そんなお悩みをお持ちの人へ向け、革靴の傷跡への対処方法を説明します。
というのも、あるきっかけがありまして…。
…。
………。
いやはや、盛大にやらかしたんですよ。
え?
何をやらかしたかですか?
コケました。
歩いているときに、ええ。
転倒したんです、盛大に。
まぁ、それは良いんですよ。
自分がケガするだけなんで。
それはホントにどうでも良いことなんですが、そのときに致命的に悲しいことが起きてしまったのです。
まずはご覧いただきましょう…。
あ…、あぁ…。
何ということでしょう…。
革にひっかき傷が付いてしまっていたんです…。
これは相当ショック。
靴には無事でいてほしかった…(泣)
でも、嘆いていても仕方ありません。
付いてしまった傷は仕方ない。
靴を履いていれば遅かれ早かれ、こういう傷も付きます。
大事なのは、起きてしまったことに対してどう対処するかです。
ということで、本記事では革靴に付いた傷の補修方法を実践解説します。
この記事で紹介するのは浅い傷への対処方法です。深い傷がついてしまった場合はパテを使って埋めましょう。
革靴に傷はつきもの
お気に入りの革靴に傷が付いてしまうのは、とてもショックなこと。
ですが、そもそも靴は歩行を快適にすると共に、外環境から足を守るという役割を持ちます。
そう考えると靴に傷が付くのは当たり前。
…なのですが、革靴好きとしては受け入れがたいものです。
ただ、
- 磨いた靴をお天道様のもと、履いて歩きたい
という欲求も満たしたいわけであります。
ジレンマです。
そういった矛盾を抱えながら、僕は靴を履いています。
おそらく、シューラバーの人はそのような考えを持っているかと。
事前にシューポリッシュを塗っておいて、ある程度傷が付かないような防止措置を取っておくことはできます。
しかし。
だからといって、それで完全に靴に傷が付くリスクを無くせるわけではありません。
「靴を履いて歩く」以上、靴に傷が付くことを受け入れなければならないのです。
- 傷も革靴の表情として愛する
そういった考えを持てば幸せになれるかもしれません。
革に付いた傷を補修する
ただ、
- 傷を受け入れるとはいっても消せるものなら消したい
そう思うことは、ごくごく自然なことです。
かくいう僕もそう。
付いてしまった傷、消せるものなら消したいです。
ということで、今回は革靴の傷の解消をしていきます。
これが本題です。
もっとも一般的な方法は、
- 傷の穴を補修剤や靴クリームやワックスで埋める
という手法。
傷は革がえぐれることによってできます。
そのえぐれた部分を補ってあげれば、傷が消えるということは当然ですよね。
傷を埋める方法でも間違ってはいないのですが…。
今回、
- もっと手軽に傷の補修をしたい
と考え、以下の方法で傷を消すことにしました。
それは、
- 革の繊維を寝かせて傷を埋める
という方法。
革にできた傷というのは、革をぶつけた衝撃で革が削れた状態。
革が削れた部分の外周の革繊維が四方八方に毛羽立っています。
繊維の毛羽立ちが傷を目立たせ、靴の雰囲気を損ねる原因となっているのです。
つまり、
- 革の毛羽立ちを寝かす
- 寝かせた革の繊維が削れた革の空間を埋める
といった段階を踏めば、傷を目立たなくできるということ。
もちろん、大きくえぐれた革は別。
周囲の革の繊維を寝かせたところで、えぐれた部分をすべて埋めることは不可能です。
革の繊維を寝かせて傷を埋めるという手法は通用しません。
幸い、今回の傷は比較的浅め。
修復不可能というレベルではないです。
補修方法には、革の繊維を寝かせる手法を採用することにします。
革のキズ補修|実践編
早速ですが実際に、
- 傷周辺の革の繊維を寝かせることで傷を消せるかどうか
を検証がてら、やっていきます。
まずは傷が付いた靴の紹介から。
先ほどお見せした傷はこちらの靴、シェットランドフォックスのウィンストンに付いたもの。
コードバン革の繊細な革靴です。
…にもかかわらず、傷をつけてしまいました…。
くよくよしている暇はありません。
実践あるのみです。
上記の工程は、以下の順序で実施します。
- ホコリを落とす
- 革の繊維を柔らかくする
- 革の繊維に力を加えて寝かせる
- ブラッシングでツヤ出し
そこまで難しい作業はありません。
では、実際の作業に移ります。
ホコリを落とす
まずは靴のホコリ落としから。
馬毛ブラシでブラッシングして補修部分のホコリを払います。
シューケアの基本はホコリ落とし。
今回も例外ではありません。
革の繊維を柔らかくする
続いて、補修箇所の革を柔らかくする工程に入ります。
なぜ革を柔らかくするかというと、今回の補修は浮いた革の繊維を力づくで寝かせるという手法。
革が柔らかい方が、革の繊維をより寝かせやすくなるのです。
そして、革を柔らかくするには革に油分や水分を含ませてあげることが重要です。
革を柔らかくするのに使用するのはこちら。
サフィールノワールのレザーバームローション。
こちらのローションはビーズワックスベースの保革用クリームで、ミンクオイルが配合されており、革をシットリ柔らかくするには最適です。
おまけに汚れ落とし効果もあります。
補修前に傷ついた部分をきれいにすることもできる、一石二鳥のローションなのです。
レザーバームローションを少量クロスに取り…
傷が付いた箇所を拭きます。
レザーバームローションを使うことで、補修箇所の汚れを除去すると同時に革がシットリする効果が得られます。
革の繊維を寝かせる
次は革の繊維を寝かせて傷を消す工程です。
使用するのはこちら。
アビィ・レザースティックです。
レザーソールやコードバンのケアでお世話になっている、水牛の角で作られたスティック。
表面が非常になめらか。
ゆえに繊細なコードバンのケアに使われるものなのですが、牛革のケアにも使えます。
今回はたまたまコードバンの革に傷が付いてしまったので傷補修用に使用していますが、カーフレザー等の他の革種でも手順は同じです。
レザースティックで傷ついた箇所を力を込めてこすります。
一方向だけでなく、あらゆる方向からこすり、補修箇所全体の革をまんべんなく潰しましょう。
レザースティックでこすった後はこのような状態に。
傷が消えているのがわかりますね。
ブラッシングでツヤ出し
この工程ではブラッシングをします。
というのも、先ほどの作業で革にこすった跡が付いています。
そのため、ブラッシングして消していきます。
仕上げの作業です。
仕上げに使用するブラシといえば山羊毛ブラシ。
山羊毛ブラシにハンドラップで極々少量の水を付けて、ブラッシングします。
円を描くように優しくブラシをかけていきましょう。
これにて傷補修の工程は終了です。
仕上がりを見てみましょう。
傷が消えました。
補修前はハッキリと付いていた傷の線がなくなり、本来の革の美しさを取り戻せましたよ。
革の擦りキズの補修が難しいならプロの力を借りよう
やっぱり難しいなぁ…
とお悩みの人は、プロの力を借りるのも方法の1つです。
プロフェッショナルなら、仕上がりの良い確実な仕事をしてくれます。
宅配クリーニングのリナビスは革のクリーニングサービス。
クリーニング?
リナビスは革のクリーニングだけでなく、傷やこすれの修復・仕上げもしてくれます。
汚れ落としだけでなく、革靴を美しくよみがえらせる、
- クリーニングパッケージ
のイメージです。
- 洗い
- 乾燥
- 修復
- 仕上げ
上記を一括で請け負ってくれる便利なサービス。
熟練技術を持つプロフェッショナルの仕事で革靴を見事によみがえらせます。
革靴だけでなく、財布やカバンなど、革製品全般のクリーニングと修復が可能です。
自宅に居ながら、サイト上で依頼できるのも便利なポイント。
価格は1足あたり17,600円と高めですが、クリーニングと修復、仕上げまでのすべてを1度の依頼でしてくれるのでコスパ良し。
手間もかからず、ラクです。
ブランド品にもバッチリ対応。
高価なブランドシューズだからこそ、確かで高品質な仕上がりにしたいもの。
そんな人に特におすすめなのがリナビスです。
項目 | 詳細 |
特長 | 革製品の宅配クリーニングサービス。 クリーニングだけでなく、修復・メンテ・仕上げまでを一括対応。 |
価格 | 1足あたり17,600円 送料無料 |
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革の宅配クリーニング「リナビス」の特徴を詳しく解説した記事を見る
革靴に付いた傷は消せる
最後に、補修前後での靴の状態を見てみます。
並べてみると一目瞭然。
あれほどクッキリと付いていた傷が補修後にはまったく目立ちません。
革を寝かせる工程を踏むだけでこれだけの差が出ます。
恐るべし、レザースティック。
ただ、注意点が1つ。
今回の作業はあくまで革の繊維を寝かせて傷を埋めるというもの。
比較的浅い傷だったのでそれだけで傷がなくなりました。
しかし、革の奥深くまでえぐれた場合は繊維を寝かせるだけで不十分な場合があります。
革のえぐれには、革靴補修剤やパテなどでえぐれた箇所を埋める方法が有効です。
そもそも、大きな傷は作りたくないというのが正直なところですが…。
こればっかりは何が起こるかわかりませんからね。
対策を知っておくことも重要ですよ。
それでは、今回はこの辺で。
傷が付いてしまった革靴の修復についての紹介でした。
少しでも参考になれば幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました!
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