万年筆って良いですよねぇ…。
サラリと書ける心地良さ。
ボールペンとは明らかに違う書き味は、非常に気持ちが良いです。
ついついペン先を走らせたい衝動に駆られます。
サラサラとしたインクフローこそ、万年筆の魅力です。
一方で、気軽さという点においてはイマイチな万年筆。
手軽な使用感に関しては、ボールペンに軍配が上がります。
万年筆は基本的にキャップ式ですから、いざ書こうとしてもキャップを外すワンクッションが生まれるのです。
すぐにメモできないため、思いついたアイディアを逃してしまうかも…。
とはいえ、万年筆の書き味は捨てがたい…。
どうしたものか、となりますよね?
そんなとき、チェックしたいのがキャップのない万年筆です。
キャップが不要な万年筆は、筆記具メーカーからいくつかの種類が展開されています。
この記事で紹介するのはPILOT(パイロット)のキャップレス万年筆。

名前は単純、その名も「キャップレス」。
PILOTのキャップレスはノック式の万年筆。
ボールペンとほぼ同じ使い心地のカジュアルさが魅力。
気軽さと良好な書き味を両立した、優れた筆記具です。
本記事ではPILOTのキャップレスを購入レビューします。
PILOTキャップレスの廃盤と再度の価格改定を受けて、今更ながらゲット。
「ザ・万年筆」カラーのブラック/ゴールドをチョイス。
良いね。#パイロット pic.twitter.com/CgcNw84mXu— 一路@革靴・ファッションのブログ_シンジツイチロ運営者 (@ichiro_shoe) August 21, 2025
- 万年筆をもっと気軽に使いたい
- ちょっとしたメモするためのおすすめ万年筆を知りたい
- PILOTのキャップレスの詳細が知りたい
筆圧不要で書けるのが良い!万年筆のススメ
万年筆はボールペンとは異なる書き心地。
1度味わうと、病みつきになる気持ち良さがあります。
というのも、筆圧を書ける必要がないから。
力を入れずにペン先を滑らせるだけで、ヌルヌルとしたインクフローを味わえます。
これが素晴らしい。
ボールペンではこうはいきません。
必ず、一定の筆圧が必要です。
万年筆とボールペンの違いはココ。
筆圧が不要ということは…。
万年筆は長時間書き続けても疲れないことを意味します。
書くことが好きな人、書くことが必要なシーンが多い人には、ボールペンよりも圧倒的に万年筆がおすすめ。
筆者自身、万年筆の書き心地の良さにハマって久しいです。
疲れにくい機能的な面はもちろん、万年筆でしか接種できない心への養分があると感じています。
万年筆はキャップを外して使うのが面倒
非常に魅力的な万年筆。
ただ、1点気になることが…。
それはキャップを外して使うこと。
キャップを外して、軸にキャップをポスト。

こうして、万年筆は書く準備が完了します。
少しの手間ですが、時間がかかるのは事実。
ほんの1秒。
たったそれだけの時間。
ですが、この時間が致命的な場面も。
とっさにメモをとりたいとき、1秒すら時間が惜しくなります。
瞬間的にアイディアが浮かんだとき。
はたまた、相手が話していることを書き留めたいとき。
すぐにメモを取りたい場面では、万年筆のキャップを取り外すのが煩わしくなるのです。
ノック式のボールペンの使い心地が恋しくなります。
と思うのです。
とはいえ、ボールペンを使いたいかといえば、そうではなく。
既に万年筆の書き心地の虜になっていますからね。
できれば、
- ボールペンのように瞬時に使える機能性
- 万年筆の良好な書き心地
上記が両立したペンを使いたいものです。
PILOTキャップレスのレビュー
ボールペンの機能と万年筆の筆記感が両立したペン、あります。
それがPILOT(パイロット)のキャップレス。
万年筆です。
しかし、ただの万年筆ではなく。
ポイントがあります。
それは、
- ノック式の万年筆
であること。
そうです。
ボールペンのようにノックすれば、万年筆のペン先が出てくる筆記具。
この度、購入したので開封します。
まずは外箱。

シルバーのパッケージにゴールドのブランドロゴ。
高級感がありますね。
箱の側面には「Z-CR-GN」と表記が。

このアルファベットは、あくまでも箱自体の品番。
万年筆本体の番号ではないので、勘違いしないように注意。
外箱を取り外すと、ブラックのプラスチックケースが顔を出します。

オープン・ザ・ケース。

本体とともに取説が入っています。
キャップレス本体はこちら。

詳細は後ほどじっくり見ることに。
まずは付属品を紹介します。
保証書が同梱。

購入後から1年間の保証付きです。
取り扱い説明書には、キャップレスの使い方が詳しく書かれています。

各部位の名称と取り扱い方法が詳しく記載してあるので、初めての人でも安心して使えます。

インクカートリッジを投入する際は、カートリッジカバーを取り外して差し込むタイプ。
もちろん、PILOTが別途販売している万年筆用コンバーターも使用可です。
ケースから万年筆本体を取り出してみます。

ブラックにゴールドのエレガントなカラー。
気品とスタイリッシュさが同居した雰囲気で、万年筆として定番のカラーリングです。
それでいて、形状は独特で秀逸。
一見、万年筆に見えません。
それが革新的。
キャップレスは、パイロットが開発・製品化した万年筆です。
キャップがない万年筆は今でこそ各文具メーカーが作っていますが、PILOTが世界で初めて開発した歴史を持ちます。
キャップがない、気軽な使い心地は多くの文具ファンの心をつかみ、1963年の発売以来、売れ続けているロングセラーの万年筆です。
ロングセラーなのには理由があります。
その理由とは、
- 万年筆ながらノック式ボールペンのようにワンノックで素早く書ける
から。
ありそうでなかった便利機能。
これこそがキャップレスの魅力です。
ペン先は「F」を選択。

Fは細字。
キャップレスのペン先のバリエーションとしては、Fの他に、
- より細めのEF
- 太めのM
があります。
ヘッドにはJAPANの文字。

日本製の安心品質です。
軸のブラックにペン先収納部分のゴールドは、カラーリングとして非常に映えます。

カラーバランスの取れた1本です。
ペン先を出すと、こんな感じ。

良いですねぇ~、キャップレス。
キャップなしでペン先を繰り出せる、この感じ。
先ほど述べた通り、通常、万年筆はキャップを外して軸にキャップポストしてから使います。
書き始めるまでに少し時間がかかるのです。
それこそが万年筆の魅力で、ゆったりと流れる時間を楽しむのは万年筆を堪能するためのコツなのですが…。
- 思いついたアイディアをすぐに書き留めたい
- 見聞きしたことを素早くメモしたい
こういった状況では、キャップポストしている時間が煩わしく感じます。
そこでキャップレスの出番です。
ボールペンのように、ノックして間髪入れずにサッと書けます。
書き終わったら、再度ノックすればペン先が収納。
インキの乾きなく、まさしくボールペンの機能を万年筆に落とし込んでいる道具がキャップレス。
今でも支持を集め続けている理由は、機能面を向上しつつ万年筆を使う気持ちの高揚をキープできる筆記具に仕上がっているからです。
カジュアルなノック式
キャップレスはキャップがないゆえにノック式です。
ここでは、ノック式の万年筆の利点を踏まえてディティールを詳しく見ていきます。
ノック式万年筆のキャップレス。
「キャップレス」とは機能であり、製品名でもあります。
一般的な万年筆にはキャップがつきもの。
キャップポストという言葉もありますからね。
しかし、PILOTのキャップレスにはキャップがありません。
ノックしてペン先を出すタイプ。
ノック式という点で見れば、ボールペンと同じ。

ノブをノックしてペン先を出すため、ボールペンと同じ使用感です。

ノックすれば、すぐさま筆記可能な態勢に。

書きたいときにすぐに書ける。
この安心感は素晴らしいです。
万年筆でこの気軽さを味わえるのは快感。
ちなみに、キャップレスのノック部分のストロークは、一般的なボールペンに対して長め。

後述しますが、ペン先のシャッター機構がある分、ストロークを長く設定する必要があるためです。
裏を返せば、深めにノックしないとペン先が出てこないので、
- いつの間にか勝手にペン先が出ていて周囲をインクで汚す
なんてことが起きません。
なんと嬉しい仕様。
ラフに使うにはピッタリな構造です。

有難い作り。
こういった、
- ちょっとした嬉しい機能
が気軽に毎日使うためには重要ですから、加点ポイントです。
ノブを再ノックすればペン先が収納。
キャップレスのノック音。
小気味良いサウンドが書く気持ちを高めます。 pic.twitter.com/5Y5C2pKCgu— 一路@革靴・ファッションのブログ_シンジツイチロ運営者 (@ichiro_shoe) August 21, 2025
ヘッドの先端には気密性の高いシャッター機構があるため、インク漏れやペン先の乾燥を防げる機構に。

独創的な構造。
このシャッター機構が優れた機能性を生み出しています。
インクが漏れる心配がありません。

ノック式で気軽に万年筆が使える、これが何より便利。
初めて使ったとき、衝撃を受けること間違いなしです。
ボールペンに比べてノックの長さはやや長めではあるものの、それ以外はボールペンとほぼ同じ使い心地。
普段は胸ポケットに忍ばせておき、使いたいときにサッと取り出して筆記が可能です。
18Kのニブ
キャップレスの筆記部、ニブは18金です。
あえて書くと「18K」の万年筆。

ニブに金を使った万年筆、いわゆる「金ペン」は、鉄製万年筆の「鉄ペン」と比べて書き味が柔らかくなります。
ペン先の裏側は黒。

コントラストがイカしてます。

内部機構を取り出して、ペン先をもっと見てみましょう。

ハート穴にスリット。
小さいニブながらも立派な万年筆です。
ペン先が金の万年筆は、耐腐食性に優れ末永く使える特徴があり、一生モノです。
また、弾力があるため、筆記に伴いペン先が徐々になじんできます。
自分だけのペン先に仕上がってくるのです。
まさしく、世界にただ1つの万年筆に。
ともに過ごし育てていく感覚を味わえます。
18Kのキャップレスは使い続ける喜びも味わえるわけです。
特殊なデザイン
キャップレスの万年筆は、デザインが独特かつ斬新です。
何より目を惹くのがクリップ。

何の変哲もないクリップのように見えますが…。
このクリップは軸ではなく、ヘッドについています。
一般的なボールペンの場合、クリップはペンのお尻側、軸部分に配されていますよね。
キャップレスは逆。
ヘッドにクリップが付いた構造は、一見不便に見えて実は便利です。
インクが漏れやすいヘッドのペン先を上にしてクリップ留めできるから。
クリップには中央部にやや膨らみがあり、厚みのある物へも挿入できます。

クリップの先はくびれていて、キャップレスを握るときの指を置くくぼみとなります。

筆記の安定性が上がる仕様です。
しかし、個人的にはクリップのくびれよりもやや上を持つのが書きやすくておすすめ。
自分に合った使い方をすればOKです。
指に合わない場合は、くびれを単なるデザインとしてとらえ、万年筆ライフを楽しみましょう。
カートリッジとコンバーターともに使用可能
PILOTのキャップレスは、インクカートリッジとコンバーターのどちらにも対応しています。
カートリッジやコンバーターは軸中央を割って出し入れする仕様。
ねじ込み式でヘッドと軸がパカッとセパレート。

軸内部はこんな感じ。

軸の中身、内部機構はこちら。

金属製の高級感ある機構です。
上部のカートリッジカバーを外すと、カートリッジが。

購入直後は空のカートリッジがセットされています。

使用開始時にはカートリッジかコンバーターをセットしてインクを補充。
PILOTの純正品をセットしましょう。

ちなみに、キャップレスの適用コンバーターはCON-40です。
品番を間違えないように注意。
PILOTのコンバーターの特徴として、内部にボールが入っている点があります。

他社のコンバーターにはない特徴です。
ボールがあることでインクの流れを促進。
液だまりを解消して、ペン先からのインクフローを良くする効果があります。
当然のことながら、カートリッジとコンバータのサイズは一緒。

好きな使い心地のものを使いましょう。
カートリッジならインクの量が多く、インク切れの機会が少ないです。
新しいカートリッジに交換するのもラク。
一方で、コンバーターはインク充填量こそカートリッジに及ばないものの、自分好みのインクカラーを使えますし、インク補充するときのワクワク感を味わえます。
どちらも使ってみますが、まずはインクカートリッジをセットする方法を解説していきますね。
カートリッジを使う場合は、キャップレス同梱のメタルカバーと併用。

内部機構にカートリッジをセットしてから、カートリッジの上にメタルカバーをかぶせます。

メタルカバーを上からかぶせるだけです。
対してのコンバーター。

コンバーターの場合、カートリッジで使用したメタルカバーは使いません。
コンバーターをヘッドにセットするだけでOKです。
ただ1つ留意点が。
カートリッジはセットすればそのまま使えますが、コンバーターはセットしてからインクを充填する必要があります。
実際にやってみますね。

インクはキャップレスと同じPILOTより、iroshizuku(色彩雫)を充填することに。
筆者が大好きなインク「月夜」を入れていきます。
緑味を感じるブルーブラックです。
インク充填時には、ペン先をインクにドボンと浸けてコンバーターのネジをグルグル回します。

これで充填完了。

CON-40はインクを吸い込む際に空気も一緒に取り込みますから、インクが満タンにはなりません。

何回やってもインクが満タンにならないからといって、コンバーター自体が不良品ではありませんのでご注意を。
軸でフタをすれば、筆記準備完了です。

ちなみに、PILOTのiroshizuku(色彩雫)はカートリッジタイプの展開があります。

気軽にiroshizukuの絶妙なカラーを楽しみたい人におすすめ。
筆者は気分によってコンバーターとインクカートリッジを変えて、両方とも愛用しています。
システム手帳と相性良し
キャップレスは、ノックすればすぐに書く態勢が整う手軽さが魅力。
サッと使える手軽さは、システム手帳と相性抜群です。
- アイディアを思いついたとき
- スケジュールを更新するとき
上記の場面ですぐに書き込めるからです。
例えば、プロッターA5サイズのレザーバインダーのお供に。

プロッター純正のペンホルダーに収納可能です。
常に持ち運べます。
さらにもう1案。
同じく、プロッターから。
サイズ違いのM5レザーバインダーにセットすると、こんな感じ。

レザーバインダーよりもキャップレスの方が長くなるため、正直、収まりは悪いです。
しかし、携帯可能。

これはこれで、雑な感じで手帳を使っているような雰囲気で筆者の好み。
B7サイズのノートと組み合わせても映えます。

ちょうど良いサイズ感。
トラベラーズノートとも相性抜群です。

収まりが良く、かつ遊び心もある感じがたまりません。
カフェでのひと時を過ごすときのお供にピッタリ。

いつでもどこでもサッと筆記。
万年筆の書き心地の良さを手軽に楽しめるキャップレス。
項目 | 仕様 |
ブランド | PILOT(パイロット) |
ペン先サイズ | F(細字) |
筆記方式 | ノック式 |
カラー | ブラック |
材質 | ニブ:18K 軸:黄銅 塗装・ヘッド:ステンレス クリップ:鉄鋼 |
対応コンバーター | CON-40 |
サイズ | 最大径:φ13.4mm 全長:140.4mm |
重量 | 29.7g |
参考価格 | 27,500円 |
PILOTキャップレスの書き心地
では、実際にキャップレスで書いてみることに。
ノブをノックしてペン先を出します。

超簡単に筆記態勢へ。

すぐに使用可能な状態に。
あらためて、気軽過ぎる使い心地。
ヘッドクリップのくびれに指をあてると、こんな感じ。

筆者の場合、ちょっと書きにくいです。
くびれよりもやや上を持つと丁度良い感じ。

万年筆で書く際には筆圧がいらないので、軸の上側を持ってもスラスラ書けるのが良いところ。
キャップレス以外の万年筆でも同じことが言えます。
というわけで。
いざ、書いていきますね。

スラスラ書けます。

ストレスフリーな良好な書き心地。
素晴らしいです。
書き終わったら、ノックしてニブを収納。

ノックが戻り、ペン先がシャッター機構の中へと収納されます。

この気楽さと手軽さが書く気持ちを促進させます。
あらためて、動画でも書いている感じをお伝えしますね。
PILOTのキャップレス万年筆。
18金だからこその柔らかなペン先の書き味は素晴らしいの一言。
「いつまでも書いていたい」と思わせる魅力があります。
気分が上がる筆記具です。 pic.twitter.com/CX78wdyS1A— 一路@革靴・ファッションのブログ_シンジツイチロ運営者 (@ichiro_shoe) August 21, 2025
書き心地が非常になめらか。
18金のペン先ゆえです。
流れるように文字が書けます。
筆圧によってしなるため、線に抑揚を付けやすく、筆記具として非常に楽しい使い心地。
やはり、ペン先の最高峰は金だと実感します。
ペン先が金の万年筆の弱点は、筆圧をかけすぎるとニブが歪むこと。
金の柔らかさゆえです。
やさしく筆記しましょう。
筆圧が高い人には、金ペンよりも鉄ペンがおすすめです。
いざキャップレスを使ってみて感じる点が、クリップのへこみ部分に指を合わせるとかえって書きにくいこと。
へこみ部分に指を合わせると、ペン先からの距離が短すぎて筆記しにくいです。
先ほど述べた通り、クリップよりも上部を持つのをおすすめします。
キャップレスで気軽な使い心地を楽しもう
本記事ではPILOTのキャップレスをレビューしました。
万年筆でありながら、ノック式でボールペンのように気軽な使い心地。
上質な書き心地に書きたいときにサッと書ける使い勝手の良さ。
1度に使えば、虜になる万年筆です。
- 万年筆を使いたいけれどキャップを着脱が面倒
という人には非常におすすめ。
いつでもどこでもすぐに書けるという点では、システム手帳や持ち歩き用のノートの相棒として大活躍。
スタイリッシュかつ独特なデザインにピンと来た人にも、ぜひチェックしてもらいたい1本です。
キャップがないキャップレスの便利さをぜひとも味わってみてください。
それでは、今回はこの辺で。
少しでも参考になれば幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました!





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