靴磨きに必要な道具は様々な種類がありますが、靴磨き用の布、いわゆる「磨きクロス」も重要なアイテム。
磨きクロスで靴を磨くと、靴に光沢が生まれ、美しさが増します。
有用なだけに、各シューケア用品メーカーが色々なタイプの磨きクロスを製造・販売しているのですが、
- グローブ型クロス
も磨きクロスの一種。
手にすっぽりはめて使えるグローブタイプのクロスは靴磨きをより効率良く・快適に行えるようになります。
株式会社コロンブスのHGグローブシャインは少し特殊なグローブクロス。
表面はコットン(綿)コーデュロイ、裏面にはセーム革(鹿革)を使用したグローブクロスです。
セーム革で革を磨くと艶やかでみずみずしい輝きが得られ、他の磨きクロスでは得られない特別な光沢が現れます。
本記事ではセーム革を使用した「HGグローブシャイン」のご紹介と革靴を磨いた効果について書きました。
HGグローブシャインの詳細
HGグローブシャインは、シューケア用品メーカーの株式会社コロンブスが販売しているグローブクロス。
靴磨き用の仕上げクロスです。
一見、何の変哲もないグローブ型クロスに見えますが、裏返すと…
裏側は素材が違います。
実はこれ、革なんです。
その正体はセーム革(鹿革)。
HGグローブシャインは表面はコットン素材のコーデュロイ生地、裏面はセーム革を使用した高級磨きクロスなのです。
- カモシカの皮をなめした革
- 手袋・衣料などに用いることもある
- 洗濯も可能
触った感じは布地に近いです。
セーム革と知らなければ、少し丈夫なコットン素材と感じるかもしれません。
手にすっぽり入るグローブタイプ
HGグローブシャインはグローブタイプで手にすっぽりと被せて使用します。
そのため、一度の磨き上げでカバーできる面積が広く、1枚のシート状の磨きクロスよりも作業効率が良いです。
また、手の動きに合わせグローブクロスの形状を柔軟に変えられるため、革靴の滑らかな曲線にも自由自在に対応できます。
グローブ型磨きクロスは通常のシート状磨きクロスよりも、手軽に・短時間で革靴を磨き上げることができるのです。
セーム革が革に光沢を与える
HGグローブシャインは靴の艶出し作業に最適なのですが、その秘密はもちろん、セーム革にあります。
セーム革は、靴の表面に残る余分なクリーム等を取り除き、皮革を平滑にする効果が高いのです。
そのため、ツヤ出し効果が早く、それでいてみずみずしい、しっとりとした光沢が得られます。
セーム革は柔らく、キメが細かい特徴があり、靴クリームやワックスのを平たんに均しやすいのです。
しかも、セーム革は水にも強く、繰り返し洗濯することができます。
ツヤを出すために使用し、かつ汚れやすいグローブクロスにはぴったりの素材、それがセーム革です。
HGグローブシャインを使ってみた
ここからは実際に、HGグローブシャインを使用し、革靴がどのような仕上がりになるかを見ていきます。
今回、HGグローブシャインで磨く靴は以下の2足。
- オールデンのコードバン靴
- スコッチグレインの撥水カーフレザー靴
コードバン靴は、HGグローブシャインで磨くだけ。
純粋なHGグローブシャインの効果を確かめます。
一方の撥水カーフレザーの靴は靴磨きの最後に、仕上げとしてHGグローブシャインを使ってみます。
2足の革靴がHGグローブシャインを使うことでどの様に変わるのか、確かめていきます。
革靴を軽く磨くだけでしっとりとした光沢が出る
まずはコードバン靴から。
この靴はオールデンの975。
馬のお尻の革をなめして作られるコードバンがアッパー(甲革)に使用されています。
コードバンは元々、ツヤのある革なのですが、履いていくうちに徐々に輝きを失っていきます。
そこで、HGグローブシャインで磨いて輝きを取り戻そうという魂胆です。
使い方としては、まずコットンのコーデュロイ側(表面)で磨いた後に、セーム革(裏面)で仕上げるというもの。
まずはHGグローブシャインの表面(コットンコーデュロイ)で革靴を磨きます。
革靴のアッパー全体を拭きあげたら、クロスの裏面(セーム革)を手のひら側に変えて磨き上げます。
HGグローブシャインで磨き上げた後はこのような状態に。
ツヤが出ているのがお分かりでしょうか?
HGグローブシャイン使用前後で革靴の様子を比較してみましょう。
上が使用前、下が使用後です。
革が光を反射する度合いが全く異なることが分かります。
HGグローブシャインで磨くことで、みずみずしく、しっとりとした革の質感が得られました。
磨くだけ、もっといえば、手にはめて拭きあげるだけでこれほどの効果を得られるHGグローブシャイン。
靴磨きの仕上げ工程にも活躍
HGグローブシャインは靴磨きの仕上げにも使えます。
例えば、以下の一連の靴磨き工程で、最後の仕上げとしてHGグローブシャインを使うことは、革靴の仕上がりの良さを高めるためにとても有効です。
- ホコリ落とし
- 汚れ落とし
- 靴クリームの塗布
- 余分な靴クリームを取り除く
- HGグローブシャインで磨き上げる
磨く靴はスコッチグレインのシャインオアレインⅣ。
国産カーフレザーに撥水性を持たせた革靴です。
撥水レザーは光沢を出しにくいことが特徴ですが、はてさて、HGグローブシャインはこの靴に光沢を与えられるのか…?
ホコリ落とし
まずはブラッシングでホコリを落とします。
比較的柔らかな馬毛のブラシでホコリを払い落とします。
汚れ落とし
次は汚れ落としです。
靴クリーナーを使って革靴に付着している汚れを落とします。
クロスにクリーナーをつけて拭きます。
靴クリームの塗布
一通り靴の汚れを落としたら靴クリームを塗ります。
革靴全体に靴クリームを塗ったら、ブラッシングしてクリームを革へとなじませます。
靴クリームが均一に革靴全体へと行き渡るのをサポートしてあげます。
余分な靴クリームを取り除く
続いて、余分な靴クリームをクロスで拭きあげます。
余分な靴クリームはベタついてホコリがくっつきやすくなったり、酸化して革の風合いを損ねてしまうことがあるため、しっかり落としておきましょう。
ここまでの作業で革靴の状態はこのようになっています。
ここからは、いよいよ今回の主役、HGグローブシャインの出番です。
HGグローブシャインで磨き上げる
先程、余分な靴クリームを拭き取るためにクロスで拭きあげたので、ここではコーデュロイ面は使わず、セーム革面での磨き上げのみ行います。
HGグローブシャインのセーム革が手のひら側に来る様にはめ、磨き上げます。
「磨き上げる」といっても、実際は「優しく拭く」という作業です。
アッパー全体を磨き上げた状態はこちら。
しっとりとしたツヤが現れているのが見てとれます。
近くで見ると、みずみずしく、有機的な光沢をより強く感じることができます。
こちらの靴もHGグローブシャイン使用前後で比較してみます。
上が磨き前、下が磨き後です。
撥水加工された革だけに、先ほどのコードバンほど分かりやすくはないですが、HGグローブシャインで磨いた靴には深い輝きが出ており、革にツヤが与えられているのが感じられます。
光の反射の加減が、磨き後にはより強くなっていますね。
HGグローブシャインで艶やかな光沢を手に入れよう
本記事は、コロンブスのグローブクロス「HGグローブシャイン」について書きました。
HGグローブシャインはコットンとセーム革、2つの面で革靴を磨くことができるグローブクロスです。
特に、セーム革が革靴を光らせる効果は強力。
HGグローブシャインで磨くだけで簡単・お手軽に革靴を光らせることができます。
革靴が輝けば気分も高揚。
気持ち良く革靴が履けて、シューライフがより充実したものになると思います。
それでは、今回はこの辺で。
少しでもご参考になれば幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました!
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大事な革靴を劣化させないために靴を磨いてコンディションを整えるのがおすすめです。