革靴を履いていると、たまにどこかにぶつけたりすることがありますよね?
あるいは転んでしまったり、とか。
そうすると、
- 革靴に傷が付く
- 革が切れる
上記が起こります。
ひどいときには、
- 革がえぐれる
ことだってあります。
ショックですよね?
靴に対して申し訳ない気持ちと、自分の不注意加減へのいきどおりが同時にやってくる瞬間です。
でも、起きてしまったことは仕方ありません。
時間は巻き戻せませんから。
後悔するよりも、
それが大事ですよね。
傷付いたり、壊れたりしたものは修理する…。
何事もそう。
革靴だって同じです。
シューケア用品のアドベースで革の傷を埋めればOKです。
ということで、本記事では革靴に付いた傷を埋めて補修する作業工程を紹介します。
革靴についてしまった傷、なんとかしたい
以前購入したこちらの革靴。
なぜこの靴を持ち出してきたのかといいますと…。
革靴に強い力が加わると傷やこすれ跡が発生しますよね?
こんな風に。
ええ、やらかしてました。
「やらかしてました」という、いつのまにか感漂う言い回しでしたが…。
実はこの傷、まったく心当たりがないのです。
切れたような感じの傷が入ってしまっています。
鋭利な箇所にでもかすったのか…。
見つけたときはもうショックでしたよ…。
傷ついとるやんっ!!
って感じで。
足を守ることも靴の役割と考えれば、この傷のおかげでケガをせずにすんだというポジティブなものの見方もできますが…。
やはり傷を見ると、落ち込みます。
見るたびにテンションが下がってしまう革靴の傷。
何とかしたいと思うのが親心というものです。
愛しい我が子がケガをしているのにみすみす見過ごす親がいないのと同じように、革靴の傷も放ってはおけません。
そこで、革靴の傷を補修することにしました。
傷は埋めれば目立たなくなる
革は素材として、比較的丈夫な部類です。
程度にもよりますが、小さなかすり傷の場合、革の繊維を寝かせるだけで目立たなくなることもあります。
ですが、今回のような切り傷やえぐれてしまった革と言うのは、繊維を寝かせたところで焼け石に水。
ほとんど効果は見られません。
なにせ、そういった状態は革に「穴」ができている状態。
そのため、何かで補填しない限りは元通りに修復することはできないのです。
裏を返せば、
- 穴の開いた隙間を何かで補填する
つまり、
- 「埋める」ことで傷を目立たなくできる
ということ。
革に傷が付いてしまったら、その部分を埋めればOKです。
傷を埋める「パテ」
と考えたときに何が思い浮かぶでしょうか?
筆者の場合、
- パテ
です。
パテとは、
- 穴
- くぼみ
- 割れ
など、欠損部分を埋めて平らな面を得るため、あるいは、造形材料として使われる肉盛り用の塗料のこと。
建築現場やDIY、プラモデルなど、様々な場面で使われていますよね。
一口でパテといっても様々な種類のパテが存在するわけですが…。
革の傷を埋めるためのパテ剤として、
- アドベース
という道具があります。
コロンブスのアドベース
アドベースとはシューケア用品メーカーの株式会社コロンブスが販売している商品。
革の傷を埋めるための補修材です。
浅い傷や軽いこすり跡であれば、サフィールのレノベイティングカラークリームでも十分ですが、それでは深い傷を修復するのには不十分。
しかし、このアドベースであれば深い傷を埋めることが可能です。
アドベースの成分はアクリル樹脂であり、革にできてしまった傷由来の隙間や空間に入り込むことで傷を埋めるのです。
そして、しばらくすると硬化して、傷を埋めた状態で安定化するというわけ。
硬化する前はとても柔らかいので、密着性や屈折性に優れており、どんな形の傷にも対応できます。
アドベース自体の色は白。
ですが、同じくコロンブスから販売されている補色クリームであるアドカラーや別のシューケアブランドである「サフィール」のレノベイティングカラークリームを混ぜれば、色も加えられます。
革用パテで傷を補修する方法
ここからはアドベースを使用して、革靴の傷を補修して目立たなくします。
傷の補修に使用するのは、こちらの道具たち。
- アドベース
- レノベイティングカラー補修クリーム(茶:フォーン)
- 紙やすり(#400、400番台)
- プラ板
- 筆
①のアドベースは補修材。
②のレノベイティングカラー補修クリームはアドベースへの色付けを担当。
③の紙やすりで補修前に傷部分の凹凸を解消。
④のプラ板の上でアドベースとレノベイティングクリームを混ぜてアドベースに色を付けます。
それを⑤の筆で塗ります。
使用する道具を踏まえつつ傷の補修方法を順序立てて整理すると、このような工程に。
- 革の傷付いた部分をならす
- アドベースとレノベイティングクリームを混ぜ合わせる
- 傷部分にアドベースを塗る
- アドベースを乾かす
- 傷補修部分をならす
これらの道具と手順で革靴の傷を埋めます。
革の傷付いた部分をならす
まずは傷ついた箇所を紙やすりで少しだけ削り、傷周りをなるべく平らにします。
傷ついたことによって毛羽立ってしまった傷周辺の革を削り、革を平たんにして補修しやすい環境を整えます。
優しくやすりをかけます。
傷が付いている箇所以外の正常な革も極力削らないよう慎重に。
やすりがけの後に削りかすがある場合には、ブラッシングや水で濡らして固く絞ったクロスで拭き取って落としましょう。
削りかすが残っていると、アドベースの革への乗りが悪くなります。
やすりがけが終わった段階で、こんな感じ。
補修前にひとまず、革の状態を整え終わりました。
アドベースとレノベイティングクリームを混ぜ合わせる
次はアドベースを塗る…。
と思いきや。
その前に、色の調整をしておきましょう。
アドベースの色は白。
今回、傷の補修をする革靴の色は茶なので、白のままでは色が合いません。
そのため、アドベースに色を付ける作業を行います。
プラ板にアドベースを取り…
そこにレノベイティングカラー補色クリームを足します。
そして、筆でまぜまぜ。
これで茶色のアドベースが完成しました。
茶色は色味の調整が難しく、いまだに感覚がつかめません。
果たして、リーガルの茶靴の色と合致するのでしょうか?
傷部分にアドベースを塗る
いよいよアドベースを革靴に塗ります。
筆にアドベースを付けて、傷部分に塗ります。
傷をしっかり埋めるため、筆でアドベースを押し込みながら塗っていきましょう。
押し込むことで傷内部の隙間や空間を完全につぶせます。
この後の乾燥工程でアドベースの体積が若干収縮します。
そのため、アドベースは少し盛り上がりができるくらい、ちょっと多めに塗りましょう。
傷の上にアドベースを「盛る」イメージです。
アドベースを乾かす
アドベースを塗った後は乾燥させます。
アドベースの使用方法としては30~40分の乾燥時間となっています。
しかし、補修する面積や傷やえぐれの空間体積によっても乾燥完了までの時間は前後します。
筆者の場合は丸1日乾燥時間を設けて、確実に乾燥させてから次の工程に移ることにしています。
乾燥が不十分であるとこの後の工程に支障が出てしまい、仕上がりの見映えが良くないものになってしまうこともあります。
「急がば回れ」精神です。
そして1日後…。
乾燥後の状態がこちら。
しっかり傷が埋まりましたね。
ただ、周りの革の色と比べると色味が薄い…。
もう少し茶色が濃いと良かったでしょうか。
黄色味も足りない気がしますね。
傷補修部分をならす
続いては、紙やすりを使ってアドベースを削ります。
塗るときにアドベースを多めに塗って盛り上がったところを削ります。
アドベースをならして、周りの革と凹凸差が無いようにするのが目的。
アドベースの量が少ないと、補修箇所がへこんでしまいます。
しかし、あらかじめ量を多めにして塗っておけば、削ることで周りに合わせた高さ調整が出来るというわけです。
紙やすりで削った後は、このような状態に。
補修箇所の高さ調整はできましたが、削りかすが革に付いています。
そんな時はクロスに靴クリーナー、または水を付けて拭き上げましょう。
これにて、補修作業は終了。
傷を埋めることができました。
補修前後を比較!色の調整は大事だなぁ…
では、最後に傷補修前後の靴の状態を比較してみます。
こちらです。
上が補修前。
下が補修後です。
傷による革のえぐれを補修作業をすることで埋めることができました。
しかし、先ほども述べたとおり色の調整が甘く、補修箇所が一目でわかる仕上がりになってしまいました…。
茶色の革靴を補修する際は、色の調整にじっくり時間と手間をかけるのが吉ということを学ばせてもらった作業でしたね。
ただ、黒い革靴など色の濃いものの補修については、色の違いがパッと見て分からないことも多いので、そこまで神経質にならなくても良いかもしれません。
いずれにしろ、色の調整方法は別途、勉強していきます。
革靴の傷を補修して長く付き合おう
本記事では革靴にできてしまった傷を補修する方法について紹介しました。
コロンブス社のアドベースであれば、革の大きな傷やえぐれた部分を埋めることが可能です。
色の調整もできるので、サフィールのレノベイティングカラークリームをはじめ、種々のカラー剤と組み合わせれば、どんな色味の革にも対応できます。
お気に入りの革靴や革製品、傷が付いてしまうと悲しいです。
しかし、そのままにせずに補修すれば、以前のような美しい見た目に復活。
傷ついてしまった革だからといって、処分したり押し入れの奥にしまい込むのではなく、1度補修を試みてはどうでしょうか?
手間をかけると愛着もますます強くなるというもの。
ぜひ試してみてください。
それでは、今回はこの辺で。
少しでも参考になれば幸いです。
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