スエードやベロア、ヌバックといった起毛革のケアってされていますか?
起毛革は革繊維が長く、ざらざらとした触り心地。
一般的なスムースレザーとはまったく異なる性質を持ちます。
そして、お手入れ方法もスムースレザーとは違い、起毛革にはスムースレザー用のクリーナーや保革クリームは使えません。
では、
- 起毛革のケアってどうするの?
って話になりますが、あるんです。
起毛革用のケア用品。
今回ご紹介するのは起毛革用のブラシである、「スエードブラシC」。
基本的に起毛革のお手入れはブラッシングでOK。
保革成分は本当にたまに与える程度でよいため、起毛革のお手入れは使うブラシが特に重要です。
スエードブラシCは起毛革に適した、形状の異なる4種類のブラシが一つとなった有能ブラシ。
本記事では、起毛革用ブラシである「スエードブラシC」のレビューと使い方に書きました。
- 起毛革のお手入れってどうやるの?
- 起毛革に適したブラシの詳細を知りたい!
- スエードブラシCってどうやって使うの?
スエードブラシCの詳細
スエードブラシCはシューケア用品メーカーのコロンブスから販売されている、起毛革専用のケアブラシ。
こちらが全体像。
なにやら複雑な形をしたブラシです。
この特徴あるブラシが起毛革のケアにはピッタリ。
起毛革(スエードやヌバックなど)の汚れを落としつつ、毛並みを整えることができます。
- 長さ:約15cm
- ワイヤーブラシ材質:ポリプロピレン、ブラス(真鍮)
- その他ブラシ材質:スチロール・ブタジエンゴム
手ごろな大きさなので使いやすいのも魅力です。
スエードブラシCの効果
スエードブラシCは、部分によって材質と形状が異なります。
- 側面①:平たいブラシ
- 側面②:突起状ブラシ
- 正面①:ワイヤーブラシ
- 正面②:ヒダ状ブラシ
側面の平たいブラシは靴の隙間など、細かい箇所のブラッシングに適しています。
アッパーとコバの隙間のホコリ落としにオススメです。
突起状のゴムブラシは起毛革に付いた頑固な汚れ落とし用として。
こびりついた汚れを絡めとります。
一番目立つ、ポリプロピレンと金属ワイヤーのブラシは濃い起毛革の汚れ落としに適しています。
また、革繊維が寝てしまってテカリが出てしまったり、革面の一部が潰れたような見た目になったときでも、繊維を起こして毛並みを整える効果もあります。
起毛革のお手入れに欠かせない部位です。
ポリプロピレンとブラス(真鍮)の2層構造にも意味があります。
ポリプロピレンの毛がホコリを吸着して汚れを落としつつ、ブラスのワイヤーが起毛革を傷めることなく毛並みを起こし、整えるのです。
また、ポリプロピレンの毛が外周にあるため、内側のブラスのワイヤーが変な方向に曲がったままにならない利点も。
ヒダ状のゴムブラシは淡い色の起毛革の汚れ落としに最適です。
短いヒダ状のゴムが起毛革を優しくケアします。
スエードブラシCには4種類の形状ごとにそれぞれ役割があり、用途によって使い分けることができます。
1本で4つの効果がある多機能ブラシ、それがスエードブラシCです。
スエードブラシCの使い方
以上のブラシ形状による4つの役割からすでにお分かりのように、スエードやヌバックなど、起毛革をスエードブラシCでブラッシングすると以下の効果が得られます。
- 起毛の毛並みを整える
- 表面のホコリやチリを落とす
- 起毛の隙間のホコリや汚れを落とす
これらの効果を得るためには適した使い方をする必要があります。
基本的にスエードのお手入れは縦横斜めに、満遍なくブラシを走らせます。
起毛革はだんだんと革繊維が寝てくるので、ブラシで繊維を立たせながら、革繊維の間のホコリや汚れを取るのが肝です。
そのためには革に繊維をしっかり立たせることが重要で、一方向からのブラッシングだけでなく、あらゆる方向からブラシ掛けをしてあげるのが吉。
ただし、強くブラッシングしすぎると、革繊維が抜けてしまいます。
そのため、力を入れて一気にブラッシングするのではなく、軽めのブラッシングを長時間すると良いです。
ブラッシングしていくとだんだんと汚れが落ちてきて、いつの間にか起毛革がきれいになっているはずです。
スエードブラシを実際に使ってみる
ここからは実際にスエードブラシCを使って、その効果を確認してみます。
お手入れするのはこちらのスエード靴。
コールハーン(COLE HAAN)のパンプス、「エルシーキャップトゥ」です。
快適な履き心地が魅力のモダンデザインのウェッジソールパンプス。
安定感のあるウェッジのヒールとグランド.OSテクノロジーによって、日常の多様なシーンで快適な履き心地をもたらしてくれます。
- コールハーン独自の履き心地に快適性をもたらすシステムのこと
- 空洞化やスリム化で靴を軽量化し、良好なクッション性や踏み出す力をサポートするアーチ形状、フレックスウェルト、パディングなどを駆使し、至高の履き心地を追及している
アッパーはヤギ革のスエード。
スエードの革繊維の毛並みが乱れてきたのでお手入れしようと思います。
それでは早速、スエードブラシCでこの靴のスエード面をブラッシングしていきます。
今回お手入れするのは女性用のパンプスですが、起毛革のメンズ靴も同じ手順でお手入れできます。
側面①:平たいブラシ
まずは、スエードブラシCの平たい部分から。
ここは革靴や革小物の細かい箇所のホコリや汚れを落とすために使います。
アッパーとソールの隙間も楽々クリーニングできます。
側面②:突起状ブラシ
ブラシ側面の突起状のゴムブラシは起毛革にこびりついた汚れを絡めとるのに便利。
スエード靴についた黒ずみでスエードブラシCの効果を確認してみます。
黒ずみ汚れをゴムブラシでこすっていきます。
ブラッシングの後には…
ブラシ掛け前後でスエードの様子を比較すると分りやすいかと。
ブラッシングによって黒ずみが落とせていますね。
色が薄い起毛革は汚れが目立ちやすいものです。
ゴムブラシでキッチリ汚れを落としましょう。
正面①:ワイヤーブラシ
ポリプロピレンとブラスワイヤーのブラシ部分は濃い色の起毛革の汚れ落としや革繊維の毛並みを整えるのに使います。
寝てしまったスエードの繊維をブラシで起こしていきます。
革繊維を立たせることで中に埋まってしまったホコリをかき出すと同時に、革繊維の毛並みが整い美しくなります。
正面②:ヒダ状ブラシ
スエードブラシCのワイヤーブラシの裏面にあるのが、毛先の短いゴムブラシです。
薄い色の起毛革の汚れ落としに適しています。
今回お手入れしているコールハーンのパンプスは、薄い色のヤギ革のスエード。
そのため、全体的なブラッシングは基本的にこのゴムブラシを使います。
他の部分のブラシは汚れや革繊維の潰れが気になる箇所に、部分的に活用するイメージです。
起毛革の繊維の間に入り込んだホコリや汚れをかき出すイメージで靴全体をブラッシングします。
スエードブラシCでブラッシングした後のパンプスはこのようになりました。
スエードの革繊維が立ち、フワッとした風合いに仕上がりました。
スエードブラシCで起毛革を美しく保ちましょう!
本記事では、スエードブラシCの詳細と使い方について書きました。
スエード、ベロア、ヌバックなどの起毛革のお手入れ方法は通常のスムースレザーとは異なり、使用する道具も違います。
起毛革のお手入れの基本はブラッシング。
だからこそ、起毛革に使うブラシは重要です。
コロンブスのスエードブラシCは用途別に4種類の形状のブラシが組み合わさった便利な起毛革用ブラシ。
起毛革の隙間に溜まったホコリ、こびりついた頑固な汚れに対応し、起毛革の濃淡によってもブラシの使い分けをすることが可能です。
スエードブラシCで起毛革の状態を整え、お気に入りの靴や革小物を永く愛用していきましょう。
それでは、今回はこの辺で。
少しでも参考になれば幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました!
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