津軽の衣類文化から生まれたこぎん刺し。
暖かさを確保するための生活の知恵から生まれた、実用の美を感じられる技術手法です。
そんなこぎん刺しを活かしたジャケットがポータークラシック(Porter Classic)のこぎんジャケット。
ポータークラシックといえば、日本文化からインスピレーションを受けた剣道着や刺し子シリーズが有名な日本のブランド。
ポータークラシックが日本3大刺し子の1種である、こぎん刺しから生み出した服がこぎんジャケットです。
手間のかかる加工技術のため、価格はなんと税込みで24万円越え。
ただ、それ以上の満足感が得られます。
こぎんジャケットは温かみのある生地の表情と柔らかな着心地が魅力。
本記事では、ポータークラシックのこぎんジャケットの魅力をディティールとともにレビューします。
- ポータークラシックのこぎんジャケットの詳細が知りたい
- こぎん刺しの服の魅力とは?
- そこそもこぎん刺しって何?
こぎん刺しとは日本3大刺し子の1種
この記事で紹介するこぎんジャケット。
- こぎん
とはそもそも何なのか、説明しますね。
こぎんジャケットの「こぎん」とは、こぎん刺しを意味します。
こぎん刺しは青森県の津軽地方で生まれた刺し子技法で、日本3大刺し子の1つ。
- 津軽こぎん刺し
- 南部菱刺し
- 庄内刺し子
津軽の厳しい冬を快適に過ごすための高い保温性の確保と生地の補強をするのに施されたのがこぎん。
津軽こぎん刺しがポータークラシックのこぎんジャケットの元となった技法です。
こぎん刺しは実用面から生まれた技法
ここで、こぎん刺しの歴史を辿ってみます。
こぎん刺しは津軽地方で調達可能だった麻から織った布に糸を通し、耐久性や保温性を向上させたのが発祥です。
厳しい寒さの津軽地方は綿が栽培しにくい環境だったため、麻を着ていました。
木綿の着用を許されなかった、という制度的な理由も背景にあります。
麻は夏の素材として定番で、涼しさを確保できる素材。
麻の服を着て津軽の寒さを乗り切るのは、とても困難なことであったのは想像に難くありません。
そこに、糸をびっしり通して保温性をアップさせたのがこぎん刺し。
津軽こぎん刺しは、その土地の方々が限られた資材と厳しい社会制約の中で身体を守るために発達した、実用性の結晶なのです。
まさに、生活の知恵から生まれた実用技術。
津軽の厳しく長い冬を少しでも快適にやり過ごすため、保湿と補強を施したのがこぎん刺しです。
こぎんの語源
「こぎん」の名前の由来は、江戸時代にさかのぼり…。
小巾(こぎん)という、農民が着る麻の労働着が語源です。
小巾に糸を刺して補強した着物を「刺しこぎん」と呼び、これが転じて糸を通した麻生地を「こぎん」と呼ぶようになったのです。
現在は手芸のデザインとして愛される
こぎんの発祥は、寒さをしのぐために発達した技法。
服を長く着るため、暖かく過ごすためにこぎん刺しが用いられてきましたが、現在は手芸のデザインとして楽しまれています。
ポータークラシックのこぎんジャケット
こぎんの魅力をお伝えしたところで、この記事の主役、こぎんジャケットに登場してもらいましょう。
こちらです。
日本のブランド、ポータークラシックのこぎん刺しを施したジャケットです。
- 2007年に設立した日本のブランド
- リラクシンなゆとりある着心地のアイテムが特徴
カタログで見たときに一目ぼれ。
ずっと想い続けてきたジャケットが、今この手に。
ざっくりとしたシルエットで、ジャケットというよりはカバーオール的な雰囲気。
生地の温かみのある風合いとあいまって、優しい印象の服に仕上がっています。
色はブラック。
バックショットは、フロントよりもこぎんの生地感が楽しめるシンプルなつくりに。
こぎんジャケットの生地と、デザインディティールについて詳しく見ていきますね。
生地
こぎんジャケットの最も特徴的なポイントは生地。
いくつもの切り替えが入った、表情豊かな布地です。
こぎんの独特の表情がアクセントどころか、メインの存在感を誇ります。
各部分で全く異なる生地を使っており、見る箇所によって印象が違います。
しかし、ブラックの色味と若干赤みを帯びた糸によって全体のバランスを整えています。
不均一なところに愛嬌が感じられる、アシンメトリーの美。
それがこぎんです。
職人の方々が1枚ごとに加工を施して生まれた逸品。
ものすごく緻密な作りです。
肌触りは柔らか。
部分ごとに柔らかさが異なり、各生地の手触りを楽しめます。
こぎん生地の見た目はかわいいですが…。
価格はそうではなく。
お値段、なんと247,500円(税込)。
高いですが、作る手間を踏まえれば納得の価格です。
ポータークラシックのこぎん生地はオリジナルの織り機で生地を作り、職人の方々が1着1着を作っています。
人の手がかけられ見極められた服だからこそ、値段は高くても高品質。
そして、愛着がわきます。
まさに圧巻です。
ディティール
ここからはデザインディティールに着目してこぎんジャケットを見ていきます。
水牛ボタンはフロントに3つ。
1個目。
2個目。
3個目。
手染めのため、3者3様の見た目。
ボタンだけでも表情豊かです。
首の裏にはポータークラシックのタグが配されています。
と書かれています。
どちらもポータークラシックの代名詞ともいうべき生地・アイテムです。
スタンダードな襟の形状で、シャツなどとのレイヤードがしやすいジャケットに仕上がっています。
肩部分の生地の切り替えも良い味を出しています。
胸ポケットはこぎんの模様が合わせられ、違和感なくなじむデザインに。
もちろん、収納力は十分。
カードケースなどを入れて活用したいですね。
その胸ポケットの上にはさりげなく「PC」のブランドロゴ入り。
腰にはサイドポケット付きです。
容量大きめのポケットで手を突っ込んでも良し。
スマホや財布を入れても良しです。
前身頃を開くと、右側には内ポケット付き。
懐中時計などをしのばせておくのもオシャレです。
裏地は表地と同じく、柔らかなこぎん生地。
優しく身体を包み込んでくれます。
着心地抜群です。
ちなみに、日本製。
コットン100%なので、自宅で洗濯可能。
僕は洗濯機のオシャレ着洗いで洗っています。
腕部分のこぎんの表情の豊かさもまた美しく。
左右非対称なところがまた愛らしいです。
袖を1回捲ると…
違った模様が顔を出し、新鮮な気持ちを味わえます。
気分によって袖を捲ったり、捲らなかったりで表情の変化を楽しめるジャケットです。
こぎんジャケットを着た様子
では、実際にこぎんジャケットを着てみます。
こちら。
袖はゆるりと着れる仕様。
春夏はシャツの上からガバッと。
秋冬にはインナーを着こんでバッチリ防寒可能です。
ちなみに、170cm、70kgでサイズ2を着用。
横から見るとこんな感じ。
リラクシンなシルエット。
こなれた印象のジャケットなのがよく分かります。
バックショットはこちら。
こぎんの独特な美しさが際立つ背面図ですね。
続いて、フロントボタンを閉めて。
よりカバーオール感が強くなりました。
風よけにもなり、寒さ対策もバッチリ。
ベストを中に着てレイヤードスタイルも。
ポータークラシックの刺し子リネンプレミアムクラシックベストを中に着てみました。
こぎんジャケットはカッチリとしたジャケットという括りのアイテムでありながら、ラフな雰囲気を纏っています。
そのため、多くのアイテムと合わせやすく、使いやすいです。
近くで見ると、遠目で見たときとは違った印象。
これこそ、こぎんの魅力です。
ガバっと羽織るだけで個性全開。
唯一無二の存在感を誇るジャケットです。
こぎんジャケットを着用した感想
こぎんジャケット、見た目はもちろん格好良いのですが…。
言わずにはいられないのが、羽織ったときの感触。
着心地最高です。
優しい肌触りに感動します。
服自体は決して軽くはないのですが、生地の優しいタッチのおかげで実際よりも軽く感じます。
ふわっとした、なんとも心地の良い触感。
ゆるめのシルエットからも着心地の良さが推し量れるかと。
いつまでも着ていたくなる逸品です。
極上の着心地と満足感!こぎんジャケット
本記事ではポータークラシックのこぎんジャケットの詳細をレビューしました。
津軽地方に伝わるこぎん刺しを施したこぎんジャケットは、独特の表情と柔らかな着心地を持つ極上ジャケット。
ガバッと羽織るだけで、リラクシンな雰囲気を纏えます。
古き良き時代の尊い技術に思いを馳せつつ、こぎん刺しの魅力を存分に味わえます。
ポータークラシックでおなじみの、剣道着や刺し子生地とはまた異なる風情を持つ、こぎんジャケット。
日本の実用の美を肌で感じてみてはいかがでしょうか?
興味がわいたらポータークラシックをチェックしてみてください。
それでは、今回はこの辺で。
少しでも参考になれば幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました!
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