革靴のつま先は削れやすいです。
履き下ろしたばかりの革靴は特に。
靴底の返りが悪いため、ガリガリ削れていきます。
ゴムソールやウレタンソールでも削れは進行しますが、革製ソールはより顕著。
革製のレザーソールの場合、削れは急加速します。
1日履いただけで、気持ちが引くくらい削れていくことがままあります。
その状態で履き続けているとつま先が削れ過ぎてウェルトにまで到達。
オールソール(革底の全面張替え)をする羽目に…。
修理費用は少なく見積もっても1万円以上。
なかなか馬鹿になりません。
そこで。
つま先削れヘの対策におすすめなのがつま先補強。
つま先に金属のパーツである、
- トゥスチール
を付けて削れないようにする手法です。
具体的には、ビンテージスチールやトライアンフを取り付けてつま先を補強する方法。
耐久性が上がるだけでなく、スタイリッシュな見た目になって格好良くなるのもメリットです。
本記事では革靴のつま先に取り付けたいビンテージスチールとトライアンフの効果を解説します。
- 靴のつま先削れを防ぎたい
- つま先削れヘの対策はどうすれば良い?
- ビンテージスチールとトライアンフを取り付けるとどんな感じになるの?
レザーソールのつま先削れは心も削られる
革靴を購入してから履き下ろすときに心配なのが靴底の削れ。
靴を履いていれば、当然ながら靴底が削れてきます。
革製のレザーソールなら特に。
ゴム底よりも摩耗に弱いですからね。
部位でいうと削れやすいのがかかと。
そして、つま先。
かかとが削れやすいのは誰でも想像がつきますが、意外と盲点なのがつま先です。
レザーソールの場合、履き始めは歩行時の靴の返りが悪いため、つま先が地面と接触しやすく摩耗しやすいです。
結果、ガンガン削れていくことに…。
たった1日履いただけでもガッツリ削れます。
つま先が削れ過ぎると出し縫い糸が切れることに繋がります。
さらに削れが進行し続けるとウェルトまで削れ、オールソール以外の修理ができなくなります。
そんな未来を想像するとハラハラするわけです。
つま先削れは革靴の物理的な摩耗だけでなく、履く人自身の心理的な消耗の引き金にもなります。
そんな思いがわきますよね?
自分でできるレザーソールのつま先補強
レザーソールのつま先削れヘの対策としては、ラバープレートを使った補強と補修があります。
削れたつま先をプレートで補修したり、削れる前にあらかじめプレートを取り付けておく方法です。
セルフ補強のためのキットが販売されています。
取り付けはいたって簡単。
プレートや接着剤で取り付けるだけ。
これまでに筆者は補強プレートで複数の革靴のつま先補強をしてきました。
セルフ補強は簡単にできて、手軽につま先削れヘの不安を払拭できるのがメリットです。
ただ、見た目がイマイチというデメリットもあります。
靴底は普段見えない箇所なので、気にならないといえば気にならないのですが…。
見えない部分にも気をつかう粋な心を持っていたい気持ちがあります。
- つま先を補強しつつスタイリッシュな見た目を確保したい
そんな人におすすめしたいのがトゥスチールでのつま先補強です。
見た目を重視するならビンテージスチールかトライアンフがおすすめ
レザーソールのつま先の見た目を重視するなら、つま先用の専用プレートを取り付けるのがおすすめです。
トゥラバーと並んで定番なのが金属製のトゥスチール。
より具体的なアイテム名称をいえば、
- ビンテージスチール
- トライアンフ
です。
ビンテージスチールは半円状のスチール製のプレート。
トライアンフは台形型のスチール製プレートです。
スチールとは鋼のことですね。
ビンテージスチールとトライアンフはどちらもトゥスチールに分類されるアイテムですが、違いは色と形状です。
形状は先ほど述べた通り。
色については、ビンテージスチールは銀色でトライアンフは金色。
トライアンフはゴールドメッキ処理なので、履き込むうちにメッキが剥がれて銀色になってきます。
材質はどちらもスチールですからね。
地金が見えれば一緒です。
材質はどちらも同じスチールなので強度は変わらず。
結局は見た目の違いです。
ビンテージスチールはフォーマルな見た目のドレッシーな革靴に。
トライアンフは武骨でカジュアルな革靴に相性が良いと一般的には言われますが、好みで選べばOKです。
基本的には見えない部分ですからね。
自分の気分が上がることが大事。
好きなものを取り付けましょう。
取り付ける際には、どちらもつま先を削った後に、削った部分にはめ込む形での取り付けになります。
変にプレートが浮くことがありません。
違和感なく取り付け可能。
はめ込み式ではないトゥスチールとしては他にもジェリーフィッシュというものがありますが、ゴム製プレートと用途がほぼ変わりません。
トゥスチールで見た目を格好良くしたいならジェリーフィッシュではなく、ビンテージスチールかトライアンフをおすすめします。
ゴム製のトゥラバーも削れにくく便利です。
靴修理店でビンテージスチールとトライアンフを取り付け
レザーソールの革靴を持っている以上は、つま先削れヘの対策は欠かせないケア。
ということで、今回、筆者の所有する2足の革靴にそれぞれビンテージスチールとトライアンフを取り付けることにします。
ジェイエムウエストンのローカットブーツとオールデンのチャッカブーツです。
ジェイエムウエストンのブーツに関しては、以前にラバープレートでつま先補修済み。
ただ、こちらのつま先。
プレートの効きが弱まってきた感が…。
セルフ修理なので取り付け位置が悪かったのか、思いのほかつま先削れを抑えられませんでした。
はみ出した接着剤は美しさを損なう原因になっているため、ラバープレートを取り外してからスチールで補強することにします。
ブラックの革靴なので、シルバーカラーのビンテージスチールでシックにまとめたい所存。
もう1足のオールデンのチャッカブーツは、購入したばかりで1度履いただけ。
それでもつま先が結構削れています。
これ以上削れる前にトゥスチールで補強し、削れを予防しようという魂胆です。
つま先を見るたび削れた状態が見えるのは精神衛生上良くありません。
一刻も早くトゥスチールを取り付けなければ。
こちらのチャッカブーツには、ダークバーガンディの妖艶な印象を崩さないため、色気あるゴールドのトライアンフを取り付けることにします。
新品時にトゥスチールを取り付けるのもアリです。筆者の場合、何も加工していないそのままの履き味を1度楽しみたいという思いがあり、履き下ろしてからトゥスチールを取り付ける選択をしています。
今回、トゥスチールの取り付けは靴修理店にお願いしました。
革靴を持参して依頼。
その後、1週間程度で作業完了。
受け取りに行き無事に手元に戻ってきました。
トゥスチール取り付けの仕上がりはこちらです。
…と、上からだとよくわかりませんね。
靴底を見てみます。
左がビンテージスチール。
右がトライアンフ。
ビンテージスチールとトライアンフで印象がだいぶ違いますね。
控えめながら確かな存在感のビンテージスチール。
シックです。
4本留めのネジがスチールとソールをしっかりと固定。
ソールからのはみ出しがありません。
美しく仕上がっています。
続いて、エレガントで高級感漂うトライアンフ。
ワイルドな印象を合わせ持ちます。
こちらは靴底からやや浮いた感じが残ります。
新品同然の状態でトゥスチールを取り付けたため、ソールを削り過ぎないように靴修理屋さんが配慮してくれたのでしょう。
もう少し履き込んでから取り付け依頼に出していたら、スチールがソールによりフィットした仕上がりになっていたかも。
とはいえ、スチールの浮きは気にならないレベル。
どちらも良い感じです。
2種のトゥスチールを並べて比較してみます。
ビンテージスチールは半円状でつま先への収まり良好。
トライアンフもまた、収まりが良いです。
ビンテージスチールとの違いを上げると、台形の形状がトゥスチールとしての「装着している」感が強い見た目。
どちらも革靴の雰囲気にばっちりマッチしていますね。
ビンテージスチールはドレッシーなジェイエムウエストンになじみ、トライアンフはオールデンの艶やかなコードバンの光沢が持つ洗練さを崩しません。
どちらも大満足の仕上がりになりました。
実際に履いて見ると歩行時に金属音が鳴ることもなく、快適に履けます。
強いていえば、エスカレーターに乗るときにスチール部分の接地だけだと滑ります。
地面が金属や大理石だと滑りやすいかも。
とはいっても、ビンテージスチールやトライアンフ部分のみが接地するなんて、よほど特殊な歩き方をしていなければ起こりません。
そういった意味で懸念はなし。
見た目が格好良いのはもちろんのこと、つま先削れを防止できて安心感が桁違い。
ストレスなくガンガン履き込めますよ。
トゥスチールはインターネットでも取り付け依頼可能
この記事では、トゥスチールは実店舗の靴修理店で依頼しましたが、実店舗が近くにない人はインターネットで依頼ができます。
宅配で靴を預け、トゥプレート取り付け後は宅配で自宅に送り返してくれますよ。
お店が遠方で足を運べない人だけでなく、日々忙しい人にもおすすめのサービスです。
つま先補修だけでなく、オールソールなどの革靴修理全般が可能なのでぜひチェックしてみてください。
シックなビンテージスチールとワイルドなトライアンフ
本記事ではつま先へのトゥスチールの取り付けがもたらす効果と実際に取り付けた様子を紹介しました。
つま先を削れから守れるトゥスチールはレザーソールを長持ちさせる補修アイテムです。
トゥスチールでおすすめの具体的なアイテム名がビンテージスチールとトライアンフ。
どちらもスチール(鋼)製ですが、形状と色が異なり、それぞれが違った存在感を放ちます。
半円状でシルバーカラーがシックなビンテージスチール。
台形状でゴールドカラーがカジュアルかつエレガントな印象のトライアンフ。
どちらも美しいトゥスチールです。
つま先削れが気になる人はトゥスチールの取り付けを検討してみてください。
靴修理店の実店舗だけでなくネットでも依頼できるお店があるので、気軽で簡単ですよ。
それでは、今回はこの辺で。
少しでも参考になれば幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました!
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