革靴のアウトソール、いわゆる「靴底」。
クッション性としなやかさが求められる靴底には、天然ゴムや合成樹脂が用いられることがあります。
そして、革靴の靴底で多く使われているのが「革」。
革で作られた靴底、すなわち「レザーソール」は革製ゆえに靴の甲革同様、劣化を防ぐための定期的なケアが必要です。
ということで、本記事では塗るだけ簡単、とてもお手軽なソールケア用品をご紹介します。
レザーソールにケアが必要な理由
レザーソールは歩行時の返りが良いため歩きやすく、また、通気性に優れることから長時間履いていても蒸れにくいという特徴があります。
一方で、摩耗しやすいという欠点もあります。
レザーソールはその名の通り、革製です。
革製のソールでアスファルト等の硬い地面の上を歩くとどうなるか…。
ガリガリと削れていきます。
丈夫でしなやかな革であっても、自らよりも硬いものと接触すると負けてしまうのです。
冒頭で述べた、ゴム製・樹脂製といった靴底の種類は数あれど、レザーソールはかなり消耗が激しい部類で、物理的に比較的弱い靴底だと言えます。
ですが、そんなデメリットを軽減できる方法があります。
それは、
レザーソールへ油分を補給する
ことです。
乾燥した革は硬くなります。
硬くなったレザーソールはしなやかさが損なわれているため、履く人の体重と地面から加わる力を受け流すことができず、直接ソールへとダメージが入ってしまいます。
革が潤っていてしなやかさがあれば、ソールに加わる力を分散、あるいは受け流すことが可能であるため、ソールに対するダメージが軽減されます。
つまり、革へ潤いを与えるために、
レザーソールに油分を与えるお手入れが重要である
との結論に辿り着きます。

レザーソールのケア用品
レザーソールに油分を補給するためのケア用品は数多あり、M.モウブレィのソールモイスチャライザーやブートブラックのレザーソールコンディショナーなどがあります。
その中でも、この記事ではサフィールノワールのソールガードをピックアップします。

ソールガードとは、セサミシードオイルやアボカドオイルなどの天然油分でレザーソールに栄養を与え、水の浸透や劣化から守る、アウトソール用のオイル。
レザーソールに油分を与えることで、革を柔らかくすることで摩耗やひび割れに対しての耐性が向上するだけでなく、油であるため防水性に優れるという効果も合わせ持ちます。
ソールガードのお手軽さ
数々のソールケア用品がある中、更にソールガード特有の強みをあげると、
手軽に使用できる
という点があります。
ここで、ソールガード裏面の使用方法を見てみます。

使用方法は…
- 容器をよく振る
- ソールのホコリや汚れを落とす
- ソールガードをレザーソールに塗る
- 1時間待って油分を浸透させると共に、表面を乾燥させる
全部で4工程ありますが、実質、
汚れ落とし
と
ソールガードの塗布
という2工程のようなものです。
そう。
このソールガードはソールに塗るだけなんです。
ソールガードは他のレザーソールケア用品よりも粘性が低く、クリーム状というよりも液状に近いです。
そのため、浸透性が非常に高く、ソールに塗るだけでも革の奥深くまで油分を届けてくれるのです。
もちろん、レザースティックでソールを引き締める操作をしてあげれば、より効果が高まると、個人的には思っています。
まぁ、大前提として自分が一番楽しめるやり方でケアすることが最も良い方法とは思いますが^^。
自分だけのシューケア方法を確立したいものです。
…と、少し話がずれましたが、「ソールガードは塗るだけ簡単」ということ。
ソールガードを使ってみる
では、ソールガードを使ってレザーソールのケアをしてみます。
今回お手入れするのはシェットランドフォックスのウィンストン。

ここで登場するということは、当然、レザーソールです。

以前にもソールのケアを行っていますが、それ以降もある程度履いているので、削れによる白味の帯び方が気になってきました。

手順は先ほどお示しした通りです。
ホコリ・汚れ落とし
まずはタワシと馬毛ブラシで砂利や小石、ホコリを落とします。


レザーソールに食い込みやすい小石は、馬毛ブラシだけだと毛足が柔らかすぎて、取れない場合が多いです。
次に水汚れと油汚れを取るために、クロスに取ったブートブラックのツーフェイスローション(靴クリーナー)でソールを拭きます。


ソール全体を拭いて汚れを落とします。
ここでしっかり汚れを落としておかないと、この後に塗るソールガードの浸透が阻害されてしまい、効率的なケアが出来ません。
ソールガードを塗る
汚れを落としたら、ソールガードの容器をよく振り、クロスに少量取ります。


そして、ソールに塗布しましょう。

レザーソールの色が濃くなり、油分を塗布していることが実感できて気持ちが良いです。

ソールガードを両足のレザー部全体に塗布した後の革底の様子です。
ソールを乾燥させる
塗った直後は革が柔らかくなっているため、直後に履くことは避けた方が無難。
最低1時間は静置して、ソールへ油分を浸透させるとともに乾燥するのを待ちます。

ソールの下に空間を作ってあげると、通気性が保たれて乾燥が早まるのでオススメです。
ちなみに、上の図は空間づくりのために、レッドシダーブロックを靴の下に挟んでいます。
1時間といわず、数時間、数日置いても良いです。
というのも僕の場合、シューケアは夜行うことが多く、仮に次の日の朝に履くとしても、10時間程度は経過していることが多いからです。
この方法で、小石の食い込みなどが起こりやすくなった、ということは特段感じていないので個人的には、
乾燥時間は一晩あれば十分
という認識を持っています。
と、こんな感じでレザーソールのケアは終了です。

ソールガードでレザーソールをいたわりましょう!
では、最後にソールガードの使用前後でレザーソールの状態を比べてみましょう。

ケア後(写真下)の状態はソールガード塗布後、完全に乾燥させた後の状態。
ケア前の状態よりも白味が少なく、革の色が濃くなっているのがわかります。
このようなお手入れをすることによってレザーソールに油分が補給され、革がしなやかになり、今後の摩耗を軽減することが期待されます。
そうすることで、ソールを長期間使用することが可能に。
結果的に、ソール交換のタイミングも遅らせることができたり、ソール交換回数自体を減らせます。
また、写真では伝わりませんが、革底がしなやかになることで靴の返りも改善し、歩きやすさも向上します。
靴の返りの悪さは靴擦れの原因となることもあるため、靴擦れに悩んでおられる方はソールのケアを試してみるのも良いかもしれません。
それでは、今回はこの辺で。
少しでもご参考にあれば幸いです。
ご覧頂き、ありがとうございました!








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