魅力的な革製品、一言で革といっても様々な種類があります。
言ってしまえば、動物の種類の分だけ革の種類があるということ。
それらの革には、それぞれ多様な特徴があります。
革の見た目・柔らかさ・経年変化の仕方など…。
本記事では、数ある革の種類の中で一般的によく見かける哺乳類系の革についてまとめました。
具体的には、希少な革である「エキゾチックレザー」を除いた、牛・馬・豚・羊・山羊・鹿の主要6種類の革について、述べていきます。
革の種類 | 特徴 |
---|---|
牛革 | きめ細やかで美しく丈夫。供給量が多めで他の革よりも安価なことが多い。 |
馬革 | 薄い・軽い・柔らかい。コードバン(お尻の革)の美しさは至高。 |
豚革 | 通気性が良く摩擦にも強い丈夫。毛穴の模様が独特。 |
羊革 | 肌触りがソフト。高い保温性があるが丈夫さは他の革よりも劣る。 |
山羊革 | 独特のシボが美しい。質感は柔らか。 |
鹿革 | 肌触りが良く高柔軟性・高通気性がある。風合いの美しさを保ちにくい。 |
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革の種類と特徴|牛革
牛革は世の中に数多く存在する皮革の中で、最も代表的な革です。
これだけ世に普及し、広く使われる理由は、何といっても素材としてのバランスの良さ。
肉牛の皮から作るので供給量は十分、きめ細やかで美しく、丈夫な革質。
隙がない素材です。
牛の月齢や牡牝、出産の有無などで名称と特徴が異なり、月齢が若いほど素材がきめ細かく、希少な傾向があります。
- カーフ
- キップ
- ステアハイド
- カウハイド
詳しく見ていきましょう。
カーフ
カーフとは、生後6ヶ月以内の子牛の革で、牛革の中で最も上質な部類に入る高級品。
さらに、生後3カ月以内の子牛はベビーカーフと言います。
子牛の革なので、きめ細やかで柔らかく、かつ薄い特徴を持ちます。
キップ
キップとは、生後6カ月~2年までの牛の革です。
カーフよりも成長した牛からとれるので、カーフスキンよりも革繊維の密度が高く、より丈夫です。
ステアハイド
ステアハイドは一般的に「牛革」と呼ばれる、後述のカウハイドと並ぶ代表的な革です。
革製品によく利用されるのが「ステアハイド」か「カウハイド」。
生後2年を経過した牡牛の革ですが、生後3~6ヶ月の間に去勢されており、去勢されていない牡牛の革と比較して革質が柔らかいのが特徴です。
比較的厚みが揃っているので加工しやすく、様々な用途に使用可能です。
カウハイド
カウハイドとは、出産を経験した生後 2年以上の牝の成牛の革です。
牝牛のため、革の厚さは牡牛からとれるステアほどではありません。
その分、ステアよりも柔らかめ。
薄いといっても成牛なので、カーフスキンやキップスキンよりは厚みがあり、丈夫です。
革の種類と特徴|馬革
馬は運動量が多いので、とれる革には余分な脂肪が少なめ。
そのため、馬革は薄い・軽い・柔らかい特徴を持っています。
強度は牛革よりも劣りますが、柔軟性に優れます。
薄くても丈夫さがあり、耐久性が求められるレザージャケットや財布などにも多く使われています。
馬革の中でも、よく聞く革種がコードバンです。
コードバンは農耕馬のお尻の革で、革を削ることで、表皮の下にあるコードバン層を露出させています。
シワになりにくいので、美しい経年変化を楽しめます。
何よりもコードバンの光沢は美しいです。
革の種類と特徴|豚革
豚革は、牛革に次いでメジャーな革といってよいほど広く使われている革です。
牛革より軽い特徴があります。
また、通気性が良く、摩擦にも強い丈夫な革です。
一見、牛革よりも優れているように見えますが、表皮の直下に皮下組織があるため、厚みを確保しにくいのが難点です。
逆に、その薄さから財布や靴などの内側の革として利用されることもあります。
豚革の最大の特徴は、3つ1組で三角形に並んでいる独特の毛穴模様。
この独特の毛穴模様があることで通気性が良くなっています。
スエードに仕上げられることも多い革種です。
革の種類と特徴|羊革
羊革はきめ細やかな革質で薄く、何よりとても柔らかいことが特徴。
肌触りがソフトで指に吸い付くような触り心地が魅力です。
また、羊革は内部に隙間があり、高い保温性を持ちます。
防寒用の衣服として使われることも多々あり、羊革のジャケットは柔らかな着心地と相まって、人気が高いです。
一方で、革内部に隙間があるので強度はいまひとつ。
生後1年以上の革はシープ、生後1年以内の革はラムと呼ばれます。
毛付きの革はムートンとして、コートなどに利用されます。
革の種類と特徴|山羊革
山羊革の特徴は、表面にある特有の細かなシボ。
- 革表面に細かく・不規則にできているシワ模様のこと
- 立体的なふくらみを持つこともある
牛革にもシボはありますが、山羊革はシボがひと際美しくあらわれています。
革は薄めで柔らかな傾向です。
羊革に似たソフトな風合いですが、強度も高く丈夫。
革繊維の密度が高めなので高耐久性を発揮します。
マットな質感で光沢は抑え目。
目立ち過ぎないひかえめな革種です。
また、子山羊の革はキッドスキンと呼ばれ、革小物や衣類用の高級素材として扱われることが多いです。
革の種類と特徴|鹿革
鹿革はきめ細やかで軽くて丈夫。
加えて、通気性が良いという特徴があります。
一方で、革の銀面が剥がれやすく、革の美しさが損なわれやすいという欠点が…。
革自体は丈夫なのですが、傷が付きやすいです。
銀面の剥がれやすさと相まってきれいな状態に保つことが難しい革でもあります。
ただ、それを補って余りある、肌触りの良さと高い柔軟性・通気性があるのが鹿革の特徴。
手袋や足袋などの身体に着用する革として一定の需要があります。
革の種類と特徴を知ればレザーライフがより楽しくなる
本記事では豊富な革の中でも比較的一般的な6種の革(牛革・馬革・豚革・羊革・山羊革・鹿革)の特徴について書きました。
革の種類 | 特徴 |
---|---|
牛革 | きめ細やかで美しく丈夫。供給量が多めで他の革よりも安価なことが多い。 |
馬革 | 薄い・軽い・柔らかい。コードバン(お尻の革)の美しさは至高。 |
豚革 | 通気性が良く摩擦にも強い丈夫。毛穴の模様が独特。 |
羊革 | 肌触りがソフト。高い保温性があるが丈夫さは他の革よりも劣る。 |
山羊革 | 独特のシボが美しい。質感は柔らか。 |
鹿革 | 肌触りが良く高柔軟性・高通気性がある。風合いの美しさを保ちにくい。 |
それぞれの革には異なる特徴があり、それらを用いて作られる革製品にも革自体の特性は色濃く現れます。
同じ形・色の製品でも革の種類が違えば、まったくの別もの。
質感や風合いはもちろん、雰囲気や印象もまるっきり変わることだって珍しくありません。
牛革で作った靴と、馬革で作った靴とでは、見た目や感触・履き心地まで変わってきます。
日常のケアでも若干の違いがあったりと、幅広い革種に触れれば触れるほど、革への関心も高まっていくことでしょう。
自分の好みに合った革の質感や感触を探してみるのもまた一興です。
それでは、今回はこの辺で。
少しでもご参考になれば幸いです。
ご覧頂き、ありがとうございました!
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