革靴を履いていると、こんな場面がありませんか?
- 突然の雨で革靴がグショグショになった…
- 不注意で水溜りに突っ込んで革靴がずぶ濡れ…
革靴がずぶ濡れになると厄介です。
というのも、革に水が浸み込み、乾きにくいから。
革靴を脱いでからしばらく経つと、一見、乾いているように見えます。
しかし、実際には革靴内部に水が溜まっていて、乾燥しきっていないこともしばしば…。
乾ききっていない靴をそのまま下駄箱にしまっておいたり、風通しの良くない玄関に放置しておくと、カビ発生の原因になってしまいます。
カビが生えると、革靴の美しさは損なわれ、他の革靴にもカビがうつり被害が拡大。
気分も落ちます。
ずぶ濡れになった革靴にカビを生やさないためのポイントは、以下の2点を徹底すること。
- 革靴をしっかり乾燥させる
- 革靴に防カビ対策を施す
革靴に浸み込んだ水をしっかり飛ばし、かつ防カビ剤を塗布しておけば、カビ発生のリスクは大きく下がります。
カビの恐怖におびえずにすみますよ。
ということで、本記事ではずぶ濡れになった革靴をカビ発生のリスクから守る方法をご紹介します。
- 革靴が濡れてしまってカビが生えるのが怖い
- 革靴にカビを発生させないためにすべきことは?
- びしょ濡れになった革靴のカビ予防方法を知りたい
革靴はずぶ濡れになることもある
革靴を履いて外出していると、水に濡れるリスクが常にともないます。
地面や床が濡れていたり、歩いているときに水跳ねがあったり…。
ほとんどの場合、ちょっと濡れるくらいでそこまで革靴に影響はありません。
が、しかし。
革靴がずぶ濡れになるリスクも少なからず存在します。
というのも、最近では、
- 突然のゲリラ豪雨
なんてことがザラにありますよね?
雨でビショビショになったり、水溜まりでソールがヒタヒタになったりと。
革靴がずぶ濡れになる可能性は0ではないのです。
ずぶ濡れになった革靴が持つリスク
革靴がずぶ濡れになると、革ならではの性質がリスクを呼び込みます。
スニーカーなど、キャンバス素材やウレタン素材とは異なる現象が起こるのです。
革靴がずぶ濡れになった状態を想定してみましょう。
革の場合、表面が濡れるのはもちろんなのですが、革内部にまで水が浸透します。
革は水をゆっくりと吸収するため、長時間にわたって雨や水にさらされていると、どんどん革が水を吸い、革靴全体が水でヒタヒタの状態になります。
その状態で下駄箱にしまったり、玄関に放置すると問題が生じます。
時間が経つと、一見、革靴が乾いているように見えるのです。
ただ、あくまで乾いているように見えるだけ。
革には水が浸み込んでいるため、革靴の内部はまだ水を含んでいる状態。
表面はきっちり乾いていても、内側はまだジメジメ状態に陥っているのです。
その状態で下駄箱にしまうと、カビが生えやすく、
- 気付いたときにはカビだらけになっていた…
なんて悲劇が。
ずぶ濡れになった革靴は、大きなカビのリスクを抱えています。
革靴にカビを生やさないためのポイント
とはいえ、ずぶ濡れになった革靴はすでに手元にあるわけです。
後悔先に立たず。
ずぶ濡れになった革靴にいかにカビを生やさないようにするか…。
この難局をどう乗り切るかが重要です。
ガッツリ濡れてしまった革靴に、カビを生やさないために意識したいポイントは以下の2点。
- しっかり乾燥させる
- 防カビ剤を使う
上記2項目を徹底すれば、ずぶ濡れの革靴にカビが生えるリスクを抑え込めます。
革靴をしっかり乾燥させる
革靴が濡れたとき、カビを生やさないために最も大事なポイントは革靴をしっかりと乾燥させること。
革靴のアッパーやソールの表面だけでなく、革内部の水をしっかり飛ばす意識を持つことがとても重要です。
ずぶ濡れになった革靴は風通しの良い場所に立てかけてじっくりと乾かします。
表面が乾いたとしても、油断せず。
2~3日程度、理想的には余裕を持って1週間程度は乾燥時間を確保したいところ。
その間、風通しの良さをキープするのは必須条件です。
風の流れがないと、革靴から蒸発した水が湿気を高め、カビの温床になりますからね。
- 直射日光を避けるためのついたてで日陰を作った上でベランダに置く
- 扇風機で常に風を当てながら乾燥を促す
といった、風の流れがある環境で乾かしましょう。
防カビ剤を使う
革靴をしっかり乾燥させたとしても、少なからずカビ発生のリスクは残ります。
そこで、ダメ押しの防カビ剤を使いましょう。
しっかり乾燥させた後、革靴に防カビ剤を塗っておけば確実です。
カビ発生の恐怖に覚えずにすみます。
塩素系の防カビ剤は強力にカビを除去しますが、その強さゆえに革を傷めるリスクが高いです。
一方のアルコール系防カビ剤は、持続性が心もとなく、再発リスクが高いデメリットが…。
種類としては塩素系やアルコール系の防カビ剤がありますが、革靴に使う防カビ剤は有機ヨード系化合物がおすすめ。
カビの細胞壁を確実に壊すため、確かな防カビ効果を持ち、おまけに革への負担も比較的少ないため、無用なダメージを与えずにすみます。
M.モゥブレィ・プレステージのモールドクリーナーは有機ヨード系の防カビ剤で、発生したカビを取り除き、予防効果もある優れたアイテム。
革靴をはじめとした、レザーアイテムのカビ対策として支持を集める優れものです。
モールドクリーナーは高い除菌効果と作業の安全性の高さを謳っています。
また、塩素系やアルコール系防カビ剤特有の刺激臭がなく、モールドクリーナーを吹きかけてもニオイが残らないのもポイントです。
無香料のモールドクリーナーは革靴だけでなく、カバンやベルトといった革製品全般に安心して使えます。
革靴をカビのリスクから守る方法
では、ここからは実践編。
先ほど述べた、革靴にカビを生やさないためのポイントを踏まえて、ずぶ濡れの革靴のお手入れをします。
カビの予防を図るのは、こちらの革靴。
コールハーン(COLE HAAN)のペニーローファー。
アッパー(甲革)にガラスレザーを使っているので、水は浸み込みにくいです。
ガラスレザーは革表面を樹脂で覆っているため、水の侵入を許さず、水に強い革種です。
しかし、ガラスレザーといえど、履きジワ部分は樹脂層が割れ、水が浸み込みます。
また、アウトソールはレザーを使用。
このように、水がガッツリ浸み込んでしまいました。
こちらの靴を以下の手順でお手入れして、カビ発生のリスクを抑え込む算段です。
- 革靴を乾燥させる
- 防カビ剤を革靴全体になじませる
革靴を乾燥させる
まずは、ずぶ濡れの革靴をきっちり乾かします。
カラッと乾かしたいからといって直射日光を当ててしまうと、革が縮んで足へのフィッティングが変わる恐れがあります。
直射日光を避け、日陰の風通しの良い場所に置き、革靴に浸み込んだ水の乾燥を促します。
僕の方法としては、ソール側の通気性を確保するため、レッドシダーブロックを使うのが定番。
ブロックの上に革靴を置き、乾かしています。
今回は5日間放置して乾かしました。
風通しの良い場所がない場合、
- 扇風機で人工的に気流を作る
- 革靴の中に新聞紙を入れて、湿ってきたら新しい新聞紙に交換する
など、革靴内部に湿気がこもらない工夫をしましょう。
湿気が高い状態が続くと、乾燥中にカビが生えるかもしれませんからね。
ジメジメした梅雨時期や雨が続く場合は、より長く乾燥時間を設けて、確実に革靴から水を飛ばしましょう。
防カビ剤を革靴全体になじませる
革靴を乾かした後は、革に防カビ剤をなじませると、カビの発生リスクをとことん低くできます。
M.モゥブレィのモールドクリーナーは発生したカビを取り除くだけでなく、革表面に防カビ作用のある成分が留まるため、カビの発生を抑える予防効果を合わせ持ちます。
革靴のカビ発生リスクを抑えるためには、ピッタリのケア用品です。
モールドクリーナーにはスプレータイプと使い捨てシートタイプがあり、併用すると極限までカビ発生リスクを抑制できます。
ということで、モールドクリーナー2種類、用意しました。
まずはシートタイプのモールドクリーナーで革靴全体を拭いていきます。
水が浸み込みにくいガラスレザーのアッパーはそこそこに、アウトソール、インソールまで。
しっかりとライニングまで。
革部分はすべて拭き、モールドクリーナーの成分を行き渡らせましょう。
レザー部分を満遍なく拭き上げます。
モールドクリーナーシートでの拭き上げ作業が終了した図がこちら。
リキッド成分が浸み込み、革の色が変わっているのが分かります。
シートで拭いた後は、ダメ押しでスプレータイプのモールドクリーナーを吹きかけます。
スプレー作業は外で実施しましょう。
モールドクリーナーを満遍なくスプレー。
インソールも。
モールドクリーナーの成分をたっぷり吹き付けられました。
さらに、アウトソールも抜かりなく。
スプレー後は風通しの良いところに置き、しっかり乾かします。
アッパー、インソール、アウトソール、すべての部分が通気性を確保できるように立てかけるのがおすすめです。
2~3日程度しっかりと乾かせば、カビ予防が完了。
仕上がりはこちら。
ずぶ濡れだった革靴がバッチリ乾き、かつ防カビ剤をなじませているため、カビが生える心配がありません。
ただ、ずぶ濡れの革靴が乾く際には、水分の蒸発と共に油分も失われます。
カビ対策をした後は、通常の靴磨きやソールのケアをして、革に潤いと油分を補給しましょう。
防カビ剤を塗布したからといって、風通しの悪い高温多湿なジメジメした場所に保管しておくと、カビが生える可能性があります。
- 涼しくて湿気がこもらない場所で保管する
- 除湿剤を使う
といった、カビ対策をして保管しましょう。
ずぶ濡れになった革靴でも対策すればカビは防げる
本記事では、ずぶ濡れになった革靴をカビ発生のリスクから守る方法をご紹介しました。
水でビショビショになった革靴には、たくさんの水が浸み込んでいます。
表面が乾いたとしても、革の内部にはまだまだ水が含まれている可能性も…。
革靴をよく乾燥させずに下駄箱にしまうと、カビが生えやすくなります。
革靴にカビが生えるのを防ぐためには、風通しの良い場所でしっかり乾燥させることが重要です。
加えて、防カビ剤を革になじませておけば、カビのリスクは一層下がります。
お気に入りの革靴にカビが生えると、精神的なダメージが大きいです。
- 革靴を気持ち良く履くため
- 靴を美しい状態に保つため
ずぶ濡れになった革靴はしっかりカビ対策しましょう。
それでは、今回はこの辺で。
少しでも参考になれば幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました!
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