Alden(オールデン)の革靴には美しいながらも無骨な、相反する魅力が備わっています。
上品だけどガシガシ履ける、上質かつ丈夫な作りのAlden。
多くのファンを獲得しているAldenですが、僕もそのうちの一人。
コードバン(馬のお尻の革)で作られたアッパーは光沢感が半端ありません。
美しく、奥行きが感じられるコードバンのツヤはAldenを語るうえでは欠かせない要素です。
そんなAldenのコードバンの風合いを存分に楽しめるのが975というモデル。
ロングウィングチップが特徴的なデザインのコードバン靴で、ダークバーガンディの色味が唯一無二の雰囲気を纏った革靴です。
素晴らしい革靴は末永く付き合っていきたいものですよね?
そのためには日々のお手入れがとても重要。
アッパー(甲革)だけではなく、靴の内側のインソールやライニング、コバ部分やレザーソールもお手入れして総合的なメンテナンスを行うと靴の寿命が伸びます。
そんなわけで、本記事ではAlden(オールデン)975を靴の部位ごとにお手入れする様子をまとめました。
Alden975ロングウィングチップとは
お手入れ方法をご紹介する前に、Aldenの靴に軽く触れておきます。
アメリカのシューズメーカーAldenが作りだす「975」というモデルの革靴がこちらです。
アメリカントラッドを象徴する、ロングウィングチップが特徴的なコードバンの靴です。
W字の装飾がつま先からかかとにかけて、ぐるりと続いたデザイン。
インソールに刻まれた「Alden」の金色刻印が上品です。
- アッパー:コードバン
- ソール:ダブルレザーソール
- ラスト:バリー
- カラー:#8(ダークバーガンディ)
- 製法:グッドイヤーウェルテッド製法
Aldenの多くのラスト(木型)の種類の中で、汎用性に優れたベーシックフォルムである「バリーラスト」を採用しています。
ダブルレザーソールの厚みは存在感抜群。
いかにもアメリカらしい、重厚な雰囲気をまとった格好良い革靴です。
Alden975ロングウィングチップのアッパー(甲革)をお手入れする方法
コードバン(馬のお尻の革)を使った革靴の975は美しく、上品な雰囲気を持っています。
ですが、定期的にお手入れしないと汚れやホコリによってコードバンの輝きが失われ、魅力が半減してしまうことに…。
いつまでもコードバンの質感を保つために、靴を磨いて労わってあげることが重要です。
コードバンの革靴は気が付いた時にお手入れしてあげましょう。
Alden975のアッパー(甲革)をお手入れする方法としては以下の通り。
- ホコリ落とし
- 汚れ落とし
- コードバンの繊維を寝かせる
- 保革クリームを塗る
- 保革クリームをなじませる
- 保革クリームをふき取る
- ツヤ出し
お手入れの前に、まずはシューレースを外しておきます。
はじめに、馬毛のブラシでブラシ掛けしてホコリを払い落とします。
続いて、ブラッシングでは落とし切れない靴に付いた水汚れや油汚れを落とすため、クリーナーでアッパーを拭いていきます。
次いで、コードバンの革繊維を寝かせて毛羽立ちを解消します。
水牛の角で作られたアビィ・レザースティックでコードバンを力を加えながらこすります。
その後は、クリーム塗布用の小型ブラシで保革クリームを塗り、コードバンに潤いと栄養を与えます。
そして、保革クリームをよりコードバンになじませるため、ブラッシング。
保革クリームをコードバンになじませた後は、クロスで余分なクリームをふき取りましょう。
最後に、山羊毛のブラシでブラッシングしてツヤを出します。
コードバンの美しさを際立たせる工程です。
磨いた後のアッパーの仕上がりは美しく、コードバンのくすみが解消されました。
ケア後はツヤが増し、コードバンの風合いに磨きがかかっていることが分かりますね。
繊細なコードバンをアッパーに使ったAldenの975は、コードバンならではの風合いが魅力。
ですが、お手入れしないと徐々に風合いや質感が失われていってしまいます。
Alden975ロングウィングチップのインソール・ライニング(靴の内側)をお手入れする方法
靴の内側(インソール・ライニング)は普段見えない箇所ですが、足から出る汗や靴下の毛くずなどで意外と汚れる箇所です。
アッパーだけでなく、インソールとライニングもお手入れをして、清潔さも確保しておきたいところ。
革靴の内側をお手入れする方法としては…
- ホコリを取り除く
- 汚れ落としと栄養補給
2ステップでAlden975のインソールやライニングをきれいにしてあげることが可能です。
まずは内側に溜まったホコリをかき出します。
続いて、クリーナーを付けたクロスでインソールやライニングを拭いていきます。
手が届かないつま先部分は、竹ブラシのような細長い棒にクロスを巻きつけて、汚れを落としましょう。
お手入れ後の仕上がりはというと…
つま先のホコリが取り除かれ、インソールもクリーニングできました。
比較してみると、ホコリはもちろん、汗ジミが落ちていることが分かります。
革靴のお手入れといえばアッパー(甲革)のケアが真っ先に思い浮かぶと思います。
意外と見落としがちなインソールやライニングのケア。
アッパーと同じように、インソールやライニングも定期的に汚れを落とし、栄養を与えてあげましょう。
Alden975ロングウィングチップのコバをお手入れする方法
革靴の美しさや上品な雰囲気を保つためには、甲革のケアだけでなくコバ(エッジ)にも気を配る必要があります。
コバをきれいに保つことで、革靴の印象がボヤけずに、雰囲気が引き締まるのです。
どんなに素晴らしい革靴も、コバが汚れていたのでは魅力が半減。
コバのお手入れってどうやるの?
以下の通り、簡単作業。
- コバの汚れを落とす
- コバを補色する
- コバを磨く
まずは、靴クリーナーでコバの汚れを取り除きます。
汚れを落とした後は、色あせたコバを補色。
コバ用インキでコバやヒールをササッと塗っていきます。
塗り終わったら10分ほどインクを乾燥させましょう。
コバに塗ったインクが乾いたら、クロスでコバを磨いてツヤを出します。
これでAlden975のコバのお手入れ終了。
コバにツヤが出ることで革靴の美しさがアップしました。
革の色がむき出しになっていた部分が補色され、コバの輪郭が際立つ仕上がりに。
コバがきれいであることは、革靴の雰囲気を上品で美しく保つためには大事なポイントです。
コードバンの輝きに目がいきがちな975ですが、コバのお手入れをきっちりしておくことで、その魅力を最大限発揮できますよ。
Alden975ロングウィングチップのレザーソールをお手入れする方法
オールデンの革靴は普段使いしやすいだけに頻繁に履く機会が多い靴。
沢山履いていると気になってくるのがレザーソール(革底)の毛羽立ち。
レザーソールは削れることで革の表面が毛羽立ち、その毛羽立ちが地面との摩擦を高め、より削れやすくなってしまうのです。
お手入れすれば革の毛羽立ちが抑えられ、ソールと地面との摩擦を軽減できます。
お手入れ方法は以下の通り。
- 石やチリを落とす
- 汚れを落とす
- 保革クリームを塗る
- 革の毛羽立ちを寝かせる
まずは、ソールに食い込んだ小石をタワシでかき出します。
ダメ押しで馬毛ブラシでブラッシングも。
細かいホコリも落としておきます。
次に、靴クリーナーでレザーソールの水汚れや油汚れを落とします。
レザー部分全体をクリーニングしましょう。
汚れを落とした後は、保革クリームを塗ります。
レザーソールも革製。
保革クリームをソールに塗っていきます。
続いて、ソールをこすって毛羽立ってしまった革の繊維を押し込んで寝かせます。
クロスで包んだスティックを使ってソールをこすりましょう。
一通り作業を終えた後の様子がこちら。
白くなっていたソールの色が、保革クリームを浸透させたことで濃くなっています。
革の毛羽立ちが抑えられ、ソールが滑らかになったことで光沢が出ていますね。
削れたまま毛羽立ってしまったレザーソールを履き続けることで、ますますソールの削れが進み、大幅にソールの寿命を縮めてしまうことになりかねません。
ガシガシ履きたいAldenの革靴だからこそ、レザーソールは定期的にお手入れして革の毛羽立ちを抑えましょう。
Alden975ロングウィングチップをお手入れしながら末永く付き合っていこう!
本記事ではAlden(オールデン)の革靴、975ロングウィングチップのお手入れ方法についてまとめました。
975のコードバンのツヤを美しい状態で保つため、アッパーを磨くことは大事なこと。
それ以外にもインソールやライニングといった靴の内側、コバや靴底のアウトソール周辺のケアは欠かせません。
定期的にメンテナンスすれば、Alden975を清潔に・快適に・長く履けます。
975の魅力を余すことなく堪能するため、いつも最高のパフォーマンスで履きたい、そう思うのです。
日頃から愛情を注いであげれば革靴もそれに応えてくれます。
それでは、今回はこの辺で。
少しでもご参考になれば幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました!
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大事な革靴を劣化させないために靴を磨いてコンディションを整えるのがおすすめです。