靴磨きに使う道具はいろいろ。
靴クリームやクリーナーなど。
ブラシもまた重要なアイテムです。
ホコリを落としたり、靴クリームをなじませたり…。
中には靴クリームを靴に塗るための専用ブラシも。
クリーム塗布用ブラシですね。
クリーム塗布用ブラシには以下の特徴が。
- 手を汚さずに
- 必要最低限のクリームを
- 均一に塗り伸ばせる
上記の通り、クリーム塗布用ブラシはとても便利。
その便利さゆえに多くのシューケアブランドが商品展開しています。
ブランド・メーカーによってクリーム塗布用ブラシの形状やデザインはさまざま。
もちろん、特徴も違います。
自分に合ったクリーム塗布用ブラシを使えば、いつもの靴磨きがより捗るというものです。
本記事では、靴磨きのお供に便利なクリーム塗布ブラシをまとめました。
持ち手の形や毛の種類など、それぞれ違うクリーム塗布用ブラシ。
お気に入りの道具を見つける参考になれば嬉しいです。
- 靴クリームで手が汚れるのがイヤだ
- 効率良く快適な靴磨きがしたい
- 靴クリームを塗るのにおすすめのブラシが知りたい
靴磨きで大事なのは保革
革靴にとって靴磨きや日ごろのお手入れは大事です。
なぜなら、革靴は履き続けていくうちに汚れ、また、乾燥していくから。
革靴に付くホコリや水汚れ、油汚れを定期的に落とし、時間とともに革から抜けていく潤いや栄養をカバーしてあげなければなりません。
さもなければ、みるみるうちに革靴がみすぼらしくなってしまいます。
特に、革の乾燥は大敵です。
乾燥した革からはしなやかさが失われ、硬くなります。
硬くなった革は履いて歩いたときの負荷に耐えられず、深いシワが入ったり、最悪の場合は割れてしまうことも…。
乾燥を防ぐためには革へ潤いと栄養を補給してあげる必要があります。
つまりは、保革。
革靴のコンディションを良好に保つためには定期的な保革が必須です。
革のコンディションを整える靴クリーム
革のコンディションを整えて保革を達成するためには靴クリームを使います。
靴クリームは水分や油分、ロウ分を含んだ革靴用のお手入れ用品。
革靴に塗ると潤いと栄養を与えると同時に、ツヤを与えられます。
- 保革と美しさの向上
上記をかなえられる、靴磨きにはマストなアイテムです。
靴クリームには多様な種類があり、それぞれ違った特性を持ちます。
など。
革靴の状態に合わせて使う靴クリームを選べば、靴磨きが捗りますよ。
靴クリームを塗るときの問題点
革靴のお手入れをする上で便利な靴クリームですが、使っていると問題が見えてきます。
靴クリームの問題点とは、具体的に以下の項目です。
- 手が汚れる
- 靴クリームを適量取れない
- 靴に塗りにくい
いずれも作業性に関わること。
なぜ問題なのかを詳しく解説しますね。
手が汚れる
靴クリーム使用時の問題点、1つめは、
- 手が汚れる
こと。
基本的に、靴クリームは指で塗ったり、クロス(布)で塗ります。
各靴クリームの公式の使用方法ではクロスを推奨していることが多いですね。
その場合、ちょっとストレスが…。
靴クリームを指で塗る場合でもクロスで塗る場合でも、手が汚れてしまうのです。
指に直接クリームを取ったら汚れるのは当然ですが、クロスを使った場合でも靴クリームがクロスに浸み込み、結局は手まで汚れることが多々あります。
靴クリームが爪の間に入った日にはげんなり…。
なかなか落ちず、手を洗うのに時間をとられてしまうのです。
なるべくなら手を汚さずに快適に作業したいのが本音です。
靴クリームを適量取れない
靴クリームの問題点の2つめは、
- 靴クリームを適量取れない
こと。
靴クリームを塗るときはごく少量で十分。
片足分で米粒1~2個程度でOKです。
それだけで十分に保革効果があります。
ただ、指につけるにしろ、クロスにつけるにしろ、わずかな量だけの靴クリームを取り分けるのは難しいです。
クロスで靴クリームを塗るときには特に顕著ですが、取りすぎてしまったり、逆にぜんぜん取れていないことがあります。
クリームを取れていないときは、あらためて不足分のクリームを取って塗れば良いのですが…。
靴クリームを取りすぎて塗っしまった場合、革靴のべたつきを招きます。
革表面がべたつくとホコリを吸着しやすかったり、油汚れが付きやすくなったりと、革靴にとって良いことがありません。
革表面に過剰に残った靴クリームが時間とともに酸化して革の風合いを損ねることもあります。
靴クリームを微量だけ取り分けて、革靴に塗布するのが重要なのです。
靴に塗りにくい
靴クリーム使用時の問題点の3つめは、
- 靴に塗りにくい
こと。
指やクロスで靴クリームを塗るのはお世辞にも塗りやすいとはいえません。
指の靴クリームを塗る場合、塗り始めは伸び良く塗りやすいですが、すぐに靴クリームが足りなくなった感触があるため、ついつい靴クリームを足してしまいがちに…。
結果、靴クリームを付けすぎて革靴のべたつきを誘発することになります。
クリームの成分を均一に行き渡らせるのも一苦労です。
コバ周りのこまごましたところには指が入りませんからね…。
クロスを使った場合は、作業性がさらに低下。
そもそも靴クリームをクロスが吸ってしまって、クリームを無駄に多く使ってしまいますし、クロスと革の摩擦で塗り伸ばしにくいです。
指を使った以上に、
と不安になり、ついつい靴クリームを塗りすぎてしまう原因を作ります。
指やクロスで靴クリームを塗っていると、ふとした瞬間に、
と考えるようになります。
クリーム塗布用ブラシは快適な靴磨きを可能にする
それぞれの問題点に対する以下の「こうしたい!」という思い。
- 手を汚さずに作業したい
- 必要最低限だけクリームを取りたい
- ストレスなく靴クリームを塗りたい
いずれをも叶えてくれるのが、
- 靴クリーム塗布用ブラシ
です。
クリーム塗布用ブラシは靴クリームを塗るのに特化したケアブラシ。
主な特徴は、
こと。
一言でいえば、
- 小さいブラシ
です。
クローム塗布用ブラシの小ささは靴クリームを塗るのに特化するため。
小型なので指でつまんで持ちやすく、思った通りに取り回し可能。
力加減の微調節がしやすく、思うがままに操作できます。
加えて、ブラシ面が狭いため、細かな部分にも入り込めます。
細かな装飾や隙間が多い革靴でも、満遍なく靴クリームを塗れるのです。
そう。
クリーム塗布用ブラシは、先ほど述べた靴クリームを塗るときの問題点を一挙に解消してくれるケア用品。
靴磨きの快適性を大きく高める便利な道具。
それがクリーム塗布用ブラシというわけです。
クリーム塗布用ブラシまとめ
靴磨きを捗らせるクリーム塗布用ブラシはとても便利。
だからこそ、多くのシューケア用品ブランドが商品展開しています。
この項目では、メーカー・ブランドの異なるクリーム塗布用ブラシを特徴とともにまとめます。
紹介するのは以下のクリーム塗布ブラシです。
- ペネトレィトブラシ(豚毛)
- ペネトレィトブラシ(馬毛)
- アプライブラシ
- クリームブラシ
- 1909アプリケーションブラシ
それぞれ詳細記事へのリンクとともに説明しますね。
ペネトレィトブラシ(豚毛)
ペネトレィトブラシは最もメジャーなクリーム塗布用ブラシといって過言ではないでしょう。
コロッとした可愛らしい見た目ですが、高機能。
手にすっぽり収まるサイズの小型ブラシで、靴クリームを塗るときにとても便利。
そして、クリーム塗布用ブラシとしては比較的安価。
多くのファンを獲得しているのも納得の道具。
もはや説明不要の大定番シューケア用品です。
ブランド | M.モゥブレィ |
毛の種類 | 豚毛 |
価格 | 440円 |
ペネトレィトブラシ(馬毛)
ペネトレィトブラシは馬毛の種類もラインナップ。
豚毛よりも柔らかな馬毛は、毛筆の様な使用感が特徴。
クリームを塗っている感覚が豚毛よりもダイレクトに手に伝わり、クリームをしっかりと塗り広げられます。
細々した装飾やデザインが多い革小物のケアにおすすめです。
また、優しいタッチの馬毛は革に傷をつける心配がほとんどないため、デリケートレザーにも安心して使えるのが特徴。
具体的にはコードバンやアニリン仕上げのカーフなど。
革小物だけでなくデリケートレザーのシューズにも活躍してくれますよ。
ブランド | M.モゥブレィ |
毛の種類 | 馬毛 |
価格 | 550円 |
アプライブラシ
アプライブラシはフランスのシューケア用品ブランド、サフィール(SAPHIR)のクリーム塗布用ブラシ。
手を汚すことなく、靴クリームを革靴のすみずみまで塗布できる便利なブラシです。
クリームを少量ずつムダなく使うことができ、隙間・ステッチなど細かな部分にしっかりと塗り込めます。
アプライブラシの特徴は四角形であること。
持ち手だけでなくブラシ毛も長方形に植えられているので、角度を調整して細かい部分のクリーム塗布が可能です。
先ほどのペネトレィトブラシとは対照的ですね。
ブラシの形状が違うので使い勝手も異なります。
長方形の短辺側を使えば細かい箇所を。
長辺側を使えば1回のブラシ掛けで多くの面にクリームを塗れます。
ブランド | サフィール |
毛の種類 | 豚毛 |
価格 | 880円 |
サフィールノワールにも同じ名称のクリーム塗布用小型ブラシがあります。より高級感が増したブラシです。好みのブラシを選んでみてください。
クリームブラシ
コロンブスとハンズがコラボして生まれたクリームブラシ。
特徴は毛先が斜めにカットされていることです。
ブラシ毛が斜めだと、アプライブラシ同様に細かい箇所のクリーム塗布が簡単。
さらに、傾ければ斜面をすべて使用可能になるため、効率的なクリーム塗布にも寄与。
角度を変えると使い心地が変わるクリーム塗布用ブラシです。
密に植えられた毛束は靴のわずかな隙間にもスルスルと入り込み、塗りムラを作ることなく、靴クリームを行き渡らせることが可能。
コバ周りや土踏まずの部位にもしっかりクリームが塗れます。
ブランド | コロンブス×ハンズ |
毛の種類 | 馬毛 |
価格 | 1,078円 |
1909アプリケーションブラシ
ドイツのシューケアブランドであるコロニルの高級ライン「1909」。
シュプリームクリームデラックスを代表とする1909ブランドにもクリーム塗布用ブラシが展開されています。
それが1909アプリケーションブラシ。
小回りの利くシューケアブラシです。
柔らかな馬毛は繊細な革のお手入れの際に抜群の安心感を得られます。
コードバンやベビーカーフなど、
の馬毛のクリーム塗布用ブラシです。
持ち手にはくびれがあり、手にフィットしやすい構造なのもGOOD。
価格はやや高めですが、それ以上の価値があるケアブラシです。
ブランド | コロニル |
毛の種類 | 馬毛 |
価格 | 1,100円 |
クリーム塗布ブラシの保管に便利|ペネトレィトブラシスタンド
便利なクリーム塗布用ブラシですが、形状が丸いものはちょっと難点が…。
それは転がること。
靴クリームを塗った後、適当に置いておくとコロコロと転がり、クリームの付いた毛先でどこかを汚してしまうかもしれません。
かといって、ブラシを使うたびに洗ったり、クリーニングするのも面倒ですよね?
そこで活用したいのが、
- スタンド
です。
たとえば、こちらのペネトレィトブラシスタンド。
ペネトレィトブラシを保管できる、専用ホルダーです。
専用ホルダーとはいえ、丸いクリーム塗布用ブラシは種類を問わずほとんど保持できます。
ペネトレィトブラシ以外にも、これまでに紹介したクリームブラシや1909アプリケーションブラシも保管可能です。
クリーム塗布用ブラシを美しくきれいに保管したい人におすすめ。
クリーム塗布用ブラシの選び方
種類豊富なクリーム塗布用ブラシ。
という人へ向け、選び方の基準を解説します。
クリーム塗布用ブラシを選ぶにあたっては以下の点を踏まえるのがおすすめです。
- 毛の種類
- 形状
- 価格
ブラシの選び方|毛の種類
クリーム塗布用ブラシの毛の種類には大きく、
- 豚毛
- 馬毛
の2種があります。
豚毛はコシがあるため、クリームを運ぶ力が強く働き、効率良く均一にクリームを塗れます。
一方の馬毛は、柔らかな毛先のため、繊細な革種でも傷を付ける心配がなく安心して作業できます。
ブラシの選び方|形状
ブラシの形状も多様です。
持ち手にくびれがあると指にフィットして持ちやすく、作業性良好。
円筒型だと、どこを握っても同じ感触で常に一定の力が加えられ、作業の安定感が高まります。
逆に、四角形の持ち手は持つ箇所によって力の掛け方を微調整可能。
横に持ったり縦に持ったりして、革靴の部位によって持ち方を変えると、円筒タイプよりもかえって使いやすくなる場面もあります。
ブラシ毛の形状もまた、
- 水平
- 斜面
で使用感が異なります。
面が水平だと1度にブラッシングできる面積が最大化できるため、効率化に貢献。
一方の斜面状の毛先は細かな装飾や隙間部分にも難なく入り込み、満遍なく靴クリームを塗れます。
ブラシの選び方|価格
さらに、価格も大事。
クリーム塗布用ブラシは、靴クリームの色の数だけそろえたいアイテム。
高価格なクリーム塗布ブラシは、何本もそろえようとするとお財布にダメージが…。
革靴のカラーバリエーションが豊富で何色も靴クリームをお持ちの人は、安価なクリームブラシを使うのも手です。
各クリーム塗布用ブラシの特徴を知った上で自分に合ったケアブラシを選びましょう。
クリーム塗布用ブラシはストレスフリーな靴磨きを実現
本記事では靴磨きを捗らせる、便利なクリーム塗布用ブラシを特徴ごとにまとめました。
- 手を汚さない
- 靴クリームを無駄なく使える
- 均一に塗りやすい
上記のメリットがあるクリーム塗布用ブラシは、革靴のお手入れを効率良く、快適な時間へと導いてくれます。
一見、地味なアイテムですが、間違いなく大活躍するケア用品です。
形状やブラシ毛の種類によって、それぞれ特徴ある使い心地を発揮しますよ。
それでは、今回はこの辺で。
少しでも参考になれば幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました!
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