みんな大好き、鏡面仕上げ。
今回は革靴を鏡面にすべく、靴磨き用ワックス(シューポリッシュ)を使って靴磨きをします。
いつもはシューケア用品メーカーである、M.モゥブレィやサフィールの靴磨き用ワックスを使用しているのですが、今回使用するのは100円ショップのダイソーで購入したシューワックスです。
僕自身、これまでにも幾度となく使っているワックスで、その使用感と仕上がりをとても気に入っています。
ですが、このワックスを使われたことが無い方にとって、気になるところは以下のようなことかと思います。
本記事では、ダイソーの100円で買えるシューポリッシュで革靴を磨き、その感触をレビューします。
100円ショップのシューワックス
そもそも100円ショップで靴磨き用品の取り扱いってあるのか、疑問ですよね。
いくつかのシューケア用品メーカーが販売しているシューケア用品の中で、100円で販売しているグッズはほとんどありません。
シューワックスで言えば、各メーカー、500円〜1000円程度が相場だと思います。
それを100円って…、あなたねぇ…。
あるわけない…。
あってたまるかよぅ…。
ありました。
あるんですよ、これが。
100円ショップに!
100円という、超お手頃価格で靴磨きが楽しめるシューワックスが実際に販売されています。
さらに言えば、ワックスだけでなく、靴用の保革クリームや靴磨き用ブラシもあります。
このご時世、100円ショップで靴磨き用品を一通り揃えられるのはありがたい限り。
今回使用するシューワックスは「ザ・靴」という超シンプルなブランド名を持つシリーズにラインナップされているワックスです。
フタを開けると工業製品感バリバリの香りがします。
好みが分かれる香り、もとい、匂い…。
その辺りに100円という破格の値段の秘密があるのかもしれません。
光れば良いんです!光れば!
香りなんて関係ねぇ!
革靴を光らせる成分は?
果たして100円ワックスで本当に光らせられるのか…。
少し心配になる方もいらっしゃるかもしれませんので、ここで100円シューワックスの成分を確認してみたいと思います。
ワックス缶の裏側に成分表示がありますので、見てみましょう。
- ろう
- 油脂
- 有機溶剤
この成分表示は見覚えあるなぁ…。
ということで、サフィールノワールのビーズワックスポリッシュの成分を見てみると…
- ろう
- 油脂
- 有機溶剤
成分表示一緒やん!
それどころか、表示順序も一緒やん!
はい。ということで。
100円ワックスもシューケア用品メーカーが販売しているワックスと表示成分は変わりません。
ということはですよ、奥さん!
サフィールのワックス同様に、100円ワックスでも革靴を輝かせることができるということになりますよね!
100円であろうが、必要なものはしっかり配合されているのです。
香りはだいぶ違うので、成分比や化合物種は違うでしょうけど…。
100円のワックスで靴を磨いてみる
では、100円ワックスの実力を確認してみましょう。
鏡面に仕上げるべく、磨くのはこちらの革靴です。
スコッチグレインのアシュランス。
アーティストパレットのデニムカラーで仕上げた後の状態です。
この靴を100円ワックスで磨いて、ピカピカにしていきます。
まずは磨く前のアッパーのトゥ部分を確認しておきます。
アーティストパレットで磨いているので、革のみずみずしい質感が表現できています。
しかし、トゥの光沢は鏡面に仕上げたときほどではないですね。
楽しみです!(実況風)
工程は2段階。
- ワックス塗布
- クロスで磨き上げる
いつもはホコリ落としや汚れ落としを行いますが、アーティストパレットで磨いた直後ということもあり、今回は省きます。
久々にお手入れする方は…
ホコリ落とし→汚れ落とし→靴クリーム塗布→ワックス塗布→磨き上げ
という順番になります。
ワックスを塗布する
では、まずは靴磨きワックスを革靴に塗っていきます。
ワックスを指に取って…
靴にヌリヌリ。
かかとと、コバ付近にもワックスを塗布します。
ワックスを塗布する場所は基本的にアッパーの硬いところ。
つまり芯材が入っている箇所です。
芯材とは、甲革である表革と裏革であるライニングの間に「芯」を入れることで、靴を立体的に保って型崩れを防ぎ、足にフィットしやすくする役割を持つ材料のこと。
芯材が入っている箇所は硬いため、歩く際に革靴に掛かるテンションに対して強くなり、革の形状が保たれます。
逆に、芯材が入っていない箇所は歩く際のテンションによって変形して、シワが入ったりします。
芯材が入っていない箇所にワックスを塗ってしまうと、鏡面に仕上げた箇所に掛かるテンションにより鏡面が割れ、見栄えが悪くなってしまいます。
こういった理由で、芯材が入っている箇所のみワックスを塗布するというわけです。
ワックスは1回だけでなく、数回に渡って塗り重ねましょう。
複数のワックスの層を形成することで、より強い光沢を放つ鏡面に仕上げることができます。
ワックスを塗り重ねた後の状態はこのようになりました。
かかと部分もご覧ください。
ワックスの層が厚く形成されて、革靴が曇っています。
ですが、これで良いのです。
ここから磨いて鏡面にしていきます。
クロスで磨き上げる
ワックスを塗った後は、5分程度待って、ある程度ワックスを乾燥させましょう。
ワックスに含まれる有機溶剤を揮発させて、磨いた際により輝きやすくするためです。
そうしましたら、指にクロスを巻き付け、ハンドラップでごく少量の水を含ませます。
続いて、クロスをワックス上でポンポンと叩いて、ほんのわずかのワックスをクロスに付けます。
僕の場合、クロスに付いた水をワックスに移すようなイメージでと叩いています。
経験上、そうすると上手くいきやすいです。
そして、靴を磨いていきます。
円を描くようにクルクルと、それでいて力はほとんど加えずに。
撫でるように磨きます。
かかとやコバ付近も忘れずに磨きましょう。
片方の靴を磨いたら、もう片方の靴というように、交互に磨きます。
ワックスの鏡面仕上げのポイントとして、
ワックス層を乾燥させることを意識する
という点があげられます。
ワックスを固定化させて、崩れないようにするためです。
乾燥時間を確保するために、
片方の靴を磨いたら、もう片方を磨く
という方法をとるのです。
この磨き工程は割と時間を使います。
数十秒や数分では鏡面にならず、曇ったままの状態が続くあることもあるでしょう。
諦めずに根気強く続けることも鏡面を作るための秘訣です。
光沢を放ち続けるまで黙々と・延々と磨きます。
…そして、磨き工程終了後の革靴の状態がこちら。
周囲の風景を反射していますね。
「ビッカビカ」とはいかないまでも「ピカピカ」位のレベルには達したのではないでしょうか。
もっとワックス層を厚くして磨き時間も確保すればまだまだ輝きます。
そんな伸びしろを感じました。
かかと部分も。
トゥほど気合を入れて磨いたわけではないので、控えめな光沢です。
最後に、100円ワックス使用前後での靴のトゥ部分の比較を行ってみます。
並べてみると、磨いた後は光沢が増していることがはっきりと分かりますね。
100円のワックスでも十分に光沢を得ることはできますし、鏡面に仕上げることも可能です。
100円だからと侮るなかれ!ダイソーのシューワックス
本記事では、100円ショップのダイソーで販売されている靴磨き用ワックスで鏡面磨きを行ってみました。
100円という破格のお値段ですが、靴を鏡面に仕上げる能力は申し分なく、相当の実力を持ったワックスです。
- 靴磨きに興味を持ったばかり
- シューケア用品にあまりお金をかけたくない
という方には、特にお勧めできるシューワックスです。
ダイソーで購入できるという、入手しやすさも魅力の1つ。
靴磨きのとっかかりとして、お試ししてみてはどうでしょうか。
靴磨きにドハマりするきっかけになるかも?
それでは、今回はこの辺で。
少しでも参考になれば幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました!
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