Alden(オールデン)で有名なのはコードバン(馬のお尻の革)の革靴です。
アメリカのタンナーであるホーウィン社のコードバンを使ったAldenの靴は美しく、上品な雰囲気を持っています。
ですが、定期的にお手入れしないと汚れやホコリによってコードバンの輝きが失われてしまいます。
輝きが失われたコードバンは魅力が半減。
いつまでもコードバンの質感を保つために、靴を磨いて労わってあげることが重要です。
ということで、コードバンのアッパー(甲革)をケアしていきます。
本記事では、Alden(オールデン)のアッパーをお手入れする方法について書きました。
- Aldenの革靴を磨きたい!
- コードバンのお手入れってどうやるの?
- コードバンのケアに必要な道具は?
Aldenの靴のアッパーを磨く必要性
Aldenの革靴の代名詞といえば、コードバンといっても過言ではないかと。
コードバンは馬のお尻から採れる原皮をなめして得られる革。
コードバンの特徴は革の繊維が緻密なこと。
その緻密な繊維を寝かしつけて滑らかな革表面を作り出しています。
そのため、コードバンならではの強いツヤが現れ、革としてとても美しい仕上がりとなります。
一方で、コードバンだからこその欠点も。
コードバンの繊維は無理やり寝かしつけているため、外からの刺激で革の繊維が容易に毛羽立ってしまうのです。
水に濡れたり、どこかにぶつけるということは、革靴を履いていく中で避けられません。
外部刺激が加わることで毛羽立ったコードバンは、光沢がなくなったり、ひどい場合は白っぽく変色してシミのような状態になってしまうことも…。
そうなってしまったら、折角のコードバンの美しさが台無しです。
また、時間がたつことでコードバンに含まれる油分も徐々に抜けていきます。
それらを防ぐため、コードバンをお手入れして革繊維の毛羽立ちを抑え、革へ栄養補給してあげることが必要なのです。
Aldenの美しいコードバンならなおさら、お手入れには気を使いたいもの。
Aldenの靴のアッパーを磨く方法
ここからは、
Aldenのコードバン靴はどうやってお手入れすれば良いの?
ということについてご説明します。
お手入れ手順としては以下の通り。
- ホコリ落とし
- 汚れ落とし
- コードバンの繊維を寝かせる
- 保革クリームを塗る
- 保革クリームをなじませる
- 保革クリームをふき取る
- ツヤ出し
磨くのは当然、Aldenの975。
ロングウィングチップ仕様のバーガンディコードバンを使った革靴です。
アッパーの色味が少々くすんできているのが気になるので、磨いてコードバンの輝きを取り戻したいと思います。
お手入れの前に、まずはシューレースを外しておきます。
お手入れするための準備が完了しました。
では早速、靴磨き開始です。
ホコリ落とし
はじめに、革靴に付いたホコリを取り除く作業をします。
馬毛のブラシでサッ、サっとブラッシングしていきます。
日々履いていくうちに靴に付いてしまったホコリやチリを払い落としていきましょう。
汚れ落とし
続いて、ブラッシングでは落とし切れない靴に付いた水汚れや油汚れを落としていきます。
ここで1つ注意点が。
コードバンは水に弱いデリケートな革。
一般的な水性クリーナーは水を多く含むので、コードバンにはあまり適していません。
そのため、サフィールノワールのレザーバームローションを使います。
レザーバームローションの成分はロウや油脂、有機溶剤なので、水に弱いコードバンにも安心して使えます。
レザーバームローションをクロスにとり…
靴のアッパーを拭いていきます。
アッパー全体を拭き終えたら次の工程に移ります。
コードバンの繊維を寝かせる
ここからはコードバンの革繊維を寝かせて毛羽立ちを解消する作業をします。
毛羽立ちを解消するために使うのは水牛の角で作られた「アビィ・レザースティック」。
アビィ・レザースティックでコードバンを力を加えながらこすります。
表面が滑らかだから!
水牛の角の表面はスベスベでとても滑らか。
コードバンを傷つけないため、表面が滑らかな水牛の角でこするのです。
裏を返せば、表面が滑らかなものならば何でもOK。
レザーバームローションを塗った直後はコードバンの革繊維が柔らかくなっています。
そのため、このタイミングでコードバンをこすると革の繊維を寝かせやすいのです。
革繊維を寝かせる工程は保革クリームを塗った後でも十分な効果が得られます。
何かしらのクリームを使った後に、コードバンの繊維を寝かしつける作業をすると良いということですね。
保革クリームを塗る
続いて保革クリームを塗り、コードバンに潤いと栄養を与えてます。
使うのはサフィールノワールのコードバンクリーム。
コードバンクリームには革に浸透しやすい「ニートフットオイル」が配合されているため、緻密なコードバン繊維の中にもしっかりと栄養を行き渡らせることができます。
コードバンクリームをクリーム塗布用の小型ブラシで塗っていきましょう。
Alden975は装飾の穴飾りが多く、指でクリームを塗るには難しい箇所が多くあります。
ブラシを使えば隅々まで保革クリームを行き届かせることができるのでオススメです。
保革クリームをなじませる
保革クリームをよりコードバンになじませるため、ブラッシングします。
コードバンは繊細な革なので比較的毛が柔らかい、馬毛のブラシを使いましょう。
円を描くように優しくブラシ掛けし、保革クリームをコードバンになじませていきます。
保革クリームをふき取る
保革クリームをコードバンになじませた後は、クロスで余分なクリームをふき取ります。
保革クリームは革に浸透するだけの最低限の量だけでOK。
余分なクリームは革のベタつきの原因となりますので、クロスで取り除いてしまいましょう。
ツヤ出し
最後に、山羊毛のブラシでブラッシングしてツヤを出します。
コードバンの美しさを際立たせる工程です。
細い山羊毛でコードバン上のクリームの粒子を均一に均し、光沢を出していきます。
これにて一連のコードバンのアッパーケアは終了。
靴ひもを取り付けて靴磨き完了です。
磨いた後のアッパーの仕上がりは美しく、コードバンのくすみが解消されています。
アッパーのお手入れ前後でコードバンの状態を比較すると…
ケア後はツヤが増し、コードバンの風合いに磨きがかかっていることが分かります。
他の革種では出せない、コードバン特有の深いツヤ感が復活し、革靴の雰囲気が洗練されました。
Aldenの靴のアッパーを磨いてコンディションを整えよう!
本記事では、Alden(オールデン)の975、ロングウィングチップのアッパーを磨く方法についてご紹介しました。
美しくも繊細なコードバンをアッパーに使ったAldenの975はコードバンならではの風合いが魅力。
ですが、お手入れしないと徐々に風合いや質感が失われていってしまいます。
定期的にお手入れして、コードバンならではの美しいツヤをいつまでも保ちましょう。
それでは、今回はこの辺で。
少しでもご参考になれば幸いです。
ご覧にいただき、ありがとうございました!
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