- シューキーパー(シューツリー)
を使っていますか?
革靴を履いたあと、何もせずにそのままにしていると靴の型崩れが起きます。
せっかくの美しいシルエットが台無しに…。
加えて、革が汗を吸っているので、
- 湿気による革のダメージ
- カビや雑菌の繁殖
が発生する恐れも…。
シューキーパーを使えば、上記の不安要素を取り除けます。
革靴ライフをより充実したものとしてくれるのです。
本記事ではシューキーパー11種類の特徴を比較して選び方とおすすめのタイプを解説します。
外観 | ブランド・メーカー | 素材 | 特徴 |
---|---|---|---|
キャンドゥ | プラスチック | 安価で軽い | |
スコッチグレイン | プラスチック | 安価なプラ製ながら左右非対称で使いやすい | |
ララウォーク | プラスチック | 左右非対称タイプでシンプルデザイン | |
マーケン | 木製 | 調湿・消臭・除菌効果に優れる | |
スレイプニル | 木製 | 幅広のワークブーツに適した形状 | |
ブリガ | 木製 | 甲高で高さ方向へのテンションが掛けやすい | |
無印良品 | 木製 | 木製シューキーパーとしては比較的安価 | |
コロニル | 木製 | 可動域が大きく革靴の適用サイズ広い | |
サルトレカミエ | 木製 | 縦方向のバネの力が無く過度な力をかけずに形状保持可能 | |
スコッチグレイン | 木製 | ネジの可動域が広く革靴の対応サイズが比較的広め | |
ダイソー | 木製 | 安価だが過度な力が掛かるため革が伸びやすい |
サイズ | 縦方向に伸び縮みするバネ式チューブタイプがおすすめ |
大きすぎず小さすぎない
価格 | プラスチック製のシューキーパーは低価格 予算を踏まえて木製とプラスチック製を使い分けるのがおすすめ |
木製で精巧な作りのシューキーパーは高価格
吸湿性 | 木製の中でもシダーは防菌作用がある |
木製は調湿機能があり革靴の内部環境を整える
まとめると、木製でチューブ式のシューキーパーがおすすめです。
という人は以下の結論だけお伝えします。
- 基本は木製でチューブ式・またはネジ式を選ぶべき
- ただし、予算が厳しいならプラスチック製シューキーパーをチェック
上記の選び方がおすすめです。
シューキーパーは靴の形状を美しく保つシューケア用品
シューキーパー(シューツリー)はシューケアアイテムの1種です。
革靴の履き口から差し込んで使います。
革靴にシューキーパーを入れると革にテンションが加わり、靴の形状を美しくキープできます。
洋服でいうところのハンガーのような存在です。
シューキーパーを使わないと革靴の形が崩れ、せっかくの上品な佇まいが台無しに…。
革靴をいつまでも美しい状態にキープしたいなら、シューキーパーの活用はマストです。
シューキーパーの種類
一口でシューキーパーといっても、その種類は多岐に渡ります。
工夫を凝らしたシューキーパーが各メーカーから多く販売されていますよね。
そんな数多くの種類があるシューキーパー。
種類によって何が違うのかといいますと、大きく異なる要素としては素材と形状。
この2点がシューキーパーの機能に大きく関わってきます。
それぞれどのような違いがあるのか…。
メリットとデメリットを見ていきましょう。
シューキーパーの素材
シューキーパーの素材としてよく目にするのは、
- プラスチック製
- 木製
上記2種です。
各素材の特徴は以下の通り。
- 形状保持
- 除湿機能
- 防臭機能
- 重い
- 高価格
- 形状保持
- 軽い
- 低価格
プラ製のシューキーパーは革靴の形状維持機能はもちろんのこと、軽くて比較的安価な特長があります。
一方で、木製のものは形状維持だけでなく、汗で蒸れた靴内の吸湿や消臭機能を有します。
木製のシューキーパーはシューツリーとも呼びます。
木という素材は周囲の湿度が高い環境であると水分を吸収し、逆に湿度が低いと自身に含まれる水分を周囲へと発散するという湿度コントロールを行います。
また、木そのものの香りで靴内の匂いを打ち消したり、木の中に含まれている成分によって殺菌作用も得られます。
しかし、プラスチック製のシューキーパーと比較すると木製のシューキーパーは価格が高いです。
また、重みもあります。
各シューキーパーそれぞれの特徴に見合った使い方をすることで、靴を長持ちさせることに繋がります。
そういう意味では、プラスチックと木、それぞれ一長一短といいたいところなのですが…。
しかし、一般的には、
- 木製のシューキーパーの使用が推奨される
ことが多いです。
個人的にも、プラスチック製よりも木製のシューキーパーがおすすめです。
特に、革靴を管理する場合、革に含まれる水分調節機能を持った木製の方が好ましいのは火を見るより明らか。
僕の場合、プラスチック製のシューキーパーは、スニーカーやサボなどのそこまでケアに気を使わない靴や、価格的に木製シューキーパーに手が出せないときに使用しています。
シューキーパーの形
シューキーパーの形には、大きく以下の3種類があります。
- チューブタイプ
- ネジタイプ
- バネタイプ
それぞれの違いは、つま先とかかとの接続部の形状の違いによるものです。
まず、チューブタイプとはつま先部分とかかと部部がチューブで繋がっているタイプのもの。
チューブの先端にバネが内蔵されており、バネによって靴に対して前後にストレスをかけて革を伸ばします。
ネジタイプのシューキーパーは、つま先部分とかかと部分の長さ調整が可能。
調整後にネジで固定するタイプです。
ネジタイプはあらかじめ使用する靴と同じ長さに調整して靴に入れるため、チューブタイプに比べて強いストレスをかけずにすみます。
ネジタイプのシューキーパーは、革靴の形状にジャストフィットさせるイメージです。
バネタイプはつま先部分とかかと部分が直接バネで繋がれており、最もシンプルな構造。
靴に投入するとバネが折り曲がって力がかかるため、バネのストレスが靴の前後だけでなく上方向にもかかります。
上の写真を見るとバネタイプのシューキーパーの効果が分かりやすいですね。
また、シューキーパーのかかと部分は靴のかかと部分との接触面が小さい形状のものが多いのが特徴の1つ。
長期間使用し続けると、靴のかかとに対して局所的に強い負荷がかかり革が伸びたり、かかとの形状が崩れてしまうことがあります。
以上のご説明で分かる通り、上記の3つの中でおすすめは、
- チューブタイプ
または、
- ネジタイプ
です。
靴の形状保持という観点で見れば、バネタイプの使用は極力避けたいところ。
ただ、シューキーパーを使用しないことが最も悪いことなのは間違いありません。
シューキーパーを使用しないよりはバネタイプを使用した方が靴の状態を保つ上では良いことではあります。
バネタイプのシューキーパーは最も安価ですから、入門編としてはOK。
本格革靴を手に入れたら、チューブタイプ、またはネジタイプのシューキーパーを使いましょう。
愛用中のシューキーパーたちを特徴と共に紹介
シューキーパーの素材や形状の種類について述べたところで、僕が日頃から使っているシューキーパーたちの一部を紹介します。
それがこの子たち。
外観 | ブランド・メーカー | 素材 | 特徴 |
---|---|---|---|
キャンドゥ | プラスチック | 安価で軽い | |
スコッチグレイン | プラスチック | 安価なプラ製でありながら左右非対称で使いやすい | |
ララウォーク | プラスチック | 左右非対称タイプでシンプルデザイン | |
マーケン | 木製 | 調湿・消臭・除菌効果に優れる | |
スレイプニル | 木製 | 幅広のワークブーツに適した形状 | |
ブリガ | 木製 | 甲高で高さ方向へのテンションが掛けやすい | |
無印良品 | 木製 | 木製シューキーパーとしては比較的安価 | |
コロニル | 木製 | 可動域が大きく革靴の適用サイズ広い | |
サルトレカミエ | 木製 | 縦方向のバネの力が無く過度な力をかけずに形状保持可能 | |
スコッチグレイン | 木製 | ネジの可動域が広く革靴の対応サイズが比較的広め | |
ダイソー | 木製 | 安価だが過度な力が掛かるため革が伸びやすい |
素材や形状の異なるシューキーパーです。
こうして見ると、あらためてシューキーパーのバリエーションは豊富と感じます。
素材編:プラスチック製シューキーパー
まずは素材編。
プラスチック製のシューキーパーから登場してもらいましょう。
ではどうぞ。
キャンドゥのシューキーパー
まずはこちら。
100円ショップのキャンドゥ(CAN★DO)で購入した、100円シューキーパーです。
プラスチックですが、ほどほどの弾力性があり、靴に入れる分には割れる心配はなさそう。
一年以上使用していますが、全く問題なく使用できています。
安価なのに丈夫。
おまけに、軽いので取り回ししやすいというメリットもあります。
重くないので靴磨きがしやすいというのも嬉しいポイント。
針金の位置調整を行うことでサイズ調整が可能で、靴のサイズ問わず使用できます。
スコッチグレインのシューキーパー
続いても同じく、プラ製シューキーパー。
こちらはスコッチグレインの革靴を購入すると付属しているシューキーパーです。
赤い本体と金色の「SCOTCH GRAIN」ロゴがが目立つ、デザイン性高めのシューキーパー。
ちなみに、スコッチグレインの中でも上位グレードの革靴を購入すると、付属してくるシューキーパーは木製になります。
先ほどのキャンドゥのシューキーパーは左右の区別は無かったですが、スコッチグレインのシューキーパーだとちゃんと左右で形状が異なります。
より革靴の形に沿うようになっているというわけ。
サイズ調整もキャンドゥのものと同じ機構を用いているので可能です。
ララウォークのシューキーパー
ララウォークのシューキーパーはシンプルなブラックのデザインがスタイリッシュなアイテム。
こちらのシューキーパーも左右非対称。
左右それぞれの靴にフィットしやすい形状で、革靴の型崩れ防止に大きく貢献します。
プラスチックシューキーパーの大まかな傾向としては以下のメリットがあります。
- 安価
- 軽量
素材編:木製シューキーパー(シューツリー)
この記事で紹介するシューキーパーのうち、すでに解説したプラスチック製の2種以外は木製のアイテムとなります。
まずは大雑把に、木製シューキーパーの特性について説明しますね。
この記事の前半部でも少し述べましたが、木製シューキーパー特有の効果としては、以下の項目があります。
- 調湿
- 除菌・消臭
- 形状維持効果が高い
長期間履いた靴はたくさんの汗を吸います。
そんなとき革靴のような履き口が狭い靴の場合、汗の逃げ場が狭く、靴の中が蒸れてしまいます。
蒸れた状態を長時間放置するとどうなりますか?
梅雨の湿度が多い時期はカビが出ますよね。
それ、靴の中でも起きます。
湿度が高い状態が長く続くと、カビやその他雑菌が繁殖しやすくなります。
それがイヤなニオイを誘発するのです。
履いた後の靴に木製シューキーパーを入れてあげれば木が革靴内の水分を吸ってくれて、靴の外に放出してくれます。
いわゆる、
- 木の呼吸
というやつですね。
水分を除去できれば靴の中の蒸れが原因の雑菌の繁殖も抑制される、というわけ。
これはプラスチック製のシューキーパーにはない効果です。
また、木製のものは木そのものに硬さがあるので、しっかりと靴の型崩れを防止することもできます。
木製シューキーパーのメリット・デメリットを述べたところで、次は形状の違いについてご説明します。
木製シューキーパーの中にもいくつか種類がありますから、要チェックです。
形状編:チューブタイプ
形状ごとのシューキーパー。
まずはチューブタイプ。
甲部とかかと部が金属製のチューブでつながっている構造のもので、チューブの先にバネが内蔵されています。
このバネがシューキーパーを靴に入れたときに、負荷をかける役割を果たして靴の履きジワをしっかりと伸ばしたり、靴の型崩れを防止したりします。
マーケンのシューキーパー
そんなチューブタイプのシューキーパー。
1つ目はこちらです。
こちらはアメリカのシューツリーメーカーである、マーケン(MARKEN)が製造・販売を手がけているシューキーパー。
主に米国アーカンソー州ホットスプリングス産のアロマティックシダーを使用して、かつリーズナブルな価格で品質の高いシュートゥリーを日本国内に提供しているメーカーです。
また、サルヴァトーレフェラガモやメフィストUSAなどのOEM製造(相手先ブランド製造)を手がけており、高い技術レベルを誇っているのも特長。
アロマティックシダーを使っているため、調湿・消臭・除菌効果は折り紙付き。
甲部とかかと部が2本のチューブで繋がっていて、このタイプをダブルチューブといいます。
ダブルがあるということは当然、シングルもあります。
その辺は後述しますね。
つま先の外側にくぼみがありますよね?
この部分にはネジが設置してあります。
ドライバーで回せるようになっているのです。
クルクル回して締めていくと…
ネジを締めたことで、甲の中央部の割れているところ(スリット)の幅が狭まっています。
もう片方と比較してみましょう。
幅が全然違いますね。
実はこれ、幅のサイズ調整のためのネジ穴です。
細身の革靴だとありがちなのですが、靴にシューキーパーを入れるとき、シューキーパーの甲部が履き口周辺に引っかかってしまって、それ以上入らないことがあります。
革靴とシューキーパーのサイズがバッチリあっていれば、そんな現象は起こらないのですが…。
全ての靴にそれ専用のシューキーパーをあてがうのはコストがかかります。
ときには、シューキーパーを転用したいとき、ありますよね?
そんな時に横幅のサイズを狭められると、
- 靴に合った大きさに調整できて使い回しが利く
ということなのです。
スレイプニルのシューキーパー
2つ目はスレイプニル(Sleipnir)のシューキーパーです。
こちらもダブルチューブタイプ。
力を加えると、甲部とかかと部がくっつきます。
革靴の中ではこのような状態となり、そのバネの反発力を利用して革を伸ばすというわけです。
スレイプニルのシューツリーもまた、甲部分がバネで横方向にテンションが掛けられる仕様。
幅もネジを絞めたり緩めたりして微調節できます。
先ほどのマーケンディプロマットシューツリーに比べると、ゴールドのロゴが高級感を醸し出し、よりスタイリッシュな印象が強いです。
もともと幅広の設計のためワークシューズなど、カジュアルな革靴に合いやすいシューキーパーですよ。
ブリガのシューキーパー
3つ目はブリガ(BRIGA)のシューキーパー。
エス・アイザックスが展開するブランド「BRIGA(ブリガ)」。
BRIGAのシューキーパーはダブルチューブの木製シューツリーです。
甲高設計になっており、革靴の立体的で美しいフォルムをしっかりキープします。
イギリスの伝統的な革靴の木型をベースとしているため、細身のドレスシューズやレースアップシューズに特におすすめ。
先ほどまでに紹介した、つま先が割れているサイドスプリット型ではなく、割れていないプレーン型。
横方向へのバネが効かないのがマーケンやスレイプニルのシューキーパーとは異なる点です。
その分、甲高由来の高さ方向への負荷をしっかり掛けられるのが特徴。
くびれのある、細身で上品なヨーロッパブランドのシューズにピッタリのシューキーパーです。
無印良品のシューキーパー
ここからはシングルチューブのシューキーパーの紹介に移ります。
ダブルチューブに比べるとどっしり感は劣りますが、その分軽めです。
どちらのタイプでも革靴の形状保持はしっかりできます。
お好みで選んでみてください。
シングルチューブタイプの1つ目はこちら。
無印良品のシューキーパー。
こちらはレッドシダーから作られているシューキーパーで、無印良品らしい、かなりシンプルなデザインです。
甲部は中央にスリットがあり、前後方向に力が加わると上の写真のように横幅が広がる仕様。
これにより、靴に入れた際、前後だけでなく横方向にも負荷がかかり、全体的に革を伸ばす効果が得られます。
木製のシューキーパーは比較的価格が高いものが多いですが、この無印良品のシューキーパーは2000円台と木製シューキーパーにしては破格の安さです。
コロニルのシューキーパー
シングルチューブタイプの2つ目はこちら。
先ほどの無印良品のものはロゴもなく、チューブもシルバーでシンプルなデザインでしたが、こちらは金色のプレートに「Collonil」のロゴが入り、チューブもゴールド仕様。
高級感をかもし出しています。
コロニルといえば、1909年創業のドイツのメーカーで、レザーケアアイテムのトップブランド。
栄養クリームで有名な1909 シュプリームクリームデラックスもコロニルの製品です。
- 皮革に優しい
- 人体に優しい
- 環境に優しい
上記をブランドコンセプトに、機能性や品質の高さだけでなく、環境に配慮した商品作りにおいても世界中で大変高い評価を受けています。
このコロニルのシューキーパーもアロマティックシダーを使用しており、型崩れ・靴底の反りを防止するとともに、靴内の湿気を吸収して嫌なにおいを予防する効果があります。
以上がチューブタイプのシューキーパーでした。
チューブに内蔵されているバネと甲部のネジ、あるいはスリットにより、一つのシューキーパーである程度の靴のサイズをカバーできます。
チューブタイプは総じて汎用性が高いタイプといえます。
形状編:ネジタイプ
次はネジタイプのシューキーパー。
ネジを回してサイズの微調節ができる種類のアイテムです。
サルトレカミエのシューキーパー
まずはこちらのシューキーパーから紹介します。
サルトレカミエ(Sarto Recamier)のシューキーパーです。
サルトレカミエはシューケア用品を手がけるR&Dが開発したシューツリーブランド。
「Sarto」はイタリア語で仕立て屋・仕立人を意味し、「Recamier」は歴史上もっとも美しい女性といわれたレカミエという名に由来します。
その心は「歴史上、最も美しい靴木型を造る仕立屋」という意味。
ネジ式のシューキーパーで、甲部とかかと部間の長さを調整した後にでネジで締めて固定化させる仕様。
この機構によってミリ単位での調整が可能となり、ジャストサイズに固定できます。
また、チューブタイプのようにバネの力が無いので、靴にテンションをかけずに形状を整えられるのも特長。
靴にかかる負荷を抑えられるので、繊細な革を使用した靴に使いたいです。
また、チューブタイプのような甲部とかかと部の接続箇所が空洞ではないため、単純に使用している木の体積が大きく、その分、水分吸収能力も高め。
上の図のように、ネジを緩めると甲部がスライドして長さ調整ができるようになっています。
ゴールドのタグは高級感ある佇まい。
サルトレカミエのシューキーパーを靴に入れると、なんともいえない高揚感が味わえます。
スコッチグレインのシューキーパー
スコッチグレイン(SCOTCH GRAIN)のシューキーパーは木目が美しいシンプルなデザインのアイテムです。
ネジタイプでサイズ微調節が可能。
バネを使っていないため負荷をかけず、純粋にシューツリーの形状で革靴の形をキープします。
革を過度に伸ばしすぎない安心設計です。
可動域が長く、対応する革靴のサイズが広いのが魅力です。
スコッチグレインのシューキーパーを革靴に入れてみると、こんな仕上がりに。
しっかりフィット。
ネジ式なので過度にきついフィッティングにならず、程よく余裕のあるテンション。
革靴の形状を優しくキープできますよ。
形状編:バネタイプ
形状編、最後はバネタイプ。
バネタイプのシューキーパーは甲部とかかと部が直接、バネで繋がれた構造を持ちます。
かかと部もこれまでにご紹介した木製シューキーパーとは異なり、体積が小さく設定されているものが多く、靴との接触面が比較的小さいです。
そのため、靴のかかとにかかる負荷が大きく、長期間使用すると靴の型崩れの原因となることも…。
バネ式のシューキーパーを使うことによる靴の型崩れリスクについては、後ほど写真付きで説明します。
バネ式のシューキーパーは長時間使うことでの型崩れのリスクはあるものの、価格は低く抑えられている傾向にあります。
僕が所持しているバネタイプのシューキーパーは1種類のみ。
それがこちらです。
100円ショップでおなじみ。
ダイソー(DAISO)のシューキーパー。
100円ショップですが、一本150円で販売されています。
一足分(2本)だと300円ですが、それでもシューキーパーとしては破格のお値段。
このようにバネが曲がる構造です。
実際に革靴に入れてみましょう。
バネが大きく曲がり、靴のアッパーに負荷をかけていることが分かりますね。
革をしっかり伸ばせています。
ですが、かかとを見てください。
かかとの1点にバネの力が集中しています。
この状態で長期間保管しているとその箇所の革が伸びてしまい、最終的に革靴の型崩れを引き起こすのです。
革靴の型崩れを防止するのがシューキーパーの役目にもかかわらず逆の効果をもたらすことに…。
そのため、バネタイプのシューキーパーの使い方として、
- 靴を脱いだ後
- 一晩だけ靴に入れて汗を吸収させて
- その後取り出す
という方法がおすすめの活用方法。
革靴が最も型崩れしやすいのが、汗などの水分で湿った後の乾燥するときです。
そのタイミング、ピンポイントでバネ式のシューキーパーを入れておくだけでも革靴の型崩れ防止には効果を発揮します。
比較的安価なので、シューキーパーを初めて使う方などの入門編としては良いかもしれません。
以上が僕の所持するシューキーパー8種です。
シューキーパーの選び方|おすすめは?
シューキーパーを選ぶときには以下の点に意識を向けると、満足度の高いアイテムをゲットできます。
- シューキーパーのサイズ
- シューキーパーの価格
- シューキーパーの吸湿性
シューキーパーのサイズ
革靴は履き続けるうちに足からのテンションが加わり、形が歪みます。
シューキーパーはそんな革靴の歪みを矯正します。
シューキーパーが革靴の内側から縦や横にテンションを加え、シワ伸ばし。
そのため、サイズが小さすぎると、革靴に十分なテンションを加えられません。
シューキーパーは靴に合ったサイズ選びをしましょう。
逆に、大きすぎると靴に入りません。
バネ式のシューキーパーの場合、縦方向に伸び縮みするため、ある程度適用サイズに融通が利き、便利です。
別の革靴への使い回しもできますよ。
日本 | UK | EU | US |
24.5 | 5.5 | 40 | 6.5 |
25.0 | 6 | 40.5 | 7 |
25.5 | 6.5 | 41 | 7.5 |
26.0 | 7 | 41.5 | 8 |
26.5 | 7.5 | 42 | 8.5 |
27.0 | 8 | 42.5 | 9 |
27.5 | 8.5 | 43 | 9.5 |
28.0 | 9 | 43.5 | 10 |
28.5 | 9.5 | 44 | 10.5 |
29.0 | 10 | 44.5 | 11 |
29.5 | 11 | 45 | 12 |
シューキーパーの価格
基本的に、シューキーパーは革靴の形状を精度良く再現するほど価格が上がります。
木製で靴の形状を精巧に模ったシューキーパーは高く、プラスチック製でざっくりと成形されたシューキーパーは比較的お安めです。
木製でも、木の種類によって価格が変動することもあり、シューキーパー選びにおいて価格は大事な判断指標です。
基本的に、靴の種類や数を踏まえ、お財布事情と相談しながらシューキーパーを選ぶと良いでしょう。
1軍・2軍と革靴を履き分けている人ならば、
- 1軍の靴には木製の価格高めのシューキーパー
- 2軍の靴にはプラスチック製の安価なシューキーパー
といったように。
無理なく使い分けるのがおすすめです。
あくまでも、シューキーパーを使わないことが革靴にとって最も良くないことですからね。
シューキーパーの吸湿性
また、外回りでよく汗をかく人には、断然木製シューキーパーがおすすめ。
足も汗をかくため、革靴が汗を吸いやすいです。
脱いだ後にそのまま放置していると雑菌の温床に…。
木製シューキーパーならば、汗を吸ってくれるため、靴内部を清潔に保てます。
シダー製なら、防菌効果もあるためベター。
プラスチック製だと革靴が吸った汗を吸わないため、カビが生えてしまうかもしれません。
大事な革靴は木製シューキーパーで守りましょう。
自覚がなくても、1日で足から出る汗は両足で200cc(コップ1杯分)と言われています。
営業の外回りで汗をかく人以外でも、シューキーパーは吸湿性の高い木製を選ぶに越したことはありません。
木製のチューブ式・ネジ式のシューキーパーなら安心
種類が多すぎて迷ってしまうという人には、基本的に、
- 木製
で、
- チューブ式
または、
- ネジ式
のシューキーパーを選ぶのをおすすめします。
というのも、木製のシューキーパーは履いた後に汗を吸った革靴の内部環境を除湿し、清潔な状態を保てます。
また、チューブ式あるいはネジ式のシューキーパーは革靴に適度なテンションを加え、革靴の形状を整えるとともに、過度な力で革を伸ばしすぎる心配もありません。
ただ、どうしても価格は高め。
という人は、プラスチック製のシューキーパーをチェックしてみると良いでしょう。
シューキーパーの選び方をまとめると、
- 基本は木製でチューブ式・またはネジ式を選ぶべき
- 予算が厳しいならばプラスチックシューキーパーをチェック
という判断基準がおすすめです。
大事に履きたい革靴ならば木製のチューブ式・ネジ式タイプのシューキーパー一択といって過言ではありません。
- 高価な革靴を長持ちさせて、大事に履きたい人
- 革靴の内側を清潔に保ちたい人
- 価格を抑えて、革靴の型崩れを防ぎたい人
とはいえ、おすすめしたいのは圧倒的に木製のチューブタイプあるいはネジタイプのシューキーパーです。
シューキーパーのサイズ選びに迷ったら
シューキーパーは革靴の履きジワをしっかり伸ばすことが大事。
つまりは、革靴に合ったサイズ選びが重要です。
シューキーパーを選ぶとき、実際に革靴へ入れてフィット感を確かめられれば理想なのですが、試着できないことが多いです。
シューキーパーを取り扱っているお店に行く必要があり、なおかつ、お目当てのサイズが試着できるようにサンプル品が展示されていなければなりません。
都会ならまだしも、シューキーパーのサイズや種類が豊富に取り揃えられ、かつ試着が可能な状態のお店はそうそうありません。
ですが、シューキーパーを購入しないことには、革靴を履き下ろせませんよね?
そんなときにオススメなのが、先ほどご紹介したコロニルのアロマティックシダーシューツリーです。
アロマティックシダーシューツリーはシングルチューブで縦の伸縮に融通が利き、しかも甲部分が縦に割れたセンタースプリットタイプで横方向への広がりやすさも確保。
つまりは、適応サイズが広いのです。
コロニルのシューキーパーのサイズ展開としては、以下の通り。
- Sサイズ
- Mサイズ
- Lサイズ
シューツリーのサイズ | 革靴の適用サイズ |
Sサイズ | 24.0cm~25.5cm |
Mサイズ | 26.0cm~27.0cm |
Lサイズ | 27.5cm~30.0cm |
- Sサイズ
- Mサイズ
シューツリーのサイズ | 革靴の適用サイズ |
Sサイズ | 22.5cm~23.0cm |
Mサイズ | 23.5cm~25.0cm |
上記の通り、メンズが3サイズ、レディースが2サイズ展開。
1つのシューキーパーのサイズで、革靴のサイズバリエーションに比較的広く対応可能です。
コロニルのアロマティックシダーシューツリーは、サイズ選びが重要なシューキーパーの中にあって、サイズ選びに失敗しにくいシューキーパーといえます。
サイズの適応範囲が広めのコロニルのシューキーパーを詳しく見る
シューキーパーのよくある質問|Q&A
この項目ではシューキーパーについて、以下のよくある質問にQ&A形式でお答えしていきます。
シューキーパーは何個必要?
基本的には靴の数だけ必要です。
上のボックスをクリックすると回答が見れます。
シューキーパーは革靴やスニーカーの型崩れを防ぐためのアイテムです。
服でいうところの「ハンガー」のような存在なので、靴の形状やサイズの合ったシューキーパーが必要。
靴の長さだけでなく、幅や高さも重要。
そのため、1足ずつ靴に合ったシューキーパーを準備するのがおすすめです。
ただし、お財布事情でどうしてもシューキーパーが用意できず、靴の数に対してシューキーパーが足りない場合。
履き終わった後だけシューキーパーを入れ、1~2日程度経ったら外して、他の靴に使い回すのが良いです。
というのも、靴の型崩れは汗を吸った靴が乾くときに最も起こりやすくなります。
靴を脱いだ後、汗が乾くまでの間だけでもシューキーパーを入れておけば、まったく使わないよりも型崩れを防ぎやすくなります。
先ほどの回答中の、
の「基本的には」の意味は上記のやむをえない場合のとき。
なるべく、靴の分だけ用意するのがベターです。
シューキーパーのサイズの目安は?
投入時にきつすぎず、甲革やかかとが張る状態のサイズを選びましょう。スニーカー用のシューキーパーの場合は、サイズ小さめでも履きジワ部分が伸びればOKです。
上のボックスをクリックすると回答が見れます。
シューキーパーのサイズは、投入する靴のサイズを大きく外れないことが重要です。
具体的には、
- きつすぎず、ゆるすぎず
履き口からシューキーパーを入れるとき、引っかかって力を込めないと投入できないのなら、そのシューキーパーは大きすぎです。
そのまま無理に入れると、革を過度に伸ばしてしまい、足へのフィット感がゆるくなってしまうかも…。
逆に、シューキーパーは小さすぎても意味をなしません。
革靴の内側からしっかりとテンションをかけ、履きジワや形状の崩れを正すのが役目ですからね。
シューキーパーを入れた後、甲革を上と横から指で押し込んでみて、スペースが余りすぎているなら小さい証拠。
革のシワが伸びる程度にテンションがかかるシューキーパーを選んでみてください。
シューキーパーはいつ入れる?
履き終わったらすぐに入れましょう。ひどく濡れた靴は、半日程度、内側を乾燥させた後で投入すると良いです。
上のボックスをクリックすると回答が見れます。
シューキーパーは、帰宅して靴を脱いだ後にすぐに入れてOKです。
革靴の形状が崩れやすいのは、靴が吸った汗が乾くとき。
シューキーパーを入れないと、靴が吸った水分が乾くときに型崩れを起こすリスクが生まれます。
- 湿気がこもらないように、靴を脱いでからすぐにはシューキーパーを入れない
という意見もありますが、木製のシューキーパーなら水分を吸ってくれるので安心。
靴の内側の水分を調節し、カビの発生を防ぎます。
プラスチック製シューキーパーの場合、水分を吸収する機能がないため、靴を脱いだ後は数時間時間を置いてからプラ製シューキーパーを入れましょう。
シューキーパーは靴に入れっぱなしでも良いの?
入れっぱなしでOKです。シューキーパーには自分がその靴を履いていないときにも自らの足の分身として形をキープする役割があります。ただし、バネタイプのシューキーパーに関しては入れっぱなしはNGです。
上のボックスをクリックすると回答が見れます。
先ほども述べましたが、シューキーパーは靴のハンガーのような存在。
自分の代わりに靴を履き続け、靴の型崩れを防ぎます。
そのため、シューキーパーは靴に入れっぱなしでOKです。
だからこそ、靴の分だけシューキーパーを揃えたほうが良いという側面があります。
ただし、バネタイプでかかとに過度なテンションがかかるシューキーパーに関しては、入れっぱなしはいけません。
かかとに無理な力が長時間かかるため、かかとの革が伸びてしまい、形状が崩れます。
- 靴の形をキープするためのシューキーパーによって型崩れが起きる
なんて、本末転倒なことが起きてしまいますからね。
バネタイプのシューキーパーは靴のお手入れのときだけなど、シーンを選んで活用しましょう。
シューキーパーの特徴を比較
最後に、シューキーパーの種類別に特徴を以下にまとめました。
こうしてみると各種類、メリット・デメリットがあり、それぞれ特徴があることがわかります。
これらはあくまで、僕が今まで使用してきた印象で感覚的に判断したものです。
そのため、他の人が実際に使ってみた印象とは異なるかもしれません。
履いている靴の形状にも左右されますし、遠方への旅行や出張が多い人の場合、
ということもあるでしょう。
様々なシューキーパーをたくさん試してみて、
こともまた一興です。
シューキーパーの価格が高いなら代替品を使おう
シューキーパーは便利な道具ですが、問題は安くはないこと。
特に、木製のシューキーパーは値段が張ります。
そう安々とは手が出せないかもしれません。
そこで活用したいのがシューキーパーの代替品。
乾燥剤や新聞紙の出番です。
革靴管理には履いた後の水分を取り除くことが不可欠。
ゆえに、靴用の乾燥剤が販売されています。
履いた後の靴に乾燥剤を入れるだけで、革靴内部の環境が守られます。
靴用乾燥剤はある程度靴の形状を模っているため、履いた後の靴の形を整える効果も得られますよ。
より簡易的にシューキーパーの機能を得るためには、新聞紙を活用しましょう。
新聞紙を丸めてざっくり靴の形に整えてから靴に投入するだけでも、まったく何もやらないのとは大違い。
革靴がより長持ちします。
なんて人は靴用乾燥剤や新聞紙を使ってみてください。
シューキーパーの特徴を知り適したシューキーパーを選ぼう
本記事では様々なシューキーパーの特徴を比較しました。
シューキーパーは革靴の形を整え、型崩れを防止してくれるシューケア用品。
革靴管理の必需品です。
素材と形状でいくつかの種類に分かれますが、基本的に、
- 木製
- チューブタイプもしくはネジタイプのシューキーパー
がおすすめです。
革靴の形をがっしり保持し、履き続けるうちに革靴が吸った汗を吸収してくれます。
美しさと清潔さを保てますよ。
シューキーパーにお金を掛けたくない人には、プラスチック製のシューキーパーを推します。
比較的低価格なので複数足分そろえても、懐がいたみにくいです。
革靴の数や自分の用途に合わせ、好みのシューキーパーを選んでみてください。
それでは、今回はこの辺で。
少しでも参考になれば幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました!
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