革靴の型崩れを防ぐために必要なシューツリー。
シューツリーなくして、革靴の良好なコンディションを保つことはできません。
そんなシューツリー。
革靴には様々な形状があるように、シューツリーにも種々のデザインや形があります。
細身でシェイプのかかった靴、はたまた無骨でボテッとした形状の靴など。
それぞれに適したシューツリーがあります。
ディプロマットのシダーシューツリーはゆるいシェイプで丸みのある形状が特長のシューキーパー。
比較的かかとが広く、外羽根式のややゆったりとした作りの革靴に向いているシューツリーです。
革靴の型崩れを予防しつつ、シダーウッドが靴の中の湿気を吸収しカビの発生を防ぎます。
シダーは芳香剤としての機能も持ち、靴のイヤなニオイを防いでくれるだけでなく、防虫作用もある優秀な素材です。
ということで、本記事ではディプロマットシダーシューツリーをレビューします。
- 靴の形を美しくきれいに保ちたい
- 丸みのある革靴に入れるシューツリーを探している
- かかとが大きめのシューツリーって何かないかな?
- ディプロマットシダーシューツリーの詳細が知りたい
シューツリーの必要性
一日が終わって帰宅した後、革靴を脱ぎっぱなしにしていると起こる問題…。
それは、
- 靴の型崩れ
です。
はじめのうちは気付かなくても、それを繰り返していると革靴に深いシワが入り、徐々に型崩れが発生します。
革靴の見た目の美しさを大きく損ねる由々しき事態です。
革靴の型崩れを防ぐためにはシューツリー(シューキーパー)の利用は必須。
革靴を脱いだ後はシューツリーを入れ、革をしっかり伸ばして革靴の形状をキープしてあげることが大事。
このちょっとした一手間が革靴と末永く付き合っていくための秘訣です。
革靴の形に適したシューツリーを選ぼう
革靴の形状には色々な種類がありますよね?
- スタイリッシュな細身の靴
- どっしりとした太目の靴
- 履き口が広い靴
- 履き口が狭い靴
- かかとが小さい靴
- かかとが大きい靴
など…。
人の足の形が一人ひとり違うように、メーカーやモデルによって革靴の形状が違ってきます。
ということは、ですよ?
革靴のハンガーともいうべき、シューツリーにも様々な形があるわけです。
細い靴に合うシューツリー、太目の靴にピッタリなシューツリーという感じで。
形状やサイズが合っていないシューツリーを革靴に入れてしまうと、本来の効果が得られません。
例えば、靴に対してシューツリーが小さいとアッパー(甲革)が十分に伸びず、形を整える効果が得られません。
また、革靴に対してシューツリーが大きいと、かえって革靴の形状をゆがめてしまうことに…。
あまりに大きすぎると、
- そもそも革靴に入らない!
なんてことも…。
シューツリーの効果を最大限発揮するためには、革靴の形状に合っていることが重要なのです。
ディプロマットシダーシューツリーは丸みのある革靴に最適
例えば、僕が愛用しているAlden(オールデン)975。
こちらの革靴はヨーロッパのいわゆる「シュッとした」革靴に比べると、ぼってりした可愛らしいフォルムが特徴。
丸みを帯びた、それでいて無骨な印象の格好良い革靴です。
この靴にはディプロマットシダーシューツリーを使っています。
それがこちらです。
ディプロマットシダーシューツリーは、アメリカのマーケン(MARKEN)社が展開する製品。
ゆるいシェイプと大き目のかかとが特徴的なシューツリーです。
Alden975にピッタリフィットします。
ディプロマットシダーシューツリーは、丸みを帯びた形状の革靴に良く合う形状をしています。
シェイプゆるめなので、外羽根式で幅にゆとりのある革靴にも向いています。
革靴に適したシューツリーを使えば、型崩れを予防し、木が革靴に吸収された汗を吸い取り除湿されます。
ディプロマットシダーシューツリーの形状
ディプロマットシダーシューツリーの形には以下の特徴があります。
これらの形状は丸みを帯びた革靴にピッタリ。
がっしりと革靴の形状を維持し、美しいフォルムを保ってくれます。
種類にもよりますが、日本製の革靴にもマッチしやすい傾向にあります。
がっしりとした作りが持ち味のツインチューブタイプの中で、比較的汎用性が高いシューツリーです。
形状は靴の左右で当然異なります。
右足には右用、左足には左用のシューツリーを使う仕様です。
また、
- 23.5 cm ~ 27.5 cm
までのサイズに問題なく対応しています。
- 39 23.5 cm – 24.0 cm
- 40 24.5 cm – 25.0 cm
- 41 25.5 cm
- 42 26.0 cm – 26.5 cm
- 43 27.0 cm – 27.5 cm
サイズバリエーションが豊富で、革靴のサイズにジャストフィットさせられます。
ディプロマットシダーシューツリーの構造
ここからは、ディプロマットシダーシューツリーの構造を少し解説します。
シューツリーの先端部はバネが仕込んであり、横方向にテンションがかけられる仕様に。
真ん中から切れ込みが入ったサイドスプリット式で、ツリーの形状に沿ってしっかりと革に力が加わります。
このように伸縮します。
ネジで幅を調整できるようになっているので、横方向へのサイズ調節が可能になっています。
前と後ろの木材をつなぐのは2本の金属チューブ。
ツインチューブ式は安定感抜群。
シングルチューブよりもぶれずに均等にテンションをかけられるメリットがあります。
これらの構造により、革靴の前後左右に満遍なく力がかけられ、革をしっかりと伸ばすとともに靴の反りを解消。
形状をキープできるため、型崩れを防げるというわけです。
このように前後のパーツが曲がるようになっています。
この作りが革靴に投入するときに効果を発揮。
使いやすくすることに寄与します。
かかとの上部には突起状パーツが付いており、つかみやすくなっています。
このパーツのおかげで革靴へ入れるのも、革靴から取り出すのもラクラクです。
ディプロマットシダーシューツリーの材質
ディプロマットシダーシューツリーの材質は、その名称の通り「シダー」を使っています。
芳香杉とも呼ばれる「アロマティックシダー」で作られたディプロマットシダーシューツリーは、長時間履き続けて汗を吸収した革靴の除湿が可能。
- アメリカでは古くから使用され、高い防腐性と優れた防虫効果を持つ
- 芳香作用もあるため、衣類の収納ケースに使われることもある
革靴内部の湿気を取り去って環境を整え、カビの発生を防げます。
また、アロマティックシダーの香りが靴内のイヤなニオイを中和してくれるため、清潔感も確保できます。
ディプロマットシダーシューツリーの製造元「マーケン(MARKEN)」とは
ディプロマットシダーシューツリーはアメリカの「マーケン(MARKEN)」社が手掛けています。
マーケン社は2000年に設立されたシューツリーメーカー。
主にアロマティックシダーを使用し、高品質かつリーズナブルな価格のシューツリーを製造しているマーケン。
日本への供給はもちろん、サルヴァトーレフェラガモなどのOEM製造によって、グローバルな製品展開もしているブランドです。
ディプロマットシダーシューツリーをAlden975に使ってみる
シューツリーの使い方はいたって簡単。
革靴の履き口から投入するだけ。
このように…
靴の外側にちょっと傾けながら、斜めから入れるのがコツです。
金具部分が可動するので、斜めに入れて簡単にセットできます。
十分中に入れ込めたら、かかとをしっかり押し込んで靴全体にテンションがかかるようにします。
これで作業終了。
最後に…。
シューツリーはサイズが大事。
一例として、僕の革靴とディプロマットシダーシューツリーのサイズをご紹介しますね。
Alden975がサイズ「7.5」に対して…
ディプロマットシダーシューツリーは「40」を使用しています。
アメリカサイズの7.5なので、日本サイズだと25.0 ~ 25.5cm程度に相当。
ディプロマットシダーシューツリーで革靴の型崩れを防ごう
本記事では、ディプロマットシダーシューツリーをレビューしました。
革靴を長く愛用するために大活躍してくれるシューツリー。
型崩れとカビの発生を予防し、革靴の形状を美しく清潔に保ってくれます。
革靴のデザインや形状が千差万別あるように、シューツリーの形状にも様々な種類があり、それぞれ適合・不適合があります。
ディプロマットシダーシューツリーは丸みを帯びた形状の革靴に適したシューキーパーです。
くびれがゆるく、かかとが比較的広く作られている靴に適しています。
日本人の足形に合わせて作られた日本のメーカー靴や無骨なアメリカ靴などにオススメです。
ヨーロッパ系のシェイプが利いた細身の靴なら同ブランドのヨーロピアンモデルを選ぶと良いです。
それでは、今回はこの辺で。
少しでもご参考になれば幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました!
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大事な革靴を劣化させないために靴を磨いてコンディションを整えるのがおすすめです。