靴磨き

【KIWI】革靴のアンティーク仕上げ方法を解説!濃い色のワックスでグラデーションを作る

antique-polish-1
記事内に商品プロモーションを含みますが勝手に広告ページが開くことはありません。ご安心ください。/ 当サイト運営より
  • アンティーク仕上げに挑戦したい
  • 革靴の見た目をよりエレガントに仕上げたい

そんな人はこの記事をチェック。

アンティーク仕上げとは、革靴のエイジングであらわれる色の濃淡を疑似的に再現する手法。

ブラウンなどの比較的淡い色の革靴に濃い色の靴クリームやワックスを塗り、同じ革靴の中にカラーグラデーションを生み出す、靴磨き中級者から上級者に愛される方法です。

アンティーク仕上げをほどこした革靴は重厚感のある革の深みが加わり、ドレッシーでシックな空気感をまといます。

いつもの革靴が洗練された印象に。

履き慣れた革靴でも新鮮な気持ちで楽しめますよ。

そこで浮かぶ1つの疑問。

アンティーク仕上げってどうやるの?

ということで、本記事ではアンティーク仕上げの方法を実践解説します。

アンティーク仕上げ後の革靴も写真で紹介しますので、合わせてご覧ください。

この記事はこんな人におすすめ
  • 革靴をよりドレッシーにしたい
  • いつもの革靴がマンネリ気味…
  • アンティーク仕上げの方法が知りたい

革靴の経年変化で色の濃淡が生まれることがある

革靴は履き込むうちに経年変化し、革の表情が豊かに、そして、重厚さが感じられるようになっていきます。

それこそが革の醍醐味だいごみ

ときには、同じ1枚の革でも部位によって色の濃淡が表れることも。

一路
一路
カラーグラデーションですね!

アンティーク調の様相をていします。

革靴の場合もアンティーク調の経年変化をげることがあり、圧倒的なエレガントさを感じるとともに世界に1つだけの相棒だということを強く認識させてくれます。

ただ、アンティーク調の経年変化をげるかは使用状況や革の質に左右され、全ての革にカラーグラデーションが生じるわけではありません。

いわば時の運。

とはいえ、アンティーク調の重厚な雰囲気は味わいたいですよね?

そこで取り入れたいのが革靴のアンティーク仕上げです。

革靴の印象を変えるアンティーク仕上げ

アンティーク仕上げは、革靴が経年変化することであらわれる革のカラーグラデーションを表現するお手入れ手法の1つです。

エイジングの革の風合いを人工的に作ってしまおうという仕上げ方法。

  • 焦がし

なんていわれることもあります。

アンティーク仕上げをほどこした革靴は革の色合いに深みが生まれ、重厚な雰囲気をまとえます。

いつもの革靴の表情が一変するのです。

具体的な方法としては、靴クリームシューポリッシュを革に塗ることで色の変化を与えます。

革を簡易的に染めたり、色を乗せたりするのです。

アンティーク仕上げは革にクリームやワックスの色を乗せるだけなので、落とすのがラク。

靴クリーナーで拭いて色を落とせば、アンティーク仕上げ以前の革靴の色味へ戻せます。

ラフに革靴の雰囲気を変えて楽しめる手法。

アンティーク仕上げは革靴愛好家の人たちから高い人気を誇り、たしなんでいる人も多いです。

アンティーク仕上げが可能な革靴の条件

革靴をよりエレガントな雰囲気へと昇華するアンティーク仕上げですが、すべての革靴に適用できるかといわれれば決してそうではありません。

アンティーク仕上げができる革靴には条件があります。

アンティーク仕上げ可能な革靴の条件とは、

  • 比較的淡い色の靴

であること。

先ほど述べた通り、アンティーク仕上げは色の濃淡をつける仕上げ方法です。

つまり、色の濃淡を表現できない靴には適用できません。

具体的には、ブラック

また、ダークネイビーなど、限りなく黒に近い色味の場合もアンティーク仕上げには適しません。

  • 淡い色味の革靴

に対して、

  • 濃い色のクリームやワックス

で仕上げることでカラーグラデーションは生まれます。

濃い色味の革靴に淡い色のクリーム・ワックスを使っても色の濃淡は表れません。元々の革靴の色が勝ってしまうからです。

ブラウンの革靴はアンティーク仕上げをほどこす格好のターゲットというわけです。

アンティーク仕上げの方法を解説

これまでにアンティーク仕上げとは何かをご説明してきましたが…。

肝心なのは、

アンティーク仕上げってどうやるの?

ということ。

この項目では、アンティーク仕上げのやり方を実際の作業風景と一緒に解説していきます。

アンティーク仕上げ前後の革靴の様子を写真で紹介しますので、ぜひご覧ください。

アンティーク仕上げにするのはこちらの革靴。

antique-polish-6

リーガルのストレートチップです。

淡い茶色のレザーシューズでアンティーク仕上げにピッタリ。

antique-polish-2

つま先に濃い茶色を入れて、トゥからヴァンプ方向に向かって色を薄くしていくカラーグラデーションを作ります。

作業手順は以下の通り。

アンティーク仕上げの方法
  • ワックスを塗る
  • 磨き上げる
  • 色の濃淡を散らす

作業時のポイントを下記にまとめます。

  • 革靴の色よりも濃い色のワックスを使う
  • トゥ(つま先)の先端からワックスを塗っていき、足首側にいくにつれ薄くしていく

アンティーク仕上げに使う道具

作業の前にアンティーク仕上げに使う道具について説明しますね。

アンティーク仕上げで使う道具は以下のアイテム。

アンティーク仕上げで使う道具
  • ワックス
  • 磨きクロス
  • ハンドラップ
  • 山羊毛ブラシ

今回アンティーク仕上げにするのはライトブラウンのシューズなので、使うワックスはダークブラウン。

靴よりも暗い色を使います。

使うのはKIWI(キィウイ)パレードグロス。

ダークブラウンカラーでアンティーク調に仕上げます。

antique-polish-3
KIWI(キィウイ)とは
  • 1906年に誕生したシューケア製品のトップブランド
  • 世界170カ国以上の国々で愛用されている

各種ワックス成分をKIWI独自のブレンドで配合したパレードグロスは、

  • 美しいツヤ
  • 持続性の高い輝き

が生み出せるのが特徴です。

  • 植物系
  • 鉱物系

上記それぞれのワックスを組み合わせ、革靴を光らせるのに適した組成に仕上がったワックスです。

さらに、美しいツヤを作り出すためにハイシャインプライマーを使うことに。

ワックスのみで磨いたときよりも、速く強いツヤが作れるのでおすすめです。

また、クロスで磨いたあとに山羊毛ブラシでブラッシングすると、ワックスの濃淡が散り、カラーグラデーションが自然になります。

アンティーク仕上げの完成度を高めたい人は、山羊毛ブラシで仕上げてみてください。

では、次の項目から作業開始です。

アンティーク仕上げのやり方ステップ1|ワックスを乗せる

まずは革靴にワックスを塗ります。

と、その前に。

ワックスのツヤを高めるためハイシャインプライマーで光沢の土台を作ります。

antique-polish-5

アンティーク仕上げをしたい部分に満遍まんべんなく塗っていきます。

antique-polish-11

ハイシャインプライマーを使わなくてもアンティーク仕上げはできますが、使うとより速くアンティーク仕上げが完了するのでおすすめです。

ハイシャインプライマーを塗ったあとは、ワックスの出番。

antique-polish-4

ダークブラウンのワックスを塗っていきましょう。

antique-polish-7

まずはつま先の先端にワックスを塗り、そのまま足首側へと塗り伸ばします。

antique-polish-8

先端が最も濃く、足首側に行くにしたがってワックスが薄くなることを意識しながら塗り伸ばしましょう。

antique-polish-9

色の濃淡が出るようにワックスを塗り重ねていきます。

antique-polish-10

つま先に塗った後は、好みに応じてかかと部分に塗ってもOK。

antique-polish-16

つま先ほどきっちり塗らずに、ワックスを軽く乗せる程度で自然なツヤを出すことにします。

この段階のカラーグラデーションがアンティーク仕上げの完成度に直結しますから、色の調節はきっちりしておきましょう。

片方の靴にワックスを塗り終えた状態がこちら。

antique-polish-12

つま先が濃く、そこから徐々に淡い色調へと調節できました。

もう片方の靴にも同じく、ワックスで色の濃淡を作っていきます。

両足にワックスで濃淡を作ったら数分間乾燥させたのち、次の工程に移ります。

アンティーク仕上げのやり方ステップ2|磨き上げる

ワックスを塗ったあとは磨き上げる工程です。

磨きクロスで磨いて美しい光沢を出していきます。

磨きクロスにハンドラップで少量の水を付けて…

antique-polish-13

ワックスを少しだけクロスに付けます。

antique-polish-14

このくらいのわずかな量。

antique-polish-15

そして、なでるように磨きます。

antique-polish-21

クルクルと円を描くように。

片方の靴をある程度磨いたら、もう片方の靴を。

antique-polish-17

交互に革靴を磨いていきましょう。

磨き前はマットな質感だった部分がツヤを持ったカラーグラデーションへと変貌へんぼうしていきます。

色の濃淡を保ったまま、奥行きのある輝きが出てきますよ。

かかとにワックスを塗った場合はかかとも忘れずに。

antique-polish-18

磨き後はこんな感じ。

antique-polish-27

上品なツヤが出ました。

この時点で作業終了としても良いのですが…。

もうひと手間加えると仕上がりの美しさがワンランクアップします。

そのひと手間とは、

  • 色の濃淡を散らす

ことです。

アンティーク仕上げのやり方ステップ3|色の濃淡を散らす

この工程では、アンティーク仕上げの完成度をより高めるための作業をします。

ワックスで作ったカラーグラデーションを散らし、より自然な色合いへとなじませるのが目的です。

使うのは山羊毛ブラシ

アンティーク仕上げをほどこした箇所を山羊毛ブラシでブラッシングし、ワックスの色の変わり目を分かりにくくして、アンティーク調の仕上がりをエイジングの自然さに近づけます

操作としては、まずは山羊毛ブラシにハンドラップで少量の水を付けます。

antique-polish-22

水でワックスをならしやすくするためです。

そして、優しくブラッシング。

antique-polish-23

磨き上げと同じように、優しく繊細なタッチでブラッシングしましょう。

色の濃淡がはっきりしている部分を重点的にブラッシングして、カラーグラデーションを美しく仕上げるイメージ。

ワックスで与えたツヤに深みが出てきます。

両足ともブラッシングしたら、これにて作業終了。

仕上がりはこんな感じ。

antique-polish-19

つま先の先端から足首側にいくにつれ、色の濃淡が表現できています。

antique-polish-20

先端が最も濃く、ダークブラウンの色が乗り、そこから徐々にライトブラウンに。

近くで見たときの色ムラもまた、エイジング独特のムラ感を程よく再現。

かかとは控えめに。

antique-polish-24

いつもの履き慣れた革靴の雰囲気が一変。

新鮮な仕上がりになりました。

アンティーク仕上げ前後の革靴を比較

仕上がり後の革靴をお見せしただけではアンティーク仕上げの効果が分かりにくいかもしれません。

ということで、アンティーク仕上げ前後の革靴の状態を並べて比較してみます。

アンティーク仕上げのビフォーアフター
ビフォー
antique-polish-2
アフター
antique-polish-19

作業前はライトブラウンの革靴。

仕上げた後には、ダークブラウンの色味が美しいグラデーションを形成。

エレガントで重厚な雰囲気になりました。

室内の写真だけだとグラデーションがきつく感じる人もいらっしゃるかもしれませんが、意外と程良いのです。

外に出れば結構なじんでいるのが分かるかと。

antique-polish-25

自然光だとエレガントさがより感じられます。

antique-polish-26

ブラウンの濃淡が美しいです。

この仕上がりを目の当たりにすると、革靴への愛着が増します。

アンティーク仕上げは一見、技術的なハードルが高そうで敬遠しがちな磨き手法ですが、やってみると思いのほか簡単。

鏡面磨きができる人は、とりわけ苦労することなくアンティーク調にできるはず。

そして、仕上がりの満足度が高いです。

一路
一路
革靴のアンティーク仕上げ、ぜひやってみてください!

アンティーク仕上げで革靴をもっとエレガントに

本記事では革靴にアンティーク仕上げをほどこす方法について実践解説しました。

革靴にカラーグラデーションを作り、あたかもエイジングしたような重厚な空気感を付与するアンティーク仕上げ。

アンティーク仕上げをほどこした革靴はより一層エレガントな印象になり、スタイリッシュに。

いつもの履き慣れた革靴の雰囲気が一変。

新鮮な気持ちで楽しめるようになります。

靴クリームやワックスの色を乗せるだけの手軽な方法なので、靴磨きに慣れてきた人はぜひともトライしてみてください。

一路
一路
これまで見えなかった、革靴の新たな一面が垣間かいま見えますよ!

それでは、今回はこの辺で。
少しでも参考になれば幸いです。

ご覧いただき、ありがとうございました。

靴用ワックスのまとめ記事のアイキャッチ
靴用ワックスの3つの機能とおすすめ13選を解説!ツヤ出し・防水・保護の効果あり靴用ワックスの効果についてまとめた記事です。革靴の輝きを高めてエレガントな雰囲気にするシューワックス。それだけでなく防水性を高め、革を衝撃から守る優れた効果があります。デメリットもありますがそれ以上にメリットが大きいシューケアアイテムです。シューポリッシュを活用して革靴を良好なコンディションに保ってみては?...
失敗しない鏡面磨きの方法を解説した記事のアイキャッチ
失敗しないハイシャイン方法6つのポイント!くもらせない鏡面磨きを理論解説ハイシャインを失敗したくない…。故温記事では失敗しないためのポイントを押さえた鏡面磨きの方法を解説します。革靴を曇らせずに強い輝きを得るためには作業のどこに気を付ければ良いかが分かります。...
light-coat-wax-1
靴ワックスを薄塗りして革に控えめなツヤを与える方法【シューポリッシュ応用】鏡面仕上げほど輝かせたくはないけど、靴クリームのツヤでは物足りない…。そんな方は靴用ワックスを薄く塗り、自然で上品な光沢を手に入れましょう。革靴の撥水性が高まる機能的な側面もあり。伸びの良いワックスを使えば、手軽に薄塗り可能。いつもと違った革靴のお手入れが楽しめます。...
polishing-specialized-wax-1
【おすすめ磨き特化ワックス2種】革靴のつま先を誰でも簡単ピカピカにいくら磨いても革靴が光らない…。そんな方は磨き特化ワックスを使ってみてください。手軽に・簡単に靴をピカピカにできますよ。ハイシャインの難しさをグッと引き下げてくれる便利なオススメワックスをご紹介します。...
wax-water-repellency-1
革靴を水に強くするには?ワックスではっ水性を持たせよう【塗るだけ簡単】革靴に水シミを作りたくない!靴用ワックスを塗れば簡単にはっ水機能を持たせられますよ。シューポリッシュは靴に光沢だけでなく水はじき効果ももたらします。ワックスを塗った革靴がどれほど水をはじくかの検証もしています。...
care-edge-wax-9
【シューポリッシュ応用】ワックスで革靴のコバを磨く!着色とツヤ出しを同時にできる便利な方法靴のコバ(エッジ)は傷が付いたり、こすれたりして、色あせが起こりやすい箇所です。そのままにしておくと、靴の美しさを損ねてしまいますのでケアが必要です。コバ専用のお手入れ用品もありますが、靴用ワックスも選択肢の一つ。コバを補色し、輝きを与えることが可能です。革靴の鏡面磨きだけではない、ワックスの可能性を感じていただけたら幸いです。...
brown-shoes-polish-12
【茶色の革靴の鏡面磨き】淡色の革の風合いを保つなら無色のワックスがおすすめ茶色の革靴を無色のシューポリッシュ(ワックス)で鏡面に仕上げる方法をご紹介しています。茶色の靴をワックスで磨きたいけど、合う色のワックスが無い…。そんなお悩みをお持ちの方にオススメなのが、無色のワックスです。色が付いていないタイプのワックスなので茶色の靴はもちろん、どんな色の革靴にでも使えます!...
bees-rich-cream-1
ビーズリッチクリームをレビュー!しっとりツヤが出る靴クリーム【イングリッシュギルド】イングリッシュギルドのビーズリッチクリームの詳細と使用感をレビューした記事です。革に深く強いツヤを与えます。伸びが良く使いやすい靴クリームなので初心者の人でも使いやすいクリームに仕上がっていますよ。...
dark-color-brown-shoes-1
【茶靴のお手入れ方法】靴クリームとワックスは革靴よりも濃い色NG茶靴のお手入れでは靴クリームやワックスの色に注意。革よりも濃い色は革の風合いを崩します。淡い色を選びましょう。ニュートラル(無色)のクリームも色の変化の心配がないのでおすすめです。この記事では淡い色のケア用品を使って革の色を変えずにお手入れする方法を解説します。...
靴磨きを今すぐしたいなら
ネットショップで買える靴磨きセット

靴磨きを始めたい。けれど道具をそろえるのが面倒…。

そこでおすすめしたいのが靴磨きセット。1セット買うだけで必要な道具がまるっと揃います。道具選びの手間が不要。今すぐ靴磨き可能に。

大事な革靴を劣化させないために靴を磨いてコンディションを整えるのがおすすめです。

おすすめセットの記事を読む

こんな記事も読まれています