心配な方は、この記事をご覧ください。
結論、シュリンクレザーもスムースレザーと同じ、いつものレザーケアでOKです。
シュリンクレザーは薬剤で革を縮ませ、シワ入れをした革種。
柔らかい触り心地と革表面のシボが放つ、独特の雰囲気がシュリンクレザーの魅力です。
シュリンクレザーは、通常の見慣れたスムースレザーと見た目や質感が違います。
そのため、
シュリンクレザーって普通にお手入れして良いの?
なんて疑問が出てくるのです。
百聞は一見に如かず。
シュリンクレザーのベルトをお手入れして、ケア前後での革の状態を比較しました。
ということで本記事では、シュリンクレザーのベルトをお手入れする方法とその仕上がりについて書いていきます。
- シュリンクレザーのお手入れ方法が知りたい
- シュリンクレザーのお手入れって通常のスムースレザーと同じ方法で良いの?
- ケアした後のシュリンクレザーはどんな状態になる?
シュリンクレザーってどんな革?
まずはシュリンクレザーがどんな革かを解説しますね。
シュリンクレザーは、革の表面がシワ(シボ)加工されている革種です。
きめ細かい表面のシワが独特の雰囲気を放ちます。
シュリンクレザーの「シュリンク」とは英語で「縮む」を意味し、その名の通り、革を縮ませる加工を施した革がシュリンクレザーです。
シュリンクレザーの作り方をざっくりご紹介しますと、
なめしの段階で革を特殊な薬品につけ、革の表面を収縮させ独特のシボを出す
という製法。
シュリンクレザーには、以下の特長があります。
- 革製品特有の傷やシワが目立ちにくい
- 革全体が上品かつ柔らかい雰囲気を持つ
柔らかでいつまでも触っていたくなる優しい質感と、長く愛用できる高い実用性を持つ革種がシュリンクレザーです。
シュリンクレザーのお手入れ方法と使う道具
さてここからは、シュリンクレザーのお手入れ方法と使う道具についてご紹介します。
まずは手順から。
お手入れ手順
シュリンクレザーのお手入れ方法は、一般的なスムースレザーと同じ方法でOKです。
つまり、以下の手順ですね。
- ホコリを落とす
- 保革クリームを塗る
- 保革クリームをなじませる
- 磨く
シュリンクレザーに付いたホコリを払い落とし、栄養補給クリームを塗りなじませて、磨きます。
お手入れに使う道具
シュリンクレザーのお手入れに使うのは、こちらの道具たち。
- 馬毛ブラシ
- ペネトレィトブラシ
- 保革クリーム①
- 豚毛ブラシ
- 保革クリーム②
- クロス
これら6つの道具の用途は以下の通り。
どうして?
今回はしっかり水分補給したいので、水分補給効果の高いM.モゥブレィのデリケートクリームを使った後に、コロニルのシュプリームクリームデラックスで油分補給します。
革の乾燥がそれほど気にならないという方は、1種類の保革クリームだけの使用でOKです。
実践:シュリンクレザーのベルトをお手入れ
お手入れ方法と使う道具をご紹介したところで、実践に入ります。
この記事でお手入れするのは、こちらのシュリンクレザーのアイテム。
エンダースキーマ(Hender Sheme)のシュリンクショルダーベルトです。
ブラスの鈍いゴールドがアクセントの、スタイリッシュなベルトをお手入れしていきます。
表面と…
裏面。
乾燥が進み、革の自然な光沢が薄れてきたのでケアすることにしました。
具体的な作業手順を以下に示しますね。
- ホコリを落とす
- 保革クリーム①を塗る
- 保革クリーム①をなじませる
- 保革クリーム②を塗る
- 保革クリーム②をなじませる
- 磨く
今回は水分補給を重点的に行うため、潤いリッチな保革クリーム①を使った後、全体的な革のコンディションを整えるために保革クリーム②を使います。
重点的な潤い補給が特に必要ないという方は、以下の作業だけでOKです。
- ホコリを落とす
- 保革クリーム②を塗る
- 保革クリーム②をなじませる
- 磨く
お手持ちのシュリンクレザーの状態次第で、保革クリームを使い分けましょう。
ホコリを落とす
まずはホコリを払い落とす作業から。
これから塗る保革クリームがダイレクトに革に届くように、邪魔なホコリを取り除きます。
馬毛ブラシでシュリンクレザー表面をブラッシングして、ホコリを払い落としましょう。
手首のスナップを効かせて、シャッシャッと。
シュリンクレザー全体をブラッシングしたら、次の工程に移ります。
保革クリーム①を塗る
続いて、革に潤いを与えていきます。
先ほども述べましたが、革の乾燥が気にならなければこの項目は飛ばして「保革クリーム②を塗る」工程から実践してください。
ここでは、革を乾燥から守るため、水分補給に特化したM.モゥブレィのデリケートクリームを塗ります。
クリーム塗布用ブラシのペネトレィトブラシにデリケートクリームを付けまして…
シュリンクレザーに塗っていきます。
革全体にクリームを行き渡らせましょう。
バックル部分の入り組んだ箇所でも、小回りの利くブラシならラクラク。
裏側も忘れずに。
保革クリーム①をなじませる
先ほど塗ったデリケートクリームをシュリンクレザーになじませるため、豚毛ブラシでブラッシングします。
豚毛はコシが強く、クリームを塗り伸ばし、なじませる効果が高いのです。
クリームを押し込むようにブラッシングしましょう。
革全体をブラッシングし終わった様子がこちら。
マットな風合いの仕上がりに。
これで水分補給はOK。
保革クリーム②を塗る
潤い補給のためのデリケートクリームを塗った後は、別の種類の保革クリームを使います。
使用するのは、コロニルのシュプリームクリームデラックス。
保革だけでなく革のツヤ出し効果があり、撥水性も高められる優れものです。
先ほど使ったデリケートクリームが水分補給に特化したクリームであるのに対し、シュプリームクリームデラックスは総合的に革のコンディションを整えられるオールラウンダーといったところ。
ペネトレィトブラシにシュプリームクリームデラックスを少量取り分けます。
そして、塗っていきましょう。
シュリンクレザーはシボがあるため、シワの奥までクリームを行き渡らせるのが比較的難しいです。
保革クリーム②をなじませる
一通り、クリームを塗ったら、先ほどと同様に豚毛ブラシでブラッシング。
シュリンクレザーにクリームをなじませていきます。
革全体にクリームを行き渡らせるイメージでブラシ掛けしましょう。
磨く
この工程が最後。
クロスで革を磨きます。
クロスで磨くことで余分なクリームを取り除き、革にツヤを与えられます。
クロスに引っかかるような抵抗があれば、クリームの塗りすぎです。
革には必要最低限の保革クリームが浸透すれば良いので、余分なクリームはキッチリ拭き取っておきましょう。
クロスがスルスル滑る感触になるまで磨きます。
ということで、以上で作業終了。
シュリンクレザーベルトの仕上がりはこんな感じです。
一連のお手入れでシュリンクレザーに潤いと油分が補給され、ツヤが出ましたね。
革が持つ自然な風合いがよみがえりました。
お手入れ前後でシュリンクレザーの状態を比較
お手入れの効果をより分かりやすくするため、お手入れ前後でシュリンクレザーベルトの状態を比較してみます。
上がお手入れ前、下がお手入れ後です。
マットで少しカサついた印象だったベルトが、お手入れによってみずみずしい風合いに。
ツヤが出て上品な印象になりました。
お手入れした後のシュリンクレザーは、圧倒的に豊かな表情になっているのが分かりますね。
裏面の比較も見てみましょう。
表面と同様、お手入れ後には革のエレガントさが増しています。
通常の革と質感が異なるシュリンクレザーですが、お手入れすることに身構える必要はありません。
特殊な方法ではなく、
一般的なスムースレザーと同じケアでシュリンクレザーのコンディションを良好に保つことは可能
です。
シュリンクレザーはいつものお手入れで長持ちします!
本記事では、シュリンクレザーをお手入れする方法について書きました。
一般的なスムースレザーと異なる質感を持つシュリンクレザー。
なんて思うかもしれません。
しかし、実際は、
通常のレザーケアの方法でOK
です。
柔らかな質感のため、革の乾燥に気付きにくいシュリンクレザーですが、定期的なお手入れを怠ると、せっかくの革の風合いが台無しに…。
保革クリームで潤いと栄養を与え、シュリンクレザーの独特の美しい質感をキープしてあげましょう。
それでは、今回はこの辺で。
少しでもご参考になれば幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました!
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