経年変化がとっても魅力的である革製品。
使い込めば使い込むほど味わい深いものとなる革ですが、使っていくうちに色あせや汚れの沈着による変色が起こってきます。
それも経年変化の一部ではあるのですが、革製品としての美しさを大きく損ねる原因となることもあります。
今回は、革の色あせや変色した箇所の補色が可能な、レノベイティングカラー補修クリームのご紹介です。
革の色あせはなぜ起こる?
革製品を使い込んでいくと、風合いが増し、劣化とは一線を画した独特の変化を起こします。
いわゆるエイジングや経年変化と呼ばれる現象ですが、これに伴い、革の色が部分的に薄くなったり、変色したりすることがあります。
これは革の製造工程をひもといてみれば簡単に理解することができます。
革は元々、動物の皮から作られます。
その「皮」をなめしてできるのが「革」。
当然、色は付いていません。
動物が本来持っている「皮の色」が「革の色」として表れます。
そうやって出来た革に染料や顔料で色付けされているのです。
いくら染料や顔料が色の定着が良いとはいえ、永久に色が定着するわけではありません。
何らかのきっかけがあれば、色は落ちてしまいます。
そのきっかけの内、最も起こりえるのが革へ水分が接触することでの色落ち。
元々革へ定着していた色が水によって浮いてしまうのです。
すでにお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、色付けを行っているということは、色あせは防ぐことはできないということ。
色を入れることができたということは、裏を返せば、その色は抜くことができるということでもあるわけです。
染色後に革を樹脂コーティングなどで覆ってしまえば色あせを防げますが、その代償として革の経年変化を楽しむことができなくなってしまいます。
革製品と付き合っていく以上は、革の色あせ・変色という問題にも向き合う必要があるのです。
革の補色を行う便利グッズ「レノベイティングカラー補修クリーム」
では、どうやって革の色あせと上手に付き合っていくのか。
それはコチラを使えば簡単に解決します。

靴磨き用品でお馴染み、サフィール(SAPHIR)の「レノベイティングカラー補修クリーム」です。
このクリームは、スムース革の皮革製品全般に使用できる着色補修クリームで、色だけでなくキズをカバーする効果もあり、かつ使用後も自然な仕上がりで色落ちの心配も無用。
クリームの重ね塗りでしっかり補色することも可能。
また、他の色と混ぜ合わせれば絵の具のような色調整もできる、大変便利なクリーム。
過去にはセメダインのシューズドクターに混ぜて色の調整に使用する、ということも行いました。

その他にも使いやすい機能があります。
効果を以下にまとめました。
- クリームがべた付かず、乾いた後は色移りしない
- 色のバリエーションが豊富(47色)で、それらの組み合わせ次第で様々な色が表現可能
- サフィールのレノマットリムーバーで落とせる(ミスしても修正可能)
上記で登場するレノマットリムーバーといえば、靴の汚れ落としで使用する強力なクリーナー。
汚れ落としだけでなく、色々応用がきくんですね。

レノベイティングカラー補修クリームの修正・除去にも流用できるのは大変ありがたいです。
実践!革の補色をやってみます
レノベイティングカラー補色クリームで色を入れ直すのはこちらの革。

一面の革!
これは僕がシューケアをする時にはいつも使用しているレザーシートです。
このシートの上で靴磨きなど行っているのですが、色が抜けたり、白っぽく変色している箇所が徐々に目立ってきています。
拡大するとこんな感じ。

革シートが変色したところで作業そのものに支障はないのですが、できればきれいなシートの上で作業したい、そう思うんです。
気分の問題なのですが、こと靴磨きを行う際には、その気分も重要な要素であると感じています。
そういった雰囲気を演出するために、この革シートをきれいによみがえらせようと思います。
レノベイティングカラー補色クリームによって!(謎の倒置法)
今回実施する作業は以下の工程です。

クリームのチューブに一連の流れが書いてあるんです。
これによると…
- ブラッシング
- 補色クリームを塗る
- 10分待ってクリームを乾かす
- クロスで磨く
では早速、作業に移りましょう。
ブラッシング
まずは補色する対象をブラッシングします。

余計なホコリを除去して、補色クリームがしっかりと革へ乗るようにします。
普段、革靴のホコリ落としにも使っている馬毛ブラシを使用しています。
補色クリームを塗る
ホコリ落としが終わったら、主役の登場。
レノベイティングカラー補色クリームをクロスに取って、色を入れる箇所に塗ります。


色ムラを極力防ぎたい、クリームの伸びをよくしたい、というときは水をクリームと1:1程度の割合で混ぜると、クリームを塗り広げやすくなるのでおすすめです。
また、クリーム塗布後の仕上がりが気に入らない、補色しなくても良いところまでクリームを乗せてしまったときにはレノマットリムーバーで拭き取ることが可能。
やり直しがききます。
10分待ってクリームを乾燥させる
クリームを塗ったら、10分ほど時間をおいて乾燥するのを待ちます。
そんなこといって、いざ靴のブラッシングを始めると、1時間ほど経ってしまうのは靴磨きラバーあるあるでしょうか?
…とまぁ話が脱線しましたが、補色が不十分だと感じた場合は、もう一度補色クリームを塗って、複数の補色層を形成すると良いでしょう。
クロスで磨く
10分待ったら、クロスで磨き上げます。


靴磨き同様、仕上げの作業です。
これにより見栄えが良くなります。
革の補色完了!
では仕上がりを見てみましょう。

白っぽい箇所が無くなっています。
この写真単体だとわかりにくいと思いますので比較画像を。

革シート上の黒色の均一感が大きく向上したのがわかりますね。
こんな簡単な作業でこれだけ効果があるとは…。
恐るべし、補色クリーム!
シートがきれいになったことで、今まで以上に快適な靴磨きライフを送ることができそうです。
革の補色クリームでいつまでも愛用の品をきれいに保つ!
当記事では、サフィールのレノベイティングカラー補色クリームを使用した革への補色をやってみました。
使用していくにつれて、革が色落ちするのは仕方がないこと。
ですが、補色クリームを使えばそんな色落ちも風合いをそこねずに、難なく解消することが可能です。
お気に入りの革製品をいつまでも綺麗な状態で使用するために、便利なケアグッズでより充実したレザーライフを楽しみましょう!
それでは、今回はこの辺で。
少しでもご参考になれば幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました!









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