革の魅力の1つである経年変化。
経年変化とは、革製品を使い込むにつれて、徐々に革の色や風合いが変化していく現象です。
他素材の製品であれば「劣化」と表現されるような変化でも、革素材であれば味のある変化としてとらえられ、その魅力にとりつかれた人は多いでしょう。
経年変化が魅力である革の中で、特に風合いの変化が著しいのがヌメ革です。
そのヌメ革の経年変化はどのようなものであるのか。
この記事では、1年使ったヌメ革がどのように変化したかを紹介します。
ヌメ革を使用したエンダースキーマのカードケースがどうなったかを見ていきますよ。
ヌメ革の経年変化
ヌメ革は生の「皮」をなめして革へする際に、植物由来のタンニン(渋)をじっくりと染み込ませてなめされた「革」のことを指します。
ヌメ革の特長は、なんといっても経年変化が顕著なことです。
ヌメ革の多くは、なめされた後に染色せず、タンニンそのものの色を残した革であるため、ベージュに近い色味をしています。
ただ、タンニンというのは時間が経つにつれ、次第に色が濃くなっていくのです。
それにより、ヌメ革はもともとのベージュ色から徐々に飴色に変化していきます。
その色味や風合いの変化は劣化ではなく経年変化と呼ばれ親しまれており、他の革種と比べて際立っています。
それゆえにヌメ革のファンは多いです。
革の経年変化を楽しみたいならヌメ革をおすすめします。
ヌメ革を1年使ったらこうなった
革製品が大好きな僕としても、ヌメ革の製品はいくつか持っています。
その中で今回は、ヌメ革を使用したカードケースの1年使用時の経年変化を紹介します。
ヌメ革は使い込むほどに風合いが変化し、5年、10年と使用を重ねるうちに自分だけの革の表情になってきます。
まずは使用1年のヌメ革がどうなったのかをご覧ください。
ヌメ革購入時の様子
購入当時のヌメ革のカードケースはこのような状態でした。
こちらは革製品に特化したドメスティックブランドであるエンダースキーマのワンピースカードケースという商品。
1枚のヌメ革を縫い合わせて作られた、経年変化を存分に楽しめる革製品です。
このカードケースを購入してからおよそ1年が経過しました。
使い方としてはカード類の持ち運び。
バッグの小物ポケットに入れて持ち運ぶことが多かったです。
ヌメ革を1年使用した後の様子
そんな使い方で1年経過したヌメ革はこのようになりました。
と思うのはごもっとも。
確かに分かりづらいので、購入直後と使用1年経過時の状態を比較してみます。
色味の変化こそないものの、革に光沢が出ているのがわかります。
徐々に、革の風合いが変化してきている証拠です。
ヌメ革の変化は、持つ人の使い方や使用環境によって千差万別。
数ヶ月で飴色になる場合もあれば、数年たってもベージュ色を保った状態を維持する場合もあります。
使用者のスタイルが風合いの変化として如実に現れるのがヌメ革の特長であり、魅力です。
これからどのようになっていくのか、期待が膨らみます。
使用環境にも左右されるヌメ革の経年変化
先ほど、使い方や環境によってヌメ革の経年変化の様子が異なると述べました。
ここからは、具体的にどのような使用環境がヌメ革の経年変化に影響を及ぼすかを説明します。
ヌメ革の経年変化の原因①|タンニン
染色していないヌメ革の色味は革に含まれるタンニンが表れたものです。
タンニンとは原皮をなめす際に使われる植物由来の渋のことを指します。
なめし工程で革にタンニンが含まれ、独特のベージュ色になるのです。
タンニンは酸化によって色が濃くなる性質を持ちます。
つまり、紫外線にあたったり、空気に触れたり、手の皮脂が付いたりと、何らかの酸化要因があると色が濃くなるのです。
先程お見せしたエンダースキーマのヌメ革カードケースは、バッグのポケットに入れて使い続けていました。
そのため、1年使用しても著しく色が変化するということはなかったのです。
とはいえ、紫外線や空気への暴露や皮脂との接触というのは使い続けていれば避けようがありません。
5年、10年と使い続けていけば、このヌメ革カードケースも飴色の深い風合いへと徐々に変化していくでしょう。
ヌメ革の経年変化の原因②|ヌメ革中の油分
また、なめし工程で含まれた油分も経年変化に大きな影響を与えます。
ヌメ革の製品は使っていくうちに、革に光沢が出るのです。
先程お見せしたエンダースキーマのヌメ革カードケースも、1年経過した状態では革に光沢が出ていました。
これはヌメ革の表面に油が浮いてきている証拠。
革の奥底から浮き出してきた油分は革自体を保護し、ヌメ革の耐久性を高めてくれます。
ヌメ革を使い込むことでタンニンの色味と油分の移動が起こり、ヌメ革の美しい経年変化を楽しむことができるのです。
ヌメ革の経年変化を加速させたいときは?
ヌメ革の風合いが変化する要因をまとめると以下になります。
- 紫外線の照射
- 空気への暴露
- 皮脂との接触
色を濃くしたい場合は、ヌメ革を酸化させるこれらのことを積極的に取り入れると良いです。
特に紫外線の照射、つまり、日光浴は効果が大きいです。
早く飴色にしたいならどんどん陽に当てましょう。
ヌメ革製品は自分だけのアイテムになる
ヌメ革の経年変化を観察すべく、1年間使用したヌメ革のカードケースを紹介しました。
ヌメ革の独特の経年変化は、革に含まれるタンニンの色味が変わることで起きます。
日光に当たったり、空気や手に触れる頻度次第でその変化の具合は異なり、それゆえに使う人の個性がヌメ革の経年変化として表れます。
使えば使うほど自分色に染まっていくヌメ革。
僕のヌメ革カードケースも、これからもっと使い倒して経年変化を楽しみたい所存。
風合い変化が楽しい革製品たち…。
あなたの自慢の逸品、どのように育っていますか?
それでは、今回はこの辺で。
少しでも参考になれば幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました!
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