ですが、さらに靴を輝かせる工程を行います。
革靴をさらに磨き上げる
使うのはこちらの道具。

山羊毛ブラシです。
山羊毛ブラシでブラッシングすることで、より鏡面が滑らかに、みずみずしい雰囲気が作り出せます。
ハンドラップでブラシに少量の水を付けまして…、

やさ~しく、ブラッシングします。

その後は、仕上げのグローブクロスで最後の磨き上げを行います。

これにて作業終了。

トゥを拡大してみます。


ミラーグロスを使用する前に比べて、光の反射が強くなり、より「鏡」のような状態に近づいています。
よりわかりやすくするために、ミラーグロス前後の比較画像を見てみましょう!


違いは明らか。
光沢感が増しています。
ミラーグロスを使わない、従来のシューワックスでの仕上げも良いですが、ミラーグロスを使用すると、靴の雰囲気がどことなく違っているように見えませんか?
ミラーグロスを使った鏡面磨きは超簡単!
今回はミラーグロスを使用した鏡面磨き方法をご紹介しました。
通常のシューワックスでの鏡面磨きは、根気強くクロスで磨き上げることが必要なため、時間と手間がかかります。
「軽く磨きたい」という気分の時には敬遠されがちな作業です。
僕の場合、そういう気分の時は鏡面磨きは選択肢に入りません。
鏡面磨きするならガッツリ時間を取りたいので^^
その点、ミラーグロスであれば、ほんの少しの時間で驚くほど早く、革靴を鏡面に仕上げることができます。
鏡面磨きのインスタント化とでもいいましょうか。
それくらいのインパクトがこのミラーグロスにはあります。
- 革靴を鏡面に仕上げたいけど思うようにいかない」
- 靴磨きに取れる時間があまりないけど、鏡面にはしたい
- 鏡面磨きが億劫で重い腰が上がらない
こんな方にミラーグロスは最適だと思いますので、是非お試しください。
それでは、今回はこの辺で。
少しでもご参考になれば幸いです。
ご覧頂き、ありがとうございました!









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