あるとき、ふと気付くときがあります。
触ってみると…。
- ポロポロと消しゴムのカスのようなものがたくさん出てきた
なんてことがあったなら。
それは靴クリームやワックスの塗り過ぎを意味する現象。
革に塗った後の余った靴クリームやワックスの成分が浮いて固まった証拠。
余分な靴クリームが固まり、ポロポロと剥がれてしまっているのです。
つまりは、靴磨きが行き過ぎた結果によって起こります。
革靴表面からポロポロはがれてきたのなら、クリーニングが必須。
靴クリーナーできれいにして、革靴をさっぱりさせましょう。
お手入れし過ぎた革靴のトラブルは、やはりお手入れで解消するのです。
本記事では革靴表面がポロポロ剥がれてきたときの対処方法を解説します。
- 革靴表面に違和感がある
- 革靴からポロポロと何かがこぼれてくる
- 革靴に靴クリームを塗り過ぎてしまった感がある
革靴からポロポロと消しゴムのカスみたいなものが出てくるのはなぜ?
革靴にふと目を落としたとき、違和感を覚えませんか?
ホコリにしては大きい、小石というわけではない。
あえて何かに例えていうと、消しゴムの消しくずのようなもの。
革靴の表面に付いていることがあります。
そして、その部分が気になって触ってみると、ざらつきが。
ゴシゴシこすると、消しくずのようなものがポロポロと剥がれてくる…。
そんなことがあったら、革靴が異常な状態。
そのポロポロ、正体は靴クリームやワックスの残骸です。
革靴表面で固化した靴クリームがポロポロと剥がれてきていることに由来します。
なぜそんなことが起こるのかというと…。
靴クリームやワックスの塗り過ぎです。
革の表面に余分な靴クリームやワックスが残るからですね。
革の表面に油膜が厚く張っている状態です。
それだけならまだ目立たず気付かないのですが…。
その状況で履いて歩いたとき、履きジワ部分はストレスがかかって革が屈曲するため、膜となった靴クリームが剥がれてきます。
これがポロポロ剥がれの原因です。
そこを起点に指でこすると、革表面に膜となって残っている靴クリームやワックスが消しくずのように出てくるというわけ。
程度の問題なので、薄く塗っている分には何の支障もありません。
しかし、靴クリームやワックスを塗り過ぎて厚くなっていると起こりやすいです。
たとえば、こちらの革靴。

コードバンのプレーントゥの革靴です。
表面が何やら怪しい雰囲気を醸し出しています。
何かが浮いているような…。

こすってみるとざらつきあり。

本来はなめらかなはずのコードバン。
今の状態はおかしいですね。
指でこすってみると、引っかかる感じがあります。
指に黒い消しくずのようなものが付いています。

これが塗り過ぎた靴クリームやワックスです。
過度なお手入れが招いた結果。
革の上に厚く余分な靴クリーム成分が残ってしまったため、このような異常を引き起こしてしまうのです。
革靴表面のポロポロ剥がれが出てきたときの対処法
革靴表面からポロポロと消しくずのようなものが剥がれてきたとき、大事なのはクリーニングすることです。
余分な靴クリームやワックスがポロポロ剥がれの原因なら、クリーニングしてスッキリさせればOK。
先ほどの革靴を靴クリーナーできれいにすれば、ポロポロ剥がれが解消します。
というわけで、靴クリーナーで革靴をクリーニングすることに。

クリーニングには、M.モゥブレィのステインクレンジングウォーターを使います。
革靴だけでなく革製品にも使える万能クリーナー。
繊細な革種であるコードバンにも問題なく使える優しいクリーナーのため、今回のクリーニングに使うことにしました。
作業手順は以下の通りです。
- ホコリを落とす
- 靴クリーナーでクリーニング
- 靴クリームを塗布
- ブラッシング
- クロスで乾拭き
靴のクリーニングがメインですが、その前後での作業もきっちりやっていきます。
どうせケアするなら革靴を目一杯愛でたいですからね。
ホコリを落とす
まずはホコリ落としから。
革靴表面からポロポロ剥がれた成分をきっちり払い落とします。
馬毛ブラシでブラッシング。

ホコリやゴミも合わせて払い落とします。
靴クリーナーでクリーニングする前に、あらかじめ邪魔なホコリやゴミを取り除いておくのです。
靴クリーナーでクリーニング
ホコリを落とした後は靴クリーナーでクリーニングします。
ステインクレンジングウォーターをクリーニングクロスに付けて…

革靴を拭いていきます。

ポロポロ剥がれは、あくまでも屈曲するところが目立っているだけ。
潜在的なリスクは革靴全体に。
革靴全体が靴クリームやワックスで厚化粧されている以上、靴全体をまんべんなくクリーニングする必要があります。
クリーニングすれば、靴クリームが落ちていきますよ。

クリーニング後に革表面を触ってみると、まったく異なる質感に。

サッパリしています。
当然、ポロポロ剥がれはありません。
これにて、クリーニングが完了しました。
靴クリームを塗布
クリーニングの後は、新しく靴クリームを塗っていきます。
ブリフトアッシュのザ・クリームを使います。

クリーム塗布用ブラシに靴クリームを付けて革靴にまんべんなく塗ります。
そして、ここで意識すべき点が1つ。
薄く塗ること。
ポロポロ剥がれは靴クリームを厚く塗り過ぎた結果です。
再発させないように、薄く塗ることを心がけましょう。
目安としては革靴片方で米粒1つ程度。
このくらいだと本当に塗れているか、不安があるかもしれません。
ですが、心配ご無用。
クリーム塗布用ブラシを使っていれば、満遍なく塗れます。
目視では塗れているように見えなくても、確実に塗布できています。
心配し過ぎず、気楽に構えましょう。
ポロポロ剥がれを防止するには、この精神が非常に重要。
過保護にならないように注意します。
塗れているか塗れていないのかが分からない、そのくらいの気持ちで丁度良いです。
ブラッシング
靴クリームを塗った後はブラッシング。

こちらの革靴に使われているコードバンは繊細なので、柔らかな馬毛ブラシを使います。
革靴に塗った靴クリームを全体になじませるためです。
ホコリ落としで使ったブラシとは別のブラシを使いましょう。ブラシに付いたホコリを革に移さないためです。
一般的な牛革の革靴の場合は豚毛ブラシでOKです。
ポロポロ剥がれを防ぐためには、靴クリームを薄く塗るだけでなく、この段階でのブラッシングも重要。
というのも、ブラッシングには革靴上の余分な靴クリームを取り除く効果があるためです。
ブラシの毛先に余分な靴クリームが付くため、革靴上に残らなくなります。
靴クリームをなじませて美しさを保つだけでなく、ポロポロ剥がれを防ぐためには余分な靴クリーム除去が重要。
最低限の靴クリームを革上に残すため、ブラッシングはぜひとも実施しましょう。
クロスで乾拭き
ブラッシングの後はクロスで乾拭きします。
磨き用のクロスで革靴を優しく拭き上げていきましょう。

ポロポロ剥がれを防ぐためには、余分な靴クリームやワックスを革の上に残さないのが大事です。
乾拭きすれば余分な靴クリームを拭き取れるため、ポロポロ剥がれを防ぐことに繋がります。
しっかりと、それでいて優しく拭きましょう。
仕上がりはこちら。

きれいになりました。
全体的に革にツヤが出てスタイリッシュに。
コードバンの革の風合いが引き立っています。
肝心のポロポロ剥がれがどうなったのか、次の項目で詳しく見ていきますね。
革靴のクリーニング後にはポロポロ剥がれなし!
クリーニング前には、革からポロポロと消しゴムの消しくずのようなものが出てきていた革靴。
はたして、クリーニングの効果が表れているのかを検証します。
先ほどまで指でこすると黒い粒が出てきていましたが…。

クリーニング後は…

はい、ありません。
触り心地も変わりました。
革表面にべたつきがなく、サラサラに。
お手入れによって革靴がきれいに、そして何より、美しくなりました。

靴クリームやワックスの塗り過ぎはポロポロ剥がれの原因になりますから、クリーニングして革の状態をリセット。
新たに薄く靴クリームを塗って革のコンディションを保つことを心がけましょう。
靴磨きに使う道具を一気に揃えるにはシューケアセットがおすすめです。1つ1つ道具を選ぶ手間が省けます。
革靴表面に違和感を持ったらクリーニングがおすすめ
本記事では革靴表面のポロポロ剥がれが気になったときの対策を解説しました。
必要なのはクリーニング。
ポロポロ剥がれの正体は、革靴に塗り過ぎた靴クリームやワックスです。
固化してポロポロと剥がれてくるわけですから、余分な靴クリームを取り除いてあげれば問題が解消します。
靴クリーナーできれいさっぱり除去してあげれば、ポロポロ剥がれは一切なくなります。
その後は、薄く靴クリームを塗って革を保護。
塗り過ぎないことがポイントです。
靴クリームの塗り過ぎはポロポロ剥がれの原因になりますが、適度なクリーム塗布は革の保湿と補色に非常に有効ですからね。
適切な使用方法を守ってシューケア用品を使いこなしていきましょう。
それでは、今回はこの辺で。
少しでも参考になれば幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました!






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大事な革靴を劣化させないために靴を磨いてコンディションを整えるのがおすすめです。