革靴にツヤを出したいけど、鏡面に仕上げるほどではない
かといって、
靴クリームのツヤでは物足りない
そんな人にオススメなのが靴用ワックスを薄く塗ること。
革靴にワックスを薄塗りすれば、控えめな光沢が得られ、防水機能も高まります。
鏡面磨きにだけ使われがちな靴用ワックスですが、油の層を作らずに薄塗りするだけでも革靴を上品な印象へと昇華。
鏡面に仕上げた強い輝きも良いですが、薄塗りしてほのかに輝くツヤもまた味わい深いです。
本記事では、靴用ワックスを薄塗りして革靴に控えめなツヤを出す方法を解説します。
- 鏡面ほどじゃないけど革靴にツヤを与えたい
- 靴クリームだけの光沢では物足りない
- 靴用ワックスを靴クリーム代わりに使うとどんな仕上がりになる?
鏡面ほどじゃないけど革靴にツヤを与えたい
靴磨きしていると、ふとこんなことを思いませんか?
鏡面ほど強い輝きじゃなくて良いのだけど、程よいツヤが欲しい
絶妙な光沢が欲しくなるときがありますよね。
- 鏡面だと目立ちすぎてしまう、けれど確かな存在感は出したい
- 足元をオシャレに彩りたい
なんてとき、その思いはますます強く。
主張は控えめでもお手入れが行き届いた靴を履いて外出したい
という願望が掻き立てられるのです。
靴クリームのツヤでは物足りない
なんて声が聞こえてきそうです。
ちょっと物足りない
そう感じてしまうのです。
靴クリームは革に栄養を与えるためのケア用品。
あくまで革への水分・油分補給が主目的です。
革のツヤ出しをするためのロウ分は配合されているものの、そう多くはありません。
靴クリームよりはツヤが欲しいけど、鏡面ほどは輝かせたくない
そんなかゆいところに手が届く方法はないものか…。
そう考えたとき、ぜひ試して欲しいのが、
靴用ワックスの薄塗り
です。
ワックスを靴クリーム代わりに使う
そう。
靴用ワックスを靴クリームの代わりとして革表面に薄く塗り広げれば、程よい光沢感が得られます。
と思う方もいらっしゃるでしょう。
確かに、ワックスは油膜を革に作り強い輝きをもたらすためのシューケア用品です。
しかし、その鏡面を作り出すためのポイントは、ワックスを何層も塗り重ねること。
つまり、革の上にワックスを厚く堆積させることで強い輝きを得ているのです。
裏を返せば、何層も塗り重ねなければ鏡面仕上げにはならないということ。
革靴全体にワックスを薄く塗れば、靴が満遍なくちょうどよい輝きに。
鏡面ほどの輝きは出ずとも、靴クリーム以上のツヤが得られます。
靴クリーム以上、鏡面仕上げ未満のツヤ
そんな贅沢な願望を叶えられるのです。
ワックスには革靴を水に強くする効果も
ワックスは油でできているので、水を弾きます。
つまり、革靴にワックスを塗れば撥水性も高まることに。
薄く塗ったとて、油は油。
きっちり水弾き効果が得られます。
明日は雨が降りそうだなぁ…
と思ったら、靴全体にワックスを薄く塗れば簡単に水に強くできます。
撥水性が高まるとはいえ、完全な防水ではありません。過信せずに革の水シミには細心の注意を払いましょう。
薄塗りに適した靴用ワックス
さて、靴用ワックスを革靴に薄塗りする上で気を付けたいことがあります。
それは、靴用ワックスの成分。
一般的に靴用ワックスにはロウ分が多く、革の上にとどまるため、その後の革への水分・栄養補給を邪魔することに…。
ワックスを革靴全体に薄塗りすると、当然、ワックス由来のロウ分がその後の保革を妨げてしまうのです。
だからこそ、ワックス自体に保革機能があるのが大事。
そこで使いたいのがサフィールノワールのビーズワックスポリッシュです。
ビーズワックスポリッシュは天然成分にこだわった配合を採用し、革に優しいのが特徴。
天然由来の溶剤であるテレピン油や保革効果の高いビーズワックスをふんだんに配合しているため、ワックスながら保革効果が高いのです。
すなわち、ワックスといえども革に栄養補給ができるということ。
ビーズワックスポリッシュを薄塗りすれば、革にツヤを与えつつ、栄養補給もできるのです。
また、薄く塗り伸ばすためには伸び良く柔らかいワックスなのも重要なポイント。
サフィールノワールのビーズワックスポリッシュは伸びの良さも素晴らしく、薄く塗り伸ばすためにはピッタリのワックスです。
とはいっても、靴クリームやデリケートクリームといった保革専用アイテムと比べ保革効果は劣ります。定期的に、保革クリームで革を労わってあげましょう。
靴用ワックスを薄塗りしてツヤを出す方法
では、ここからは実際に、靴用ワックスを薄塗りして控えめなツヤを与えていきます。
お手入れする靴はこちら。
スコッチグレインのアシュランスです。
トゥ部分は既に鏡面仕上げ済み。
アッパーの他の部分をワックスで仕上げます。
手順としては以下の通り。
- ワックスを薄く塗る
- ブラッシング
- 磨き上げ
ワックスを薄く塗る
まずはワックスを薄く塗ります。
アッパー全体に満遍なく塗るわけですが…。
そのときに便利なのが、クリーム塗布用ブラシのペネトレィトブラシ。
小型タイプのブラシで小回りが効き、手を汚さずに作業できます。
ワックスをペネトレィトブラシに少量付けて…
アッパーに塗り伸ばしていきます。
手が汚れないので快適です。
ブラシを使えば、履きジワ部分にもなんなく塗れます。
ビーズワックスポリッシュは伸びが良いため、スルスル塗れますよ。
ワックスが固くて塗り伸ばしにくいときはワックスソフトナーで柔らかくほぐしましょう。
両足の靴のアッパーに満遍なく塗り伸ばせたら、次の工程に移ります。
ブラッシング
続いて、ブラッシングしてワックスを革になじませます。
使うのは豚毛ブラシ。
コシのある豚毛は塗り伸ばしたワックスを運ぶ力が強く、細かな箇所や隙間にもワックスを行き届かせる効果が高いです。
余分なワックスを毛先でキャッチして、革のベタつきを抑える効果もあります。
大きなストロークで豚毛ブラシを動かし、豪快にブラッシングします。
革を押し込むように力強く。
両足の靴のブラッシングが終わったら最後の工程へ。
磨き上げ
ブラッシングでワックスをなじませた後は、クロスを使って磨き上げます。
余分なワックスを取り除くと同時に、ツヤを出す効果もあります。
余分なワックスが残っていると、革がべたつく原因に。
べたつきはホコリや汚れが付きやすくなりますから、きっちり磨きましょう。
ワックスは光沢付与効果が高いので、クロスで磨くうちにツヤも出てきます。
アッパーを全体的に磨いたら作業終了です。
靴用ワックスを薄塗りした効果
では、ワックスを薄塗りした効果を見てみましょう。
アッパーに控えめなツヤが出ましたね。
一般的な乳化性靴クリームで仕上げたときよりも、強めのツヤを放っています。
しかし、あくまで主張は強すぎず。
けれども確かな存在感。
良い塩梅のツヤに仕上がりました。
ビーズワックスポリッシュは塗りやすく、作業性も良好。
手軽な方法で革靴のアッパーに控えめなツヤを与えられました。
検証|ワックスを塗ったときの撥水機能
さて、ここで1つの検証を。
薄塗りとはいえ、ワックス塗布によって撥水機能が得られているはず。
ハンドラップで水を垂らして、弾くかどうかを確認してみます。
水をポトッと…
するとどうでしょう。
完全に弾きました。
革に染み込むことなく。
水弾き良好で、小雨程度なら安心して履ける革靴に仕上がっています。
見た目だけでなく、機能性も高められるワックスの薄塗り。
薄塗りしたワックスは落としやすい
通常、鏡面磨きを施したワックス層は強固な膜を形成しているため、落としにくい特徴があります。
ワックス用の専用クリーナーでないと、落とし切るのに手間取るわけですが、ワックスの薄塗りの場合、強固な膜とはならないため、落とすのがラクです。
塗るワックスの量が少ないため、通常の靴クリーナーでも難なく落とせます。
ケアに手間がかからないため、気軽にワックスのツヤを楽しみたい人にもワックスの薄塗りはオススメです。
靴用ワックスの薄塗りで控えめなツヤを与えよう
本記事では、靴用ワックスを薄塗りして革靴に控えめなツヤを与える方法について書きました。
鏡面仕上げほどのツヤはいらないけれど、靴クリームよりはツヤを出したい
そんな方は、靴用ワックスを薄く塗って革靴を仕上げてみてください。
アッパー全体に控えめなツヤを与えられます。
あからさまではなく、さりげなく革靴がエレガントに。
サフィールノワールのビーズワックスポリッシュは、伸びが良いため作業性良好。
薄塗りにピッタリです。
おまけに、水弾きも良くなる機能的な側面も。
ワックスの薄塗りは革靴の見た目と機能を高めてくれますよ。
それでは、今回はこの辺で。
少しでもご参考になれば幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました!
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