靴を磨くときには布を使いますよね?
- シューワックスを使って鏡面仕上げするとき
- クリーナーで汚れを落とすとき
上記の通り、何かと出番が多いシューケア用クロス(布)ですが、使っていくうちにどんどん汚れていきます。
- 汚れを拭き取る
- シュークリームやシューワックスを塗る
- 磨く
といった靴のお手入れシーンで使うことを踏まえれば、クロスが汚れるのは避けようがありません。
と、ここで1つの問いを。
汚れたら新しいものに交換。
使い捨てにしているのではないでしょうか?
でも、その汚れたクロス。
洗濯すればまだまだ使えます。
むしろ、洗濯した方が使いやすくなります。
本記事ではシューケアクロスの洗い方と洗うことで得られる効果について書きました。
シューケアクロスは汚れる運命(さだめ)
先ほども述べたように、クロスの汚れはシューケアの性質上、避けられません。
汚れや靴クリームが染み込むのは靴磨き用クロスの運命。
そして、汚れたクロスを使い続けることは、
- クロスに付着した汚れや靴クリームを他の靴に塗り込む
ということになります。
そういった事態は好ましくありませんよね。
汚れたシューケアクロスをどうする?
そのため、汚れたクロスについては何らかの対応をする必要があります。
最も楽で簡単なのは、
- クロスを使い捨てにする
という対応です。
ある程度汚れたらそのクロスは捨てて、別の新しいクロスを使用するというのが最も簡便な方法。
ですが、筆者の性格上、
と思うので、汚れたクロスはいつも洗濯しています。
洗濯することで汚れが落ちるのは当然ですが、さらに嬉しい効果もあるのです。
シューケアクロスの洗濯で得られる副次的効果
汚れたクロスを洗うことによる嬉しい効果とは…。
ズバリ、
- 繊維の毛羽立ちが抑えられる効果
- 繊維くずが出なくなる効果
とがあります。
ほとんどすべてのクロスに使用されている綿(コットン)。
コットンを洗濯すると、生地がクタッとした状態になります。
繊維のザラザラ感が無くなってくるのがわかるはずです。
洗濯によってコットンの生地繊維が寝てきている証拠。
繊維が寝るので生地表面がなめらかになり、先ほど述べた効果が得られるというわけです。
洗濯すると繊維の毛羽立ちが抑えられる
クロスの繊維の毛羽立ちが抑えられると、クロスで靴を磨いた際の滑りが良くなり、効率の良い靴磨きが可能になります。
繊維の毛羽立ちが抑えられることによって、靴表面へのクロスの引っ掛かりがなくなります。
毛羽立ちがあると、生地が革に引っかかってすべりが悪くなり、ストレスのもとになりますからね。
洗濯すると繊維くずが出にくくなる
また、繊維が寝てくることにも関係があるのですが、洗濯すると繊維くずが出なくなります。
洗濯によって生地表面の弱い繊維がはがれ、しっかりとした強い繊維が生地上に残るから。
繊維くずが出にくくなるということは、クロスで革靴を磨いた際の抵抗が小さくなるということ。
引っ掛かりが強いと、それだけクロスの繊維にかかる力が大きくなります。
そのため、繊維がはがれ落ちやすくなることに。
結果、靴に繊維くずが残ってしまうのです。
そうなると厄介。
靴をきれいにしたくて靴磨きをしているのに、磨けば磨くほど、繊維が靴に張り付きます。
見た目の美しさがそこなわれることになるのです。
洗濯したクロスで靴を磨くと仕上がりも良くなる
クロスを洗濯することで、生地が寝て毛羽立ちが抑えられると同時に、引っ掛かりが無くなって繊維のはがれ落ちもなくなります。
靴磨き後の革靴の仕上がりがより良いものに。
クロスを洗濯するのは意外と重要な作業。
クロスの洗濯は非常にオススメです。
実際にシューケアクロスを洗濯する
では、ここから実践編、
実際に僕が普段使っている、汚れ落とし用のクロスを洗濯してみます。
こちらのクロスはサフィールノワールの代理店でおなじみの日本企業であるルボウのオリジナル製品。
革製品のお手入れに適した柔らかいコットン100%のクロス。
靴だけではなく、バッグや財布などへの使用にも適しています。
繊維業が盛んな尾州(愛知県の一宮市周辺)のテキスタイルを使用したこだわりの逸品です。
筆者は汚れ落とし用にコットンフランネルクロスEXを使うことがあるのですが、まぁ汚れの落ちること。
他の生地よりも汚れ落ちが良く、ついつい使い倒す傾向に。
そのため、大変汚れています。
この辺りで1度洗うことにしました。
洗面器にお湯を張る
まずは洗面器にお湯を張ります。
洗濯機は使用せず、手洗いでやっていきますよ。
靴クリームやワックスは着色力が強く、他の衣類も洗う洗濯機を使うと他の衣類を洗う際に色移りする懸念があるため。
お湯を使うのは、汚れを落ちやすくする効果があるからです。
クロスをお湯につけて洗剤を投入
お湯を張ったら、汚れたクロスを浸します。
そして、洗剤投入です。
さらに…
漂白剤を加えます。
この生地は今後も汚れ落とし用として使うため、これからも汚れる運命です。
そのため、ガッツリ汚れ落としをするというよりは、ある程度の汚れを落とすくらいで十分。
そのため、洗浄力が比較的弱めの、
- 酸素系漂白剤
を使用します。
- 塩素系漂白剤
の方が洗浄力は強力です。
しかし、その分、生地の繊維を必要以上に傷めてしまうリスクがあります。
その辺はクロスの使用用途に合わせてお好みでどうぞ。
クロスを揉み洗いとこすり洗い
続いて、揉み洗いです。
生地に洗剤をしっかりと染み込ませましょう。
その後、つけ置きの時間を取ります。
10分ほど待つことに。
じっくりつけ込んで生地の汚れを浮かしましょう。
つけ置きが終わったら、再度揉み洗い。
しっかりと汚れを落とすためにこすり洗いをしつつ、丁寧に洗います。
洗濯の残り液。
だいぶ黒ずんでいます。
汚れが落ちている証拠ですね。
クロスをすすぎ洗い
そして、すすぎ洗いです。
洗剤と漂白剤が生地に残らないように入念にすすぎます。
洗面台での作業は終了です。
クロスを乾かす
最後にクロスを絞って乾かすと…。
洗濯終了です。
着色はまだありますが、洗濯前よりだいぶ汚れが落ちました。
比較してみましょう。
違いは一目瞭然ですね。
汚れ落とし用クロスとしてまだまだ働いてもらえます。
ちなみに…。
もっと汚れを落としたい人は、先ほども述べたように塩素系漂白剤を使用するのをおすすめします。
洗濯後のクロスの使用感はもちろん素晴らしく、繊維くずの発生も大幅に軽減しました。
シューケアクロスを洗って快適なお手入れを
本記事では汚れたシューケアクロスを洗濯して再使用する方法を紹介しました。
シューケア用クロスの洗濯は面倒だと思うかもしれません。
しかし、やってみると汚れの落ちるさまが爽快で気持ち良いものです。
また、洗濯後のクロスが良い感じにクタっと柔らかくなることで、クロスの使用感が向上します。
汚れたクロスを洗うことで、まだまだ現役で使えますよ。
ぜひ試してみてください。
それでは、今回はここまで。
少しでも参考になれば幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました!
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