ガラスレザーはケアしないとすぐダメになる?
きれいな状態でガラスレザーの靴を履き続けたい
そんなことを考えている人はこの記事をチェック。
まず。
ガラスレザーにどういった印象を持っていますか?
- 磨かなくてもピカピカ
- お手入れしなくても良い
- 雨の日でも安心して履ける
という意見がある一方で、こんな見方も。
- 革に油分が入らなくて手入れのしがいが無い
- ひび割れが気になる
いろいろな印象を持っている人がいます。
ガラスレザーの印象が様々なのは、ただの革ではない特殊な革種だから。
ガラスレザーは、革の上に樹脂を塗った素材です。
そのため、汚れや水に強く、通常の革のように定期的なケアは必要ないと思われがち。
実際、通常の革靴よりも手入れが簡単で、その頻度も少なくて良いというのは間違いありません。
しかし、まったくお手入れが必要ないかといえば、そうではありません。
美しいガラスレザーの光沢は足元をエレガントに彩り、ガラスレザーのきらびやかさは周囲の人の目を惹き、履く喜びを感じる靴です。
しかし、靴は履いていれば汚れるもの。
汚れたガラスレザーはツヤがくすみ、清潔感が失われます。
汚れたままのガラスレザーの靴を履いていたのでは、日々のコーデがイマイチ締まりません。
そこで大事なのがお手入れ。
ガラスレザーの靴をケアして汚れを落とせば、エレガントな輝きが元通り。
気持ち良く靴が履けます。
ということで、本記事ではガラスレザーのケア方法を紹介します。
手順は以下の通り。
- ブラッシング(ホコリを落とす)
- 汚れ落とし
- 靴クリームの塗布
- ブラッシング(クリームをなじませる)
- クロスで磨く
- ブラッシング(ツヤを高める)
ポイントは油分の多い靴クリームで仕上げること。
ガラスレザーのメリットとデメリットも合わせて解説します。
ガラスレザーは表面を樹脂コーティングした革種
ガラスレザーは、
- なめした革を
- ガラスやホーロー板に貼り付けてから乾燥させて
- 革表面をサンドペーパーでこすり
- 表面を合成樹脂で塗装
した革のことです。
![glass-leather-2](https://ichiro-hobby.com/wp-content/uploads/2022/11/glass-leather-2.jpg)
という人は、以下の記事をご覧ください。
![](https://ichiro-hobby.com/wp-content/uploads/2018/10/leather-tanning-4-320x180.jpeg)
ガラスに貼り付けて乾燥させるからガラスレザーなのですね。
ガラスのような表面だからではありませんので、ココは注意です。
というのも、僕が靴のことを何も知らなかったときは、そういう風に思っていました…。
…話を戻して、と。
樹脂を革の上に塗ることで、樹脂層が革を守る役目を果たしてくれます。
そのため、必然的に汚れに強くなり、傷も付きにくくなります。
製法の発祥をたどると、ガラスレザーは銀面に傷が多い原料の皮を加工するために考案された加工法。
つまりは、
- 質の低い革の表面をごまかす製法
ですね。
革の銀面を傷が目立たなくなるまで削り、染色後にガラス板に貼り付け乾燥させています。
そして、樹脂を塗って表面をきれいに整えているのです。
ガラスレザー処理は、
- 傷が多くてそのままでは製品とはならない質の革に加工を施し
- 表面をきれいに整え
- 製品として堪えるものにする
という意味合いを持ちます。
ですから、使用している革質が異なるという理由で、本革の銀付き革の靴に比べてガラスレザーの靴は安価な傾向にあります。
革質は銀付き革より劣るとはいっても、安価であれば手軽に革靴を楽しめます。
ガラスレザーとエナメルレザーの違い
ガラスレザーと混同されがちなのがエナメルレザーです。
ガラスレザー、エナメルレザーともに表面に光沢があり、エレガントな印象の革種。
ただ、作り方がまったく違います。
ガラスレザーは先ほど述べた通り、なめした革をガラスに貼り付けて乾燥させた後、サンドペーパーで表面を削ってから樹脂を塗ります。
一方のエナメルレザーは、ワニスと顔料を混ぜたエナメル塗料を革に塗った素材。
エナメル塗料の塗布と乾燥を繰り返して作ります。
ガラスレザーとエナメルレザーのもっとも大きな違いは、サンドペーパーで革表面を処理するかどうか。
ガラスレザーはあらかじめ表面を削るので、もともとの皮が持つ傷を隠せるメリットがあります。
エナメルレザーは革表面を削らないので、作る段階で革の選定をする必要があるのです。
目立つ傷は製品としては使えませんからね。
つまり、価格面で差が出ます。
ガラスレザーは使える革の範囲が広いため安価。
エナメルレザーは革の選別があるため、比較的高価となります。
- ガラスレザーの方がとっつきやすい革種
ということです。
エナメルレザーはパテントレザーともいいます。エナメルレザーは19世紀にアメリカの皮革製造業者が開発した素材。特許(パテント)を取得したことが名前の由来です。
ガラスレザー靴のお手入れの必要性
ガラスレザーの革靴は表面に樹脂コーティングされているとはいえ、履いていればホコリは付きますし、汚れます。
そのため、
- ガラスレザーの靴は汚れの除去という観点からケアが必要
です。
銀付き革の場合は汚れ落としはもちろん、革の乾燥を防ぐという面でもケアが必要。
その点はガラスレザーと銀付き革でケア目的が違いますね。
銀付き革の一種、カーフレザーの靴磨き方法は下記で紹介しています。
また、ガラスレザーの靴は履いているうちに入った履きジワに沿って、コーティングされた樹脂層の割れが発生します。
樹脂層が割れると、割れた箇所が若干白っぽくなったりして見映えが悪くなります。
加えて、割れた樹脂層から侵入してきた水や汚れが、
- 樹脂層の下の革自体にダメージを与える原因
を作ってしまいます。
樹脂割れによって起きた靴の変色をカバーすることや樹脂層の下の保革という点で、
- ガラスレザーであっても補色や保湿が必要
になるわけです。
樹脂層の下にある革を保護するため、ロウ分や油分で革に油膜を作り、外からの水汚れの浸透を防ぐ必要があります。
ガラスレザー靴のお手入れ方法を実践で解説
さて、僕のガラスレザーの革靴に対する向き合い方を述べさせてもらったところで、実際に靴を磨いていきます。
この記事で磨くのはコールハーンのガラスレザー靴です。
![](https://ichiro-hobby.com/wp-content/uploads/2018/07/img_3578.jpg)
購入後、履き下ろし前のプレケアをしてから暫くの間、履いた状態です。
履いた後のブラッシングは毎回の恒例行事でしているのですが、アッパーの履きジワがしっかりと刻まれて安定してきました。
また、レザーソールの削れが気になってきたということもあり、この辺りでしっかりとしたケアをしていきます。
作業工程は以下の通り。
- ブラッシング
- 汚れ落とし
- 靴クリームの塗布
- ブラッシング
- クロスで磨く
- ブラッシング
- おまけ:レザーソールもついでにケア
お手入れ前にチェック!ガラスレザーに使う靴クリーム
ガラスレザーのお手入れの前に、気を付けておきたいポイントがあります。
それは靴磨きに使う、靴クリーム。
ガラスレザーは革の表面に樹脂加工が施された革種です。
通常、革に水分や油分を補給するために靴クリームを使うわけですが、ガラスレザーには樹脂コーティング層があるため、クリームの成分があまり浸透しません。
つまり、ガラスレザーのお手入れで大事なのは、
- ガラスレザーを美しく見せること
です。
潤い補給効果の高い靴クリームではなく、
- 革の見た目を美しくする靴クリーム
が適しています。
ガラスレザー靴のお手入れをするときは、ロウ分などの油性成分がより多く含まれている靴クリームがオススメ。
ツヤ出し効果が高いからです。
今回の靴磨きで実際に使う靴クリームは、後ほど詳しく説明します。
ガラスレザーのお手入れで気を付けるべきポイント
使用する靴クリームの紹介ついでに、ガラスレザー靴をお手入れする上で注意すべきポイントを述べておきます。
それが以下の点です。
- 靴クリームを塗り過ぎない
- 靴クリーナーは使い過ぎない
1つは、靴クリームを塗り過ぎないように注意しましょう。
過剰な靴クリームを使うことはガラスレザー以外の素材でも避けるべきですが、ガラスレザーの場合はより注意が必要です。
というのも、先ほど述べた通りガラスレザーには基本的に靴クリームが浸透しません。
クリームが革の上に残ります。
あまりに靴クリームを塗り過ぎると、ガラスレザー上にクリームが残りべたつきの原因になるのです。
べたついた表面はホコリや汚れが吸着しやすくガラスレザーの風合いを損ねます。
靴クリームはあくまでも薄塗りでOK。
片足で米粒1つ分程度の量でまったく問題ありません。
また、靴クリーナーも付け過ぎ注意。
靴クリーナーを使いすぎると、ガラスレザーの樹脂クラック部分からクリーナーの液体が浸透。
樹脂層の下の革にシミができる原因になります。
靴クリーナーは汚れ落とし用クロスが湿る程度の量でクリーニングしましょう。
靴クリームにしろ、靴クリーナーにしろ適量が大事です。
ということで。
注意点を意識したところで作業に移っていきますね。
ブラッシング
まずは馬毛ブラシでブラッシングです。
![](https://ichiro-hobby.com/wp-content/uploads/2018/07/img_3577.jpg)
革靴のお手入れ時には必須であり、最も重要な工程です。
手首のスナップをきかせて、しっかりと靴についたホコリを落とします。
汚れ落とし
次に、ステインリムーバーで水汚れと古いクリームを落とします。
クロスにクリーナーを取りまして…
![](https://ichiro-hobby.com/wp-content/uploads/2018/07/img_3576.jpg)
拭きます。
![](https://ichiro-hobby.com/wp-content/uploads/2018/07/img_3575.jpg)
円を描くようにクルクルとクロスを動かして靴を拭いていきます。
革や樹脂層を傷めないように、力を入れずに滑らせるようにしましょう。
靴クリームの塗布
続いて、靴クリームを全体に塗ります。
ガラスレザーの革靴には、こちらの靴クリームを使います。
![](https://ichiro-hobby.com/wp-content/uploads/2018/07/img_3568.jpg)
M.モゥブレィのコードバンクリームレノベイター。
コードバン?
…と思う人がいるかもしれません。
コードバンというのは水を極端に嫌います。
コードバン製品をお持ちの人はよくご存知でしょうが、コードバンをガッツリ水に濡らしてしまうと水染みができます。
これはコードバンという革の性質上、仕方がないこと。
馬の臀部の革表面の毛羽立ちを無理やり寝かせて輝きを出しているのがコードバンであり、水に濡らすとすぐに革が毛羽立ちを起こしてしまうのです。
そのため、コードバン用の靴クリームというのは、含まれている水分が他のクリームに比べて比較的少ないのです。
水分が少ないと何が起こるか。
水分が少ないということは、相対的にクリーム中の油分が多いということです。
クリーム中の油分が多いと、革に浸透するというよりは、革の上に留まってツヤを出す効果が強くなります。
コードバン用のクリームだとなおさら。
水分が少ない、つまりは相対的に油分が多い状態であるため、革上にしっかりと定着します。
その結果、クリームの色の定着力が強くなったり、撥水性が高まる効果が得られるのです。
ガラスレザーは革表面に樹脂層がありますから、革へクリームを浸透させるというよりは、クリームを革の上に留まらせて、ツヤや撥水性を期待したいところ。
ということは、
- 水分が少ないコードバン用のクリームはガラスレザーにうってつけ
ということなのです。
実際に、このコードバンクリームレノベイターはガラスレザーへの使用にも適していると記載があります。
安心して使えますね。
コードバンクリームレノベイターをガラスレザー靴に塗布していきます。
クリーム塗布に使用するペネトレイトブラシに、コードバンクリームレノベイターを少量取ります。
![](https://ichiro-hobby.com/wp-content/uploads/2018/07/img_3567.jpg)
![](https://ichiro-hobby.com/wp-content/uploads/2018/07/img_3566.jpg)
油性というだけあって、乳化性クリームのようなトロみはありません。
見ての通り、結構硬めなクリームです。
そして、靴へクリームを塗り込んでいきます。
![](https://ichiro-hobby.com/wp-content/uploads/2018/07/img_3565.jpg)
靴全体に満遍なく塗りこみます。
甲の履きジワ部分には特にしっかりと塗って、水分の侵入を防ぐための膜を張りましょう。
ブラッシング
塗ったクリームをさらに均一化するのと、余分なクリームを取り除くという目的でブラッシングします。
![](https://ichiro-hobby.com/wp-content/uploads/2018/07/img_3564.jpg)
僕はクリームごとに使用するブラシを使い分けています。
コードバンクリームレノベイターはコードバン革にも使用しているため、
- ペネトレィトブラシ
- ポリッシュブラシ
ともに馬毛を使用しています。
ガラスレザーをブラッシングするという目的においては、豚毛や化繊といった硬めの毛のブラシでも全く問題ありませんのでお好みでどうぞ。
クロスで磨く
ブラッシングの後はポリッシュクロスで磨きます。
![](https://ichiro-hobby.com/wp-content/uploads/2018/07/img_3563.jpg)
クロスで磨くとツヤが出ます。
この工程は本当に気持ちが良いです。
心も磨かれていくような感じさえします。
山羊毛ブラシでブラッシング
最後に、山羊毛でブラッシングしてさらにツヤを出していきます。
![](https://ichiro-hobby.com/wp-content/uploads/2018/07/img_3561.jpg)
ブラシに少量の水を付けて、円を描くようにブラシ掛け。
この工程を経ることで、ツヤに深みが出ます。
以上でアッパーのケアは終了です。
で・す・が。
この靴はレザーソール。
履いているうちにソールが削れてきてしまいました。
ということで…。
ついでに、レザーソールもケアしていきます。
レザーソールケア
お持ちのガラスレザー靴がレザーソールではないなら、この項目は読み飛ばしてください。
レザーソールのケアは、アッパーのケアと基本手順は同じです。
ブラッシングでホコリや砂利を落としてから、クリーナーで水汚れを落とします。
![](https://ichiro-hobby.com/wp-content/uploads/2018/07/img_3574.jpg)
レザーソールの革が削れてしまった箇所はクリーナーが浸透していくのがわかります。
逆にいえば、そのくらい削れた革は履いているうちに、相当の汚れを地面から吸収してしまうということ。
汚れ落としの重要性が分かりますね。
![](https://ichiro-hobby.com/wp-content/uploads/2018/07/img_3573.jpg)
汚れ落とし終了です。
次の工程で油分を補給します。
ソールといえどもアッパー同様、材質は革ですから油分の補給が必要です。
油分が不足してしまうと、革が乾燥してひび割れを起こします。
そこに油分を与えることで、革が削れにくくなるのです。
革は繊維で構成されているので潤いを与えてあげると、柔軟性としなりが出て耐久性が上がるというわけ。
草木も枯れて水分がなくなるとカサカサ・パサパサになりますよね?
油分で保湿されると、削れにくくなってソールが長持ちするのです。
ソールに油分を与えるために使用するのはこちら。
![](https://ichiro-hobby.com/wp-content/uploads/2018/07/img_3572.jpg)
サフィールノワールのソールガード。
ソールガードはセサミシードオイルやアボカドオイルなどの天然油分を配合しています。
レザーソールに栄養を与えて、水の浸透と劣化から守るためのソール用のオイルです。
ソールガードををソールに塗ると防水性や柔軟性が高まり、革のすり減りやひび割れを防止できます。
…ということで、このオイルをソールに塗っていきます。
塗布方法はとても簡単。
クロスに取って…
![](https://ichiro-hobby.com/wp-content/uploads/2018/07/img_3571.jpg)
ソールに塗りこむだけです。
![](https://ichiro-hobby.com/wp-content/uploads/2018/07/img_3570.jpg)
オイルを塗った箇所は色が変わります。
革にオイルが染み込んでいくのが目に見えて、とても楽しいです。
両足に塗り終わりました。
![](https://ichiro-hobby.com/wp-content/uploads/2018/07/img_3569.jpg)
削れた箇所は明らかにオイルが浸み込んでいるのが分かりますね。
逆に、ソールの削れていない部分はオイルでテカテカ。
この状態で1時間程置いてオイルの浸透を待ち、作業終了です。
ガラスレザー靴を磨いた後の仕上がりを確認
今回磨いたガラスレザーの革靴の仕上がりを見てみましょう。
![](https://ichiro-hobby.com/wp-content/uploads/2018/07/img_3560.jpg)
ピカピカです。
![](https://ichiro-hobby.com/wp-content/uploads/2018/07/img_3559.jpg)
上品な深いツヤが出ています。
同時に、履きジワのところに色が乗り、樹脂割れの白味が軽減されています。
とはいっても、ガラスレザーはもともと輝いていますから、写真では分かりづらいですが…。
お手入れ前後のガラスレザーの状態を比較すると、分かりやすくなります。
![](https://ichiro-hobby.com/wp-content/uploads/2018/07/img_3578.jpg)
![](https://ichiro-hobby.com/wp-content/uploads/2018/07/img_3560.jpg)
磨いた後のガラスレザーは光沢がより強くなり、輝きも均一になっていますね。
これでしばらくは、ホコリ落としのブラッシングだけできれいな状態に保てることでしょう。
ガラスレザーの革靴を気持ち良く履けますよ。
ガラスレザーの良い点とイマイチな点
ガラスレザーの磨き方を一通り紹介したところで…。
最後に、先ほど述べたガラスレザーの特徴を踏まえて、良い点とイマイチな点をあげてみます。
- エレガントな美しい光沢
- ケアしなくても美しさが保たれる
- シミにならない
- クラック(亀裂)が入る
良い点①|エレガントな美しい光沢
ガラスレザーの良い点の1つが光沢が美しいこと。
ガラスレザーのツヤは強く、一般的なスムースレザーと比べても上品かつ高級感があります。
パッと見て、足元の華やかさがガラスレザーは段違いです。
良い点②|ケアしなくても美しさが保たれる
ガラスレザーは表面に樹脂が乗っているため汚れが付きにくく、ケアしなくても美しさが保たれやすいです。
もちろん、全くお手入れしないのも考えもの。
ですが、通常の牛革などと比べ、圧倒的にメンテが楽。
と感じる人には、ガラスレザーは特にオススメの革種です。
良い点③|シミにならない
先述の通り、ガラスレザーは樹脂でコーティングされているため、水に強くシミができにくい特長があります。
雨の日には履くのをためらってしまいがちな革靴も、ガラスレザーなら問題なし。
さほど気にせず、ガシガシ履けます。
気軽に革靴を楽しみたいなら、ガラスレザーはオススメの革種です。
イマイチな点|クラック(亀裂)が入る
一方で、ガラスレザーにはイマイチなところもあります。
ガラスレザーは樹脂コーティングされているため、樹脂割れが避けられません。
いわゆる、
- クラック(亀裂)
です。
一般的に、ガラス加工の樹脂が割れてできるシワは、革自体に入るシワよりも粗く目立ちがち…。
それでも、ガラスレザーならではの美しさがあるため、革靴全体の雰囲気は損なうことなく。
ガラスレザーの革靴を楽しむコツは、
- クラックもまた、ガラスレザーの味の1つ
だと考えることです。
ガラスレザーのクラックこそ経年変化の証
通常のスムースレザーの場合、革の風合いが徐々に変化していきます。
質感や風合いが変化してくのが革の醍醐味ではありますが…。
ガラスレザーでは、革の顕著な変化は見られません。
それがガラスレザーという革種の特徴。
ですが、上記のクラックがいわば、
- ガラスレザーの経年変化(エイジング)
です。
ガラスレザーのクラックを「味」と捉えれば、それも経年変化の一部として楽しめます。
ガラスレザー靴との特徴とお手入れ方法のよくある質問
最後に、ガラスレザー靴についてよくある質問をQ&A方式で回答します。
ガラスレザーはどんな革?
なめし段階で表面を樹脂コーティングした革種です。
ガラスレザーの特徴は?
表面に樹脂加工されているため光沢が強くエレガントな印象の革。
一般的な革に比べると安価です。
水に強い特性があります。
ガラスレザーにお手入れはいらない?
靴クリームの浸透性は高くありませんが、樹脂割れ部分から革に浸透するため無駄ではありません。
お手入れすれば汚れが落ち、革のツヤを高める効果も得られます。
ガラスレザーの色落ちはどのように対処する?
この記事で紹介したコードバンクリームレノベイターなどの着色力の強い靴クリームならガラスレザーにも定着しやすいのでオススメです。
ガラスレザーの寿命はどのくらい?
履きジワが深く入り樹脂が大きく割れない限り、5年程度は履き続けられます。
ガラスレザー靴を末永く愛用するコツはアッパーにクラック(亀裂)を作らないことです。
ガラスレザーの革靴を履いているときは、つま先を極端に曲げ過ぎないようにしましょう。
具体的には蹲踞の姿勢は避けた方が無難です。
![普段の革靴の状態](https://ichiro-hobby.com/wp-content/uploads/2023/03/glass-leather-4.jpg)
![革靴のかかとをあげたときにつま先にできる履きジワ](https://ichiro-hobby.com/wp-content/uploads/2023/03/glass-leather-3.jpg)
お手入れすればガラスレザー靴が長持ちする
本記事では、ガラスレザーの革靴のお手入れ方法を紹介しました。
ガラスレザーの革靴は手入れをしなくても、そこそこツヤのある状態を保てます。
そのため、お手入れが疎かになりがちな靴です。
しばらくケアしなくてもきれいな状態を保てるという点は、長期の出張や旅行時には大変頼りになります。
それでも、キッチリお手入れしてあげれば、より良い状態で履けます。
なにより、お手入れすると靴に対して愛着がわいて、もっとその靴が好きになります。
靴を好きになれば、その靴をより大事に履こうという気持ちが生まれて、靴を長持ちさせることもできるでしょう。
ガラスレザーの靴も銀付き革の靴と同様、お手入れすれば、しっかりとその愛情に応えてくれます。
ぜひ試してみてください。
それでは、今回はこの辺で。
少しでも参考になれば幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました!
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靴磨きを始めたい。けれど道具をそろえるのが面倒…。
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大事な革靴を劣化させないために靴を磨いてコンディションを整えるのがおすすめです。