以前ご紹介した、コールハーン(COLE HAAN)のペニーローファーですが、はやる気持ちを抑えて、履き下ろし前の儀式を行います。
ちなみに、購入時の記事はこちら。

履き下ろす前のケアって意外と重要なんです。
今回はそのことについて少し書いてみようと思います。
本記事では、購入したばかりの革靴を履き下ろす前にしておくべき、プレケア方法について書きました。
靴を履き下ろす前にやるべきこと
新しい靴を購入した際、中古の場合を除いて当然、
- 靴は新品
です。
新品の靴はピカピカに輝いており、芸術品の域と言っていいくらいの美しさを誇ります。
早速、その靴を履いて街へ繰り出したいという気持ちがあります。
ですが、
新品の靴とはいえ、革靴です。
なめされた革が靴に生まれ変わり、それが消費者である僕たちの手に渡って来るまでにはある程度の時間がかかります。
その間、少しづつではありますが、革の油分が抜けて乾燥が進行していきます。
ということは、僕たちが靴を購入した時点では、革が乾燥しているということも十分可能性としてあり得るわけです。
ですから、靴を履き下ろす前には栄養補給が必要ということですね。
また、プレケアを行う理由はもう一点あります。
汚れの除去です。
それこそ新品の靴に汚れなんてつくわけない、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、靴が作られてからも靴の表面にはホコリが付きますし、試着や店頭での展示によって皮脂汚れが付くことも考えられます。
靴クリームが劣化したりしている場合もあるかもしれません。
以上のことから、プレケアとして履き下ろす前に汚れ落としと栄養補給が必要なのです。
ガラスレザーの靴にプレケアは必要?
上で述べたことは本革の革靴の話です。
ですが、今、僕が履き下ろそうとしている靴はガラスレザーです。
ガラスレザーは本革ではありますが、その表面に樹脂がコーティングされ、栄養補給という点では非常に効果が薄いです。
効果が全くないということではありません。あくまで、効果が薄いということを強調しておきます。
従って、ガラスレザーを履き下ろす際には、栄養補給は重要ではないにしろ、汚れ落としという点でプレケアは重要です。
今回のコールハーンのローファーはソールがレザーなのでそちらはしっかり油分を補給したいと思います。
以上のことから、今回のプレケアの項目はこのようになります。
- アッパーの汚れ落とし
- ソールの汚れ落としと栄養補給
いざ、革靴のプレケアへ
では、コールハーンのローファーちゃんの履き下ろし前の儀式を執り行います。

新品なので当然履きジワもなく、綺麗ですね。
革靴を見てみる!
ホコリ取り
まずは定番のホコリ落としから。

しっかりとブラッシングして、キレイキレイしていきます。
手首のスナップを効かせて、ホコリを払います。
アッパーの汚れ落とし
続いて、アッパー(甲革)の汚れ落としです。
今回使用するのはこちら。

サフィールノワール(Saphir Noir)のレザーバームローションです。
こちらはビーズワックス(蜜ろう)ベースのローションで、汚れを落としつつ革に栄養を与えることが出来る優れもの。
先ほど記述したとおり、ガラスレザーへの栄養補給の効果は薄いものの、レザーバームローションはミンクオイルやラノリンといった「油」を配合しているので、撥水効果が高まります。
ここでガラスレザーが油分を吸収しにくいことが活きてきます。
油分を吸収しないということはローション成分が革表面に留まるということです。
ただでさえ水に強いガラスレザーが、油分を表面にまとうことで、ますます防水性が高まるということなんです。
こういった理由でレザーバームローションを使用しました。
レザーバームローションを少量を布にとり…

実際に靴に塗っていきます。

油分を革に乗せるというよりは、汚れを落とすことを意識して優しく拭き上げるといったイメージで行います。

そこそこ汚れが取れました。
磨き工程
続いて、付けすぎた余分なローションを乾いた布を使ってふき上げながら、磨いていきましょう。

丹念に磨いてピカピカにいます。
徐々に靴の輝きが増していきます。

上の図は磨いた後の写真ですが、お手入れ効果がよくわからないですね。
ですが、汚れは確実に落ちていますから良しとしましょう。
ソールのケア
次はソールのケアです。
ソールのプレケアはやる・やらないで意見が分かれるポイント。
ある程度ソールが削れてから行ったほうが油分が染み込みやすいといった意見もありますが…。
僕は履き下ろす前の時点で一度ケアします。
…てなわけで、やっていきます。
まずはアッパー同様、ホコリ落としから。

レザーソールはホコリや汚れがとても付きやすい箇所なので僕の場合、レザーソール専用の馬毛ブラシを用意しています。
次に汚れ落とし。
こちらも、安定のステインリムーバーを使用します。

しっかりとソールの汚れを落として次工程の油分補給に備えるのです。
ソールの汚れを落とした後、次に登場するのがこちらの道具。

ブートブラック(BOOT BLACK)のレザーソールコンディショナー。
高級感漂うパッケージです。
ブランド戦略も凝っていますね。
さすがブートブラック。
こちらもビーズワックスをベースにホホバ油とミネラルオイル、防カビ剤も配合されているレザーソール専用のケア用品です。
これを塗布することにより、ソールに栄養を与え、しなやかさも付与することが出来るのです。
こちらを布に少量取り、ソールに伸ばしていきます。

新品はソールの削れがないので、ある程度削れたソールのようなクリームがグングン染み込んでいくような感覚はありません。

ソール全体へ塗り伸ばしたら、こいつの登場です。

アビィ・レザースティック。
スティックを布に巻き付けて、ソールを押し込んでいきます。

履き下ろす前は当然ソールの毛羽立ちはないので、レザーソールコンディショナーの油分を取り除くことをより意識して、拭き上げるというようなイメージで行うのが良いでしょう。
ある程度がっつり履き込んでソールが毛羽立っているときは、しっかりと押し込むことが必要ですよ。
以上で、ソールのケアは終了です。


グローブクロスで全体を磨き上げ
ソールのケアが終わったら、最後の仕上げ工程へ。
グローブクロスでアッパーを磨きます。

グローブクロスは手にすっぽりとかぶせられる手袋タイプ。
とても扱いやすく、お手軽に靴を磨けます。

ケア終了
一連の工程が終了しました。

履く準備完了です。
見た目ではケア前の様子と同じように見えますが…。
汚れが落とせましたし、ソールへの油分も入れることができました。
靴の状態としては非常に良くなっています。

革靴のプレケアを終えて…
革靴を履き下ろす前に状態を整えることで、靴の寿命をより長く、快適に履けます。
なにより、ケアをしたという達成感があり、とても清々しい気持ちになれるんです。
プレケアはこれから同じ時を刻む靴との最初の挨拶である、と僕は心得ています。
それを行うことによって靴に愛着が湧き、履き続けることでその愛が育っていく…。
それにより、靴を大切にしたいという思いがより強くなり、
- ますます愛情が強くなる
ポジティブスパイラルを日常の、靴磨きといった行為を通して体験できます。
こんなに手軽で気分の上がる作業ってそうそう無いのでは、と思うのですよ。
それでは、今回はこの辺で。
ご覧いただき、ありがとうございました!
ビジネスからデイリー使いまで







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