そんな需要にこたえるのがタピール(TAPIR)のレーダーバルサムです。
レーダーバルサムは缶に入った革用ケアクリーム。
天然成分のみを配合したペーストで、革に塗り込めば栄養成分が浸透。
さらに、含まれるロウ分が革の上に膜を張り、保護層として機能。
光を反射しやすくなり、控えめな光沢をもたらします。
タピールのレーダーバルサムは靴用ワックスに似た見た目。
実際、靴用ワックスと同じような使用感です。
ただ、決定的に違う点があります。
タピールのレーダーバルサムはハイシャインのような輝きを作るのではなく、あくまでも革に栄養を与えるケア用品だということ。
ツヤ出し効果はレーダーバルサムが持つ特徴の1つにすぎません。
総合的に革のコンディションを整えられるレザーケア用品がレーダーバルサム。
ロウ分を含むため、べたつきが発生しやすいことから用途は革靴が多いですが、革財布やレザーベルトに使えないわけではありません。
塗り過ぎにさえ気を付ければ、起毛革を除く革製品全般に使え、愛用のレザーアイテムのコンディションを整えるのに役立ちます。
本記事ではタピールのレーダーバルサムの詳細と使用感をレビューしました。
- 革に栄養とツヤを同時に与えたい
- タピールのレーダーバルサムの特徴は?
- レーダーバルサムの使い方を知りたい
革への栄養補給は大事!さらに見た目もきれいにしたい
革に栄養を与えることは非常に重要。
というのも、革のしなやかさや独特の風合いは革内部のすいぶんや油分によって保たれているから。
革は時間とともに潤いや栄養が抜け、徐々に硬くなっていきます。
ゆえに、革が持つ特性をキープするためには、定期的に革に栄養を与えることが重要なのです。
そして、革と末永く付き合っていく上で忘れてはいけないのが革のツヤをどのように引き出すか。
革の特性として、キメが細かければ細かいほど上品なツヤが出ます。
一方で、キメの粗い革は自然な風合い。
どちらも良い表情ですが、エレガントな印象を高めたいならツヤが強い方が良いです。
特に、革靴やレザーベルトはツヤがあると雰囲気が引き締まり、非常に格好良くなります。
革にツヤを与えることは有意義なのです。
ただ、上質で高級な革ではない場合、表面が粗くツヤが弱くなりがち。
そのため、革のお手入れで栄養補給だけでなく、ツヤを与えたいという話になります。
また、もともとツヤが強い革であっても、お手入れでツヤを与えれば美しさがブースト。
革のお手入れで栄養だけでなく光沢も付与できれば一石二鳥というわけです。
そんなレザーケア用品があればなぁ…、と思いますよね?
レーダーバルサムはタピールのワックス
革に栄養とツヤを与えるレザーケア用品、実はあります。
栄養と光沢を同時に与える優れもの。
それがタピール(TAPIR)のレーダーバルサムです。
レーダーフレーゲと用途は似ていますが、よりツヤ出し効果が高いのがレーダーバルサムの特徴。
栄養
レーダーフレーゲ>レーダーバルサム
ツヤ
レーダーバルサム>レーダーフレーゲ
といったところ。
さらに、防水効果をもたらします。
レーダーバルサムの「バルサム(Balsam)」とは、ドイツ語で香油の意味。
レーダーは革を意味するので、レーダーバルサムとは「革の香油」を指す言葉です。
タピールのレザーケア用品は天然の素材が革にとって最良であることを意識し、長年の試行錯誤の末に生み出されています。
レーダーバルサムもまた、世界各国の天然素材でワックスペーストを形成しています。
厳選した天然成分のおかげで、タピールのレザーケア用品は革にやさしい仕上がりになります。
タピールのレーダーバルサムは、革に栄養を与えながら被膜を作って保護する靴用ワックスです。
比較的ソフトなペーストの油性ワックスで、特徴としてはスッキリとした柑橘系の香りが広がること。
後述しますが、オレンジテレピンオイルを配合しているからです。
表革(スムースレザー)専用でスエードなどの起毛革には使えません。
手入れの行き届いた革はツヤが生まれ、強くしなやかになります。
レーダーバルサムを使うと革が長持ちし、大事な革製品と末永く付き合っていけます。
項目 | 仕様 |
ブランド | タピール |
カラー | 無色 茶色 赤茶 黒 |
成分 | ひまし油 みつろう シェラックロウ キャンデリラロウ カルナバロウ オレンジテレピンオイル 鉱物系顔料(無色以外) |
容量 | 85ml |
参考価格 | 1,980円 |
レーダーバルサムの使い方
ここで、レーダーバルサムの使い方を見てみます。
以下の手順です。
- ホコリ落とし
- 汚れ落とし
- レーダーバルサムを塗る
- 時間をおく
- ブラッシング
- 拭き上げ
レーダーバルサムを指に少量取り、薄く均等に革へなじませます。
クロスやブラシでも塗れるは塗れるのですが、指の方が圧倒的に伸ばしやすく、作業効率が良いです。
塗りムラを作らない意味でも指での塗布がおすすめ。
レーダーバルサムの塗布後は手のひらを使って革をマッサージ。
革へ成分をなじませます。
その後、ブラシでブラッシング。
余分なレーダーバルサムのペーストを落としつつ、革をマッサージする効果があります。
余分なワックスを落ち、ツヤが出るはず。
革が美しく仕上がります。
より強いツヤを出したいときには塗布してから30分ほど時間をおき、ロウ分をしっかり固めてから磨くと良いです。
実際の作業工程は後ほどお見せするとして。
レーダーバルサムのペーストの感触を確かめていきます。
指で触ってみます。
柔らかです。
似た形態の他ブランドの靴用ワックスと比べると違いは明らか。
圧倒的にペーストが取りやすいです。
革に塗ってみます。
柔らかなため塗り広げやすく、1度に大きな面をカバーできます。
栄養補給が効率良くできます。
ペーストが柔らかいことは塗り広げやすいだけでなく、取る量も調整しやすい側面があります。
そのため、過度に塗り過ぎてべたつきを招くことが少ないです。
初心者でも何の心配なくレザーケアができる製品です。
とまぁ、説明しただけでは革靴がどんな仕上がりになるのかはイメージできません。
実際にお手入れをやっていきましょう。
革靴にレーダーバルサムを使ってみた
この項目ではタピールのレーダーバルサムを使って革靴をケアしていきます。
革靴だけでなく、革製品全般に使えます。
お手入れするのはこちらの革靴。
サントーニのダブルモンクストラップです。
ブラウンのアンティーク調の仕上げが美しい1足。
レーダーバルサムで上品なツヤを与えていくことに。
あらかじめ革靴にはシューキーパーを入れて形を整えておくのをおすすめします。
作業しやすくなるからです。
さてと。
先ほど紹介した手順でお手入れしていきます。
ホコリ落とし
まずはホコリ落とし。
馬毛ブラシでブラッシングし、ホコリを払い落とします。
履いているうちに革靴にはホコリが付着します。
ホコリやチリを柔らかな馬毛ブラシで優しく払い落とします。
汚れ落とし
続いて、汚れ落とし。
靴クリーナーをクリーニングクロスに浸み込ませ、革靴のアッパー全体を拭きます。
ホコリだけでなく、汚れや古い靴クリーム、シューワックスを落とし、レーダーバルサムの成分が革にダイレクトに伝わるように準備するのが目的です。
革がサッパリとしてスッピン状態に戻ります。
レーダーバルサムを塗る
ここで主役の登場。
レーダーバルサムを塗っていきます。
指に直接取って…
革靴へ塗布。
先ほど確かめた使用感同様、非常に塗りやすいワックスです。
通常の靴用ワックスであれば、光らせたい部分にのみ塗るのがセオリーですが、レーダーバルサムはアッパー全体に薄く均一に塗ります。
レーダーバルサムの特性上、層を重ねて強い光沢を出すのは不向き。
ペーストがやわらかいため、塗り重ねに向いていないからです。
塗り重ねても前に塗ったワックスを溶かしてしまい、層を形成できません。
レーダーバルサムはあくまでも革に栄養を与えつつ控えめなツヤを出すためのアイテム。
まんべんなく塗って保革しましょう。
ただ、レーダーバルサムは油性のワックス。
塗り過ぎると途端にべたつきます。
レーダーバルサムを塗るときは少量ずつ取り分け、指の温度でペーストを溶かしながら徐々に塗り広げていくのをおすすめします。
塗り過ぎた場合には、靴クリーナーでクリーニングしてべたつきを解消しましょう。
時間をおく
レーダーバルサムを塗った後は時間をおいて栄養成分の革への浸透を待ちます。
通常、5分ほど時間をおけば十分。
ですが、よりツヤが欲しい場合には30分ほど待ち、レーダーバルサム中のロウ分が固化するのをじっくり待ちます。
ロウ分が乾燥して硬くなれば、革に膜を張るため、光を反射しやすくなり、ツヤが出るというメカニズムです。
ブラッシング
時間をおいてレーダーバルサムを乾燥させた後は豚毛ブラシでブラッシング。
レーダーバルサムを革になじませます。
マッサージするように力を込めて、大きなストロークでブラッシングするとGOOD。
成分が革になじみます。
ブラッシングすると塗り過ぎたワックスを毛先に移して取り除く効果も得られ、さらには塗りムラを解消。
豚毛でのブラッシングは欠かさずに実施しましょう。
拭き上げ
ブラッシングの後はクロスでの拭き上げです。
ブラッシングで落とし切れなかったレーダーバルサムの成分をキッチリ拭き上げ、クリーンな印象へと高める工程です。
レーダーバルサムはロウ分を多く含んでいるため、ワックスで磨くとツヤが出ます。
ただ、レーダーバルサムを塗り過ぎていると革表面がべたついてクロスがすべらず、クロスから剥がれた繊維くずが革に付着。
革の風合いを損ねる原因になります。
べたつきが気になる場合はさらに時間をおいて、成分の革への浸透を促したり、さらなるブラッシングをして成分を革になじませてから再度拭き上げましょう。
レーダーバルサムでお手入れした後の革靴がこちらです。
良い感じ。
ツヤが控えめ。
ぎらつかず、非常に上品な風合いを放っています。
革に栄養を与えつつ見た目を整える優れたアイテム。
それがレーダーバルサムです。
オイルドレザーのブーツに塗ると防水性を高めますますタフなシューズになります。
アッパーにオイルドレザーを採用した頑丈な靴です。
レーダーバルサムでケアすれば、栄養補給だけでなく、水への耐性を高め、悪天候のときの安心感がさらに高まるのです。
ということで、レーダーバルサムを塗布することに。
アッパー全体に塗ります。
サイドや背面も抜けなく塗布。
薄く塗り広げましょう。
そしてブラッシング。
オイルドレザーの場合、レーダーバルサムを塗った後は革がべたつきやすく、クロスで拭き上げると糸くずが革に吸着して革の風合いを損ないます。ブラッシングだけでOKです。
栄養が入り、革の表面にロウのコーティングが生まれた状態です。
お手入れ後でも革の風合いが変わらず、一見何の変化もないように見えますが、実際には油分とロウ分が革に乗っています。
防水性が高まり、今まで以上に雨の日でもガシガシ履けるブーツになりました。
レーダーバルサムでのブーツのお手入れ、おすすめです。
レーダーバルサムの使用上の注意
レーダーバルサムを使うときにはいくつかの注意事項があります。
この項目で紹介しますね。
1つ。
レーダーバルサムはスムースレザー以外には使えません。
起毛革に使うとペーストが起毛部分に引っかかりうまく塗れません。
2つ。
レーダーバルサムは少量でよく伸びるため、使い心地が良いです。
しかし、使いやすいからといって、付け過ぎには注意が必要。
革のべたつきの原因になります。
ホコリやゴミが吸着しやすくなるだけでなく、ツヤが出ないことにもつながります。
美しく仕上げたいなら、
くらいの量だけ塗るようにしましょう。
3つ。
レーダーバルサムに含まれたバルサムオイルが揮発性のため、時間とともに成分が飛び、ペーストが小さく硬くなっていきます。
ただ、使用には何ら問題ありません。
容器の内側にバルサムオイルが揮発して茶色に付着することがあります。
そのままでも問題ないですが、気になる人は靴クリーナーやアルコールを使って落としましょう。
革に栄養と光沢を簡単に付与!タピールのレーダーバルサム
本記事ではタピール(TAPIR)のレーダーバルサムの詳細と使用感をレビューしました。
タピールのレーダーバルサムは靴用ワックスのような缶の容器に入っており、見た目は完全にシューポリッシュです。
ペーストもまた、クリームというよりはワックスに近い性状なのが特徴のレザーケア用品。
革に栄養を与えつつ、ツヤを出します。
靴用ワックスに似ているとはいえ、鏡面磨き用のワックスとしては若干心許ない仕上がりです。
光沢を強く出すなら他のシューケア用品メーカーから適したワックスが多数あるので、それらをチェックするのが吉。
ただ、タピールのレーダーバルサムは用途が広く、革靴だけでなく、革製品全般に使えるのが特徴です。
それこそがレーダーバルサムの魅力。
やわらかで塗り広げやすいレーダーバルサムは快適な使用感でストレスフリー。
オレンジテレピンオイルの柑橘系のさわやかな香りの中で、レザーケアができるのもポイント高し。
ブラシ掛けとクロスでの磨きを経れば、光沢が出て上品な印象アップ。
天然成分のみを配合したレザーケア用品なので、安心して革に使えますよ。
他ブランドとは使用感の異なる面白いケアアイテムです。
気になった人はぜひチェックしてみてください。
それでは、今回はこの辺で。
少しでも参考になれば幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました!
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大事な革靴を劣化させないために靴を磨いてコンディションを整えるのがおすすめです。