洋服をハンガーにかけて美しく保管することと同じように、革靴にも良好な状態での保管を可能にするアイテムがあります。
それはシューツリー(シューキーパー)。
革靴は履いていくうちにソール(靴底)が反り上がったり、アッパー(甲革)にシワが入ったりします。
そんな状態はお世辞にも美しいとはいえません。
しかし、シューツリーを入れておけば安心。
自分が履いていないときでもシューツリーが革靴にテンションをかけてくれるため、形状をキープできます。
足の形状を模ったシューツリーはいわば自分の足の分身。
自分が履いていないときでも、代わりに革靴を履いて形を保ってくれる、頼れる存在です。
シューツリーは革靴の型崩れを防止してくれるのですね。
おまけに、木製のシューツリーは木材ならではの恩恵を受けられます。
その恩恵とは調湿作用。
長時間履き続けて汗を吸った革靴の内部(インライニング)から水分を吸収し、カビの発生を予防してくれるのです。
形状だけでなく、革の状態をも整えてくれるありがたい存在がシューツリーです。
そこで気になるのが価格。
木製だけあって、プラスチック製のシューキーパーよりもお値段高め。
気軽に手を出せる価格ではないのが正直なところ…。
シューツリーには価格以上の価値があります。
- ぜひオススメしたい!
ってわけなんですよ。
そこで本記事では、価格別におすすめのシューツリー3種をそのディティールと共にご紹介します。
- シューツリーのオススメ、何かない?
- 比較的お安めなシューツリーを探している
- 高くても高機能なシューツリーが気になる
- 様々なシューツリーの仕様や詳細が知りたい
- コロニル:アロマティックシダーシューツリー
- マーケン:ディプロマットシダーシューツリー
- サルトレカミエ:SR300EX
革靴ケアに活用したいシューツリー
シューツリーは革靴の型崩れを防いでくれるシューケアアイテムです。
帰宅して革靴を脱いだ後の革靴は、いわば、
- 疲れている
状態。
歩いたときの革への負荷でアッパーは屈曲し、ソールは反った状態になりがち…。
また、足から出た汗が革に吸収され、中が湿った状態になってしまうのです。
そのままにしておくと、革に深いシワが刻まれて、形が崩れてしまいます。
さらにいつまでも高い湿度の状態が続き、カビが発生することにもなりかねません。
そんな悲劇を防いでくれるのがシューツリー。
履き終わった後の革靴のアッパーをしっかり伸ばし、ソールの反りを解消してくれます。
加えて、木材の吸湿作用が働き、革靴内部の除湿が可能です。
お気に入りの革靴を永く愛用したいならシューツリーは必ず使いましょう。
シューツリーはフィット感が大事
シューツリーはサイズが大事です。
革靴を購入する際、自分の足にピッタリフィットしないと靴擦れなどのトラブルを招きます。
それと同じように、革靴とシューツリーのサイズが合っていないと、その効果が発揮されません。
例えば、革靴に対してシューツリーが大きいと、テンションがかかりすぎて革が伸びてしまいます。
あまりに大きすぎると、
- そもそも革靴に入らない
なんてことに…。
一方、革靴よりもシューツリーが小さいと、
- 靴にテンションがかからない
ことも…。
革を伸ばせず、ソールの反り返りを解消できません。
このように、シューツリーのサイズが革靴に合っていないと、シューツリーの恩恵を受けられないのです。
シューツリーは革靴に合ったサイズを使うことが重要。
サイズが合ったシューツリーは適度なテンションで革靴の形状をキープしつつ、内部の湿度をコントロールしてくれます。
靴のサイズに適したシューツリーは、革靴のコンディションを良好に保つために重宝します。
シューツリーは価格が高いのがネックだが…
そんな優れた機能を持つシューツリーですが、価格が比較的高いのがネック。
「比較的」とはどういうことかといいますと…。
木製のシューツリーは、プラスチック製のシューキーパーと比べてお値段設定が高めです。
それもそのはず。
そもそもの原材料費が違いますからね。
安価な原料で成形も容易なプラスチックシューキーパーと、木材を使って削りだすシューツリーとでは、製造コストが全く違います。
木製のシューツリーが高くなるのは、当然といえば当然なのです。
しかし、価格が高くてもそれを補って余りある特長があります。
それが先ほど述べた、吸水・調湿作用です。
木材には湿度をコントロールする機能があります。
周囲の湿度が高いときは湿気を吸い込み、周りが乾燥しているならば水分を吐き出す、といった作用です。
つまり、シューツリーを革靴に入れておけば、
- 汗を吸った革から水分を取り除ける
ということ。
シューツリーの吸湿作用は木製ならでは。
プラスチック製のシューキーパーにはない優れた特長です。
また、木材には消臭機能があるため、
- 足のニオイが気になる方にも木製のシューツリーはオススメ
です。
価格別!オススメのシューツリー
さて、ここからはシューツリーをご紹介していきます。
この記事では価格別に3種類のシューツリーの詳細をまとめました。
- コロニル:アロマティックシダーシューツリー
- マーケン:ディプロマットシダーシューツリー
- サルトレカミエ:SR300EX
価格が違うのはもちろん、それぞれに特長があります。
ちなみに、上記は価格が安い順に並べています。
シューツリー選びの参考になれば嬉しいです。
コロニル|アロマティックシダーシューツリー
ドイツのシューケアブランド「コロニル(Collonil)」のアロマティックシダーシューツリーは、消臭・抗菌作用のあるアロマティックシダーを使ったシューツリーです。
履きジワを伸ばし、靴の形を整えてくれます。
シングルチューブ構造でとてもスリム。
サイズはS・M・L展開。
それぞれ対応するサイズが比較的広いため、使いやすいシューツリーです。
多くの革靴のサイズに対応する分、アッパーのフィット感は後述の2種類に劣ることもあるかもしれません。
しかし、ソールの反りを防ぐ効果と消臭予防効果は確かなものがあります。
シューツリーのサイズ展開 | 靴の対応サイズ目安 |
メンズS | 24.0 ~ 25.5 cm |
メンズM | 26.0 ~ 27.0 cm |
メンズL | 27.5 ~ 30.0 cm |
レディースS | 22.5 ~ 23.0 cm |
レディースM | 23.5 ~ 25.0 cm |
マーケン|ディプロマットシダーシューツリー
マーケン(MARKEN)社のディプロマットシダーシューツリーは、丸みのあるがっしりしたデザインの革靴や外羽式の革靴に合うシューツリーです。
コロニルのアロマティックシダーシューツリーに比べて、甲が低く幅の広い革靴にオススメの形状をしています。
アロマティックシダーシューツリー同様、アロマティックシダーを使用。
そのため、シダーの独特な香りが感じられます。
前後のパーツを2本の金属柱でつないだツインチューブタイプなので、どっしりとした作り。
そのため、横方向にもしっかりとテンションがかけられる仕様。
その分、ちょっと価格がお高めです。
シューツリーのサイズ展開 | 靴の対応サイズ目安 |
39 | 24.0 cm |
40 | 24.5 〜 25.0 cm |
41 | 25.5 cm |
42 | 26.0 〜 26.5 cm |
43 | 27.0 〜 27.5 cm |
サルトレカミエ|SR300EX
SR300EXはサルトレカミエ(Sarto Recamier)が展開するシューツリーの一種。
最大の特長はネジ式タイプなこと。
ネジをゆるめてパーツをスライドさせてサイズ調節します。
微調整が可能です。
それにより、革靴に対してジャストサイズで固定できます。
ジャストサイズで調節できるということは、靴に余計なテンションをかけずにすむということ。
過度な負荷によって革が伸ばされるのを防げます。
日本製の靴やアメリカ製の靴など、幅広い形状の革靴にフィットします。
SR300EXの形状としては、幅は標準サイズ、甲部がやや高い形状です。
材質はニスで仕上げたブナ材。
シューツリーのサイズ展開 | 靴の対応サイズ目安 |
38 | 24.0 ~ 24.5 cm |
39 | 24.5 ~ 25.0 cm |
40 | 25.0 ~ 25.5 cm |
41 | 26.0 ~ 26.5 cm |
42 | 26.5 ~ 27.0 cm |
43 | 27.0 ~ 27.5 cm |
44 | 28.0 ~ 28.5 cm |
45 | 29.0 ~ 30.0 cm |
シューツリーの選び方
シューツリーはどれも優れた特性を持ち、あなたの革靴を型崩れから守り、良好なコンディションに保ってくれます。
ただ、
という人もいらっしゃるでしょう。
ということで、この項目では、
というポイントをお伝えします。
結論、以下の基準で選べばOKです。
自分にピッタリなシューツリーを見つけましょう。
シューツリーの仕様をざっくり比較
これまでにご紹介したシューツリー3点を比較してみます。
価格も大事!シューツリー選び
本記事では、価格別にオススメのシューツリーを3種類ご紹介しました。
お気に入りの革靴を長く履き続けるためには、シューツリーの利用が必須です。
シューツリーは革靴の形状を美しく保ち、型崩れを防止。
また、足の汗を吸った革から水分を除去する効果もあるため、カビの発生を防いでくれます。
そんな優れた特性ゆえ、プラスチック製のシューキーパーよりも価格が高め。
ですが、それ以上の満足度と機能性をもたらしてくれるのがシューツリーです。
プラ製よりは高価なものの、多様な木製シューツリーには価格の幅があります。
革靴にフィットするかは何より大事ですが、価格も考慮するとシューツリー選びが捗ります。
この記事が少しでもシューツリー選びの参考になれば幸いです。
それでは、今回はこの辺で。
ご覧いただき、ありがとうございました!
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大事な革靴を劣化させないために靴を磨いてコンディションを整えるのがおすすめです。