- ハンドラップ
ってご存知ですか?
化学系の分野の方やカメラが趣味という方はなじみがあるかもしれません。
取り出す水量を調節できる機能を持った、液体保管用の容器を「ハンドラップ」と言います。
ちょっとづつ水を取り出せる、こんなのです。
化学系の分野の方やカメラが趣味という人はなじみがあるかもしれません。
実験室で洗浄用エタノールを入れたり、カメラレンズを清掃するときに使ったり…。
少量づつ取り出す水量を調節できるのがハンドラップの便利なところ。
そして、実はその機能、靴磨きでも効果を発揮します。
本記事では、靴磨きを手軽に楽しむことができて革靴の仕上がりも良くなるハンドラップについて便利さと使い方をご紹介します。
ハンドラップとはプッシュ式の液体保管容器
ハンドラップとは、水などの液体で拭き取り作業を行う際に使用する、プッシュ式の液体保管容器のこと。
こんな容器です。
上部のフタを外すと、冒頭でお見せしたノズルが顔を出します。
ハンドラップに液体を入れることでどんなメリットがあるかと言いますと…
- 半密閉容器なので、中の液体が蒸発しない
- 一定量の液体を安定して取り出せる
- 液体取り出し口を軽く押すと液体が出てくるので、作業が楽
- なにかのはずみで容器が倒れても液体がこぼれにくい
ハンドラップは液体の取り出し量を調節できるので、カメラなどの精密機器の拭き取り清掃に使用することが多いです。
ハンドラップを活用すれば、使う液量を節約することにもつながります。
靴磨きでハンドラップを使う意味
ハンドラップは靴磨きをする際にも大活躍します。
というのも、靴磨きで靴クリームやワックスを塗った後に水研ぎすると輝きが増しますよね?
水を含ませたクロスで靴クリームやワックスの成分がならされ、光沢が生まれるためです。
その水研ぎ工程を簡便にするのがハンドラップなのです。
- 靴磨きのときにいちいち水を用意しなくて良い
- 水を適量に調節できる
- スタイリッシュ感が出て気分が良い
靴磨きのときにいちいち水を用意しなくて良い
ハンドラップを使うと、靴磨きのたびに水を用意する必要がなくなります。
例えば、鏡面磨きをするときを思い浮かべてみましょう。
鏡面磨きは革靴へワックスを塗った後に、クロスに水を含ませて水研ぎする工程があります。
この水研ぎによって革がツヤを帯び、光沢が現れるのです。
水研ぎ用の水は、繰り返しクロスに含ませ続ければなりません。
そのため、水を入れる容器は指に巻きつけたクロスが入る大きさの口が最低限必要です。
選択肢としては絵の具用のパレットや小皿などですね。
シューワックスのフタを利用する方もいらっしゃることでしょう。
こんな風に。
ただ、小皿やワックスのフタを利用する場合、靴磨きのたびに水を汲んで用意しなければなりません。
靴磨きが終わったら、水を捨てる手間もあります。
ささいなことなのですが、このちょっとした手間が面倒だったり…。
しかし、あらかじめハンドラップに水を入れておけば、靴磨きのたびにいちいち水を用意する手間が省けます。
靴磨きが終わった後、ハンドラップに水が入ったままにしておいても、その水が蒸発してしまうこともありません。
靴磨きをするときの手間を省けるのが、ハンドラップのメリットです。
水を適量に調節できる
ハンドラップを使うと、水を適量に調節できるという利点もあります。
鏡面磨きをするときの注意点として「水研ぎの水量」があります。
クロスに含ませる水は少なすぎても多すぎてもダメ。
水が少ないと、ワックスが十分に伸びません。
また、クロスとワックス間の摩擦が大きくなり、クロスの繊維がワックスの層に巻き込まれて美しさをそこないます。
逆に水が多すぎると、革の上に水が残りうまく磨きあがらず、鏡面がくもってしまいます。
ハンドラップなら、取り出せる水量はノズル上部を押し込んだ加減によって常に一定量です。
欲しい分だけ水を取り出すことができ、水分調節が簡単。
鏡面磨きの仕上がりも安定しやすくなります。
スタイリッシュ感が出て気分が良い
ハンドラップを使うと、靴磨きにスタイリッシュ感が生まれて気分が良くなります。
靴磨きを趣味として楽しんでいる僕は、靴が美しく仕上がると、とても嬉しくなります。
ただ、それだけが靴磨きの醍醐味ではありません。
- 過程も楽しい!
靴を磨くという行為自体が好きなのです。
ハンドラップを使うと、なんとなくですがプロフェッショナル感が醸し出され、気分が高揚するのです。
どんな趣味でもそうですが、好きなことは道具にもこだわりを持ちたい…。
ハンドラップはそんな欲求を満たしてくれるアイテムです。
ハンドラップの使い方
ハンドラップの使い方はとっても簡単。
ハンドラップの容器に水などの液体を入れ、ネジキャップを閉めます。
ノズル上部を押し込むとハンドラップの中の液体が上がってきます。
ノズル上部に受け皿があり、そこに水がたまる仕組みです。
そのため、ノズル上部をクロスで多いながらノズルを押し込めば、そのままクロスに液が染み込みます。
ノズルを強く押しすぎると液が飛び散るおそれがあるので、優しく押しましょう。
ハンドラップを使って革靴を磨いてみる
ここからはハンドラップを実際に使ってみます。
靴クリームを塗り、余分なクリームをクロスで拭き散った後の革靴がこちら。
この時点で靴磨きを終えても良いのですが、水を使って磨くとさらにツヤが出ます。
ここからハンドラップを使って磨き上げていこうと思います。
靴磨きにハンドラップを使うときも、操作は簡単。
靴磨きにハンドラップを使う場面としては主に…
- 靴クリームで磨いた後の仕上げ
- シューワックスで仕上げた後の仕上げ
というように、最後の仕上げで使う場面が多いです。
山羊毛ブラシやクロスに水を付けて仕上げるときにハンドラップを使います。
山羊毛ブラシや指に巻きつけたクロスで直接ノズルを押し込んで…
靴を仕上げましょう。
山羊毛ブラシで仕上げたり…
クロスで仕上げたり…
磨き方は人それぞれスタイルがあれど、ハンドラップがあれば靴磨きの幅が広がるのは間違いなしです。
ハンドラップを活用して磨いた後の靴は、このようになりました。
つま先の拡大図も。
水研ぎの効果は明らか。
磨き前後の状態を比較してみます。
上が磨く前、下が磨き後です。
磨いた後は光沢が強くなっており、水を使って磨くと輝きが増しているのがわかります。
光り方も奥行きがあるように感じます。
水を使う場合、ハンドラップを使うとワンタッチで適量を取ることができるので時短になりますし、準備や後片付けがラク。
靴の仕上がりも良く、大満足です。
ハンドラップは靴磨きを快適にするシューケア用品
本記事ではハンドラップの便利さと靴磨きで実際に使った様子をご紹介しました。
ハンドラップは靴磨きの準備の手間を軽減し、仕上げに使う水量調節も楽にこなせるので作業がスムーズになります。
それでいて、靴磨きをよりスタイリッシュな雰囲気へと昇華させてくれるポテンシャルを持っているのがハンドラップの魅力。
靴磨きに美しさと刺激を与えてくれるハンドラップ、試してみてはいかがでしょうか?
それでは、今回はこの辺で。
少しでもご参考になれば幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました!
靴磨きを始めたい。けれど道具をそろえるのが面倒…。
そこでおすすめしたいのが靴磨きセット。1セット買うだけで必要な道具がまるっと揃います。道具選びの手間が不要。今すぐ靴磨き可能に。
大事な革靴を劣化させないために靴を磨いてコンディションを整えるのがおすすめです。