靴磨き

シェットランドフォックスのコードバン靴をケアする方法を実践解説

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繊細な革というイメージが強いコードバン。

ですが、コードバン靴のお手入れも、

  • ある1点

にだけ注意すれば、いつもの靴磨きと何ら変わりません。

それはなんなのか。

今回はそんなコードバン靴の靴磨きを実践解説します。

日本のシューズメーカーであるリーガルが展開するブランド、

のコードバン靴であるウィンストン

今回はウィンストンのアッパーはもちろん、ソールとコバにいたるまで、靴磨きをガッツリやっていきますよ。

ということで、本記事ではシェットランドフォックスのウィンストンのお手入れ方法を手順を追いながら紹介します。

一路
一路
かなりの長編ですが、ぜひともお付き合いを!

靴磨き本編は、下記目次をクリックすればジャンプできます。

シェットランドフォックスとは

まずは、シェットランドフォックスというシューズブランドについて説明します。

シェットランドフォックスは、日本のシューズメーカーのリーガルが展開する靴ブランドの1つです。

ブランドの立ち上げは1982年と歴史あるものですが、ブランドコンセプトと市場ニーズのズレによって一定期間の充電期間がありました。

そののち、2009年に再始動したブランドです。

リーガルが積み重ねてきた日本人の足型のデータを余すことなく盛り込み、最高のフィッティングと履き心地を提案するシューブランド。

それがシェットランドフォックスです。

靴づくりのポリシーとして、

  • 長く履ける靴
  • 愛着を持てる靴

を作るということを掲げており、シューズラバーにとってはたまらない靴を次々と世に送り出しています。

そういった靴づくりをしているため、必然的に手間と時間のかかる木型で靴を作ることになり、様々な技術や研究成果が盛り込まれた至高の革靴となっています。

具体例としては、他の靴と比較して、靴の中心を少し内側に寄せることで自然な履き心地足の負担の軽減を達成。

また、歩行時の安定性を考慮して、靴のかかとのアーチ部分の表革と裏革の間に挿入する芯材である「カウンター」の土踏まず側を長くしています。

それにより、フィッティング性の向上はかる工夫もあり。

結果として、履きやすく疲れにくい靴となっているのです。

この長いカウンターを入れることによって、アッパーのアーチ部分は手作業での釣り込みが必要になります。

しかし、手間よりも履く人の事を優先した、まさにブランドポリシーを表現した靴の製法です。

また、革の品質という点でもシェットランドフォックスのこだわりは徹底されています。

今回磨く靴であるウィンストンに使用されている水染めコードバンも、その入手のしにくさを踏まえると、ブランドの並々ならぬ革へのこだわりを感じます。

コードバンというと、アメリカはホーウィン社が提供するコードバンを使用した、オールデンの靴を思い出しますよね?

ホーウィン社の油をたっぷり染み込ませたオイルコードバンとはまた違った表情をこの水染めコードバンは見せてくれます。

今回磨く靴のウィンストンは水染めコードバンを使用し、馬革本来の美しさをより引き立たせた仕上がりとなっているのです。

シェットランドフォックスのコードバン靴をお手入れする方法

何度も述べますが、今回磨く靴であるウィンストンはコードバンを使用しています。

冒頭で書いた通り、コードバンの靴を磨くときは、ある一点にだけ注意さえすれば、通常のカウレザー(牛革)の靴を磨く方法で問題なく行うことができます。

その注意すべき点とは…。

  • 水分との接触を避ける

ということです。

コードバンは極端に水を嫌います。

それを説明するためには、まずコードバン革を知らなければなりません。

コードバンというのは馬のお尻の「皮」をなめすことで作られる「革」です。

お尻の皮を使用するので、馬一頭から採ることのできる量はかなり限られます。

希少な革です。

牛革が革の裏側の「床面」の上に、革の表側の「銀面」が張付いている2層構造が特徴。

対して、コードバンは床面のコードバン層のみで構成される単層構造であることが挙げられます。

また、革の繊維が縦に並び、かつそれが牛革とは比較にならないほど緻密に敷き詰められた構造をとっているのです。

コードバンの繊維を強制的に寝かしつけることで、独特の光沢となめらかさを生み出しているというわけです。

コードバンが水に弱いというのは、

  1. むりやり寝かせた繊維が水を含むことで膨らむ
  2. 元の縦に並んだ状態に戻る
  3. 繊維が部分的に起毛
  4. シミのような見た目になる

という段階を踏んで起こるのです。

靴に限らず、コードバン革を使用した製品を扱う際はこの点に注意すると良いです。

コードバンが水に弱い理由が分かったところで、実際に靴磨きをしていきましょう。

ただ、今回は革靴のフルケアと称しているので、下記の順番でお手入れしていきます。

ウィンストンのフルケア手順
  1. レザーソールのケア
  2. コバのケア
  3. アッパーのケア

順を追って説明します。

シェットランドフォックスのレザーソールのお手入れ

靴の下層部分からお手入れ開始です。

まずはレザーソールからお手入れします。

レザーソールのケアはおろそかになりがちですが、アッパーのケア同様に重要です。

レザーソールは地面との摩耗で徐々に削れていきますが、革に潤いがない場合、摩耗の進行度合いが加速してしまうのです。

結果的に、レザーソールの乾燥が靴の寿命を縮めてしまうことになってしまいます。

オールソール修理となると、財布にも優しくないですからね。

こまめなケアがランニングコストを下げることにも繋がります。

ですので、ソールもしっかりとケアして、潤いを保持してあげることがとても重要なのです。

ソールのケアは以下4工程を実施します。

  1. ホコリ落とし
  2. 汚れ落とし
  3. 油分補給
  4. 革面を整える

手順が多く面倒と思うかもしれません。

しかし、これをするかしないかで、靴の寿命が年単位で違ってきますよ。

ホコリ落とし

まずはホコリを落とすためにブラッシングします。

レザーソールは柔らかいため、地面に落ちている小石がソールに食い込んでいることがあります。

そのため、最初はある程度硬めの毛で小石をかき出してあげることをオススメします。

僕はタワシを使用しています。

一路
一路
抜群の使用感、便利ですよ!

小石などの比較的大きめのごみを落としたら、次は馬毛ブラシで細かなホコリを払います。

手首のスナップを利かせて、「こする」というよりは「払う」というイメージで。

ちなみに僕は、アッパー用のホコリ落としブラシレザーソール用のホコリ落としブラシをそれぞれ用意して使い分けています。

気分的に、「レザーソールに使用したブラシをアッパーに使いたくないなぁ」というのがあったので。

まぁ、靴磨きに不正解はありません。

それぞれが、気持ち良く靴を磨ける方法で行うことが一番重要と考えています。

何事も楽しんでなんぼです。

汚れ落とし

ホコリを落としたら、次は水汚れやソールに沈着してしまった頑固な汚れをクリーナーを使って除去します。

毎度おなじみ、M.モゥブレィのステインリムーバーを使います。

 

クロスに取って、ソールを拭き拭き。

削れたソールは水分を吸い込みやすい状態になっています。

そのため、ステインリムーバーもアッパーをケアするときよりも少し多めに取って、しっかりと汚れをからめ取れる量を確保するようにしましょう。

ソールは靴の部位の中でも最も汚れやすい箇所です。

クロスの黒ずみも半端ではありません。

この工程を、クロスに付く汚れが少なくなるまで数回繰り返します。

レザーソールがクリーナーの水分を含むことで濃い色味となっています。

一路
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次の工程に進みます!

油分補給

汚れ落としが終わったら、油分補給を行って革に潤いを与えます。

使用するのはこちら。

M.モゥブレィのレザーソールモイスチャライザー」。

レザーソール用の栄養クリームです。

このクリームはソールに栄養を与え、同時に柔軟性も高めることができる優れもの。

履き下ろした靴に使用することで、ソールの返りを良くすることも可能なため、フィッティング性も向上させることにも使えます。

そんな優等生クリームをペネトレイトブラシに取りまして…

レザーソールに満遍まんべんなく塗り込みます。

ソールはクリームを吸い込みやすくなっていますので、ソールの状態を見つつ、場合によっては適宜クリームを追加していきます。

両足に塗り終えました。

潤い120%の状態です。

革面を整えて引き締める

クリーム塗布の次は、ソールの面を整える作業です。

レザーソールは革であり、その構成要素は繊維です。

クリーナーやクリームには水分が含まれており、革がその水分を含むことで、その繊維が緩みます。

そういった、緩んでしまった革の繊維を引き締めることで、革の強度を保つとともに、美しさも維持することができるのです。

革を引き締めるには、その革を圧縮するように力を加えることが必要。

そのために使用する道具がこちら。

アビィ・レザースティック

水牛の角で作られたスティックで表面は非常になめらか。

これをクロスで包んで、レザーソールに押し当て、革に力を加えていきます。

 

力を加えてレザーソールをこすっていくと、徐々に革が光沢を放ってきます。

革の繊維が引き締まることで密な状態となり、光を反射しやすくなるのです。

レザースティックでレザーソールを引き締めた後の状態がこちら。

ケア前の乾燥した革の状態とは異なり、革本来が持つ独特の雰囲気を取り戻していますね。

一路
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やはり革はこの状態が美しいです!

以上で、レザーソールのケアは終了です。

シェットランドフォックスのコバのお手入れ

次はソールから少し上に移動しまして…。

コバのケアです。

こちらもレザーソール同様、靴磨きでは忘れがちな箇所。

ですが、この部分をしっかりとお手入れするかしないかで靴の雰囲気は大きく異なってきます。

この部分が汚れていると靴の存在感がぼやけてしまう感じがします。

個人的に。

コバのお手入れも革靴を美しく保つには大事。

早速、お手入れ開始です。

コバにクリームを塗る

コバに関してもステインリムーバーで汚れを取り除きまして…

一路
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コバのお手入れにはこいつを使います!

M.モゥブレィのウェルトクリーム

チューブタイプの乳化性靴クリームです。

このウェルトクリームは通常の靴クリームと同様、コバの皮革に浸透して栄養を与えることはもちろん、コバ用クリームというだけあって染色力も高いです。

キズや色あせした部分の補色に効果を発揮します。

ポリッシュ並みとはいかないまでも、光沢感も与えることができます。

これをクリームに付属しているコバ用ブラシに付けて、コバに塗りこんでいきます。

 

このブラシは柄があるということと、ブラシ部分が小ぶりで小回りが利くので、かなりハンドリング性が良く、コバ部分に使うにはピッタリです。

クリーム塗布後の様子。

いい感じで補色されました。

コバを磨く

次に、豚毛ブラシでブラッシングしてクリームをなじませてから、クロスで拭き上げて余分なクリームを取り除きます。

 
一路
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少しでも躍動感が伝われば幸いです!

ツヤが出ました。

これだけでも十分なんですが…、今回はもうひと手間加えます。

コバにワックスを塗る

サフィールノワールのミラーグロス

このミラーグロスは通常のワックスよりも早く、より輝きを強くするために作られた鏡面磨き専用のワックスです。

カルナバワックスやモンタンワックスをはじめとした、高級天然ワックスをふんだんに使用しているため、従来のワックスとは一線をかくす使用感と効果を発揮します。

具体的には、通常のワックスよりも断然時間をかけずに鏡面仕上げを作ることが出来るのです。

ただ、ミラーグロスは保革機能や栄養補給を行うことはできません。

そのため、仕上げ用として使用します。

今回は事前にウェルトクリームでしっかりと保革を行っていますので、心置きなくミラーグロスを使用できます。

一路
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ミラーグロスでガッツリ光らせていきますよ!

指に少量を取って、コバに塗っていきます。

 

塗り終わりました。

この時点ではまだ光り方は控えめ。

この状態からクロスに水を付けてコバを磨いていきます。

コバをさらに磨いていく

この工程は鏡面磨きの方法と変わりません。

 

あまり力を入れずに、滑らせるようにコバを磨いていきます。

磨き途中の様子はこちら。

ワックスなので当然、水をはじきます。

コバにミラーグロスやワックスを乗せると水汚れも付きにくくなりますから、オススメです。

 

輝いています。

ちなみにこれ、ミラーグロスを一層乗せただけ、クロスでの水磨きもコバ全体を一周させただけです。

それだけでこの輝き。

もっと磨き時間をかけてあげれば、その輝きはますます増すことでしょう。

一路
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ミラーグロス…、恐ろしい子!

そして…、ヘビロテ確定。

テンション上がったところで次、行きますね。

シェットランドフォックスのアッパーのお手入れ

続きまして、いよいよ来ました、

アッパーの磨き

です。

なんだかんだ言っても、靴磨きの花形はやっぱり甲の部分ですよね。

靴の美しさを最も左右するのがアッパーの美しさ、これは間違いないです。

コードバンの甲革、しっかりお手入れしていきます。

手順は以下の通り。

  1. ホコリ落とし
  2. 汚れ落とし
  3. 靴クリームの塗布
  4. 繊維を寝かせる
  5. 馬毛でのブラッシング
  6. クロス山羊毛ブラシで磨き上げ
一路
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今回のメインの工程ですから、きっちり抜かりなく行います!
 
一路
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靴ひもを外して準備完了です!

ホコリ落とし

まずはアッパーのホコリ落としです。

定番の馬毛によるブラッシング。しっかりホコリを落として、後の栄養補給に備えます。

タンと羽根の間も入念にブラッシングして、隙間に入り込んだホコリも残さず払いましょう。

コバのステッチ部分も忘れずに。

この場所は地面に近いというのもあり、ホコリなどが非常に溜まりやすいので、ガッツリブラッシングしておきましょう。

汚れ落とし

ホコリ落としの後はアッパーの汚れ落としです。

今回使用するのはサフィールノワールのレザーバームローション

このローションは汚れ落とし・栄養補給・光沢付与が一度に行える万能クリーム。

コードバンにはこの内の「汚れ落とし効果」を期待して使用します。

先ほど述べた通り、コードバンは水に弱いので、ステインリムーバーなどの水分多めなクリーナーを使用するのはちょっぴり勇気がいります。

靴磨きを始めてまだ日が浅い方ですと、水性クリーナーを付けすぎてしまって、革に深刻なダメージを与えてしまう可能性があり、繊細なコードバンはその可能性がより高くなります。

そのためそれらのリスクが低い、比較的油分が多く含まれる、このレザーバームローションをオススメします。

とはいっても、靴磨きに慣れていて使用するべき分量が分かっている方は、どんなクリーナーを使用しても、何ら問題はないです。

一路
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経験値はとても重要な要素です!

このローションをクロスに取って、靴を拭き上げます。

 

力を入れずに、表面の古いクリームだけを落とすイメージで行うと良いでしょう。

前回の靴磨きで塗った靴クリームが除去できています。

汚れ落とし完了です。

一路
一路
すっきりしたかい?
愛しのウィンストンちゃん!(←)

靴クリームの塗布

続きましては、靴クリームを塗ります

使用する靴クリームはこちら。

信頼と実績のサフィールノワールから、コードバンクリーム

コードバン革用に特別に作られた、専用クリームです。

保革・栄養効果の高いニートフットオイル(牛脚油)や上品なツヤを生み出すビーズワックスをベース配合し、コードバン特有のツヤと風合いを保ちます。

水分少なめ、固めのクリームとなっています。

こちらを馬毛のペネトレイトブラシに取りまして…

アッパーに塗っていきます。

コードバンは繊細な革なので、ホコリ落としだけでなく、靴クリームの塗りこみ・ブラッシングにも馬毛ブラシを使用することをオススメします。

豚毛よりも馬毛の方が柔らかいので、コードバンを毛羽立たせる心配がありません。

コードバン繊維を寝かせる

この工程がコードバンの革靴磨きの肝であり、醍醐味だいごみです。

クリームを塗った後に、「コードバンの繊維を寝かせる」という工程を踏みます。

コードバンの革の繊維は、水濡れなどのちょっとした刺激に敏感に反応して毛羽立ちます。

いくら気を付けて靴を履いていたとしても、いつかはそういった毛羽立ちは起きてしまうものです。

ただ、その毛羽立ちは解消することが可能です。

一路
一路
要は繊維が立ってきたのならば、再度寝かせてやればよいだけ!

そこで靴クリームを塗った直後、革にある程度柔軟性が出てきた段階で、革の繊維を押し込んで寝かせるという工程を踏むのです。

気になる使用道具はこちら。

レザーソールのケアの時にも使用した、アビィ・レザースティック

一路
一路
二度目の登場!

今回はなめらかなコードバンに使用するということで、クロスに包まず、裸で使用します。

 

甲部分からサイド部、かかと部に至るまで、アッパー全体をスティックを使って力を込めて革を押し込んでいきます。

大事なのはコードバンの繊維を押し込み、寝かせるイメージです。

スティック使用後はこんな感じで革に筋が入ったようになります。

この状態だけを見ると、

通りすがりの御方
通りすがりの御方
え?
大丈夫?

となるかもしれませんが、全く問題ありません。

一路
一路
次の工程のための前フリの段階なんですよ、ここは!

馬毛ブラシでクリームを馴染ませる

コードバンの繊維を寝かせたら、次はブラッシングです。

使用するのは馬毛ブラシ

理由は先ほど述べた通り、豚毛だと繊細なコードバンをいためてしまうかもしれないからです。

ホコリ落とし用のブラシとは分けて用意するのがオススメ。

流用すると毛に付いたホコリまでクリームと一緒に塗り込むことになってしまいますからね。

優しく円を描くように、ブラシをすべらせる感覚です。

向かって左側(右足)がブラッシング後、右側(左足)がブラッシング前です。

先ほど、レザースティックを使用したことによる筋が、ブラッシングによって消えていることがお分かりかと思います。

ブラッシング後はツヤも出ていますね。

ポリッシングクロスで磨き上げる

ブラッシングが終わったら、クロスで余分なクリームを拭き取ると共に、靴を磨いていきます。

 
一路
一路
クロスで磨くことでツヤが増しました!

山羊毛でブラシで輝きを付与

クロスだけでも十分にツヤが出ていますが、もうひと段階、手を加えます。

山羊毛でのブラッシングです。

山羊毛のブラシの特徴は、何と言ってもその毛の柔らかさ。

馬毛をはるかに凌ぎます。

その柔らかく、密に詰まった山羊毛が靴上のクリームやワックスをより均一に仕上げ、より強く優雅な輝きをもたらすのです。

更に山羊毛によるブラッシングで仕上がるその質感も、ポリッシングクロスで仕上げたものとはまた違った、

独特の濡れたようなツヤ

を引き出すことが可能になります。

山羊毛ブラシにハンドラップでごくごく少量の水を付けて、ブラッシングします。

 

水の付けすぎ注意です。

水を付けすぎると、ブラッシングしたときにコードバンが起毛して毛羽立ってしまい、逆効果になってしまいます。

ある程度慣れるまでは水なしでも良いでしょう。

一路
一路
それでも十分、ツヤは出ます!

グローブクロスで仕上げ

さらにさらに。

山羊毛ブラッシングの後は、ダメ押しでグローブクロスを使って磨き上げます。

こちらのグローブは片面がコットン、もう片面が「セーム革」となっています。

セーム革とは鹿革の事で、宝石貴金属や時計、カメラのレンズなど、傷がご法度の高級品の汚れを拭くのに最高の素材と言われている革です。

そんなセーム革を贅沢にも、グローブクロスに使用しています。

セーム革をグローブクロスとして用いることで、靴の表面に残る余分なクリーム等を取り除くだけでなく、靴の革をより平滑にする効果もあります。

ツヤ出し効果が早く、しかもしっとりとした光沢が得られるという優れもの。

グローブクロス使用後がこちら。

 

ツヤはツヤでもみずみずしい、しっとりとしたツヤが出ています。

革が生き生きとしているような印象さえ受けます。

ワックスを使用した時とはまた異なる種類の輝きを放っていて、色気のある雰囲気に仕上がりました。

最後に靴ひもを通して…

一路
一路
靴磨き終了です!

やっぱり良いですね。靴磨きをした後の靴を眺めるのは。

お酒何杯でも行けますよ!(ウイスキーを飲みながら)

シェットランドフォックスのコードバン靴を徹底的にお手入れしました

今回はコードバン靴について、ソール、コバ、アッパーという一連の靴磨きを行いました。

コードバン革は確かに繊細で、水に極端に弱いという点もありますが、それ以上に革自体の美しさがあり、足元を彩る力も並みの革では太刀打ちできない程、魅力的な革種でもあります。

コードバンの革靴、しっかりとお手入れをしてあげて、いつまでもその魅力を保っていきたいものです。

それでは、最後に靴磨き後のそれぞれの状態を。

アッパー。

コバ・ソール。

 

購入当時よりも深みのあるツヤを放つ愛しのコードバン靴。

今後もどんどん履いて、磨いて、エイジングを楽しんでいけたらと思っています。

今回はここまで。
少しでも参考になれば幸いです。

ご覧いただき、ありがとうございました!

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