- アビィ・レザースティック
使ってますか?
水牛の角から作られた棒。
それがアビィ・レザースティックです。
アビィ・レザースティックは表面が非常に滑らか。
コードバンをこすると、毛羽立ちを抑えられるという、わりとニッチなシューケアアイテム。
ですが、使用用途はコードバンの毛羽立ちを抑えるだけではありません。
コバを滑らかにしたり、レザーソールの革繊維を引き締めたりと、意外にも出番が多い便利アイテムです。
- コードバンへの使用
- コバへの使用
- レザーソールへの使用
上記のいずれにしろ、水牛の角の滑らかさによって、ケアする箇所に均等な負荷をかけられます。
均等な力を加えて、
- 革表面のコンディションを整える
ことを目的としているシューケアアイテムです。
つまり、アビィ・レザースティックの重要な要素は、
- 表面がなめらか
であること。
裏を返せば、滑らかさを失っては効果が半減してしまうということでもあります。
表面がざらざらしてしまっていては、特にコードバンをこすったときにかえって傷を付けてしまうかも…。
コバに使うときやレザーソールに使うときはアビィ・レザースティックの表面が傷つかないようにしてあげる工夫が必要です。
その工夫とは、
- 布を巻く
こと。
布を巻けばスティックの表面がコバやソールの出っ張りで傷ついてしまうのを防げます。
単純だけど確かな効果が実感できますよ。
ということで、本記事ではレザーソールのお手入れを例にあげてアビィ・レザースティックを傷付けずにお手入れに利用する方法を紹介します。
- アビィ・レザースティックに傷を付けずに長く愛用したい
- 水牛の角の滑らかな表面を保ちたい
- アビィ・レザースティックに布を巻いた効果が知りたい
水牛の角から削り出されたアビィ・レザースティック
アビィ・レザースティックはスティック型のシューケアアイテムです。
水牛の角を削りだして作られており、表面がとても滑らかなのが特長。
アビィ・ホーン社が作成した独自のスティックで、他のスティックにはない、
- 極めて平坦な面
を持っています。
アビィ・レザースティックはその滑らかな面を利用して、コードバンの毛羽立ちを抑えることができます。
というのも、コードバンは革の繊維を無理やり寝かせて平坦にしています。
無理やり寝かされているため、水に濡れたり、何らかの刺激を受けたときに繊維が立ち、革の毛羽立ちが発生しやすいのです。
毛羽立ったコードバンは白っぽくくすみ、光沢が台無しになってしまいます。
そこで登場するのがアビィ・レザースティックというわけ。
毛羽立ったコードバンをアビィ・レザースティックでこすると、革繊維を寝かせられます。
コードバンの毛羽立ちを解消できるのです。
アビィ・レザースティックはコードバンのケアに必要なアイテムですよ。
アビィ・レザースティックの肝は表面の滑らかさ
なぜアビィ・レザースティックでコードバンの毛羽立ちが解消できるのかといいますと…。
これは、表面が滑らかなアビィ・レザースティックだからこそ成せる技。
少しでもデコボコした面でコードバンをこするとかえって革を傷つけてしまうことに…。
アビィ・レザースティックは表面がとても滑らかゆえ、コードバンを傷つけずに毛羽立ちを解消できるのです。
アビィ・レザースティックの用途はコードバンのケアだけじゃない
アビィ・レザースティックの使い道はコードバンの毛羽立ち解消だけではありません。
- 革靴のコバが毛羽立ったときの対処として
- レザーソールを引き締める処置として
上記の使い方ができます。
箇所は違えど、革を平坦にするときに使えます。
アビィ・レザースティックの用途:コバのケア
革靴のコバが毛羽立ったときにアビィ・レザースティックは活躍します。
コバは革靴の輪郭ともいうべき箇所。
コバが汚れていたり毛羽立ったりしていると、革靴の風合いが損なわれます。
そんなとき、アビィ・レザースティックでコバをこすると、毛羽立ちを抑えられ、美しさが際立つのです。
コードバンの毛羽立ち同様、コバの毛羽立ちを解消する効果があります。
アビィ・レザースティックの用途:ソールのケア
アビィ・レザースティックはレザーソールのケアにも使えます。
ソールは地面とダイレクトに接する面だけあり、履いていくうちにガリガリ削れていきます。
レザーソールの場合、毛羽立ちと乾燥が進むわけですが、お手入れしてあげると長持ちします。
そのお手入れとは、レザーソール用の保革クリームを塗り、潤いと栄養を与える方法なのですが…。
実はこの後、アビィ・レザースティックを使うのが肝。
保革クリームを塗った後にレザーソールをこすると、革の引き締め効果があり、摩擦に強い面を作れるのです。
- ソールの丈夫さが増す
というわけ。
革繊維を押し込んで密にし、地面との摩擦に強くするのですね。
アビィ・レザースティックでソールをこするとツヤが増し、革表面が均されていくのが実感できますよ。
アビィ・レザースティックの滑らかさを失わせないために
このように、アビィ・レザースティックにはいくつかの用途があるわけですが、コバやレザーソールのお手入れの際には気をつけなければならないことがあります。
それは、
- アビィ・レザースティックの表面に傷が付く
こと。
コバやソールはホコリや汚れが付着しやすく、とりわけソールは小石が食い込んでいたりすることも…。
そんな状態のコバやソールをアビィ・レザースティックでこすると、スティック表面が傷ついてしまうことに…。
表面の滑らかさこそがもっとも大事なアビィ・レザースティック。
傷が付くと表面がデコボコし、滑らかさが失われてしまいます。
そうなっては、コードバンの毛羽立ちを抑えるどころか、下手をすると逆に革に傷を付けてしまうかも…。
だからこそ、アビィ・レザースティックを傷から守るため、コバやレザーソールのお手入れに利用する際には、スティック表面を保護する必要があるのです。
仰々しく言いましたが、アビィ・レザースティックの表面を守る手段はいたって簡単。
- 布を巻く
だけ。
アビィ・レザースティックに布を包ませ、傷が付くのを防ぐのです。
コードバンの毛羽立ちを抑えるときは、スティックの滑らかさを存分に活かすためにそのまま使い、コバやソールのお手入れの際には布を巻いて表面を保護する…。
アビィ・レザースティックを使うときは、お手入れする箇所によって使い方を工夫してあげると、スティックの効果が十分に発揮されます。
同時に、長く愛用できるようになりますよ。
アビィ・レザースティックに布を巻いてお手入れに使用する方法
ここからは実際にアビィ・レザースティックの表面を保護するための方法を紹介していきます。
革靴のレザーソールのお手入れの際にレザースティックを使う工程を例にとりますね。
レザーソールは履いていくうちに小石や砂利が革に食い込むことが多く、アビィ・レザースティックをそのまま使うと表面を傷付けてしまいます。
布でスティック表面を保護し、レザーソールのお手入れに利用すれば、傷を付けずにレザーソールのケアが楽しめるというわけです。
レザーソールのケアは以下の手順でやっていきます。
- ソールのホコリを落とす
- ソールの汚れを落とす
- ソールに保革クリームを塗る
- アビィ・レザースティックに布を巻く
- 表面を保護したアビィ・レザースティックでソールをこする
では、やっていきましょう。
ソールのホコリを落とす
まずはレザーソールのホコリを落とすところから。
タワシで大きめのごみを落とし…
馬毛ブラシで細かなホコリを払い落とします。
この後に塗る保革クリームの浸透を助けるため、邪魔なチリやホコリはしっかり取り除きましょう。
ソールの汚れを落とす
ホコリの後は汚れを落とします。
ソールをフキフキ。
ソールに付いた水汚れや油汚れもまた、保革クリームの浸透を妨げますからね。
靴クリーナーでキッチリ取り除きましょう。
ソールに保革クリームを塗る
続いて、レザーソールに保革クリームを塗ります。
履き続けるうちに乾燥が進んだソールに、潤いと栄養を補給します。
クリーム塗布用の小型ブラシにレザーソール用の保革クリームを取り分けて…
ソールに塗りこみます。
クリームを十分に塗りこめたら次の工程に移ります。
アビィ・レザースティックに布を巻く
保革クリームを塗った後は、革を引き締めるためにアビィ・レザースティックでソールをこするのですが…。
先述の通り、レザースティックの表面の滑らかさを守るため、布を巻いて表面を保護します。
比較的厚手の生地を使いましょう。
布の中心にアビィ・レザースティックをセット。
包んで…
このように。
そして、布をクルッと1回転。
そうすると使用中に布が解けることなく、安定した使い心地が得られます。
表面を保護したアビィ・レザースティックでソールをこする
アビィ・レザースティックをクロスで巻いたら、あとはソールをひたすらこするだけ。
厚手の生地で表面を保護しているため、スティック自体に一切傷は付きません。
レザーソールがツヤを放ってきたら表面が滑らかになり、革が引き締まってきた証拠です。
これにてレザーソールのお手入れは終了。
レザーソールに水分・油分が加わり、良好な状態でこれからも愛用できるようになりました。
アビィ・レザースティックに布を巻いた効果は?
さて、布を巻いて表面を保護したアビィ・レザースティックでソールをケアしたわけですが…。
ってことで、表面がしっかり守られたかを見てみましょう。
布をオープン。
布から出てきたスティックはこちらです。
ツルッとした滑らかな表面がキープできていますね。
布を巻いていなかったら、傷が付いていたかもしれません。
コバやソールといった、
- アビィ・レザースティックの表面に傷を付けてしまうリスクが高い箇所
をお手入れするときには、布を巻いてスティックを保護しましょう。
傷が付かなければ長く愛用できますし、何よりアビィ・レザースティックの性能を損なうことがありません。
アビィ・レザースティックに限らず、道具は大事に使いたいですね。
アビィ・レザースティックに布を巻いて表面を保護しよう
本記事ではアビィ・レザースティックに布を巻いて傷を付けないようにする方法を紹介しました。
表面がとても滑らかなアビィ・レザースティックは、コードバンの毛羽立ちを抑えることに使えるのはもちろん、コバやソールをケアするときに美しく仕上げることにも活用可能。
ですが、コバやソールをアビィ・レザースティックでそのままこすると、せっかくの滑らかな表面に傷を付けてしまうかも…。
傷が付くと滑らかさが失われ、レザースティックの効果が半減することに。
コバやソールにアビィ・レザースティックを使うときは、布を巻いて表面を保護しましょう。
布で包めば、スティック表面がコバやソールに直に接触しないので傷が付くのを防げます。
アビィ・レザースティックの滑らかさを保ちながらきれいに長く使うため、布で表面を守りましょう。
アビィ・レザースティックの恩恵をいつまでも受けられますよ。
それでは、今回はこの辺で。
少しでも参考になれば幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました!
靴磨きを始めたい。けれど道具をそろえるのが面倒…。
そこでおすすめしたいのが靴磨きセット。1セット買うだけで必要な道具がまるっと揃います。道具選びの手間が不要。今すぐ靴磨き可能に。
大事な革靴を劣化させないために靴を磨いてコンディションを整えるのがおすすめです。