ステップごとに靴磨き方法を解説する第5弾です。
革靴を美しく見せるための術、それが磨き上げ。
この記事では、靴磨き手順のうちの「STEP5|革靴の磨き上げ」について必要性と方法を解説します。
革靴をクロスで磨くと、革にツヤが表れ品格あふれる佇まいを演出できます。
靴クリームを塗った後の磨き工程は、余分な靴クリームを取り除く効果もあり。
あるいは、毛先が繊細で柔らかいタッチの山羊毛でブラッシングすることでも、クロスとは異なるみずみずしいツヤを出すことが可能。
磨きクロスや山羊毛ブラシを活用すれば、革靴の雰囲気をワンランクもツーランクも向上させられます。
靴磨きの仕上がり満足度が高まること間違いなしです。
ということで、本記事では革靴の磨き上げの必要性とやり方について紹介します。
- 革靴を磨き上げるとどんな効果があるの?
- 革靴を磨き上げるために必要な道具は?
- 革靴を磨く方法を知りたい
靴磨き手順中のSTEP5「革靴を磨き上げる」工程を解説します。
革靴を磨き上げることで得られる効果
革靴を磨き上げることは、革靴の美しさを左右する大事な工程です。
革靴を磨くことで得られる効果は以下の2つ。
- 革靴にツヤを出せる
- 余分な靴クリームを除去できる
革靴のポテンシャルを最大限引き出すために磨き上げ作業をするのです。
革靴にツヤを出せる
革靴を磨き上げることで得られる効果、1つ目はツヤを出せること。
革は適度な油分と水分を含んでおり、みずみずしさや有機的で控えめなツヤといった、何とも形容しがたい独特の風合いを持っています。
それが革の魅力なわけですが…。
しかし。
革靴を日々履いていくうち、何もお手入れしないとその風合いや輝きが失われていきます。
革がくもったような見た目になっていきます。
ですが、くもった革を磨くとあら不思議。
革にツヤが生まれ、美しく、どことなく上品な印象になります。
磨くことで革表面の汚れが落ちたり、毛羽立ちなどの革繊維の流れが整い滑らかになることで、ツヤが出るためです。
靴クリームを塗った後ならなおさら、磨くことでクリームがより均一に広がり、光を均等に反射。
結果として、革靴に美しい光沢を与えられるというわけです。
余分な靴クリームを除去できる
革靴を磨き上げることで得られる効果、2つ目は余分な靴クリームを除去できること。
靴クリームを塗って豚毛ブラシで塗り広げた後、その革靴を触ってみてください。
少しべた付いている感覚がありませんか?
それは革に浸透しなかった靴クリームが革表面に残っているからです。
靴クリームは最低限、革に浸透する分だけ与えてあげれば十分。
革の上に残った靴クリームは、革に浸透しなかった余分なクリームです。
そのままの状態にしておくと、べた付いてホコリが付着しやすかったり、クリームが酸化して革の風合いを落とすことになってしまいます。
革靴を磨き上げることで革上に残った靴クリームを取り除き、革の質感を最大限引き出すことができるのです。
革靴を磨き上げるのに使う道具は?
では、
この項目で紹介します。
- 磨きクロス
- 山羊毛ブラシ
- ハンドラップ
それぞれ見ていきましょう。
磨きクロス
革靴の磨き上げに使う道具の1つに磨きクロスがあります。
磨きクロスは革表面の靴クリームやワックスを均一にならすためのアイテム。
そのため、コットンのさらっとしたきめ細かい生地が適しています。
柔らかなタッチのフランネル状の生地もオススメです。
着古したTシャツの切れ端などでも代用できますが、きめ細かい生地を使ったほうがツヤが出て革靴の仕上がりが美しくなります。
各シューケア用品メーカーで様々な特徴を持った磨きクロスが展開されていますので、チェックするのも面白いですよ。
グローブタイプの磨きクロスもあります。
手にすぽっとはめて使うクロスなので、手の感覚をダイレクトに伝えられます。
作業しやすく、おすすめです。
山羊毛ブラシ
革靴のツヤを出すと言う意味では、山羊毛ブラシを使うのも良いでしょう。
とても柔らかな毛先を持つ山羊毛。
そんな山羊毛で革靴をブラッシングすると、磨きクロスで磨いたときとはまた異なる質感に仕上げられます。
みずみずしい光沢というか、濡れたようなツヤが表れ、革の魅力が引き出された仕上がりに。
山羊毛の繊細で柔らかなタッチが靴クリームやワックスを粒子レベルでならし、磨きクロスでは実現できないほどの、滑らかで均一な表面を作り出すことができるのです。
山羊毛ブラシは使い込むほどにその効果を増す、いわゆる「育てる」喜びもあり、道具としてとても魅力的なアイテムです。
ハンドラップ
山羊毛ブラシを使う際には、毛先に少量の水を含ませると艶やかな光沢を与えることができます。
取り出す水量をコントロールしやすくなる道具がハンドラップ。
ノズル先端を押し込むと水が出てくる道具です。
クロスや山羊毛ブラシに水を含ませて磨くことで水研ぎ効果が得られ、より強くみずみずしいツヤを出せます。
革靴を美しい風合いに仕上げたい人はぜひ使ってみてください。
靴磨き手順ステップ5|革靴を磨き上げる方法
さて、ここからは実際に革靴を磨き上げる方法を実践します。
といっても、その方法はいたって簡単。
綿素材のクロスを用いて、革靴を拭くのが基本的操作です。
クロスを指に巻き付けて…
革靴を磨きます。
靴クリームを塗った後だと、クロスで拭くだけでツヤが出てきます。
明らかに革靴のツヤが増す磨き上げは、靴磨きの楽しい瞬間でもあります。
先ほど紹介した、グローブクロスで磨くのもよし。
手にはめ込むタイプのクロスなので、使いやすさが抜群です。
指に巻き付けるクロスでも、グローブタイプのクロスでも革靴の磨き上げができます。
お手持ちの道具の都合などで使い分けると良いでしょう。
クロスで磨き上げた後は、山羊毛ブラシでツヤを強めるのもオススメ。
ハンドラップで少量の水を毛先に付けて…
優しく円を描くようにブラッシングしていきます。
山羊毛で靴クリームをならすのが目的なので、力を入れる必要はありません。
一通りブラッシングしたら、革靴のツヤがみずみずしく上品になりました。
磨きクロスや山羊毛ブラシで革靴を磨き上げることで、革靴の美しさがより一層引き立ちます。
革靴の磨き上げは、とても簡単で短時間でできる作業。
とってもお手軽に革靴のツヤ出しができます。
やらない手はありません。
おすすめの磨きアイテム
この項目では磨きアイテムの選び方とおすすめ道具を紹介します。
道具選びに迷っている人はぜひとも読んでみてください。
おすすめの磨きクロス
磨きクロスを選ぶ上で大事なのは以下のポイント。
- スルスルとなめらかな使用感
- ほつれにくい
磨きクロスはなめらかな生地であると良いです。
逆に、ざらざらとしたすべりの悪い生地だと、革に引っかかって繊維くずが革に付きます。
革の風合いを損ねることに…。
生地自体がほつれにくくてタフなのも必須条件。
単純な作業性から見た場合でも、なめらかな使用感の生地がおすすめです。
リーズナブルなコロニルのポリッシングクロスや尾州産生地を使った高級クロスの展開があります。
おすすめの山羊毛ブラシ
山羊毛ブラシ選びのポイントは次の通り。
- 密な毛束
- 手にフィットする形
- 山羊毛が抜けにくい
山羊毛ブラシの役割はクリームの成分をきっちり均してツヤを出すこと。
密な毛束だと効率良くツヤが出せます。
革の表面を隙間なくブラッシングできますからね。
ブラッシングを効率化するためにはブラシの形状も見るべきポイント。
手にフィットする形であれば、ブラッシングする力を効果的に革靴に伝えられます。
また、毛が抜けにくいのもポイント。
というのも、山羊毛ブラシは使い続けることで毛先に靴クリームやワックスの成分が乗っていき、ブラッシングするだけで革に光沢が出るようになっていきます。
いわゆる、
という状態です。
ブラッシングしていくうちに毛先が抜けていったのでは、育てる甲斐がありません。
長く愛用するのを前提として、上質な山羊毛ブラシを選ぶのをおすすめします。
フィニッシングブラシは熊野筆の製法を採用した高級山羊毛ブラシ。
密で抜けにくい毛束を持つ優秀な山羊毛ブラシです。
おすすめのハンドラップ
ハンドラップを選ぶときには次の点に注目しましょう。
- 気分の高まる見た目
正直、ハンドラップはなくても困らないアイテム。
ですが、使うと気分の高まる道具です。
靴磨きの満足感をグッと引き上げてくれます。
スタイリッシュで格好良い見た目のハンドラップは、靴磨きの時間を上質で優雅なものにしてくれますよ。
ガラス製のハンドラップは高級感があり、テンションを上げるのに一役買います。
と思わせてくれる道具なので、靴磨きの頻度が多くなります。
結果として、革靴のコンディションを良好に保つのにも貢献。
ハンドラップは他のシューケア用品に比べて優先順位は高くありませんが、余裕があれば揃えておきたい道具です。
磨いてツヤを出せば革靴がもっと愛おしくなる
本記事では、靴磨き手順のSTEP5「革靴の磨き上げ」の必要性と方法について書きました。
靴クリームを塗った後の革靴をクロスで磨き上げれば美しいツヤを与えられ、革靴の仕上がりがより良いものになります。
余分な靴クリームも取り除けるので、革靴のべた付きが防げて一石二鳥。
山羊毛ブラシでブラシがけを加えれば、さらに質の高い輝きが得られます。
革靴本来の魅力を最大限引き出してくれる磨き上げのプロセス。
ぜひ楽しんでみてください。
それでは、今回はこの辺で。
少しでも参考になれば幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました!
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大事な革靴を劣化させないために靴を磨いてコンディションを整えるのがおすすめです。