- 革靴の防水スプレーが欲しい
- 革を傷めずに靴の水弾きを良くしたい
という人は、コロニル(Collonil)の1909シュプリームプロテクトスプレーをチェック。
1909シュプリームプロテクトスプレーは、革靴を含む革製品や布地に防水効果を与える防水スプレーです。
フッ素系の防水スプレーなので、革表面にフッ素由来の撥水効果を与えられます。
革の水分調節機能を損なわずに、防水作用が得られますよ。
また、シダーウッドオイル配合により革に栄養を補給する効果も。
1909シュプリームプロテクトスプレーは、保革しつつ防水効果も与えられる優れた防水スプレーです。
本記事ではコロニルの防水スプレー、1909シュプリームプロテクトスプレーを実際の使用感と効果とともにレビューします。
- 防水と保革が同時にできる防水スプレーを探している
- 1909シュプリームプロテクトスプレーの詳細が知りたい
- コロニルの防水スプレーの効果ってどんなもの?
革は水が苦手
革靴をはじめとした革製品は水が苦手です。
というのも、革が水に濡れるとシミになることがあるから。
革本来の風合いを損ねる原因になってしまうのです。
革財布やレザーベルトなどはあまり水に濡れる機会がないため、気にならないかもしれませんが、革靴は別。
雨の日に傘をさしても、革靴が水に濡れるのは避けられません。
となると、気になる革靴の水シミ。
- 突然の雨に降られてお気に入りの革靴に水シミができてしまった…
なんて悲劇は避けたいですよね?
そんなときに活用したいのが防水スプレーです。
革を水から守る!防水スプレー
革靴を水濡れから守るために大活躍するのが防水スプレー。
防水スプレーを革靴に噴きかければ防水機能が得られ、革の水弾きが良くなります。
水シミができやすい革の欠点を補えるのです。
しかも、防水スプレーは使い方簡単。
革に噴きかけるだけなので、手軽に防水効果が与えられます。
なんてときや、雨の降りやすい梅雨の時期にあらかじめ革靴に防水スプレーを噴きかけておけば、安心して外出できます。
革靴に水シミができにくい状態にしてあげれば、心も軽くなります。
革靴を水から守り、かつ精神衛生も良好に保ってくれる効果が防水スプレーにはあるのですよ。
革のコンディションを保つためには防水スプレーの成分が大事
とても便利な防水スプレーですが、1つ気をつけておかなければならないことが。
それは防水スプレーの成分です。
防水スプレーと聞くと、
というイメージをお持ちの人もいるかもしれません。
実際に、革に悪影響を及ぼす防水スプレーはあります。
防水スプレーが革に悪いといわれる所以は防水成分が革表面に膜を張り、革の水分調節機能を阻害してしまうから。
ここで1つ注意点が。
革の上に膜を張り防水効果を得るのは、シリコン系の防水スプレーです。
シリコン系防水スプレーは、革表面を水弾きしやすい膜でコーティングし、防水効果を得ます。
そのため、革の水分調節が滞り、革に悪影響を及ぼします。
シリコンは油なので、革製品に使うと、それが原因でシミになってしまうことも…。
しかし、防水スプレーはシリコン系だけでなく、フッ素系のものもあります。
フッ素系の防水スプレーならば、革の上に膜を張ることがありません。
革の水分調節機能をキープしつつ、防水効果が得られるのがフッ素系防水スプレーの特長です。
防水スプレーの成分ごとに特徴を掘り下げてみますね。
- シリコン系防水スプレー
- フッ素系防水スプレー
シリコン系防水スプレー
シリコン系防水スプレーは革の上にシリコンの膜を張り、水を防ぐ仕組みです。
つまり革表面をシリコンでコーティングし、水が革に直に接触しないようにしています。
シリコンの膜を張ることで確実な防水機能を得ているのですが、革の状態を考慮するとそれが仇となります。
革には元々、水分を適切に調節する機能が備わっています。
過度な水分は吐き出し、革内部に水分が少なくなってくると周囲の湿気を取り込む、といった具合に。
その機能によって、革はしなやかで風合い豊かな表情になっています。
しかし、シリコン系防水スプレーは革の上に膜を張るため、革の水分調節機能を阻害。
革のコンディションを悪化させる原因となるのです。
また、シリコンの層は物理的なバリアとなり、革への栄養補給クリームの浸透を邪魔してしまいます。
革のコンディションを良好に整えるという観点では、シリコン系防水スプレーは欠点が目立つのです。
革靴にワックスを塗ったときと状況は同じですね。
ワックスの油膜か、スプレーのシリコン膜かの違いです。
- シリコンが物理的なコーディング層を作るため防水機能が高い
- 革との相性は悪い
価格は安いので、手軽に防水できる点はあるのですけどね…。
シリコン系防水スプレーを革に使うのがためらわれるときに活用したいのがフッ素系の防水スプレーです。
フッ素系防水スプレー
フッ素系防水スプレーならば、革に悪影響を及ぼすことなく防水効果が得られます。
フッ素系防水スプレーはシリコン系防水スプレーとは違い、噴きつけると革上にフッ素樹脂が配列。
フッ素は表面張力が低く、水滴がなじみません。
というのも、フッ素は価電子軌道が低いため、電子を引きつける能力が高いです。
そのため、フッ素の原子核近くに電子が存在し、揺らぎにくい性質があります。
電子が揺らぎにくいフッ素化合物(特に炭素を含むフッ素樹脂)は、分子間力が弱く内部エネルギーが小さくなり、表面張力が低いというわけです。
フッ素のおかげで革の表面張力が弱くなるため、相対的に水の表面張力の影響が強く表れ、結果として、革が水を弾くようになります。
フッ素系防水スプレーは表面張力を利用して水を弾いているため、シリコン系とは異なるメカニズムで防水しています。
そして、フッ素樹脂は革上に完全な膜を作るものではないため、革の水分調節機能を邪魔しません。
そのため、通気性を維持しつつ防水機能を得られるというわけ。
また、フッ素系防水スプレーによる防水効果は水だけでなく、油に対しても効果が高く、油汚れの付着に対しても強い特長があります。
革を傷めにくく、水を弾き、汚れを付きにくくするフッ素系防水スプレーを活用しない手はありません。
お気に入りの革靴をより長く・美しく履きたければ、フッ素系防水スプレーを使いましょう。
革本来の機能をキープしつつ、防水機能が得られるのがフッ素系防水スプレーの利点。
その分、シリコン系防水スプレーよりも価格が張りますが、革を良好な状態に保てることを踏まえれば、コスパ優秀といえるでしょう。
- 革に防水性を与えつつ通気性をキープするため革が傷みにくい
- 革だけでなくコットンやナイロンなど、様々な素材に使える
コロニルの防水スプレー|1909シュプリームプロテクトスプレー
さて、革に対してはシリコン系よりもフッ素系の防水スプレーを使うのが好ましいということが分かったところで…。
この項目では、革靴にオススメのフッ素系防水スプレーをご紹介します。
それがコロニルの1909シュプリームプロテクトスプレーです。
- 1909年、ドイツで創業したザルツェンブロット社が手掛けるレザーケア用品ブランド
- 「皮革に優しい・人体に優しい・環境に優しい」がコンセプト
- 高機能性や品質の高さだけでなく環境に配慮したものづくりも世界中で評価されている
1909シュプリームプロテクトスプレーは、防水機能を与えるフッ化炭素樹脂と革へ浸透しやすいシダーウッドオイルを配合した防水スプレー。
革への浸透力が高いのがシダーウッドオイルの特長。
配合成分のフッ化炭素樹脂、これが防水効果のポイントです。
先ほどの項目で少し触れましたが、フッ化炭素の結合(F-C)は安定しているため、分子と分子が引き合う力(分子間力)が弱く、表面張力が低くなります。
フッ素樹脂を噴きかけると、水滴の表面張力がフッ素樹脂で覆われた革の表面張力よりもとても大きくなるため、水滴が革になじまず弾かれるのです。
水自体はもともと表面張力が高くありません。
しかし、
というわけですね。
フッ化炭素樹脂が革表面の水弾き性能を高め、シダーウッドオイルが革繊維に深く浸透。
革へ防水効果と栄養を与えます。
また、フッ素系樹脂を使用した1909シュプリームプロテクトスプレーは、水分だけではなく油も弾きやすくなります。
たとえ汚れが付いたとしても、お手入れで汚れが簡単に取れるのもメリットです。
スムースレザー、起毛皮革をはじめ、メタリック仕上げやプリントレザーなど、様々な革種に使用できます。
布地もOKです。
項目 | 詳細 |
成分 | フッ化炭素樹脂 シダーウッドオイル 香料 |
内容量 | 200ml |
原産国 | ドイツ |
対象製品 | 靴 バッグ 服 財布 ベルト など… |
対象素材 | スムースレザー 起毛皮革(スエード・ヌバック・ベロア) |
1909シュプリームプロテクトスプレーの使用方法
1909シュプリームプロテクトスプレーの使い方はいたって簡単。
以下の手順です。
- スプレーする革や布地の表面のホコリ・汚れを落とす
- 容器をよく振る
- 20~30cm離したところから、革や布地の表面が軽く湿る程度にスプレーする(2回繰り返すと防水効果が高まる、新品の製品には3回スプレーがオススメ)
布地であれば、使い方はここまででOK。
革の種類によっては、以下のどちらかの作業を追加で実施します。
- スムースレザーの場合 スプレー液が乾いた後、クロスで乾拭きする
- 起毛革の場合 スプレー液が乾いた後、スエード用ブラシで毛並みを整える
簡便な作業ですよね。
1909シュプリームプロテクトスプレー使用時の注意点
1909シュプリームプロテクトスプレーには、うまく使いこなすための方法や使用上の注意点があるので、ここにまとめておきます。
- バッグや洋服など広範囲なものに使用する場合は、アルファベットの「Z」を書くようにスプレーすると全体に満遍なくかけられる
- スプレー後、10分ほどで乾く
- 完全に乾くまで触らないことが重要
1909シュプリームプロテクトスプレーの使い方を実践で解説
ここからは1909シュプリームプロテクトスプレーの使い方について、実践を踏まえてご説明します。
1909シュプリームプロテクトスプレーの使い方は、本体背面に書かれています。
先ほどご説明した通りです。
表面のホコリを落とした後にスプレー、その後にクロスで乾拭きします。
繰り返しになりますが、たったこれだけの作業で超お手軽に防水機能を得られます。
さて、実際に使ってみるわけですが…。
この項目では、革靴に使う場合と革小物(カードケース)に使う場合の2種類の方法について紹介しますね。
革靴に使う
まずは革靴に防水機能を与えてみます。
プロテクトスプレーを使うのは、こちらの革靴。
淡い色のため、革にシミができないかもあわせて確認してみます。
まずは靴に付着したホコリを馬毛ブラシで払い落としましょう。
そして、1909シュプリームプロテクトスプレーを噴きかけます。
水汚れ・油汚れの付着がある場合は、靴クリーナーで拭き取った後にスプレーしましょう。
容器をよく振って…
30cmほど離れたところから革靴へスプレーを噴霧。
革に満遍なく液が付くようにします。
アッパー(甲革)全体を隙間なく。
片方の靴が終わったら、もう片方の靴も。
2回スプレーすると防水効果が高まるため、もう一度。
両足ともそれぞれ2回、スプレーしました。
革がヒタヒタに濡れるほどスプレーしても、数分経てば乾きます。
10分ほど乾燥時間を設けてフッ素樹脂を革上に定着させましょう。
10分待って乾いた状態がこちら。
そして、最後にクロスで磨き上げます。
クロスで磨くと、スプレー後のマットな質感が一変。
革のツヤが復活しました。
ブラウンの色味もまったく変わることなく。
革本来の風合いそのままに防水効果を付与できました。
1909シュプリームプロテクトスプレーは、革がひたひたになるくらい多めにスプレーしてしまっても仕上がりがまだらにならず、革本来の色が濃くならないのが魅力。
はじめて使う人でも安心ですね。
ヌメ革のような、風合いが変化しやすい革に栄養を与えたい場合にもオススメです。
栄養を与えて防水も一度にできるので、革小物をお手入れするとき、時間を使わずサッとケアできるので便利。
革がしなやかになり、汚れも付きにくくなります。
防水効果は後ほど詳しく紹介します。
革小物に使う
1909シュプリームプロテクトスプレーは革靴だけでなく、革財布やレザーカードケース、レザーベルトなどの革小物のお手入れにも適しています。
革小物の場合、雨に降られることはほとんどないですが、汗を防いだり、水汚れ・油汚れの付着を防止するため、防水効果を高めておいて損はありません。
おまけに、シダーウッドオイルで革への栄養補給ができるのですから一石二鳥です。
この項目では、エンダースキーマのシュリンクレザーを使ったカードケースに1909シュプリームプロテクトスプレーを使います。
基本的に、使い方は革靴のときと同じ。
- ホコリや汚れを落とした後に
- スプレーして
- 乾拭き
の流れです。
まずはクロスで拭いてホコリや汚れを落とします。
そして、スプレー。
表面と裏面、ともに液を噴きかけましょう。
ヒタヒタにスプレーしましたが…。
時間が経てばこのように。
問題なしです。
淡い色の革ですが、変色したりシミができることもないです。
クロスで磨けば防水処理完了。
革靴同様に革の風合いを保ちつつ、防水効果と栄養を与えられました。
防水効果の検証はこの後の項目で。
1909シュプリームプロテクトスプレーの防水効果を確認
さて、1909シュプリームプロテクトスプレーを使った後でも革の風合いが変わらないので、
と感じる人もいるはず。
ということで、この項目では実際に1909シュプリームプロテクトスプレーで防水効果が高まったのかを検証します。
検証に使うのはハンドラップ。
ハンドラップの先端から水を出して、革の上に垂らしてみますね。
まずは革靴から。
水をポタッと。
すると…
1909シュプリームプロテクトスプレーで確実に防水効果が与えられているのが分かります。
別の箇所も。
この通り。
- 水の表面張力、効いてる~
って感じですね。
フッ素樹脂が革への水の浸入を許さず、高い撥水機能をもたらしています。
では、レザーカードケースはどうでしょうか?
水を垂らすと…。
垂らした水が水滴になって革の上にとどまっています。
角度をつけると…
スルスル…。
ボタッ。
水弾きが良く、革の上をそのまま水滴が移動しました。
作業を通じて、ブラックのレザーマットにも1909シュプリームプロテクトスプレーが付着しているので、水が革から落ちてもなお、水滴が形状を保っていますね。
恐るべし、1909シュプリームプロテクトスプレーの防水効果。
高い防水機能に加えて、栄養補給効果もあるのですから、なんとも贅沢な逸品。
1909シュプリームプロテクトスプレー、1度使ったらもう使わない選択肢は浮かばないくらい、とんでもなく優秀なケアアイテムです。
1909シュプリームプロテクトスプレーは革のツヤをキープできる
1909シュプリームクリームプロテクトスプレーは革の輝きを一切損なわないのも魅力。
スプレー後も強いツヤがキープできます。
防水スプレーを使うと、
- スプレーした後に革の輝きがくもった…
なんてことも。
せっかく防水機能が付いても、革の風合いが損なわれるのはいただけません。
しかし、1909シュプリームプロテクトスプレーなら、そんな心配もありません。
スプレー後も革の輝きをしっかり維持します。
実際に試してみますね。
こちら、スコッチグレインのアシュランス。
油性の靴クリームでお手入れした後なので、アッパー(甲革)全体がツヤを放っています。
また、トゥ(つま先)部分には鏡面磨きを施しているため、周囲の景色を反射するほどの強い輝きが。
1909シュプリームプロテクトスプレーによって、
- ツヤが消えないか
- 輝きがくもらないか
を検証します。
早速、検証開始。
まずはアッパー全体に満遍なくスプレー。
スプレー後はこんな仕上がりに。
ツヤは消えていますね。
ただ、ツヤが消えるのはあくまで一時的。
ということで、作業を継続。
噴きつけた液が乾くのを待ちます。
スプレー液が乾燥したら、クロスで乾拭き。
するとどうでしょう。
みるみるうちに輝きが復活。
クロスで乾拭きした後は、元の輝きに元通りです。
まったく変わっていませんね。
1909シュプリームプロテクトスプレーは革のツヤや鏡面仕上げの輝きを邪魔することなく防水機能が得られる防水スプレーだと分かりました。
防水と保革が同時にできる!1909シュプリームプロテクトスプレー
本記事では、コロニルの1909シュプリームプロテクトスプレーについて実際の使用感を踏まえてレビューしました。
防水スプレーでありながら革への栄養補給ができる、一石二鳥のケアアイテムが1909シュプリームプロテクトスプレーです。
フッ素系樹脂が革の水分調節機能をキープしながら水弾き性能を高め、シダーウッドオイルが革に浸透し保革を実現。
高品質で頼れる防水スプレーです。
おまけに、革のツヤや風合いを一切損なうことなく防水機能を高められるときたら、使わない手はありません。
- お気に入りの革靴を雨から守る
- 水汚れや油汚れから革小物を保護する
上記の用途に大活躍。
革靴含め革製品を美しい状態で長持ちさせたい人に、1909シュプリームプロテクトスプレーはとってもオススメです。
ぜひチェックしてみてください。
それでは、今回はこの辺で。
少しでも参考になれば幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました!
靴磨きを始めたい。けれど道具をそろえるのが面倒…。
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大事な革靴を劣化させないために靴を磨いてコンディションを整えるのがおすすめです。