革靴の甲革がカサついてきた気がする…
カサつきは革が乾燥している証拠。
そのまま放っておくと、さらに乾燥が進み、革に亀裂(クラック)が入ってしまうリスクも…。
カサつきが気になるときは、革に潤いを与えてあげましょう。
乾燥した革に潤いを与えれば、カサついた革がモチモチとした本来の質感によみがえります。
革も人間の肌と同じ。
乾燥すると、様々な革トラブルの原因になります。
革のカサつきが気になったときは、お手入れして水分や油分を補給してあげましょう。
革靴が長持ちしますよ。
ということで、本記事ではカサつきが気になる乾燥した革に、潤いを補給する靴磨き方法を実践しながら解説します。
お気に入りの革靴のカサつきが気になる方は、ぜひやってみてください。
- 革のカサつきを放っておくとどうなる?
- 革のひび割れを防ぐ方法を知りたい
- 乾燥した革に潤いを補給したい
革靴はだんだん乾燥してカサついてくる
革靴を履いていると、ある日、ふと気付きます。
革がカサついてる…
革から潤いの気配が消えている
と気付くのです。
カサつきは革が乾燥している証拠。
また、
- 革の色が薄くなっている
- 革が白っぽくなっている
と感じたら、明らかに革に水分や油分が足りていません。
それもそのはず。
革靴は履き続けるうち、徐々に乾燥が進んでくるから。
時間の経過とともに、だんだんと革の中から水分や油分が抜けてしまうのです。
雨に降られたり、水に濡れると革の乾燥は加速。
気付けば、
なんてことになるのです。
たとえば、こちらの革靴。
つま先部分が白っぽくなっています。
そして、触ると感じる革のカサつき。
明らかに革が乾燥しています。
この状態、革にとっては好ましくないです。
革のカサつきはひび割れリスクが高い状態
革のカサつきは、放っておくとロクなことになりません。
というのも、カサついた革、つまりは乾燥した革は、
深いシワや亀裂(クラック)が刻まれやすくなる
から。
乾燥した革はしなやかさがなくなり、硬くなります。
通常、しなやかな革は強い力が加わったとき、柔軟に力を受け流せます。
柔よく剛を制す
といった感じに。
しかし、硬くなった革はしなやかさが落ちている状態です。
そのため、加わった力が直に革の一点に集中。
シワが刻まれ、ひどいときには革に亀裂が入ることに…。
せっかくの革の美しい風合いを損ねてしまいます。
革がカサついた状態は、百害あって一利なし。
革のカサつきに気付いたときは、早めに対処しましょう。
カサつきは革靴だけの問題ではなく、全ての革製品のリスクです。
革靴に限らず、乾いた革は潤い補給をしましょう。
革のカサつきを潤い補給で解消
革は徐々に水分や油分が抜けていくという事実は、先ほど述べた通り。
しかし、対策はできます。
抜けた潤いは、新たに入れ直してあげれば良いというわけです。
カサついて乾燥が進んだ革には、革用のケアクリームを塗り、水分や油分を補給しましょう。
ケアクリームでお手入れすると、革内部にまで潤い成分が行き届き、乾燥状態から復活。
革のカサつきが解消します。
再度モチモチの状態の革になり、しなやかに。
深いシワやクラックから革を守れます。
革のカサつきを抑えてひび割れを防止する方法
ここからは、先ほどお見せした乾燥した革靴を例にとり、潤い補給方法を実践しながら解説します。
あらためて革靴のカサつき状況を確認しておきます。
革のモチモチ感が失われてしまっていますね…。
革に無用なシワやクラックを刻まないために、潤い補給をせねば。
ということで、以下の手順で革靴をお手入れしていきます。
- ホコリを落とす
- 汚れを落とす
- ケアクリームで潤いを補給する
- クリームをなじませる
- ケアクリームでツヤを与える
- クリームをなじませる
- 磨く
ホコリを落とす
まずは、革靴のホコリ落としから。
革に付いたホコリを馬毛ブラシで払い落とします。
手首のスナップを効かせてブラッシング。
毛先の細い馬毛は、革靴の細かな箇所にまでしっかりと入り込み、ホコリをかき出すのにピッタリです。
汚れを落とす
ホコリの次は汚れ落とし。
靴クリーナーで革靴に付いた水汚れや油汚れを取り除きましょう。
今回使用する靴クリーナーは、M.モゥブレィのステインリムーバー。
ステインリムーバーを綿クロスにしみこませ…
革靴を拭きます。
アッパー(甲革)全体を満遍なく拭き上げ、しっかり汚れを落としましょう。
ケアクリームで潤いを補給する
続いて、乾燥した革に潤いをタップリ与える工程です。
潤い補給にはブートブラックのリッチモイスチャーを使います。
アルガンオイルをはじめとした、革に潤いと栄養を与える成分が豊富な革用ケアクリームです。
リッチモイスチャーはレザーケア用品としては価格高めですが、潤い補給効果は抜群です。
リッチモイスチャーを指にとり…
革にすりこんでいきます。
手が汚れるのに抵抗がある方は、クリーム塗布用ブラシのペネトレィトブラシを活用するのをオススメします。
リッチモイスチャーが革にグングン吸収されているのが分かるはず。
クリームをなじませる
リッチモイスチャーを塗った後は、革全体になじませる作業をします。
豚毛ブラシでブラッシングしましょう。
クリームを革にすり込んでいくイメージで、力強くブラッシングします。
塗りムラができないように、満遍なくブラッシングしましょう。
豚毛はコシが強く、クリームを伸ばす効果が高いため、クリームをなじませるのに適しています。
ケアクリームでツヤを与える
潤い補給だけであれば、先ほど塗ったリッチモイスチャーだけで十分。
しかし、今回は革靴にツヤを与えたいので、もう一手間加えます。
先ほどの潤い成分の上から油性クリームを塗って、潤い成分を革内部から逃がさない効果も期待できます。
使うのはサフィールノワールのクレム1925。
油性クリームの代名詞といっても過言ではない定番品です。
少量のクレム1925をペネトレィトブラシに取り分けて…
革靴に塗りましょう。
薄い油膜の層を作るイメージです。
アッパー全体に塗ったら、次の工程に移ります。
クリームをなじませる
先ほど、リッチモイスチャーを塗った後と同様に、クレム1925もまた、豚毛ブラシで革になじませます。
力強くブラッシングしましょう。
ブラッシングするとツヤが出てきます。
磨く
最後に、革靴をクロスで磨きます。
余分な靴クリームを取り除くと同時に、クリームの成分を均し、ツヤを出す効果があります。
アッパー全体を磨き上げたら、作業終了です。
仕上がりはというと…
革がモチモチとしているのがお分かりでしょうか?
潤いが補給され、革が活き活きとした表情になっています。
カサつきは一切なくなり、風合いがよみがえりました。
潤い補給前後で革靴の状態を比較
ではここで、革のカサつきがどの程度解消されたのか、お手入れ前後で比較してみます。
比較図はこのように。
上が潤い補給前、下が潤い補給後。
違いは明らか。
お手入れ後には革の色ツヤが良くなっています。
つま先部分の白っぽくなっていた箇所も潤いが補給され、色味が元通り。
良好なコンディションに。
アッパー全体の血色が良くなった
そんな印象です。
一言で表現するなら、健康的。
革のカサつきを解消すれば革靴が長持ちします
本記事では、革のカサつきを解消するための潤い補給方法を実践解説しました。
カサつきは革が乾燥してきた証拠。
そのまま放っておくと、深いシワやひび割れを招き、革の風合いを著しく損ないます。
革靴を美しい状態に保ちたいのなら、定期的に潤いを補給して、革を乾燥から守りましょう。
革用ケアクリームで革内部に潤い成分を届けてあげれば、しなやかでモッチリとした革の質感が復活します。
お気に入りの革靴と末永く付き合っていくために、しっかりと潤いを補給しましょう。
それでは、今回はこの辺で。
少しでもご参考になれば幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました!
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