レザーケア PR

革のカビ取り方法を解説!溶剤で徹底除去【レノマットリムーバーを応用】

ショックなことがありました…。

見つけてしまったのです…。

革のベルトに生えたカビを…。

はぁ…。

ということで…。

本記事では、ベルトのカビを徹底的に撃滅する工程を紹介しますっ…!!(断固たる決意をにじませながら)

カビは害のある菌

カビ、好きな人はいますか?

はい。

いませんね。

おそらく、よっぽどのカビマニアの人でない限りは、好きではないでしょう。

「カビキラー」をはじめ、カビ取り用製品が数多く販売されている世の中を見れば、カビは好ましくない存在だと分かります。

かく言う僕も、できれば見たくないです。

特に、大好きな革製品にカビが生えてしまうさまは苦痛以外の何物でもありません。

そもそもカビとは、菌類の一部の姿を指す言葉。

微生物のコロニーを表します。

菌糸と呼ばれる細胞で形成され、キノコなどと同様に胞子によって繁殖していきます。

カビは湿気の多い時期・場所に発生しやすく、食物、衣類、家の壁などの表面に生まれ、発生した箇所の劣化や腐敗を起こしてしまうのです。

また、人によっては食中毒やアレルギーの原因となることもあり、健康にも害を及ぼすかもしれないものなのです。

一部のカビには発ガン作用を持つ毒物を出すものも存在しているため、気をつけなければなりません。

また、僕の大好きな革製品にとって、カビは大敵。

カビによってひどく侵食された革の表面や黒い痕跡は消すことはできません。

そうなると、せっかくの革の風合いがそこなわれてしまうため、本来の革の美しさを十分に楽しめなくなります。

これは由々しき問題です。

カビ対策としてすべきこと

悪影響を及ぼすカビ…。

どういった対策を取れば良いのでしょうか?

一緒に見ていきましょう。

カビが発生する根本原因をなくす

カビの被害をなくすため、まず何よりも取り組むべきは、

  • カビを発生させないように対策すること

です。

そのためには、なぜカビが発生するかを知る必要があります。

カビと戦うためには、まず相手を知って戦略を立てなければなりませんからね。

カビの元になる菌糸はいたる所に存在していて、常に空気中をただよっています。

その菌糸が成長して行くと、目で見えるカビとなるわけですが、成長するためにはいくつかの条件を満たさなければなりません。

その条件を以下にまとめました。

  • 酸素…無酸素では生きていけない
  • 湿度…70%以上
  • 温度…10〜35度
  • 栄養分…有機物(ホコリでも良い)

以上がカビにとって好ましい条件です。

これら条件が揃うと、カビが発生するということです。

今回の、ベルトにカビが発生した状況を改めて見返すと…

  • 酸素…人間の生活環境なので存在する
  • 湿度…除湿機を置いていない部屋で保管、日当たりも良くない場所のため、恐らく高湿度(70%以上)
  • 温度…エアコン環境(25℃)なので適温
  • 栄養分革の繊維、ベルトについたホコリ

カビの繁殖条件にガッツリ当てはまっています。

カビにとってはさぞかし暮らしやすい環境だったことでしょう。

裏を返せば、これらの条件のいずれかでも満たさなければ、

  • カビは発生しない

ということです。

ですが、この条件を満たさないのはなかなか難しいです。

  • 酸素…なくしたら人間は生きていけません
  • 温度…エアコンがないと人間は生きていけ(略)
  • 栄養分…「家でホコリがない環境を作る」ってどれだけ掃除しなきゃいけないの?

ということで、なかなか厳しいところがあります…。

4条件のうち、3条件の制御は難しそうですが、残りの1条件はどうでしょう?

その残りの条件とは

  • 湿度

です。

「湿度」に関しては制御できそう。

人間が快適に過ごせる湿度は、

  • 40〜60%程度

と言われています。

湿度をしっかりと管理すれば、カビが好む湿度70%以上という条件には当てはまらないということになりますね。

カビを除去する

とはいえ、いくら気を使ってもカビが生えるときは生えます。

梅雨時期なんかは、いくら除湿機を使ったところで最適な湿度に管理することが難しいこともままあります。

換気もしかり。

一人暮らしの方は、仕事や学校に出ている時に換気はできませんよね。

そうなるとカビの発生は防げません。

  • 発生してしまったものはしょうがない

と頭を切り替えて、前を向いて徹底的にカビを除去しましょう。

カビを除去するために効果的なのは、アルコールなどの有機溶剤です。

有機溶剤にはタンパク質を変性させる作用があります。

タンパク質はカビの構成要素の1つ。

ですから、タンパク質が変性してしまえば、カビは生きていくことができなくなります。

したがって、カビの駆除が可能なのです。

そのメカニズムとしては、カビ菌の細胞膜へ溶剤が浸透することによって、細胞膜の破壊やタンパク質の溶出・変性が起き、カビが殺菌されるというものです。

革に発生したカビを除去する方法

今回の場合、ベルト上に既にカビが発生してしまっていますので、今更環境を整えたところで時すでに遅しです。

そのため、発生してしまったカビを除去するという方法をとります。

使うのはレノマットリムーバー

方法としては、さきほど紹介した有機溶剤を使ってカビを除去するのですが、有機溶剤として実際に何を使うかと言いますと…。

はい。

シューケアでおなじみ、サフィールレノマットリムーバーです。

消毒用のエタノールでも良いのですが、折角所持しているのでレノマットリムーバーを使うことにします。

こちらのレノマットリームーバーには強力な汚れ落とし効果があり、革靴のお手入れの強い味方です。

強力な効果があるだけに、実はカビにも有効です。

レノマットリムーバーのふたを開けると、かなり強めの有機溶剤の香りが漂い、

  • かなり濃いめに溶剤が配合されている

ことが実感できます。

先ほど述べたように、有機溶剤はタンパク質分解作用がありますから、溶剤を多く含むレノマットリムーバーはカビの殺菌という点でも強力な効果が期待できるのです。

そんなレノマットリムーバーを使ったカビの除去、やっていきましょう。

カビを除去するベルトはコレ

冒頭でもお見せした、革ベルトに生えたカビ…。

 

レノマットリムーバーでカビを取っていきます。

カビ取りにはティッシュを使おう

シューケアで使用する際はクロス(布)にレノマットリムーバーを取るのですが、今回除去する対象はカビです。

カビが付いたクロスを今後使いたくないですよね?

でも、クロスを使い捨てするのはもったいない…。

そんなときはどのご家庭にもある、これを使いましょう。

ティッシュ~!!(秘密道具を取り出すように)

これなら心置きなく、使い捨てできます。

実践|ベルトのカビ取り

手にティッシュを巻き付けて、レノマットリムーバーを染み込ませます。

続いて、ティッシュでカビが発生している箇所を拭いていきます。

レノマットリムーバーの効果は強力な分、ゴシゴシこすると革自体にダメージを与えてしまうことがあります。

柔らかいタッチで拭いていきましょう。

  1. カビが付いたティッシュはすぐに捨てて
  2. また新しいティッシュにリムーバーを付けて拭く

これを繰り返します。

 

ティッシュを新しいものに交換するのは、

  • ティッシュに付いたカビを他の箇所に塗り広げないため

です。

これは布地のクロスではもったいなくて中々できない、ティッシュだからこそできる芸当。

カビが付いた箇所をまんべんなく拭いたら、カビの除去作業は終了です。

後は5日程度様子を見て、再度カビが生えてこなければ、完全にカビの除去が達成されたことになります。

ベルトに再度カビは生えるのか、期待と不安をいだきながら待つことにします。

カビの再発生がないか確認

5日間待機。

 

×5

5日後のベルトの様子がこちら。

カビは居ません。

撃・滅・成・功!!

やりました。

さすがはレノマットリムーバー。

頼れる存在です。

カビ除去後のベルトの栄養補給

カビの除去が完了しましたが、今回カビを除去したベルトは革製です。

革の製品の場合、レノマットリムーバーを使用した後には、実はもうひと工程加える必要があります。

レノマットリムーバーは汚れ落とし能力が非常に高いゆえに、汚れやカビと共に、革に必要な油分までも除去してしまいます。

そのため、レノマットリムーバーを使ったことで奪われた革の油分を補給してあげることが必要なのです。

これは革靴の場合でも同様で、レノマットリムーバーでシューワックスを落とす際にも、その後の栄養補給は必須。

ということで、革ベルトへの栄養補給を思う存分やっていきます。

カビもいなくなったことですし。

栄養補給に使用する保革クリームはこちら。

サフィールノワールスペシャルナッパデリケートクリーム

このクリームには以下の特長があります。

  • アニリンカーフ・シープスキンなどのデリケートなソフト革にも使用可能
  • ホホバオイルが配合されており、革に栄養を与えると共にひび割れを防ぎ、しっとりとした風合いを保つ効果がある
  • 光沢効果が控えめなのでツヤなしタイプの革にも風合いを損なうことなく、安心して使える

デリケートな革にも使用可能で、もちろん通常の革にも使えます。

ベルトに保革クリームを塗る

このクリームをクリーム塗布用ブラシであるペネトレィトブラシに取りまして…

ベルトにクリームを塗っていきます。

保革クリームをなじませる

一通りクリームを塗り終わったら、豚毛ブラシでブラシ掛け。

革へクリームをなじませます。

クロスで余分な保革クリームをふき取る

ベルト全体へのブラッシングが終わったら、クロスで余分なクリームを拭き取ると共に、ベルトを磨きましょう。

作業終了後のベルトは、こういった状態に。

ツヤが出ていますね。

良い感じです。

一路
一路
良いですよ~!(しつこい)

これにてベルト再生のすべての工程が完了しました。

カビが取れて革の風合いが復活しましたよ。

革にカビが発生しても取り除ける

本記事では革に発生したベルトのカビ取りについて、実際に作業しつつ紹介しました。

有機溶剤を使用したカビ取り方法は、カビを効率よく除去できます。

一方で、カビ取り対象が革製品の場合、有機溶剤の脱脂効果によって油分が失われがち…。

そんなときには、しっかりと革用クリームで保革をしてあげると、革へのダメージを最低限に抑えることが可能になります。

なにより大事なのは、

  • カビを発生させない環境づくり

というのは間違いないですがね。

もしカビが発生してしまったら、今回の方法を試してみてください。

それでは、今回はこの辺で。
少しでも参考になれば幸いです。

ご覧いただき、ありがとうございました!

革靴のカビ取り方法を解説した記事のアイキャッチ
革靴のカビ取り方法を解説!あきらめなくても簡単に除去できます革靴のカビ取り方法を実践解説した記事です。カビが生えても悲観することはありません。専用ケア用品を使えば簡単手軽にカビを完全に除去できます。お気に入りの革靴に発生したカビはしっかり取り除き末永く愛用しましょう。...
reno-mat-3
【レビュー】レノマットリムーバーの強力な洗浄効果を体感!【失敗しない使い方】レノマットリムーバーは強力な洗浄効果の革用クリーナー。強い洗浄力を持つがゆえに革を傷めてしまう可能性もありますが、使用方法に気を付けてさえいれば、トラブルは起きません。この記事では、レノマットリムーバー使用時の注意点と、実際に革靴のワックス層を落とす様子をご紹介します。...
leather-care-summary-99
革小物お手入れ方法まとめ!財布・ベルト・バッグのケアを解説【補色・カビ取りも】古くから人を魅了してやまない革製品。その魅力は丈夫さと美しい革の風合いですが、革は時間とともに徐々に乾燥し、しなやかさとみずみずしさが失われていきます。革製品は定期的にケアして、潤いを与えることがその独特の風合いを保つ上で重要です。財布やバッグなど、お気に入りの愛用革小物たちを長持ちさせる方法をまとめています。...
care-inside-shoes-20
【靴の内側のケア方法解説】インソールとライニングはカビ止めとホコリ除去が重要靴の中(内側)のお手入れ方法を解説した記事です。靴内部には靴下の繊維くずやホコリが蓄積されやすく放っておくとカビが発生しやすい環境へ。普段は目につかない靴の内側といえども定期的にホコリを落として栄養を補充して良い状態を保ちましょう。...
leatherian-lotion-1
レザリアンローションをレビュー!カビを防げる革用汚れ落とし【使い心地は?】革製品の汚れ落としに便利な「レザリアンローション」の詳細と使った感触についてレビューします。液状タイプでサラサラとした使いやすさ。そして、防カビ剤配合でカビ発生を未然に防げる優秀なレザークリーナーです。革靴・革製カバン、革財布など、レザーアイテム全般に使えるのでオススメです。...
mold-cleaner-sheet-1
【拭くだけ簡単】モールドクリーナーシートでカビ取りと予防を徹底しようモールドクリーナーシートの効果と使い方について解説した記事です。モールドクリーナーシートは強力なカビ除去・予防効果を誇るレザーケアアイテム。有機ヨードが持つ化学の力で確実にカビを取り除きます。使い捨てタイプなのでウェットティッシュのように気軽に使えるのも魅力です。...
モールドクリーナーのレビュー記事アイキャッチ
モールドクリーナーをレビュー!カビのリスクにおびえたくない人にオススメ革靴のカビを取り除きたい!カビ予防がしたい!そんな人にはモールドクリーナーがおすすめ。モールドクリーナーはスプレータイプのカビ除去剤で、主成分の有機ヨードがカビの細胞を確実に破壊します。塩素系では革の傷みが心配、アルコールは持続力に不安が残る、といった不安を解消する、革に適したカビ取り剤です。この記事では仕様詳細と使い方について解説します。...
おすすめ上質レザーブランド

レザーアイテム選びの参考として、美しさと丈夫さを兼ね備えた末永く愛用できるレザーブランドを紹介します。

ランキング順で並べはするものの、それぞれおすすめの人が違うので自分にピッタリなレザーブランドを選んでみてください。

池田工芸
クロコダイル革の老舗「池田工芸」の評判を解説した記事のアイキャッチ
クロコダイルレザーの老舗で安心と信頼の高品質なワニ革が手に入る。
ワニ革の強い光沢はエレガントで一生モノの風格を持つ。
池田工芸の特徴
日本で最大級のクロコダイル専門の工場を持つ
一貫した生産管理で高品質を保つ一流メーカー
こんな人におすすめ とにかく高級感のある財布が欲しい

記事を見る公式ページ

ユハク
features-yuhaku-1
絵画の技術を応用した独自の染色技術と建築の知識から生まれた手染めをベースとしたレザーグッズが豊富。
色へのこだわりが強く複数の色を手作業で重ねる染色が独創的な印象を与える。
ユハクのアイテムの特徴
染色が鮮やかで革の美しい色味とグラデーションが楽しめる
芸術品のような美しさ
こんな人におすすめ 人とは違った美しいレザーアイテムを使いたい

記事を見る公式ページ

キプリス
cypris-reputation-1
美の頂点「キプリス・モルフォ蝶」の名を冠した美しさにこだわったブランド。
「一生愛せる本質的価値のあるものづくり」をコンセプトに厳選した素材を基に機能性と品質を追求したモノづくりを徹底している。
キプリスの特徴
仕立ての良さと上質な革を使用
目に見えない部分の手間も惜しまない製品作りへのこだわりを持つ
こんな人におすすめ 質実剛健の主張控えめな大人っぽい革製品が欲しい

記事を見る公式ページ

こんな記事も読まれています