革靴を履いていると気になる、靴底の削れ。
特に、靴底が革製の
- レザーソール
の場合、磨耗しやすいため削れが進みやすいです。
そのままにしておくとどんどん消耗し、レザーソールの交換時期が早まってしまいます。
ソールの交換は修理店に依頼する必要があり、時間もかかればお金もかかるため、できれば遅らせたいですよね?
可能ならば、ソールの削れを抑えて、
- レザーソールの寿命をのばしたい
と思うわけです。
レザーソールの乾燥や毛羽立ちを抑えてあげれば、削れを遅らせられます。
つまり、レザーソールの寿命が延びるのです。
ポイントはレザーソールに水分や油分を与えつつ、表面を滑らかにしてあげること。
歩行時の摩擦を軽減してあげるのが重要です。
その方法とは、たった4ステップでできるお手軽手法。
ということで本記事では、レザーソールの寿命を延ばすための4つのステップについて紹介します。
- レザーソールの削れを抑えたい
- 革底の交換時期を遅らせたい
- レザーソールの寿命を延ばして長く履き続けたい
レザーソールはガシガシ削れる
革靴を履き続けているうち、ある日気付く、靴底の削れ。
靴を履いて歩く以上、地面との摩擦は避けられませんから、底が削れるのは運命です。
こと革製のレザーソールに関しては、目に見えて削れているのが分かります。
というのも、レザーソールはゴムソールやウレタンソールよりも耐久性が低いからです。
どうしても削れが進みます。
お気に入りで履く機会が多い靴ほど、レザーソールの削れが気になってきます。
そして、レザーソールが削れ過ぎると、1つの懸念が出てくるのです。
削れ過ぎたレザーソールは交換が必要
レザーソールの削れが進むと発生する懸念とは、
- ソールの交換(オールソール)
をしなければいけない点です。
レザーソールが削れ過ぎるとソールに穴が開くため見映えが悪く、何より雨水が浸透しやすくなります。
削れ過ぎたレザーソールは交換作業が必要です。
レザーソールの交換は面倒
しかし、ソールの交換作業はセルフでは難しいです。
もちろん、自分でソール交換する方も中にはいらっしゃいますが、革靴の構造や性質を把握しているからこそ。
素人には、まず不可能です。
そのため、
- プロにお願いしてソール交換してもらう
ことになります。
プロの方にお願いする以上、交換費用がかかりますし、修理時間もかかります。
仕上がりはとても満足いくものになりますが、お金がかかりますし、お気に入りの革靴がしばらく手元を離れるのは辛いですよね?
ソール交換をお願いする靴をお店に持っていく手間もかかります。
レザーソールの交換はいざやるとなると、面倒で億劫になってしまうものなのです。
レザーソールの交換時期
ただ、レザーソールの交換時期は遅らせることができます。
レザーソールの靴を履き続ける以上、大なり小なりソールの削れは生じ、遅かれ早かれソール交換は必要です。
ただし、ソール交換が、
- 2年に1回
と、
- 5年に1回
とでは、雲泥の差があります。
仮に10年、その靴を履くとして、
- ソール交換が2年に1回なら合計5回
- ソール交換が5年に1回なら合計2回
です。
全然違いますよね。
レザーソールの寿命を延ばしてソール交換のタイミングを遅らせれば、それだけソール交換の回数が減り、お金や手間の節約になります。
レザーソールの寿命を延ばす方法
では、どのようにすればレザーソールの寿命を延ばせるのかというと…。
重要なことは、
- レザーソールの乾燥を防ぐ
- 革の毛羽立ちを抑える
の2点です。
レザーソールの乾燥を防ぐ
レザーソールの乾燥を防げば、寿命を延ばせます。
というのも、革は乾燥すると硬くなり、カサカサの状態に…。
イメージしてみてください。
硬いものと柔らかいもの。
硬いものの方が摩擦は加わりやすく、削れやすいですよね。
レザーソールも同じです。
硬くなったレザーソールは、地面にこすられたときに摩擦を生じやすく、革が削られやすくなります。
そして、レザーソールの乾燥を防ぐためには、革に潤いと油分を与えることが大事。
レザーソールは一般的なレザーアイテム同様、革用クリームで保革すると寿命が延び、長く愛用できます。
レザーソールの毛羽立ちを抑える
レザーソールの寿命を延ばすため、毛羽立ちを抑えるのもまた重要です。
購入したばかりの靴のレザーソールはツルツルとした美しい面ですが、履いているうちに地面とこすれ、革が毛羽立ってきます。
毛羽立った革は地面との摩擦を高め、より多くの革を削ることに…。
レザーソールの靴を履き続ける以上、ソールの毛羽立ち自体を抑えることはできません。
大事なのは、毛羽立った革をならし、ツルッとした表面に戻してあげることです。
滑らかなソールは地面とこすれたときの摩擦を軽減し、革の削れを防げます。
レザーソールの寿命を延ばすことにつながるわけです。
実践編:レザーソールの寿命延ばし
こちらのシェットランドフォックスのウィンストンを例に、ソールのお手入れ方法をご紹介していきます。
このように削れたレザーソール。
このまま履き続けると、革の削れが加速し、ソールの寿命がどんどん短くなってしまいます。
お手入れしてソールの寿命を延ばしますね。
簡単4ステップでできる手法です。
先ほどご説明した通り、レザーソールの寿命を延ばすためには、乾燥防止と毛羽立ちの抑制が肝です。
それらを含めた、以下4工程のお手入れをすると、レザーソールの寿命を延ばせます。
- レザーソールに付いたゴミやホコリを落とす
- レザーソールに付いた汚れを落とす
- レザーソールにケアクリームを塗る
- レザーソール表面をならす
STEP1とSTEP2はレザーソールの寿命を延ばすための事前準備。
STEP3で革を乾燥から守り、STEP4で革の毛羽立ちを抑えます。
STEP1:レザーソールに付いたゴミやホコリを落とす
まずは、レザーソールのゴミやホコリを落とすところから。
この後に控えたケアクリーム塗布の恩恵を最大限受けるため、邪魔なゴミやホコリを落とします。
レザーソールには小石や大きめのゴミが食い込んでいることがあります。
それらをタワシでこすり落としましょう。
その後、細かなホコリを落とすため、馬毛ブラシでブラッシング。
ソール全体へのブラシ掛けが終わったら、次の2ステップ目に移ります。
STEP2:レザーソールに付いた汚れを落とす
続いて、レザーソールにしみこんだ水汚れや油汚れを落とします。
革用のクリーナーを使って汚れを落としていきますね。
今回使うのはハンズ×M.モゥブレィのシュークリーナー。
クリーナーをクロスにしみこませ…
レザーソールを拭きましょう。
毛羽立ちの激しいレザーソールは、クリーナーをグングン吸い込みます。
クリーナーを多めにクロスに付けて、ソール全体を満遍なくクリーナーで拭き取れるようにするとGOODです。
汚れがひどく、クロスが真っ黒になる場合、クロスにほとんど汚れが付かなくなるまで繰り返し拭きましょう。
STEP3:レザーソールにケアクリームを塗る
続いて、レザーソールにケアクリームを塗り、潤いと栄養を与えるステップへ入ります。
使うのはブートブラック(Boot Black)のレザーソールコンディショナー。
レザーソールコンディショナーは、革底に潤いと柔軟性を与えるためのローションタイプのレザーソール用クリーム。
レザーソールを乾燥から守ります。
ホホバオイルとミネラルオイル、そしてビーズワックスが配合され、革に栄養と潤いを与えてくれます。
べた付きを残さずに仕上がるのも良い点です。
さらに、カビ止め剤も含まれており、カビの発生までも抑制してくれます。
レザーソールコンディショナーでソールをケアすれば、革が柔らかくなり靴の返りが向上。
レザーソールのコンディションを整えるのにピッタリ。
優れたシューケアアイテムです。
項目 | 詳細 |
主成分 | ろう・油脂・乳化剤・精製水・防カビ剤 |
色 | 無色 |
種類 | 乳化性 |
容量 | 100ml |
レザーソールコンディショナーをソールに垂らして…
クリーム塗布用のペネトレィトブラシで塗り広げます。
クリームをソールに押す込むイメージでブラッシングしましょう。
レザーソールコンディショナーを塗リ終えたら、革の乾燥対策はOKです。
続いて、レザーソールの毛羽立ちを抑えるステップに移ります。
STEP4:レザーソール表面をならす
この工程が最後。
レザーソールの毛羽立ちを抑えるため、革を押し込み、繊維を寝かせます。
使うのはアビィ・レザースティック。
水牛の角で作ったシューケアアイテムです。
表面が滑らかで、革をならす効果が高いのです。
レザーソールの表面は毛羽立っているため、アビィ・レザースティックに傷が付かないようにクロスで保護しておきましょう。
クロスを巻いてしっかりガード。
そして、クロスを巻いたアビィ・レザースティックでレザーソール全体をこすります。
一方向だけでなく、あらゆる方向へスティックを滑らせて革繊維を寝かせていきます。
アビィ・レザースティックのすべりが滑らかになれば、毛羽立ちが押さえ込めた証拠。
これにて作業は完了です。
仕上がりはこのように。
控えめな光沢が生まれました。
表面の毛羽立ちが押さえられ、表面の平坦さが高まっているのが分かります。
作業前後でレザーソールを比較
レザーソールの寿命を延ばすための作業前後で、レザーソールの状態がどのように変わったかを比較してみますね。
上が作業前、下が作業後。
明らかに見た目が違います。
写真だけでは伝わらないのですが、触った感じもまったく別物。
作業前はカサついてざらざらした表面ですが、作業後は滑らかな感触に。
革の毛羽立ちが解消されています。
汚れも落ちてきれいに仕上がりました。
潤いや栄養がしっかり行き渡っているため、乾燥対策もバッチリ。
これでレザーソールの磨耗がある程度抑えられます。
レザーソールの寿命はのばせる
本記事では、レザーソールの寿命を延ばすための手法を紹介しました。
履き続けていくうちに、ガリガリ削れていくレザーソール。
削れ過ぎたソールは交換しなければいけません。
しかし、定期的にレザーソールのお手入れをすれば、削れを軽減し、レザーソールの寿命を延ばせます。
しかも、その方法はとっても簡単。
ソールの乾燥防止と毛羽立ちの抑制の作業を含めた、たった4ステップの作業でレザーソールの寿命を延ばせますよ。
それでは、今回はこの辺で。
少しでもご参考になれば幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました!
靴磨きを始めたい。けれど道具をそろえるのが面倒…。
そこでおすすめしたいのが靴磨きセット。1セット買うだけで必要な道具がまるっと揃います。道具選びの手間が不要。今すぐ靴磨き可能に。
大事な革靴を劣化させないために靴を磨いてコンディションを整えるのがおすすめです。