- スエード
- ヌバック
- ベロア
といった、
- 起毛革
は、スムースレザーとは違った豊かな表情が魅力の革種です。
表面が毛羽立った革のため、
なんてお悩みを持ちやすい革種でもあります。
特に、革靴の場合、外で履くので汚れが気になりますよね?
- お手入れしないと!
という思いが強くなります。
そんなとき、どうお手入れすれば良いのか分からないと困ることに…。
結論、
- 起毛革の靴のお手入れはブラッシングでOK
です。
起毛革は革の繊維が毛羽立っているため、繊維の間にホコリや汚れが溜まりやすい性質を持ちます。
ブラッシングで革繊維の間に挟まっているホコリや汚れをかき出し、毛並みを整え美しさを保ってあげるのです。
起毛革の靴を履いた後は、起毛革用のブラシでブラッシングすれば、革靴の状態を良好に保てます。
基本、日常のメンテはブラッシングのみ。
履き続けるうち、起毛革のカサつきや色あせが気になってきたら栄養補給スプレーで水分と油分を補えば、起毛革靴を末永く愛用できます。
ということで、本記事では起毛革靴の日常メンテ方法をご紹介します。
これだけで起毛革靴の寿命は劇的にのびますよ!
- 起毛革靴のお手入れって何をすれば良いの?
- スエードやヌバックのシューズを長持ちさせたい
- 起毛革靴のお手入れにはどんな道具を使う?
起毛革のお手入れって面倒そうなイメージ
起毛革は革の表面をバフがけして革の繊維を立たせた革種。
- 革の表面をやすりで毛羽立たせること
一般的なスムースレザーと比べると起毛革は表情豊か。
温かみが感じられる柔和な印象の革種です。
起毛革はその特殊な表面加工により、
- お手入れのハードルが高そう
と思われがちな革種でもあります。
と思いきや、まったく面倒ではないです。
起毛革靴のお手入れですべきこと
起毛革のお手入れですべきことは、革繊維の中に挟まったり、埋まってしまったホコリやごみ、汚れをかき出すこと。
起毛革は革表面が毛羽立っているため、スムースレザーに比べてホコリや汚れを巻き込みやすく、汚れやすいのが特徴。
つまり、起毛革を清潔で美しく保つためには、革の繊維の中に入り込んだホコリや汚れをしっかり取り除くことが重要です。
ホコリや汚れを確実にかき出すために必要なこととは…。
そう。
ブラッシングです。
起毛革もまたスムースレザーと同じく、ブラッシングが基本のお手入れとなります。
起毛革靴の日常メンテ方法を実践解説
さて、この項目では起毛革の一種、
- ヌバックレザー
の靴を用いて、起毛革靴の日常メンテ方法を解説します。
こちら、コールハーンのヌバックシューズ。
革の銀面を毛羽立たせた「ヌバック」を使ったシューズです。
履き終わった状態の靴なので、ヌバックの毛が寝て、ところどころ白っぽくなっています。
ホコリもちょこちょこと。
ブラッシングして、ホコリを落としつつ毛並みを整えていきますね。
起毛革のブラッシングには、起毛革用のブラシを使いましょう。
スムースレザーには毛先が柔らかな馬毛ブラシを使うのが定石。
ですが、起毛革の場合は別。
起毛革のお手入れは革の繊維をしっかり立たせ、中のホコリや汚れをかき出す必要があります。
そのため、柔らかな馬毛ではコシが足りないのです。
起毛革のお手入れに使うブラシは、金属製のワイヤーブラシやコシの強い豚毛ブラシを使いましょう。
今回使うのは、コロンブスとハンズコラボの起毛革用ブラシ「スエードブラシ」です。
中央に豚毛、さらに、その豚毛を囲うように馬毛が植えられたブラシで、
- 内側の豚毛でしっかり毛を立たせてホコリをかき出し、
- 外側の馬毛で払い落とす
2段構えの起毛革用ブラシです。
では早速、ヌバック部分をスエードブラシでブラッシングしていきます。
手首のスナップを効かせてシャッシャッと。
あらゆる方向からブラッシングし、革の繊維を立たせるイメージで。
ホコリをかき出せるように、革にブラシを軽く引っ掛けながらブラッシングします。
360°から満遍なくブラッシングした後は、1方向からのみのブラッシングに切り替え。
毛並みを整えながら、表面に浮いてきたホコリを払い落とします。
起毛革部分すべてをブラッシングしたらお手入れ終了。
仕上がりはこのように。
ヌバックの美しさが際立つ仕上がりです。
毛並みが整い、毛が寝て白っぽくなっていた箇所の発色が良くなりました。
さらに…。
こちらの靴、しばらく履いたらつま先に何やら跡のような、シミのような模様ができています。
ですが、心配無用。
こちらもブラッシングすると…
きっちりきれいになりました。
違いは一目瞭然。
やはり起毛革のお手入れはブラッシングが大事。
簡単作業を徹底すれば、いつまでも起毛革の風合いを守れます。
ちょっとした作業でも、
- 塵も積もれば山となる
という精神でメンテすれば、その思いに靴はしっかり応えてくれます。
起毛革に埋まったホコリや汚れをそのままにしておくと、革の風合いを損ねるだけでなく、革の乾燥を招き、起毛革靴の寿命を縮めます。
ですが、
- 帰宅して靴を脱いだらブラッシング
を日常ルーティーンにしておくと、起毛革靴を良い状態で末永く履けます。
ブラッシングだけで起毛革は美しくなる!作業前後を比較
起毛革のブラッシングで靴の状態がどの程度変わったのか、比較してみます。
ビフォーアフターを4つの視点でお届けしますね。
ブラッシング前は起毛革が白く変色していましたが、ブラッシング後には革の風合いが復活。
ヌバックのしっとりとした革の質感をあらためて再認識する美しさです。
ブラッシングだけでも起毛革靴の見た目が激変します。
- 履き終わったらブラッシング
は、スムースレザー靴だけでなく、起毛革靴にも通じる合言葉です。
起毛革が乾いてきた・色あせてきたと感じたら栄養補給を
とはいえ、起毛革の状態を整えるためには日々のブラッシングだけではいずれ限界を迎えます。
ホコリや汚れを落とし続けても、革の乾燥は少しずつ進んでいくからです。
日常の手入れはブラッシングだけで十分なのですが、起毛革の乾燥や色あせが気になってきたら、栄養補給してあげましょう。
ただ、起毛革は表面が毛羽立っているため、一般的なレザーケアクリームは使えません。
起毛した表面にクリームが引っかかり、上手く塗り広げられないからです。
起毛革にはスプレータイプの栄養剤を使いましょう。
起毛革用の栄養スプレーを吹きかければ、表面が毛羽立った起毛革であっても、満遍なく潤いと栄養を与えられます。
起毛革靴は履いたらブラッシングが鉄則
本記事では、起毛革靴の日常メンテ方法について解説しました。
スエードやヌバックといった起毛革は表面が毛羽立った特殊な状態のため、一般的なスムースレザーとはまったく違ったお手入れが必要ではないかと考えがち…。
しかし、そんなことはなく。
スムースレザーと同じく、起毛革も日々のお手入れで大事なのはブラッシングです。
ただ、起毛革の場合、毛羽立った革繊維の中に入り込んだホコリや汚れを確実にかき出すブラッシング方法が重要。
履き続けるうちに寝てしまった革繊維をしっかり立たせるため、金属製のワイヤーブラシやコシの強い豚毛ブラシでのブラッシングが必要です。
革に埋まったホコリや汚れをかき出しつつ、毛並みを整えれば清潔で美しい状態が長続き。
起毛革の靴をなが~く愛用できますよ。
革の乾燥や色あせが気になってきたら、起毛革用栄養スプレーで潤いと栄養を補給してあげればなお良し。
- 日常のブラッシング
と、
- 定期的な栄養補給
で、起毛革靴と末永く付き合っていきましょう。
それでは、今回はこの辺で。
少しでもご参考になれば幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました!
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