先日購入したリーガルの革靴。
今すぐにでも履きたいというのが正直な気持ちですが、でもその前にやるべきことがあります。
それは革靴の「プレケア」。
つまり靴を履き下ろす前のお手入れです。
履く前に靴をメンテナンスしておくことで革靴に良い効果をもたらすことができます。
特に重要なのは、革の潤いを保つための「保革」。
革に栄養と潤いを与えるために、保革クリームは必須です。
今回はブートブラックの保革クリーム「リッチモイスチャー」の特長と、新しく買った革靴をお手入れする方法、さらにはプレケアで得られるメリットをご説明します。
- オーガニックアルガンオイルが革の繊維に素早く浸透、栄養と柔軟性を与える
- マカダミア・ヒマワリバターが革に馴染み、潤いと滑らかな感触を保つ
- カルナバワックスが革表面に保護膜を形成、ツヤを維持する
- 抗酸化作用の高いオイルとバターが革の劣化を緩やかに
- 革に負荷のない中性クリーム
- 無色なので何色の革にも使える
革靴を手に入れたら行うべきこと
新しく革靴を買ったら、まずやるべきこと。
それは…
「革靴のお手入れ」です。
汚れてないよ!
履いていなくても、です!
それはなぜなのか。
以下の理由があるからなんです。
- 古い靴クリームの除去
- 革に潤いと栄養を与える
履く前に革靴のお手入れが必要な理由は大きく2点あります。
古い靴クリームの除去
まず一つ目は「古い靴クリームを除去するため」です。
革靴はシューメーカーで革から作られるのですが、革靴ができ上がった直後に靴磨きが行われることがほとんど。
その理由として、製造時に革が汚れるということがあります。
革靴は革から複数の工程を踏んで作られます。
当然のことながら、その間に人の手や機械に触れますよね?
その際に、汚れやホコリが付いてしまうことがあるのです。
また、靴磨きをすると革靴の見栄えが良くなり、革の魅力をより引き出すことができます。
そのため、革靴が百貨店などの店頭に並ぶ前に、靴磨きを行ってお客さんの目に留まりやすい、あるいは手に取られやすい措置を施しているのです。
したがって、購入時の革靴には既に靴クリームが塗られているということになります。
靴クリームというのは時間が経過すると共に、徐々に酸化が進行してしまい、革の風合いを損なう原因となってしまいます。
店頭に展示されている間に靴クリームの酸化が進行している可能性もありますから、古い靴クリームの除去という意味で履く前のお手入れが必要なのです。
ただ、お店によっては展示品であっても定期的にお手入れしていたり、購入時に買った靴を磨いてくれるお店もあります。

革に潤いと栄養を与える
履き下ろす前にお手入れをする理由。
二つ目は「革へ潤いと栄養を与える必要があるため」です。
先ほども述べたように、革靴が作られてから出荷され、店頭に並び、僕たちの手に届くまでに、どのくらいの時間が経過しているか分かりません。
製造されてからすぐに購入したかもしれませんし、もしかしたら、僕がその革靴を買うまでに数年単位で経過していたのかもしれません。
もし数か月・数年単位で時間が経っていた場合、革の乾燥が進行してしまっている可能性があります。
革は何もしないと、徐々に乾燥して潤いを失っていきます。
そうなると、革のしなやかさが失われて硬くなってしまい、革のひび割れ等、革トラブルの原因となってしまうのです。
それを未然に防ぐために革への潤いと栄養補給は必須。
作られてから時間が経っているかもしれない革靴なら、なおのこと。
革靴に限らず、革製品には定期的なお手入れが必要なのです。

革に栄養を与えるために
では、革靴に栄養を与えるためにはどうすればよいのでしょうか?
その答えは栄養がたっぷり含まれた、保革クリームを革へ塗るということ。
革にとっての保革クリームは、いわば人間にとっての化粧水や美容液と同じ。
お肌のコンディションを整えるためにはケア用品は必要ですよね。
保革クリームはデリケートクリームや栄養クリームと呼ばれる類のもので、各シューケア用品メーカーでいろいろな種類が販売されています。
基本的には保革クリームを使って革靴のコンディションをキープするわけですが、種類が多いだけに何を使うか迷ってしまいます。
数ある保革クリームの中、僕が今回、革へ栄養を与えるために選んだあるクリーム…。
実際に使用する前にご紹介します。
ブートブラックのリッチモイスチャー
今回使用するのはこちら。

ブートブラック(Boot Black)の「リッチモイスチャー」です。
名前からして革に良さそう。(単純)
はい。
このクリーム。
とんでもなく革に良い影響を与えるクリームなんです。
驚くべきはその成分。

以下の成分を含んでいます。
- オーガニックアルガンオイル
- マカダミアナッツバター
- ヒマワリバター
- カルナバワックス
な、なんというか…
おいしそう。(錯乱)
天然成分ガッツリでオーガニック感満載です。
もしかすると肌用の美容液よりも良い成分なんじゃないか?
と思うくらいの成分表示です。
それらのオーガニック成分によりもたらされる、リッチモイスチャーの効果は次に示します。
- オーガニックアルガンオイルが革の繊維に素早く浸透、栄養と柔軟性を与える
- マカダミア・ヒマワリバターが革に馴染み、潤いと滑らかな感触を保つ
- カルナバワックスが革表面に保護膜を形成、ツヤを維持する
- 抗酸化作用の高いオイルとバターが革の劣化を緩やかに
- 革に負荷のない中性クリーム
- 無色なので何色の革にも使える
圧巻の効果…!
このクリーム!(驚愕)
ただ、スウェードやヌバックといった起毛革、ヌメ革や爬虫類革などの特殊な革には使えません。
その点は注意です。
今回はこの「リッチモイスチャー」を使って、革靴を履き下ろす前のお手入れを行っていきます。
革靴を履き下ろす前にリッチモイスチャーでお手入れ
改めまして、今回お手入れするのはこちらの革靴。

リーガルの茶靴、ストレートチップです。
買ったばかりで履きジワや色落ちもない、まっさらな状態の靴。
美しいですね。
この靴を履き下ろす前にケアしていきます。
今回は革の保革と革のツヤ出しの2段階でケアしていきます。
- ホコリ落とし
- 汚れ落とし
- 保革クリームを塗る
- 保革クリームを革へ馴染ませる
- 余分な保革クリームを拭き取る
- 靴クリームを塗る
- 靴クリームを革へ馴染ませる
- 余分な靴クリームを拭き取る
- 山羊毛ブラシでツヤを出す
工程の数は多いですが、どれも簡単な作業です。
おっと!
実際の作業に取り掛かる前に、やっておかなければならないことがありました。
革靴にシューキーパーを入れる
これですね。

シューキーパーを入れておくと、甲革の形が整えられてお手入れがしやすくなります。

革靴の保革工程
ホコリ落とし
まずは、ホコリを落とすために馬毛ブラシでブラッシングします。

空気中のいたるところにホコリは存在します。
新品の靴だからといって、ホコリ落としをおろそかにしてはいけません。
ホコリは革の大敵。
しっかり払い落としましょう。

汚れ落とし
買ったばかりの靴ですが、先ほど述べたように古い靴クリームが革上に残っているかもしれません。
そのため、靴用クリーナーで革の汚れを落とします。
使用するのはこちら。

ブートブラックシルバーラインのツーフェイスローションです。
2層の溶液がそれぞれ水汚れと油汚れを落とす役割を持っている、万能クリーナー。
このクリーナーをクロスに取り、靴を拭いていきます。

薄い色の革に水分を付けると、水染みのようになります。
段々と乾いていくと…

徐々に染みが薄くなっていきます。

はい、この通り。
全く跡は残りません。
さすがはシューケア用クリーナーです。
ただ、ビショビショに濡らしてしまうと、跡が消えなくなってしまうかもしれませんので、クロスに取るクリーナーは少量にしておきましょう。

保革クリームを塗る
次に、保革クリーム(デリケートクリーム)で革に潤いと栄養を与えます。
使用するのはもちろん、先ほどご紹介した「リッチモイスチャー」。
リッチモイスチャーをクロスに乗せます。
トロトロのクリームです。
乾燥している革靴に栄養と潤いを与えるということで、今回は割と多めに取ってみました。
そうしましたら、革靴へまんべんなく塗り込んでいきましょう。

塗っていくと分かるのですが、クリームが革へとグングン吸収されていき、浸透性が非常に高いです。
革に栄養が行き渡っている
というのがヒシヒシと伝わってきます。
保革クリームをなじませる
リッチモイスチャーをまんべんなく塗ったら、豚毛ブラシでブラッシングしてクリームをなじませます。

とは言っても、この時点で既にクリームは革へと浸透して革上には残っているようには見えないのですがね。
しかし、革表面にクリームが残っているように見えなくても、この工程はブラッシングによって革をマッサージして繊維をほぐすという意味合いもあります。
決して無駄な作業ではありません。
余分な保革クリームを拭き取る
続いて、余分なクリームをクロスで拭き取ります。

繰り返しになりますが、靴表面にクリームが残っているようには見えないです。
ここではあくまで念のため、クロスでの拭き取りを行っています。
一通り、クロスでのふき取りを終えたら、これにて保革工程は終了。

栄養と潤いが与えられた革靴、愛おしいです。
ただ、ここで全てが終わるわけではありません。
ここから、革靴にツヤを与える工程に移ります。
革靴のツヤ出し工程
保革の後はツヤ出しです。
ここでの目的は、「革靴の見栄えを良くする」ことです。
ではやっていきましょう。
靴クリームを塗る
まずは靴クリームを塗ります。
使用するのはサフィールノワールの「クレム1925」です。

言わずと知れた靴クリームの鉄板商品。
油性クリームなので革表面に油膜を作りやすく、革靴にツヤを与える効果が高いです。
クリーム塗布用ブラシのペネトレイトブラシにクリームを少量付けて…

靴に塗布します。

ブラシにつけたクリームは一度に革へ塗るのではなく、クリームを複数個所にポン、ポンとつけて、それらを起点にクリームを塗り広げるようにしましょう。
靴クリームをなじませる
靴クリームを塗り終わったら、次は豚毛ブラシでのブラッシングです。

靴クリームの塗りムラを解消して、均一になじませます。
余分な靴クリームを拭き取る
続いて、余分な靴クリームをクロスで拭き取ります。

指に巻き付けたクロスでフキフキ。
クロスで拭いていくうちに若干ではありますが、革靴にツヤが生まれていくはずです。
山羊毛ブラシでツヤを出す
ここが最後の作業です。
山羊毛ブラシで靴をブラッシングして更に光沢を出します。
山羊毛は非常に柔らかく、靴クリームやワックスを均す効果が高いため、強いツヤを革靴に与えることが可能。
使用するのはブートブラックのフィニッシングブラシです。
ブラシにハンドラップで軽く水を付けて…

靴をブラッシングします。

円を描くようにクルクルと優しく、なでるように行います。
そして、ついにすべての作業が終了しました。

革の質感に深みが出ましたね。
リッチモイスチャーでのお手入れの効果
今回のお手入れについて、ビフォーアフターをどうぞ!

お手入れ前はマットな質感だった革靴が、お手入れ後には光沢が出ているのが分かります。
革に奥行きが出たと言いましょうか、立体的な美しさが表れたと思います。
茶色靴という事で心配していた、保革クリームや靴クリームの影響で革の色が変わるということもありませんでした。
革靴を買ったらリッチモイスチャーでのお手入れがオススメ
今回は買ったばかりの革靴のお手入れ、「プレケア」を行いました。
乾燥している革靴はシワやひび割れも発生しやすく、決してベストな状態ではありません。
購入直後の革靴はそんな状況に陥っているかも…。
革靴を履き下ろす前に、しっかりと靴のコンディションを整えてあげれば、最高のパフォーマンスでその靴を楽しむことが可能になります。
また、茶色の革靴は色味が薄いため、水染みなど革の変色が分かりやすく、目立ちます。
その点、お手入れ時には注意が必要です。
しかし、今回使用したブートブラックのリッチモイスチャーであれば、革にシミを残さずに栄養と潤いを十二分に与えられます。
薄い色の革靴をケアする際には、その点も踏まえてお手入れ方法やケア用品を使い分けてみてください。
それでは、今回はこの辺で。
少しでもご参考になれば幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました!










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靴クリームやワックス、ブラシなど。
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