「栃木レザー」。
それは日本屈指のタンナー(皮革製造業者)である「栃木レザー株式会社」が製造する革。
革好きには最早知らぬ者はいないであろう、超有名なブランド革です。
そんな栃木レザーで作られたベルトを今回手に入れましたので、ご紹介がてら、使用前のプレケアまで行おうと思います。
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栃木レザーって何ぞ!?

ベルトのご紹介の前に、まずは栃木レザーのご紹介をば。
栃木レザーとは栃木県にある「栃木レザー株式会社」、及び同社が製造している革のことを指します。
栃木レザー株式会社は、動物から採取される原皮をなめして革へ変える「タンナー」。
そこで作られた革は「栃木レザー」というブランドで数多くの革製品メーカーに供給され、僕たちの手に渡ってきます。

ざっくりいうと、腐らないように皮の成分を変質させる工程を「なめし」と言います。
栃木レザーの魅力とは
栃木レザーは、革を作るなめしの工程を植物由来のタンニン(渋)で行うことを特徴としています。
「タンニンなめし」はメジャーな皮のなめし方ではありますが、他に広く使われている手法として「クロムなめし」という方法もあります。
一般的に、手法としては生産効率やコストなどを踏まえると、「クロムなめし」の方が有利。
ですが、できあがる革の丈夫さや経年変化の美しさは「タンニンなめし」に軍配が上がります。
つまり、タンニンなめしが施された「栃木レザー」は非常に丈夫という特長を持つということです。
栃木レザーは丈夫で、その理由はタンニンなめしだからなのです。
タンニンなめしの丈夫さの秘密は、皮のなめし方にあります。
タンニンなめしは「皮」を「革」へとなめす際に、昔から使われている伝統的な方法で、植物から抽出したタンニン溶液に濃度の薄い槽から高い槽へと、1~2ヶ月ほどかけて皮を漬け込む手法です。
タンニンなめしは時間が掛かることがネックなのはもちろん、漬け込むためのピット(水槽)が必要なため、広い敷地が必須。
この狭い日本では少数派の製造方法になります。
タンニンなめしは、じっくりと静置して革にタンニンが染み込むことを待つため、革に負担をかけず、革の奥底の芯までタンニンが浸透します。
そのため、できあがった革は収縮が少なく、堅牢になります。
また、タンニンの色が使うほどになじんで、色合いが変化していくのも魅力の一つ。
栃木レザーはそういった魅力的な要素が詰まった、タンニンなめしで作られた革なのです。
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栃木レザーのザリオグランデのベルトをレビュー
栃木レザーのご紹介が済んだところで、今回僕が手に入れたベルトをご紹介致します。

ザリオグランデ(ZARIO-GRANDEE)というメイドインジャパンのブランドです。
そして、この箱の中に入っているのが…

はい、ベルトです。
ドシンプルな。
このベルトもそうなのですが、ザリオグランデの革製品には栃木レザーが使用されています。
そのため、ザリオグランデの製品は作りが堅牢で、美しい経年変化を遂げることができます。

ザリオグランデは丈夫な栃木レザーを贅沢に使用して、ひとつひとつ丁寧につくられたジャパンメイドのブランドなのです。
箱の中には栃木レザーの品質を表すカードが同梱されています。

「抜群の感触」…。
「こだわりの天然皮革」…。
実物を見ると、やはり特筆すべきは革の質感です。

高級感ある光沢を放っています。
文章では触り心地までお伝えできないのが残念ですが、滑らかで気持ちの良い触感としなやかさがあります。


これから使用するにつれて、どんな色に、どんな感触になっていくのか楽しみです。
エキゾチックレザーであるパイソン(ヘビ革)のベルトも持っていますが、それとはまた違った経年変化を楽しむことができそうな予感がします。

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栃木レザーのベルトをお手入れする方法
この手に入れたばかりのベルト。
早速ではありますが、お手入れしていきたいと思います。
そういった疑問をお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、革製品というのは人の手に渡るまでにある程度の期間があります。
なめしによって革が生まれ、その革から革製品が作られ、店頭に並び、購入した人の手に渡る…。
なめし
↓
革製品の製造
↓
小売店へ
↓
消費者(僕たち)
場合によっては、数年という長い期間を経ているかもしれないのです。
ご存知の通り、革は時間が経つにつれて乾燥が進み、徐々に潤いが無くなっていきます。
そのため、革製品を購入した時点で多少、革の潤いが失われている場合もあるのです。
そういった理由から、僕はゲットしたての革製品でもお手入れを行うようにしています。
お手入れする理由も述べたことですし、ベルトのケアを早速始めていきますね。
工程は以下です。
- ベルトについたホコリや汚れを落とす
- 保革クリームを塗る
- 保革クリームをなじませる
- 余分なクリームを拭き取る
新品の革製品のお手入れは、そうそう機会のあることではないのでテンション上がります!
ベルトについたホコリや汚れを落とす
まずは、ホコリや汚れを落とすためにクロスでベルトを拭きます。

たとえ新品でも、ホコリはいつだって宙を舞っていますし、店頭での展示で汚れ等も付いているかもしれませんからね。
もちろん、お店の方もケアを怠ってはいないと思いますが、念のためです。
保革クリームを塗る
続いて、ベルトに保革用のクリームを塗ります。
使用するのはこちら。

サフィールノワール(SAPHIR NOIR)のスペシャルナッパデリケートクリーム。
アニリンカーフやシープスキン等、比較的デリケートな革にも安心して使用可能な革のお手入れ用クリームです。
革に栄養を与えつつ、潤いを保つ効果があり、ひび割れを防いで美しいツヤと風合いを保ちます。
タンニンなめしで作られた革は比較的水分やクリームで変色しやすいのが気になるポイント。
スペシャルナッパデリケートクリームならば、急な油分の浸透を防ぎ、色の変化を予防できます。
おすすめの保革クリームです。
スペシャルナッパデリケートクリームをクリーム塗布用ブラシである「ペネトレイトブラシ」に少量取り、ベルトに塗り込んでいきます。


表側だけではなく、裏側にも。

スペシャルナッパデリケートクリームは浸透性が非常に良く、革がどんどん油分と水分を吸収していくのが分かります。
伸びも良いため、非常に扱いやすいです。
ベルト全体にクリームを塗布したら、次の工程に移ります。
保革クリームをなじませる
塗ったばかりのクリームを豚毛ブラシでブラッシングすることにより、革へとなじませます。

革の隅々までクリームが行き届くように、満遍なくブラッシングしましょう。
ちなみに、豚毛を使うのは毛が硬くコシがあり、クリームを運ぶ力が強く働くためです。
よりデリケートなコードバンなどには、傷つき防止のため、柔らかい馬毛のブラシを使った方が良いでしょう。
余分なクリームを拭き取る
最後に、ベルト上に残ったクリームをクロスで拭き取ります。

この工程には、余分なクリームを拭き取るだけでなく、磨くことで革にツヤを与えるという意味合いもあります。
拭き取りが終わったら、これにてお手入れ終了です。

潤い補充もバッチリ、臨戦態勢です。

栃木レザーのベルトは経年変化が楽しみ!
本記事では、ザリオグランデの栃木レザーを使用したベルトのご紹介と、そのプレケアについて書いてみました。
タンニンなめしで作られた「栃木レザー」は非常に丈夫で、経年変化によるエイジング、色合いの変化を堪能できる魅力的な革です。
これからどんな風合いになっていくのか、今からとても楽しみです。
そういった気分の高揚も、革製品が人を魅了してやまない要因の一つなのでしょう。
革っていいなぁ~!
ということで、今回はここまでです。
ベルトと革靴の色合わせについても別途記事にしていますので、ご興味あればご覧ください。

少しでもご参考になれば幸いです。
ご覧頂き、ありがとうございました!
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